AIエンジニア対象のE資格試験範囲 深層学習における強化学習とは?

AIエンジニア対象のE資格試験範囲 深層学習における強化学習とは?

ディープラーニングの知識があり、技術を実装できる能力があることを示すE資格。E資格はシラバスによって試験範囲が定められている検定です。シラバスで多くの部分を占めているのが深層学習です。深層学習の中で強化学習を理解することは、試験の合格につながるでしょう。ここでは、強化学習についてその仕組みと実例などを紹介します。

E資格で必須の学習項目、シラバスの強化学習とは

E資格を取るためには、JDLA(日本ディープラーニング協会)認定プログラムや対策講座を受けるのが近道です。実際にAI関連の仕事をしているエンジニアはもちろんのこと、AI(人工知能)分野の学習が初めてのエンジニアでもわかりやすく学ぶことができます。JDLAにて認定された講座を受講すれば、E資格の受験が可能です。E資格の対策講座では、応用数学や機械学習、深層学習の内容を学習していきますが、その中でも重要なのが強化学習という分野。強化学習は、自動車の自動走行やエレベーターの制御技術、ゲームなどで用いられています。機械学習は、主に3つの領域に分かれて出題されており、教師あり学習、教師なし学習、強化学習という項目です。ここでは、強化学習について紹介します。

強化学習は、別名、Reinforcement Learningと呼ばれ、現在の状況を把握し、どのような行動ができるのか、そしてその行動で得られる成果をプログラミングすることにより、もっとも有効的な行動が選択できるようになります。強化学習は、設定されたターゲットを最大化するために学習するのです。

例えば、ロボットがバスケットボールシュートをするとします。報酬としてゴールまでの距離を与えると、その距離を最大限にするために、さまざまな角度からのシュートに挑戦し、ベストなシュートを検証していくのが強化学習です。どの角度がいいのか設計者が知らなくても、エージェントが自ら試行錯誤をして答えを導き出してくれます。
プログラミングをする設計者は、学習してほしい内容を報酬関数として指定することで、どうすれば達成できるのか試行錯誤で獲得できるのです。

方策勾配法とは

強化学習にはQ学習Sarsa方策勾配法などがあります。方策勾配法の手法を取ることで、累積報酬を伸ばすことが可能です。迷路で強化学習をする場合、環境はマスの移動、報酬は、ゴールした時の点数と設定できます。
方策は、どのマスを選択し、どこに進むかを選択することです。この迷路の強化学習では、移動する時どのようなルートを選択して、ゴールできたかなどを確率で記録していきます。その結果方策関数を最大化する経路を試行錯誤して、最適なルートを導き出すことができるのです。具体的には、迷路をスタートからゴールする1回のルートごとに方策パラメータテーブルを更新し、実装します。ルート1回経過した後に、それぞれのマスにおける確率が出て、最適なルートが出るのです。100ルートほど繰り返すと、データが安定します。

ここで使う関数はsoftmax関数で、機械学習でよく使われる関数ですので覚えておきましょう。この関数を用いて、方策を求める関数を実装します。そして、方策通りにエージェントがルートを進める部分についての実装が可能です。パラメータを更新する方策を実装し、迷路を最短でクリアできるルートを検索してパラメータの更新を繰り返す部分を実装したら、方法勾配法での強化学習が理解できたことになります。

価値反復法とは

方策勾配法では、ゴールできたルートを重要視し、その後はそのルートを取るように方策が更新される方法でした。価値反復法は、ゴールからスタートまでの道筋を逆算して考えていく方法です。1マスごとに進むべき優先順位を決め、正しいルートへ導きます。価値という名前の通り、まずは報酬を設定し、与えます。価値反復法では、行動価値と状態価値の2つの定義が必要です。ゴールするために必要な行動価値とその行動をした時に得られる報酬を設定します。例えば、A1からA2というコマがあるとして、現在はA1という場所にいて、A2がゴールだとしましょう。その時、A1からA2に移動しなければなりません。そして、A2にたどり着くと報酬の1点を得ることができるとします。その価値を設定し、ゴールまでの道筋を誘導するのです。

DQNとは

DQNは、Deep Q-Networkのことです。強化学習において、主流であるアルゴリズムとして使われています。DQNでは、Qの値を求める学習のQ学習と異なり、ニューラルネットワークの考え方を取り入れたものです。Qの値が最適であれば、選択するべき行動がわかる手法を取っています。Q学習は、データ量が多くなり、求めようとする値が出なくなることがありますが、DQNは、近似関数を得ることができるため、連続するデータにも対応できるのです。DQNの学習方法は、Qの値を求め、行動して報酬を設定して保存します。Qネットワークで学習を行い、ターゲットネットワークでさらに学習を行うのが一連の流れです。この流れを連続して行うのがDQNとなります。

強化学習を学ぶ重要性

強化学習を学ぶことは、E資格に合格するためには必須の項目です。AI分野は、エンジニアにとって難易度が高いと思われがちですが、認定講座を利用すれば初めて学習する場合でも効率的に学習できます。強化学習を利用した開発は、ゲームやロボットの制御などに使われていて、実用面でもニーズが高いです。

強化学習では、まず報酬を設定するというところに特徴がありました。ゴールへの到達方法をエージェントが試行錯誤して、獲得することができるという手法はさまざまな分野に応用が可能でしょう。強化学習を実施すると、制御システムの場合、より効率的なシステムを得ることができます。人間が行うコーディング以上に、通常ではなかなか導き出せない方法が見つかるのです。強化学習を理解し、実装できることで、ディープラーニングの学びも深めることができます。E資格の試験範囲である強化学習の理論をしっかりと理解し、実装できるスキルを身につけましょう。

強化学習とE資格

E資格では、強化学習の理解と実装が必須となります。強化学習は報酬を設定することで、エージェントが自ら最適な方法を獲得するのが最大の特徴です。プログラミングの省力化や正しい答えを導き出すことができるので、しっかりと学びましょう。E資格の認定講座では、強化学習について、効率的な学習が可能なので、E資格の受験を考えている方は認定講座を受講するのが最適です。