Google Cloud認定資格「Associate Cloud Engineer」は、クラウド分野でのキャリアアップや転職を目指す人に人気の資格です。ただ知名度はそれほど高くなく、「この資格は他のAI資格とどう異なるのか」と疑問に思う方も少なくありません。
本記事ではGoogle Cloud認定資格「Associate Cloud Engineer」の特徴や、AI資格との比較、効率的な学習方法について解説します。資格取得を目指す方にとって役立つ情報となりますので、ぜひご参考にしてください。
Google Cloud認定資格とは?
Google Cloud認定資格とは、Google Cloudが提供するクラウド技術やサービスに関する専門知識とスキルを証明する資格の総称です。
主にGoogle Cloud Platform(GCP)を活用する知識と能力を検証するもので、クラウドエンジニア、データエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニア向けのものなど、さまざまな役割に適した資格が複数用意されています。
取得することでGoogle Cloudの技術の高度な知識が得られ、効率的かつ安全にクラウドソリューションを設計、実装、管理できるようになること、そしてそのスキルを証明することが可能になります。
なお、Google認定資格の概要については以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Google Cloud認定資格の種類
Google Cloud認定資格の種類には、以下のようなものがあります。
名称 | 略称 | 内容 |
Associate Cloud Engineer | ACE |
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Professional Cloud Architect | PCA |
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Professional Data Engineer | PDE |
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Professional Cloud Developer | PCD |
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Professional Cloud DevOps Engineer | PCDOE |
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Professional Cloud Network Engineer | PCNE |
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Professional Cloud Security Engineer | PCSE |
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Professional Collaboration Engineer | PCE |
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Professional Machine Learning Engineer | PMLE |
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Professional Cloud Database Engineer | PCDE | データベース設計、構成、デプロイメント |
Professional Workspace Administrator | PWA | Google Workspace(旧G Suite)の管理、生産性向上 |
上記はすべてGoogle Cloudに関するスキルを習得できる内容となっており、ジャンルはセキュリティやデータベース、アプリケーション、ネットワークなど多岐にわたります。
Associate Cloud Engineerとは?
上記で紹介したGoogle Cloud認定資格の中のひとつである「Associate Cloud Engineer」は、Google Cloudの基礎的な操作と管理に関する知識をもつことを証明する資格です。取得によってGoogle Cloud Platform(GCP)上でのアプリケーションやインフラの展開、モニタリング、管理ができるスキルを有していることを証明できます。
具体的にはGCP上でのクラウド構築、運用、監視、管理などが可能になるため、日常的なクラウド業務を遂行するうえで汎用的に役立つスキルを磨けるため、未経験からクラウドエンジニアになるための登竜門的な資格として選ばれることが多いです。近年ではAIスキルにも応用できる内容の資格として注目を集めています。
他のAI資格との比較は、以下の章で紹介します。
Associate Cloud EngineerとAI関連資格を比較
Associate Cloud Engineerと他のAI関連資格の難易度を比較すると、おおよそ以下のようになります。
資格名称 | 分野 | 難易度 | 合格率 | 運営元 |
Associate Cloud Engineer | クラウド | 中級 | 約70%(推定) | Google Cloud |
G検定 | AI/日本国内向け | 初級~中級 | 約65% | JDLA |
E資格 | AI/日本国内向け | 上級 | 約70% | JDLA |
AWS Certified Machine Learning-Specialty | AI/クラウド | 上級 | 約50% | Amazon |
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals | AI/クラウド | 初級 | 非公開 | Microsoft |
AI-102: Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution | AI/クラウド | 中級~上級 | 非公開 | Microsoft |
DP-100: Microsoft Certified: Azure Data Scientist Associate | データサイエンス | 上級 | 非公開 | Microsoft |
DS検定(リテラシーレベル) | データサイエンス/日本国内向け | 初級 | 約60-70% | データサイエンティスト協会 |
