近年、AI技術は急速に発展し、AIエンジニアの需要がますます高まっています。その中で、資格取得は専門知識の証明として重要な役割を果たします。
本記事では、AIエンジニアに必要な資格9選を紹介し、勉強方法や取得後のキャリアパスについても解説。高収入を目指す方やキャリアアップを検討中の方おすすめです。
AIエンジニアに必要な資格とは
AI技術はさまざまな産業で活用されており、AIエンジニアの需要は急速に拡大しています。その中で、資格を取得することは、知識とスキルを証明し、キャリアの幅を広げる重要な手段です。
この章では、AIエンジニアに求められる役割やスキル、資格取得のメリットについて見ていきましょう。
AIエンジニアに求められるスキル
AIエンジニアに求められるスキルは、技術的な専門知識だけでなく、実際の業務やビジネス課題を解決するための応用力が重要です。
以下に主なスキルを整理しました。
資格取得のメリット
資格を取得することで得られるメリットは多岐にわたります。資格取得は、単なる知識の証明だけでなく、スキル向上やキャリア形成においても大きな力を発揮します。
以下に主なポイントを挙げます。
- 専門性を客観的に証明できる
- 転職やキャリアアップに有利になる
- 最新の技術動向や知識を体系的に学べる
- 自信を持ってプロジェクトに取り組める
- 同業者とのネットワークを広げられる
特にAI分野は技術革新が著しいため、資格を通じて最新の知識を習得し続けることが重要です。
高年収を目指せる!AIエンジニア職種の内訳
AIエンジニアの職種ごとに求められるスキルや年収には違いがあり、自身のスキルセットや目標に応じて適切なキャリアを選ぶことが鍵となります。
この章では、代表的な3つの職種を解説します。
機械学習エンジニア
機械学習エンジニアは、AI技術の中でも特に高度なスキルを求められる職種です。
主に、機械学習モデルの設計、実装、トレーニングを担当し、業務効率化や問題解決に寄与。必要なスキルにはPythonやTensorFlowなどのプログラミング知識に加え、データ分析、統計学、数学的な基礎が含まれます。
平均年収は約500万円(引用:indeed)です。さらに、業界の需要が増加していることから、スキルを磨き続けることで大幅な年収アップが期待できるでしょう。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、ビジネスに直結したデータ分析を行い、企業の意思決定をサポートする役割を担います。PythonやRを使ったデータ分析、統計的手法の活用、そしてビッグデータや機械学習を組み合わせた高度な分析スキルが求められます。
平均年収は約696万円(引用:求人ボックス)です。特に、金融やIT業界ではこの職種の需要が高く、高度なスキルを持つ専門家に対して高い報酬が支払われています。
データアナリスト
データアナリストは、企業や組織が保有する大量のデータを活用し、意思決定をサポートする職種です。
主に、データの収集・加工・解析を通じて、ビジネスの課題を明確化します。SQLやPython、BIツールを使った可視化や、A/Bテストを活用した施策提案が主な業務です。
平均年収は約694万円(引用:求人ボックス)です。特に、サービス改善や新たなビジネス機会を発見できる能力を持つアナリストは、企業からの需要が非常に高い傾向があるでしょう。
おすすめのAIエンジニア資格9選
この章では、G検定やE資格、Pythonエンジニア認定試験など、初心者から上級者まで挑戦できるおすすめのAIエンジニア資格9選を紹介します。
資格の特徴を、以下の表にまとめました。
資格名 |
社名 |
特徴 |
難易度 |
料金 |
おすすめの人 |
G検定(ジェネラリスト検定) |
日本ディープラーニング協会(JDLA) |
- AIに関する基本的な知識を体系的に学べる
- ディープラーニングや機械学習の仕組みと応用事例について理解を深められる
- AI導入プロジェクトにおいて、企画や管理を担うビジネス職向けの内容
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初心者から中級者向け |
- 一般 13,200円(税込)
- 学生 5,500円(税込)
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- AI技術を取り入れたプロジェクトを管理する必要があるビジネスパーソン
- AI活用の基礎を学びたい経営者やプロジェクトリーダー
- IT部門以外でAI導入をサポートする役割を担う予定の人
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E資格(エンジニア資格) |
日本ディープラーニング協会(JDLA) |
- ディープラーニングやAIモデルの開発スキルを証明する資格
- 試験を受けるには事前に指定された講座を受講する必要がある実際にAIシステムを開発するエンジニアに向けた高度な内容
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中級者以上向け |
- 一般 33,000円(税込)
- 学生 22,000円(税込)
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- ディープラーニングを活用したAIモデル開発に携わりたいエンジニア
- AI分野でのキャリアアップを目指すプログラマー
