ビジネス向けソフトを開発・販売しているOracleは、特にデータベース管理ソフトに強いことで知られています。Oracleは自社ソフトの操作スキルを評価する「Oracleマスター」制度を導入していますが、その一つにOracle Certified Expertがあります。
しかし、Oracle Certified Expertに関する情報は非常に限られているため、Oracleマスターにおいてどのような資格であるか分かりにくく感じる方もいるでしょう。
そこでこの記事では、Oracle Certified Expertについて、Oracleの認定資格一覧も紹介しながら詳しく解説します。
あわせて、Oracle Certified Expertの類似資格も紹介するので、Oracle Certified Expertの受験を検討している方はぜひ参考にしてください。
Oracle Certified Expertとは?
まず、「Oracle Certified Expertとは」という疑問にお答えします。
これは、Oracleデータベースの高度な機能であるRACとGrid Infrastructureの管理に特化した専門資格です。この資格を取得することで、Oracle データベースのプロフェッショナルであることを証明できます。
Oracle Certified Expertを取得することにより、企業の基幹システムを支えるエンジニアとしての評価が高まり、求人市場での競争力強化、キャリアパスの多様化につながります。
Oracle Certified Expertの受験対象者
Oracle Certified Expertの受験対象者は、RAC、およびGrid Infrastructureの経験者(1~2年程度)です。
クラスタや高可用性に関する知識が必要で、通常、データベース管理者、もしくはデータベースシステム管理者としてキャリアアップしたい方が受験しています。
Oracleとは
Oracleは、主にデータベースソフトウェアを提供しているアメリカのIT企業です。特にデータベース管理システム(DBMS)が有名で、DB-Enginesのデータベースシェア調査で1位を獲得した商用データベースでもあります。
大規模なシステムでよく使われており、性能改善対策や仮想列など、開発を効率化する独自の機能が豊富です。比較的高度なソフトですが、個人の学習目的であれば無償で利用できます。
Oracleは、独自の認定資格「Oracleマスター」を提供し、専門性を高めたいITエンジニアやデータベース管理者のスキル証明として活用されています。
Oracle認定資格一覧(Database / MySQL / Enterprise Management)
Oracleの日本語資格はいくつもあり、データベースやJavaプログラミングなどカテゴリも多岐にわたります。
ここでは、Oracle認定資格のデータベース「Database / MySQL / Enterprise Management」に焦点を当てた一覧表を紹介しましょう。
バージョン | Oracleマスターブロンズ | Oracleマスターシルバー(アソシエイト) | Oracleマスターゴールド(プロフェッショナル) | Oracleマスタープラチナ(マスター) | スペシャリスト・エキスパート |
Oracle Database (12c R1 / 12c R2 / 18c / 19c) |
ORACLE MASTER Bronze DBA 2019 | ORACLE MASTER Silver DBA 2019 | ORACLE MASTER Gold DBA 2019 | ORACLE MASTER Platinum DBA 2019 | ー |
Oracle Database (12c R1 / 12c R2 / 18c / 19c) |
ー | ORACLE MASTER Silver SQL 2019 | ー | ー | ー |
Oracle Database 12c (12c) |
ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 12c | ORACLE MASTER Silver Oracle Database 12c | ORACLE MASTER Gold Oracle Database 12c | ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 12c | ー |
RAC and Grid Infrastructure (12c) |
ー | ー | ー | ー | Oracle Certified Expert, Oracle Database 12c: RAC and Grid Infrastructure Administrator |
MySQL (2021) |
ー | ー | ー | ー | MySQL 2021 Certified Implementation Specialist |
MySQL (HeatWave) |
ー | MySQL HeatWave Implementation Certified Associate Rel 1 | ー | ー | ー |
上記の表の中で「Oracle Certified Expert」は、バージョン「RAC and Grid Infrastructure
(12c)」のレベル「スペシャリスト・エキスパート」に属しています。
表中では黒字で強調しているので、再度確認しておいてください。
Oracle Certified Expertのレベル
前項の一覧表でOracle Certified Expertを紹介しましたが、表からOracle Certified Expertのレベルを読み取るのは難しいかと思います。
結論からいうと、Oracle Certified Expertは、一般的に上級レベルとされています。
以下では、Oracle Certified Expertのレベルについて順を追って分かりやすく解説していきましょう。
Oracleマスターの構造
このOracle Certified Expertは、Oracleマスターという包括的な資格体系の中の、特定分野に特化した資格の一つです。
Oracleマスターは以下のようなレベル別に構成しています。
レベル | 区分 |
入門 | Oracleマスターブロンズ |
初級~中級 | Oracleマスターシルバー(アソシエイト) |
上級 | Oracleマスターゴールド(プロフェッショナル) |
最上級 | Oracleマスタープラチナ(マスター) |
専門 | スペシャリスト・エキスパート |
Oracle Certified Expertは上記の専門レベル「スペシャリスト・エキスパート」に区分されます。
Oracle Certified Expertの位置づけ
Oracle Certified Expertは、専門レベルであるため、Oracleマスターの基本構造とは異なる軸で評価されます。
