E資格で使える!微分・積分を学ぶ オススメの参考書

E資格で使える!微分・積分を学ぶ オススメの参考書

E資格の試験に合格するには数学の知識と応用力が求められます。解析学の微分・積分は重要な分野の一つですが、苦手意識がある人も多いでしょう。

この記事では機械学習やディープラーニングについて学ぶ上で役に立つおすすめの参考書を三冊紹介します。それぞれの違いも説明するので自分に合っている参考書を手に入れて学びましょう。

微分・積分の初歩を学ぶのにおすすめの二冊

微分・積分について昔勉強したくらいで、エンジニアになってからあまり使っていない、またこれからエンジニアを目指すからずっと使ってこなかったという人もいるでしょう。一から学び直したいというくらいの状況の場合に適しているおすすめの参考書が二冊あります。

どちらも初学者向けではあるものの、読みこなすことによって微分・積分を使って機械学習やディープラーニングに応用できる力を育めるようになっているのが特徴です。

ただ、内容には違いがあって学べることも少しずつ異なっているので比較しておきましょう。

人工知能プログラミングのための数学がわかる本

人工知能プログラミングのための数学がわかる本

「人工知能プログラミングのための数学がわかる本」はE資格の認定や試験の実施をしている日本ディープラーニング協会によって推薦図書にも挙げられている参考書です。

E資格を取得してエンジニアとして活躍するための数学的基礎を広く学べるようになっているのが特徴で、人工知能プログラミングの分野に特化した内容になっています。高校数学から始まっているので、数学がもともと苦手であまり勉強してこなかった人におすすめの一冊です。

内容としては微分、線形代数、確率・統計について一通り学ぶことができるものの、積分については詳しくは書かれていません。ただ、実践的には微分の利用頻度が高いのでまずは微分を学ぶというスタンスを持つと良いでしょう。

応用編としては、線形回帰モデルによる住宅価格の推定、自然言語処理による文学作品の作者の推定、ディープラーニングによる手書き数字の認識という課題が挙げられています。

実際に開発現場で応用できるような技術を学べるのが魅力で、機械学習について学ぶモチベーションも上げやすくなっています。

最短コースでわかる ディープラーニングの数学

最短コースでわかる ディープラーニングの数学

「最短コースでわかるディープラーニングの数学」も高校レベルの数学から解説が始まっている参考書で、ディープラーニングへの応用に特化した構成になっているのが特徴です。

機械学習とは何かという点から説明が始まり、微分・積分だけでなくベクトル・行列、確率・統計についても理論的な説明がなされています。線形回帰モデルやロジスティック回帰モデルに触れた上でディープラーニングモデルについても演習を行えるので、実践する上で基本的なノウハウが身につくでしょう。

実用レベルまでもう一息というところまで短期間で到達できる仕上がりになっているのが本書の魅力です。学んだことをどう活かせるかを理解できるように特製の綴込マップが付録になっているのも本書の特徴です。

あくまで数学の基礎しか学べないので、即戦力のエンジニアとしてAI分野で働けるようにはならない可能性もあります。しかし、何を学んでいけばどういうことができるようになるかをマップから判断できるので、今後のスキルアップの道をどうするかも考えやすくなるでしょう。

体系的な習得を目指したい人におすすめの一冊

エンジニアとしてE資格を取得するだけでなく、将来も見越してきっちりと数学的な基礎を身に付けたいという人もいるでしょう。そのようなときに機械学習に特化して微分・積分を学べる参考書としておすすめ一冊があります。

技術者のための基礎解析学 機械学習に必要な数学を本気で学ぶ

技術者のための基礎解析学 機械学習に必要な数学を本気で学ぶ

「技術者のための基礎解析学」は機械学習への応用を視野に入れて微分・積分を数学という学問として学べるように構成されている参考書です。

現場での実用だけを考えて付け焼き刃の概念や計算方法を覚えるのではなく、数学的な定義や定理を一つ一つ理解していけるようになっています。

本書を読みこなして知識と方法を習得していけば、解析学を自分の力で応用できるようになるでしょう。集合、写像、実数といった概念を学ぶことからはじめ、テイラーの公式や多変数関数などについて学べるのが特徴です。

内容はやや高度になっていて、大学で学ぶ教養レベルの解析学から学ぶことができます。大学受験レベルの微分・積分の知識があればじっくりと落ち着いて読んでいくことで内容を理解できるでしょう。

ただ、実際に機械学習の現場でどのように応用するかまでは詳しく書かれていません。あくまで応用に向かうために十分な解析学の基礎を習得するための参考書だと考えましょう。

レベルと目標に合わせて参考書を選ぼう

E資格を取得するために機械学習の微分・積分を学ぶのは必須ですが、使う参考書を選ぶときには自分のレベルに合わせることが大切です。

また、参考書によって最終的に到達できる地点が違うので目標に合わせて選ぶのも重要になります。ここで紹介した三冊を候補にすれば幅広いニーズに応えられるので、どれが良いかをよく考えて手に入れてみましょう。