多くの仕事で活用されている人工知能を問うための試験及び資格として、G検定が注目されています。人工知能やディープラーニングに関する幅広い知識を問うための試験という性質もあり、資格を取得するためには、体系的な学習が必要です。ここでは、G検定に合格するための勉強方法や時間を中心に、詳しく紹介していきます。
G検定の概要と受験するメリット
人工知能に関する知識を体系的に理解し、なおかつ身につけた知識を実際の業務に活かせるかを問うための試験及び資格が、JDLA主催のG検定です。年に2回から3回程度実施され、年齢に関係なく誰でも受験が可能となっています。一般の人が12,960円、大学生など学生の人は5,400円が、1回の受験料金として設定されており、試験日については随時公式サイトで確認する必要があります。オンラインで資格試験を行う形式を採用しているため、パソコンを持っていれば、自宅でも受験が可能です。
出題数は200問以上
G検定の試験時間は120分と設定されており、出題された問題に対して、複数の選択肢から選ぶ方式を採用しています。G検定では、人工知能と機械学習、及びディープラーニングという3つの分野をベースとして出題され、200問以上の小問に答える必要があります。試験に合格すると、JDLAのG検定合格者と証明できるロゴを、名刺などの書類に記載可能となり、同時にJDLAが主催する、G検定合格者限定のコミュニティへの参加資格を得られます。
G検定の受験者
G検定は、人工知能やディープラーニングが関係する仕事を効率良く行うための資格ですが、営業職やマーケティング担当者などが、主な受験者として想定されています。G検定を取得している営業職の場合、商談などの場で人工知能に関する技術を詳しく説明できるといったメリットがあります。
G検定の出題傾向と対策
G検定に必要な知識
G検定で問われる知識は、人工知能と機械学習、並びにディープラーニングの3分野が軸となっています。大まかな出題範囲は、JDLA出版の公式テキストに載っているため、公式テキストを使った受験勉強が中心となります。勉強する際は、テキストに載っているシラバスに沿って進むと、体系的に理解できるようになります。テキストに記載されている知識を一通り勉強した後は、公式の問題集を使って、試験問題を実際に解いてみます。G検定の受験対策としては、紹介した2冊をベースとして進めていきます。
この他、G検定合格に必要な勉強としては、人工知能やディープラーニング関連の法律も覚えておく必要があります。具体的には、自動運転のレベルなど、日常生活において身近な内容が問われます。従って、最新の法律を網羅した本にも目を通しておくと、試験で有利となります。また、ディープラーニングに関する入門書なども、G検定対策においては非常に効果的と言えます。ただし、ある程度の知識がないと理解できない可能性が高いため、初めてディープラーニング関連の勉強をする人は、公式テキストでの勉強を重点的に行ったほうが無難です。
押さえておきたい数学
G検定では、高等学校で学ぶ範囲の数学の知識が問われるケースもあります。関数や行列演算、標準偏差などの確率等、幅広い知識が要求されますが、中でも微分の知識は、G検定受験において頻繁に出題されます。よって、G検定の試験勉強は、公式テキストでの勉強に加えて、高等学校の数学の内容も復習しておく必要があります。大学などで文系を専攻していた人の場合は、数学系の勉強も含めてG検定対策と言えます。
G検定合格に必要な勉強時間
最低でも60時間は勉強しよう
人工知能や機械学習、ディープラーニングに関する知識を問うG検定の大まかな勉強時間は、1日2時間程度として、合計60時間程度と言えます。受験当日から逆算して、2ヶ月前から開始する必要があり、1ヶ月かけて基本的な知識を習得、残りの期間で問題集を解いて試験の対策を行います。ただし、文系を専攻していたなど、数学が苦手な人の場合は、さらに1ヶ月間を高等学校の数学の勉強に当てます。従って、数学などが得意な人は2ヶ月間、逆に苦手な人は3ヶ月間が目安と言えます。
G検定の試験当日
G検定の試験当日は、テキストなどを見て問題に答えても良いといった、ルールがあります。しかし、問題数が200問以上と非常に多く、しかも幅広い範囲から出題されるため、基本的には120分の間でテキストを見て回答する作業は、非常に難易度の高いものとなります。さらに、全ての問題が公式テキストの範囲内から出るとは限らないため、テキスト以外での体系的な学習方法が要求されます。また、問題数の多さから見て、1問にかけられる時間は30秒程度となります。従って、得意な分野に関しては短時間で答えられるようにしておくなどの対策が必須です。
体系的な理解と理系の知識も必要
G検定に合格するためには、人工知能やディープラーニングに関する知識を、体系的に習得しておく必要があります。勉強時間は、おおよそ2から3ヶ月程度と比較的長期間に渡りますが、テキスト中心の勉強で十分に対策が取れます。ただし、G検定においては、高等学校で学ぶ数学の範囲も出題されるため、理系の知識も多少は問われます。