- 最新のAI技術をプロジェクトで応用したい技術リーダー
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AI実装検定 |
AI実装検定協会 |
- AIやディープラーニングの実装スキルを評価する資格
- 学習段階や実務経験に応じて選べる3つの級を提供
- 実務でAIを活用するためのプログラミングやアルゴリズムのスキルを認定
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- S級 上級者向け
- A級 中級者向け
- B級 初級者向け
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- S級 33,000円(税込)
- A級
一般 14,850円(税込)
学生 8,250円(税込)
- B級
一般 9,900円(税込)
学生 5,500円(税込)
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- S級 AI技術の応用開発を担当するエンジニアや研究者
- A級 AIプロジェクトの実務に携わるエンジニアやデータサイエンティスト
- B級 AIやディープラーニングを基礎から学びたい初心者や学生
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Python3エンジニア認定基礎試験 |
Pythonエンジニア育成推進協会 |
- Pythonの基本文法や標準ライブラリについての知識を測定
- 実務やプログラミング初心者向けに設計された試験
- プログラミング未経験者でも学びやすい内容をカバー
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初級者向け |
- 一般 11,000円(税込)
- 学生 5,500円(税込)
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- プログラミングをこれから学び始める初心者
- Pythonを業務で活用したいエンジニア
- IT業界でPythonスキルをアピールしたい学生や転職希望者
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データサイエンティスト検定 リテラシーレベル |
データサイエンティスト協会 |
- 必要なデータサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力の基礎を評価
- 数理・データサイエンス・AI教育のリテラシーレベルに対応
- 初心者でも挑戦しやすい内容で、データサイエンスの第一歩として最適
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初心者向け |
- 一般 11,000円(税込)
- 学生 5,500円(税込)
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- データサイエンティストを目指す初学者
- データサイエンスに興味を持つビジネスパーソン
- データ分析の基礎知識を習得したい学生や専門学校生
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統計検定 |
統計質保証推進協会 |
- 統計学に関する知識とスキルを測定する資格
- レベルごとに「統計検定1級」から「統計検定4級」まで選択可能
- データ分析や統計手法の理解を深めることができる
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- 1級 上級者向け
- 準1級 上級者向け
- 2級 中級者向け
- 3級 初級者向け
- 4級 初級者向け
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- 1級 11,000円(税込)
- 準1級 11,000円(税込)
- 2級 7,700円(税込)
- 3級 6,600円(税込)
- 4級 6,600円(税込)
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- データ解析を仕事で活用したい人
- AIや機械学習での統計知識を補強したいエンジニア
- 統計学の基礎から応用まで学びたい学生
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AWS Certified Machine Learning – Specialty |
Amazon Web Services(AWS) |
- AWS環境での機械学習モデル構築スキルを証明できる
- データ準備、トレーニング、チューニング、デプロイメントまでを網羅
- クラウド上でAIを活用するための実務知識を確認する内容
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中級者以上向け |
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- AWSを利用して機械学習プロジェクトを推進する必要があるエンジニア
- クラウド環境でAI活用を目指すデータサイエンティスト
- AWS環境でのスキルを証明しキャリアアップを目指す人
