さまざまな業界でAIを活用した開発が進み、AIエンジニアのニーズが高まっています。AIスキルを身に付けてデータサイエンティストなどの仕事に転職したいという人には、資格取得をしてスキルの証明が必要です。ここでは、AIに関わる知識が証明できるG検定やＥ検定というディープラーニング関連の資格について詳しく紹介します。
AI資格を取得するメリット
AIエンジニアとしてすでに開発に携わっている方は、転職時などには職務履歴書で開発の経歴を書くことがあるでしょう。携わったプロジェクトだけでは持っているAIスキルがどの程度のものかは判断できません。
そこで有効なのがG検やE検定などのAI資格です。すでにPythonなどのプログラミングを使っているITエンジニアがさらにAIのスキルを学ぶ時、資格の取得を目標に独学すれば、理論の理解から実装まで効率的に学ぶことができます。将来的にも市場の成長が期待でき、70万人以上の求人ニーズがあると言われているAI分野では、新しい技術のため情報収集が欠かせません。資格合格者のみが利用できるコミュニティを利用すると、情報収集やスキルアップに役立ちます。
G検定とE資格の違いとは
一般社団法人日本ディープラーニング協会では、ディープラーニングの知識を証明する検定試験を実施しています。その資格は、G検定とＥ検定です。G検定で得られるG資格は、ディープラーニングを事業にどう活用していくのかをプランニングする人材であることを証明します。G資格は、ディープラーニングを活用して事業に応用していくだけの知識を有しているかを判断する資格で、営業職や企画職の受験が多いです。G資格を取ることで、AIエンジニアとのコミュニケーションがよりスムーズになり、人工知能関連事業をより理解することができるメリットがあります。資格では、人工知能や機械学習の基礎知識から法的ルールまで幅広い知識を得ることが可能です。転職時には書類選考が不要になったり、名刺に認定ロゴを記載できるなどのメリットがあります。
参照サイト：jdla.org/business/certificate/
E検定は、ディープラーニングの理論を理解し、実装までが可能なエンジニアであることを証明してくれる資格です。幅広い理解が求められるディープラーニングの分野で、体系的な知識があることや実装能力があることを示してくれます。数学などを専攻してきた方や、システムエンジニアとして仕事をしている方のキャリアチェンジに、この資格が有効です。E資格取得のためには、JDLAが認定するプログラムを受講した上で、試験に合格しなければなりません。認定プログラムは現場ですぐに使える実装力を高める実習が中心なので、スキルアップをしたいエンジニアにも最適です。
検定試験の難易度や受験方法
AIエンジニアやデータサイエンティストを目指す人はスキルの証明が必要ですが、G検定やE検定の難易度はどの程度のものでしょうか。G検定では、受験資格は特になく誰でも試験を受けることが可能です。年間3回程度の試験が実施されていて、試験はオンラインなので自宅やオフィスから受験ができます。試験は120分で約226問の知識問題の出題です。ディープラーニングG検定公式テキストが発売されているので、そのテキストを元に学習していきます。内容はディープラーニングの代表的な手法についてや研究分野、各産業における応用事例などです。G検定の合格率は60％近い値で、参考図書に出てくる知識をしっかりと身につければ合格できる難易度になっています。ディープラーニングの関連書籍は多くあり、受験前にいくつかの書籍を読んで知識を深めておくとよいでしょう。
E資格は年に2回実施されていて、受験資格は、JDLA認定プログラムを試験日の2年以内に修了している必要があります。120分の内容で約108問が出題される試験です。試験会場は全国で指定された会場で行われます。出題問題は、応用数学理論や機械学習の実用方法、ディープラーニングの最適化や開発についてです。過去のE資格の合格率は60%以上の値でした。試験前に受講する認定プログラムは、オンラインや講義形式で学ぶことができます。仕事をしながら、複数の企業の講座から自分にあったものを選ぶことが可能です。
G資格受験者で一番多いのは30代で、20代から50代まで幅広い人が試験を受けています。E資格では、20代が一番多く、20代〜40代の人が中心です。業種はどちらもソフトウエア業や情報処理提供サービス業に携わっている人が半数以上を占めています。ITに関わる仕事をしている人が業務上のニーズや転職、自己啓発のために受けているのです。しっかりと学習すれば合格できる有益な資格なので、ディープラーニングに興味がある方は今後のキャリアのためにもぜひ受験してみましょう。
ディープラーニングの知識や技術を証明するG検定とＥ検定
AI関連の知識や技術を証明する資格にG検定やE検定があります。G検定ではオンライン受験、E検定でも認定講座はオンラインの学習ができ、忙しい方でも仕事と両立しての学習が可能です。受験をするための参考図書や認定講座を利用することで、より体系的な知識と技術を身に付けることができます。転職やキャリアの証明に活用しましょう。