統計検定 | 統計/データ分析/日本国内向け | 初級~上級 | 約40-70%(級による) | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
Associate Cloud Engineerは直接的なAI資格という位置づけではありませんが、Cloud技術の管理・運用といった観点ではAI分野にも応用できるスキルが養えます。Associate Cloud Engineerの正式な合格率は非公開ですが、推定では70%程度とされており、これは国内の代表的なAI資格「G検定」や「E資格」と同等です。
合格率だけ見れば難しくなさそうに見えますが、同業者や現役クラウドエンジニアが多く受験するということも、合格率を底上げしている要因となっています。中程度の難易度ではあるものの、入念な対策をしてから挑む必要があります。
G検定やE資格との難易度を比較
前述でも触れていますがAssociate Cloud Engineerの難易度は、国内のAI資格としてとくに大きな認知度を誇る「G検定」および「E資格」と同等です。
Associate Cloud Engineerは「G検定」や「E資格」といったAI資格と比較すると、クラウドの管理や運用に特化した基礎的な内容をカバーしています。クラウド技術に関する基本的な知識が問われるため、実務経験があると比較的容易に感じるでしょう。
一方「G検定」や「E資格」はAIや機械学習の専門知識が求められる内容がメインで、特にE資格はより深い理論と実践的な技術が含まれることから、実務経験者でも全体的に難易度が高く感じられることが多いです。
AI資格の中でも比較的知名度と人気が高いのが、G検定およびE資格です。以下の記事ではG検定の学習手順について解説しているので、気になる方はご一読ください。
なおG検定やE資格の取得を目指している方は、AI研究所が運営する「JDLA認定 G検定対策講座」および「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」がおすすめです。G検定講座は1日、E資格講座は4日間の短期集中講座となっており、合格に必要な部分だけを効率よく学ぶことができます。
修了率・満足度ともに99%以上となっている講座ですので、ぜひ以下のリンクから詳細をご確認ください。
JDLA認定 G検定対策講座のスケジュール/お申し込みはこちらから
E資格対策ディープラーニング短期集中講座のスケジュール/お申し込みはこちらから
Associate Cloud Engineerの学習方法
Associate Cloud Engineerの学習方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- インターネットや動画サイトを活用する
- 書籍を購入して独学する
- ITセミナーで学ぶ
それぞれご紹介します。
学習方法①インターネットや動画サイトを活用する
Associate Cloud Engineerの対策には、インターネットや動画サイトを活用する方法が効果的です。いまや数多くのサイトでGoogle Cloud Platformの基礎から応用までをカバーする教材や講座が提供されています。
またYouTubeやUdemyなどでも実際の試験内容に即した実演や解説を視聴できるため、分からない部分を理解するまで繰り返し学べます。さらに公式のGoogle Cloudドキュメントやコミュニティも活用することで、最新の情報やヒントを得ることもできます。
学習方法②書籍を購入して独学する
「Associate Cloud Engineer」の試験対策として、書籍を購入して独学する方法も有効です。試験範囲を体系的に学べる基礎知識が網羅され、Google Cloud Platformの各サービスや機能について詳細に解説されているためです。
加えて練習問題や模擬試験も含まれていることが多く、自己評価をしながら進められる点が特徴です。自分のペースで学習を進められるため、時間に余裕を持ちながらじっくり実践できるのもメリットといえます。
学習方法③ITセミナーで学ぶ
ITセミナーは上記2つに比べてお金がかかるものの、インターネットや書籍では触れない込み入った部分、より詳細なノウハウを効率よく学ぶことが可能です。AIプロフェッショナル人材育成コースは、AIプログラミングの専門家になるための短期集中講座で、未経験者でも短期間でスキルを習得でき、AIの基礎から応用まで幅広く学べます。
講座は会場受講とオンライン受講の2形式があり、受講料は352,000円(税込)。内容はPythonやAIアルゴリズムの基礎から、実際のAIシステム開発まで網羅しており、実務に即したスキルが身につきます。
今回紹介しているAssociate Cloud Engineer、またAI資格「G検定」や「E資格」の対策として最適です。
AIプロフェッショナル人材育成コースのスケジュール/お申し込みはこちらから
Google Cloud認定資格における注意点
ここでは、Google Cloud認定資格における注意点を以下のとおりご紹介します。
- 日本語対応していない資格がある
- 試験の内容の範囲が広い
注意点①日本語対応していない資格がある
Google認定資格の中には日本語対応していない資格があるので、注意が必要です。具体的には以下の2つが、英語版のみの提供となっています。
- Professional Machine Learning Engineer(PMLE)
- Professional Cloud Database Engineer(PCDE)
上記を受ける際は必然的に英語の試験を受けることになるので、頭に入れておきましょう。
注意点②Associate Cloud Engineerは試験の出題範囲が広い
Associate Cloud Engineerについては、Google Cloud Platformの基本的な知識とスキルに関する内容が出題されるため、範囲が広いです。どこかの分野をピンポイントで学習するような方法では、合格は難しいでしょう。
事前に公式ドキュメントなどを活用しつつ、スケジュールを作って計画的な対策をしたうえで、受験することをおすすめします。
Associate Cloud Engineerまとめ
Google Cloud認定資格「Associate Cloud Engineer」は、Google Cloud Platform(GCP)の基本的なスキルやアプリケーション管理スキルを証明する資格で、取得によってクラウド環境でのデプロイ、監視、管理などの実務で役立つスキルが身につきます。
また、他のAI資格と比較しでも実務に直結する内容が評価されているため、クラウドエンジニアとしてのキャリアをスタートするための有意義なステップとなることは間違いありません。しっかりとした学習を通じて挑戦し、着実なキャリアアップを目指していきましょう。