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AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals |
Microsoft |
- Microsoft Azureを使ったAIソリューションの基礎知識を習得できる
- AIの基本概念、機械学習モデルの概要、Azureサービスの活用法を学べる
- 初心者向けで、専門知識がなくても挑戦可能な内容
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初心者向け |
- 一般 13,200円(税込)
- 学生 7,700円(税込)
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- AIの基本概念を学びたい初心者
- Azure環境でAIソリューションを活用したいエンジニア
- IT業界でクラウドサービスを活用したい人
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Professional Data Engineer |
Google Cloud |
- Google Cloud環境でのデータ処理と分析スキルを証明できる
- データモデルの設計、パイプライン構築、AIモデルの導入までを網羅
- データサイエンスとエンジニアリングの両方の知識が求められる
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中級者以上向け |
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- Google Cloudを活用したデータエンジニアリングに興味がある人
- データの設計やAIモデル導入を業務で行うエンジニア
- クラウド環境でのデータ活用スキルを証明したい人
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それぞれの資格の特徴やメリットを理解し、自分に合ったものを選びましょう。
G検定(ジェネラリスト検定)
AIに関する基礎知識やディープラーニングの応用例を学べる資格です。
ビジネスや教育現場でAI導入を推進する役割に最適。AI初心者から中級者まで幅広く挑戦しやすい内容です。
E資格(エンジニア資格)
ディープラーニングを活用したAIモデルの設計や開発スキルを証明する資格です。
実務経験があるエンジニアや研究者向けで、指定講座の受講が必要。AI技術を深く理解し、実装力を高めたい人に最適でしょう。
ProSkilllの「E資格対策ディープラーニング短期集中講座 」は、初心者でも安心して学べる充実した内容で、AIエンジニアに必要な知識を短期間で習得できます。
詳細を知りたい方は、下記をご覧ください。
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AI実装検定
AIを実装するためのプログラミングや基礎的なアルゴリズムのスキルを評価する資格です。
初心者から上級者まで、それぞれのスキルレベルに合わせた級が用意されています。実務でAIを活用したい人に適しています。
Python3エンジニア認定基礎試験
Pythonの基本文法やデータ分析スキルを学び、実務での活用力を証明する資格です。
プログラミング初心者から中級者まで幅広く対応しています。Pythonを用いた業務改善やAI導入に興味のある人におすすめです。
データサイエンティスト検定 リテラシーレベル
データ分析、ビジネス、エンジニアリングの基礎知識を評価する資格です。
初心者がデータサイエンスの基礎を学び、キャリアをスタートするのに手ごろな資格でしょう。データ活用の基本を学びたい学生や社会人向けです。
統計検定
統計学の基礎から応用までを学び、データ分析のスキルを証明する資格です。
級ごとに難易度が異なり、初心者から上級者まで幅広く対応しています。データ解析や機械学習に統計を活用したい人におすすめです。
AWS Certified Machine Learning – Specialty
AWS環境での機械学習モデルの構築やデプロイを学ぶ資格です。
クラウド環境でAIを実装するスキルを証明し、キャリアアップを目指す人に最適。中級以上のスキルを持つエンジニアやデータサイエンティスト向けです。
AWSの資格について詳細を知りたい方は、下記をご覧ください。
【2024】AWS資格試験日はいつ?予約期限や試験会場・申込手順まで詳しく解説
AI-900:Microsoft Azure AI Fundamentals
Azure環境を利用したAIの基本概念や活用法を学べる初心者向け資格です。
AIプロジェクトに参加するビジネスパーソンや初学者におすすめ。クラウド上でAI技術を活用する第一歩としておすすめです。
AI-900:Microsoft Azure AI Fundamentalsについて詳細を知りたい方は、下記をご覧ください。
【2024】AI-900 Microsoft Azure AI Fundamentalsの概要や対策を紹介!
Professional Data Engineer
Google Cloud環境でのデータ処理、分析、AIモデル構築のスキルを証明する資格です。
クラウド環境でのデータ活用や機械学習の実務を担うエンジニアに適しています。データエンジニアリングの高度な知識を求める人におすすめです。
AIエンジニア資格取得のための勉強方法