Oracle Certified Expertは、以下のいずれかの資格取得が受験の前提条件です。
- ORACLE MASTER Gold Oracle Database 11g
- ORACLE MASTER Gold Oracle Database 12c
- ORACLE MASTER Gold Oracle Database 2019
- Oracle Certified Expert, Oracle Real Application Clusters 11g and Grid Infrastructure Administrator
上記に挙げた4つの受験条件の内、3つはOracleマスターのゴールドレベルです。
これらの条件からも、Oracle Certified Expertはゴールド(プロフェッショナル)レベルと同等、またはそれ以上の専門性を持つとされています。
Oracle Certified Expertの類似資格
Oracle Certified Expertの受験を検討する際に、類似資格にも目を向けると選択肢の幅が広がります。以下では、Oracle Certified Expertの類似資格を紹介します。
- データサイエンティスト検定
- G検定
- E資格
データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定(DS検定)は、データサイエンティストとして必要な基礎知識やスキルを証明する資格試験です。Oracle Certified Expertと同様に、データの収集・分析、解釈、ビジネスへの活用まで、幅広い業務に対応できる能力を評価します。
データサイエンティスト検定には複数のレベルがあり、初級レベルではデータサイエンスの基礎的な知識と実務能力が必要です。最上位のシニアデータサイエンティストレベルでは、高度なデータ分析能力と専門知識を駆使して解決できる能力が求められます。
データサイエンティストセミナー|ProSkilll
データサイエンティストセミナーは、短期間でプロレベルのデータサイエンスのスキルが身につくセミナーです。データサイエンスの基礎知識からスタートするので、初心者でも安心して受講できます。
セミナーでは、データの分布や特徴を把握する基本統計量やデータ分析用ツールの使い方と選定、データ前処理の方法など、データサイエンティスト検定で出題される項目も網羅しています。
受講期間 | 2日 |
受講形式 |
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受講料金 |
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データサイエンティスト検定については以下の記事で詳しく解説しているので、受験を検討している方はぜひご一読ください。
G検定
G検定は、ディープラーニングの基礎知識、およびビジネスへの応用力を測る資格です。
人工知能の基礎から、ディープラーニングの概要、そしてAI関連の法律まで、幅広い範囲をカバーしています。
G検定でディープラーニングの基礎を学ぶと、データ分析の幅が広がり、さらに非構造化データを分析できるようになるなど、データベースの専門家であるOracle Certified Expertを目指す方にとって相乗効果の高い資格です。
JDLA認定 G検定対策講座|ProSkilll
JDLA認定 G検定対策講座は、わずか1日でG検定合格を目指せる講座です。
AIの基礎となるニューラルネットワークの仕組みやや教師あり学習アルゴリズム(ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、確率的勾配降下法などを分かりやすく解説してくれるので、、データ分析やプログラミング初心者でもスムーズに理解できます。
受講形式は3種類から選べ、多様な学習スタイルに対応。G検定の主催元であるJDLA認定の講座なので、最新の出題傾向に沿ったカリキュラムで学習できます。
受講期間 | 1日 |
受講形式 |
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受講料金 |
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E資格対策ディープラーニング短期集中講座|ProSkilll
AIエンジニアの高度なスキルを求められるE資格は、先述したG検定の次ステップとして受験する方も多く見られます。G検定にチャレンジした方は、E資格を目指すという選択肢も広がります。
E資格対策ディープラーニング短期集中講座は、4日間で高難易度のE資格合格を目指せるセミナーです。数学やディープラーニングの基礎からスタートし、最終日には試験問題対策講座も実施し、合格までの道のりをしっかりサポートしてくれます。
受講期間 | 4日 |
受講形式 |
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受講料金 |
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E資格とG検定の違いについては、以下の記事で詳しくお伝えしています。
比較表で違いを分かりやすく解説しているので、AIエンジニアを目指している方もぜひ参考にしてください。
Oracle Certified Expertを取得する際の注意点
本記事で紹介した、Oracle Certified Expertを受験する際には、対応言語の確認が必要です。Oracleマスターの日本語資格として提供しています。
この英語認定資格は、2022年10月31日に廃止されました。
英語認定資格の新しいバージョンの資格は今後提供される予定です。
前提資格やトレーニングの内容は随時変更される可能性があるため、受験前には再度Oracle Universityの公式サイトでご確認ください。
参照:Oracle 認定パス
Oracle Certified Expertについてまとめ
そして、Oracle Certified Expertは、Oracleマスターのゴールドレベルに匹敵する高度な資格です。
受験の前提条件には、ゴールドレベルの資格取得が含まれているため、特定の技術領域に特化した深い知識が必要です。
また、Oracle Certified Expertの受験するにあたり、スキルレベルや希望に合わせて類似資格からステップアップするのもおすすめです。セミナーを受講すると短期間で効率的に合格を目指せます。
- データサイエンスの基礎から学びたい方はこちら→データサイエンティストセミナー
- データサイエンスの知識を幅広く習得したい方はこちら→JDLA認定 G検定対策講座
- AIエンジニアとしてのキャリアを広げたい方はこちら→E資格対策ディープラーニング短期集中講座
こちらから希望に合ったセミナーをお選びください。