E資格の出題範囲を完全対策!

E資格の出題範囲を完全対策!

試験合格に向けて欠かせない勉強の一つが、試験前日の「直前対策」。試験の実施回数が少なく、過去問題集による出題形式や出題範囲の分析が難しいE資格では、JDLAの推薦図書が対策の鍵を握ります。必須単元や苦手分野に絞って関連図書を揃えれば、対策方法の少なさを十分にカバーすることが可能です。本項では、2020年度におけるe資格の直前対策に向けて、必要な情報や勉強方法などを解説します。

2020年度の試験日程とシラバスについて

E資格の受験には、主催である「一般社団法人日本ディープラーニング協会」が認定するプログラム(講座)を受講する必要があり、尚且つ「受験日から過去2年以内に修了していること」が条件となります。E資格の認定プログラムは2020年時点で12種が実施されており、それぞれの講座内容・形態などが異なるため、直前対策のスケジュールは講座別に組む必要があります。なお、2020年度におけるE資格の試験日程は、第一回の「2月21日(金)・22日(土)」が既に終了しているため、次回(第2回)として予定されている「8月29日(土)」(*新型コロナウイルスの影響で中止になりました)となるので覚えておきましょう。

もう一つ、直前対策する上でおさえておきたいポイントがE資格のシラバス更新です。E資格のシラバス内容は、ディープラーニング技術の最新動向を踏まえて1~2年に1度ずつ更新が行われています。2020年は更新の時期にあたり、ディープランニングの適用拡大に伴いシラバスも前年度から大きく改訂されました。改訂後は、分散処理やエッジコンピューティングなど「IoT(モノのインターネット)」に関する知識を取り扱うようになり、新たに「軽量化・高速化技術」という大項目が新規で追加されています。

また、既存の単元も出題範囲に変更があり、深層学習の小項目には「深層学習の適応方法」が追加されました。その他にも細かい変更・追加が加えられているので、公式で提示されているシラバス内容を必ず確認しましょう。

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出題範囲を徹底対策

過去問題集の少なさはJDLAの推薦図書でカバー

大抵の資格試験であれば、過去問題集による出題範囲のデータ収集が試験対策の基本となります。しかし、2018年にスタートしたE資格は2020年の時点で過去に実施された試験が4回と非常に少ないです。更に、前述したようにE資格のシラバス内容は更新ペースが早く、出題範囲が大きく変わってしまうので、そもそも過去問題集による対策自体が功を奏しません。つまり、E資格では試験勉強に使える問題集が認定プログラムで出題された課題・例題に限られてしまうため、過去問題集を使わない勉強方法で対策を講じる必要があります。

E資格における直前対策のポイントは「対策方法の少なさをカバーする」ことにあり、その鍵を握るのがJDLAの「推薦図書」です。JDLAの推薦図書は「E検定」向けの書籍が多いものの、「機械学習」や「ディープランニング」を始めシラバスに共通する分野が多く、E資格の勉強にも十分代用が出来ます。初心者向けから実装者向けまで数多くの書籍が取り上げられており、中には「数学」や「理論」といった基礎部分の入門書も含まれています。自分の学習レベルや受講したプログラムに合わせて、最も適した書籍を選びましょう。

推薦図書の他にも、JDLAの「監修書籍」は公式テキストが出版されていないE資格で非常に重宝します。内容はディープランニングの活用が中心とG検定寄りですが、E資格でも幅広い試験範囲をカバーいているためしっかり理解ができるので、推薦図書と共に上手く活用するとベストです。

ディープラーニングについて

深層学習

必須単元の対策や苦手分野の克服を重点的に行うこと

E資格専用の公式テキストや過去問題集が無い以上、推薦図書の読み込みは必須です。E資格のシラバスで優先的に対策すべき単元は、ディープランニングの基礎とも言える「応用数学」と「機械学習」の2つで、これらの分野は出題範囲が広い傾向にあり、普段から集中的に勉強しても覚えきれない部分もあります。AI入門としても学習しておきたいのが解析学の「多変数関数」や「微分積分」です。それぞれを専門に取り扱っている書籍と共に、「人工知能プログラミングのための数学がわかる本」など両方をカバーできる応用的な推薦図書を手元に置いておくと、AIについて、より内容が頭に入りやすくなります。
人工知能プログラミングのための数学がわかる本
また、認定プログラムを修了して1年以上経過している方は、2020年度から新た追加されたシラバスを重点的に勉強しましょう。新規単元の直前対策には「深層学習」や「仕事ではじめる機械学習」など、IoT知識を中心に取り扱う推薦図書が適しています。そして、直前対策でもう一つ忘れてはならないのが苦手分野の克服です。推薦図書や監修書籍の読み込みは、認定プログラムの講義内容を補完するだけでなく、苦手分野を克服することにも繋がります。講義内で出された課題を解きながら自分の得意・不得意を把握し、直前でも特定の分野を復習できるよう、忘れがちな内容や覚えにくい部分をカバーできる書籍を用意しましょう。

シラバス更新に合わせて対策範囲もアップデートすること

E資格は認定プログラム修了から資格試験への期間が長いと、講義では出題されなかった試験範囲が出る可能性が高く、そうなると新規単元の直前対策は避けられません。シラバスの更新ペースに合わせて、受講者も対策範囲もアップデートしていく必要があります。シラバス内容は勿論のこと、JDLAの推薦図書にも追加・変更がないか確認を怠らないようにしましょう。