AIエンジニアの資格取得には、体系的な学習と実践的な経験が欠かせません。資格の種類によって求められる知識やスキルは異なりますが、自分の目指す資格やキャリアプランに合わせた効果的な学習方法を選ぶことが重要です。
この章では、独学での学習とセミナーの受講という2つの学習方法を紹介します。
独学での学習
独学は、費用を抑えつつ、自分のペースで進められる点が大きな魅力です。
AIエンジニアに必要なスキルを段階的に身につけるためには、まず基礎から始めるのが重要です。プログラミング言語のPythonやR、統計学や線形代数などの数学的な知識を学び、データの取り扱いや分析の基本を習得しましょう。
その後、機械学習や深層学習の基本的なアルゴリズムや技術に進み、実際のデータセットを用いたプロジェクトに取り組むことで、理論と実践の両方を経験します。
独学の際にはオンラインコースや動画チュートリアル、専門書籍などの豊富な学習リソースを活用することが効果的です。また、試験対策には、資格ごとに提供されている公式教材や過去問題を利用して、試験範囲を効率的にカバーしましょう。
セミナーの受講
セミナーや講座の受講は、専門家から直接指導を受けられる点が大きな魅力です。
特に資格取得を目指す場合、試験範囲を体系的にカバーする講義や、試験に特化した内容が提供される講座は非常に効果的です。基礎的な内容から応用までを段階的に学ぶことができ、AIやデータ分析の実践的なスキルを効率的に習得できるでしょう。
また、多くの講座では、実際のデータを用いた演習やプロジェクトが組み込まれており、理論だけでなく実務経験に近いスキルを身につけられる点も魅力です。
ProSkilllの「AIエンジニア育成講座」は、未経験者でも3日間でAIプログラミングの基礎から応用までを習得できる内容が充実しています。実務ですぐ使えるスキルを効率よく学べるため、短期間でスキルアップを目指す方に最適です。
詳細を知りたい方は、下記をご覧ください。
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資格取得後のAIエンジニアのキャリアパス
AIエンジニアの資格を取得すると、技術力や専門知識の証明としてキャリアの幅を大きく広げることができます。資格取得後は、これまで得たスキルを活用して、業界内でのポジションを高めたり、新しい分野への挑戦を進めることが可能です。
この章では、資格取得後に広がるキャリアの選択肢などを見ていきましょう。
資格取得後に広がるキャリアの選択肢
AIエンジニア資格を取得した後は、さまざまなキャリアの選択肢が広がります。資格は専門性の証明であり、新しい役職や分野への挑戦をサポートします。
以下に、代表的な選択肢を表にまとめました。
キャリアの選択肢 |
内容 |
スペシャリストへの道 |
機械学習エンジニアやデータサイエンティストとして、特定の技術領域で専門性を深める |
マネージャー職 |
AIプロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーやAIチームを率いるリーダーとして活躍 |
研究職 |
AIリサーチャーとして、大学や研究機関で新しいアルゴリズムや理論の開発に従事 |
フリーランス |
自由な働き方を選び、プロジェクトベースでのコンサルティングや技術提供を行う |
起業 |
自身の技術を活かしたAIスタートアップを設立し、新しいサービスや製品を提供 |
資格を活用することで、スキルをさらに磨きながら、自身のキャリアプランに合った進路を選択できます。特にスペシャリストとマネージャー職の両立を目指すことで、技術力と経営力の両方を持つ希少な人材としての価値が高まるでしょう。
資格が評価される業界と職種
AIエンジニアの資格は、特に需要が高い業界や職種で評価されます。
以下の表に、主な業界とその中での代表的な職種をまとめました。
業界 |
代表的な職種 |
IT・テクノロジー |
機械学習エンジニア、AIリサーチャー |
金融・保険 |
データサイエンティスト、リスクアナリスト |
医療・ヘルスケア |
医療AI開発エンジニア、バイオインフォマティクス専門家 |
製造業 |
自動化エンジニア、AIロボティクスエンジニア |
マーケティング・広告 |
データアナリスト、マーケティングAIコンサルタント |
上記業界では、AI技術が新しい価値を生むための重要な要素とされており、資格を持つエンジニアは即戦力として期待されます。特に、AIを実務に活かす応用力や業界特化型の知識が重視されるため、資格取得後も継続的な学習が必要です。
年収アップを目指すための具体的なステップ
AIエンジニアとして年収アップを目指すには、資格取得後も学び続ける姿勢と戦略的なキャリア構築が重要です。市場価値を高めるためには、新しいスキルの習得や実績の可視化、人脈の拡大など、具体的な取り組みを積み重ねることが鍵となるでしょう。
以下の表に、年収アップを実現するための主要なステップを整理しました。
AIエンジニア資格を活用してキャリアを広げよう
AIエンジニアの資格は、専門知識やスキルを証明するだけでなく、キャリアの可能性を大きく広げる鍵となります。技術革新が著しいAI分野で、資格取得は自分の強みを明確にし、新たな挑戦への足掛かりとなるでしょう。
資格を活用してスキルを磨き続けることで、年収アップや転職、さらには起業といった多様なキャリアパスを切り開くことが可能です。
資格取得後も学び続け、実績を積み重ねながら、AIエンジニアとしての可能性を最大限に活かしていきましょう。