G検定合格のための勉強法

さまざまな業種の企業から注目が集まっているのが、G検定(ジェネラリスト検定)です。一般社団法人の日本ディープラーニング協会が実施しているこの検定試験は、ディープラーニングの知識を事業に活用するスキルが問われます。G検定合格を目指すときの勉強法のポイントや、出題分野の内容などを今回は紹介していきます。

G検定の勉強法のポイント

G検定の勉強のポイントになるのが、以下の3つです。

出題範囲をまんべんなく学習する

G検定は、人工知能に関する問題、機械学習に関する問題、ディープラーニングに関する問題から構成されています。合格を目指すときは、このような分野についてまんべんなく勉強しておくことが必要です。G検定の問題は、小問も含めると200問以上あります。試験問題のウェイトなどはとくに公開されていないため、どの分野から出題されてもよいようにバランスよく勉強をしておきましょう。

一つひとつのキーワードの意味を理解しておく

各分野で出てくるキーワードの意味をしっかりと理解しておくことも、ポイントのひとつです。G検定の問題は多肢選択式ですが、紛らわしい選択肢が含まれていることも多々あります。消去法で見当をつけるのが難しい問題は、付け焼き刃の勉強では得点するのが困難です。キーワードの意味などの基本的な部分から手を抜かずに勉強しておくのが、合格のコツになるでしょう。

推薦図書を読み込んでおく

日本ディープラーニング協会のサイトでは、シラバスと合わせて例題、推薦図書などがチェックできます。合格を勝ち取るには、推薦図書もひと通り読んでおいたほうが有利になる可能性が高いです。2020年1月の時点では、人工知能や機械学習、ディープラーニングなどに関する合計7冊の推薦図書が挙げられています。

人工知能に関する問題の内容は?

G検定の人工知能に関する問題は、人工知能の定義や人工知能をめぐる動向、人工知能分野の問題などの複数の分野から出題されます。

人工知能の定義

人工知能の定義は、「人工知能(AI)とは」といった基本的な定義のことです。人工知能の定義には曖昧な部分もあるため、有識者の見解などをチェックして正しい答えを選べるようにすることが大切です。日本ディープラーニング協会が監修しているテキストなどを参考にすると、適切な答えがわかる可能性があります。

人工知能をめぐる動向

人工知能をめぐる動向の分野では、画像認識コンペティションの「ILSVRC2012」に関する問題などが例題として紹介されています。人工知能の歩みなどを題材にした穴埋め問題も出題される可能性があるため、これまでの歴史などをひと通り学習しておきたいところです。

人工知能分野の問題

「弱いAI」や「強いAI」、シンボルグラウンディング問題などの人工知能で発生するさまざまな問題点について問われるのが、この分野です。人工知能の運用でどのような問題が発生するかをチェックしておくことが、確実に得点をするコツになるでしょう。

機械学習に関する問題の内容は?

機械学習に関する問題は、シラバスの「機械学習の具体的手法」が出題範囲です。この分野では、機械学習の手法やデータの扱い方、応用などについて広く問われます。

教師あり学習、教師なし学習の手法はひと通り押さえておく

公式サイトの例題では、学習の種類を問う基本的な問題が取り上げられています。ただ、実際の試験では教師あり学習の線形回帰やロジスティック回帰、教師なし学習のK-平均法などについて詳しく問われる可能性があります。ランダムフォレスト(決定木)やブースティングといった手法も、出題の可能性が高いトピックです。正答率をアップするためには、それぞれの学習の手法をひと通り押さえておくことが必要です。

各手法のメリットやデメリットもチェック

機械学習の手法のメリット、デメリットも、試験勉強でチェックしておきたい部分です。G検定では、各手法でできることや問題点なども問われる可能性があります。メリット、デメリットを知っていれば、回答がしやすくなるかもしれません。

ディープラーニングに関する問題の内容は?

ディープラーニングに関する問題は、ディープラーニングの概要、ディープラーニングの手法、ディープラーニングの研究分野の3つに大きくわかれています。

ディープラーニングの概要

ディープラーニングの大まかな概要について問われるのが、この分野の問題です。具体的には、ディープラーニングとニューラルネットワークの違いやニューラルネットワークの問題点などが出題範囲に含まれています。例題では、ディープラーニングが必要とされている理由などが取り上げられているため、普及の背景についてもひと通り把握しておきましょう。

ディープラーニングの手法

この分野では、活性化関数や学習率の最適化などが出題範囲になっています。畳み込みニューラルネットワークのCNNやリカレントニューラルネットワークのRNN、深層強化学習なども出題範囲に挙げられており、試験では幅広い手法について問われる可能性があります。

ディープラーニングの研究分野

画像認識や自然言語処理といった研究分野について問われるのが、こちらの分野です。例題では、自然言語処理がRNNの向上にプラスになった理由などが取り上げられています。研究の背景や動向などに目を配っておくことが、スムーズに回答するためのポイントになるでしょう。

ディープラーニングの応用に関する問題の内容は?

シラバスには、「ディープラーニングの応用に向けて」という学習項目があります。この分野で学習するのが、ディープラーニングの産業への応用や法律、倫理、現行の議論などです。具体的には、AIと社会の関わりやIEEEの倫理的に調和された設計、データの集め方などが学習内容に含まれています。こういった分野の問題では、ディープラーニングを用いるときの注意点やプライバシーの守り方、リスク管理などが広く問われる可能性があります。AIの開発に携わるうえでも、しっかりと勉強しておきたい分野です。

出題範囲が広いG検定は早めに勉強を始めよう

ここで紹介したように、G検定は出題範囲が多岐にわたっています。試験はエンジニア以外の一般社員も多く受験していますが、合格するには専門的な知識が必要です。推薦図書を利用したり、G検定に特化したセミナーに参加をしたりすると、比較的スムーズに知識が習得できるかもしれません。受験を考えている人は、自分に合った方法で早めに準備を始めておきましょう。