あらゆる業界で画像処理技術が活用されるようになり、その分野で働きたいと考えていませんか?
画像処理技術の知識が証明できる画像処理エンジニア検定に合格して、転職したいと考えている方もいるでしょう。
このような方の中には、「画像処理エンジニア検定の難易度はどれぐらいなのだろうか…」「画像処理エンジニア検定に合格したら転職ができるのだろうか…」と気になっているかもしれません。
今回は、そのような方向けに画像処理エンジニア検定について詳しく解説していきます。
画像処理エンジニア検定とは
出典元:『CG-ARTS』
画像処理エンジニア検定とは、画像処理分野のシステム開発、システム設計に必要なスキルを習得していることを証明できる検定です。
1991年に検定が始まり、30年近い歴史を持ちます。公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が、デジタル技術を活用して新たな価値を創造できる人材を輩出するために検定を行っています。
画像処理エンジニア検定は、2つのコースが用意されています。
- 画像処理エンジニア検定 ベーシック…基礎知識の理解を測る
- 画像処理エンジニア検定 エキスパート…専門知識の理解と知識を応用する能力を測る
そのため、自分のレベルに見合う検定を受けるようにしましょう。
画像処理エンジニア検定の受験要項
試験日程 | 前期:7月
後期:11月 |
試験申込期間 | 前期:4~6月
後期:9~10月 |
受験料(税込) | ベーシック:5,600円
エキスパート:6,700円 |
試験詳細 | マーク形式 |
受験資格 | 制限なし |
合格基準点 | 70点/100点満点 |
申し込み方法 | Webサイトより申し込み |
画像処理エンジニア検定の試験内容
画像処理エンジニア検定の試験内容は、「ベーシック」「エキスパート」によって変わります。
画像処理エンジニア検定 ベーシック | 画像処理エンジニア検定 エキスパート |
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画像処理エンジニア検定の難易度
画像処理エンジニア検定は、ベーシックとエキスパートがありますが、各検定の合格率は以下の通りです。
ベーシック
応募者 | 合格率 | |
2023年前期 | 522 | 69.4% |
2022年後期 | 636 | 66.4% |
2022年前期 | 696 | 62.3% |
2021年後期 | 724 | 68.3% |
エキスパート
応募者 | 合格率 | |
2023年前期 | 509 | 42.7% |
2022年後期 | 644 | 32.3% |
2022年前期 | 601 | 38.6% |
2021年後期 | 684 | 22.2% |
ベーシックの合格率は、およそ65%と高めのため、他のIT資格と比較すると難易度は易しめと思われるかもしれません。
しかし、AI関連の知識を学んでいる学生や、AI関連の仕事に就いている社会人が受講していて合格率を上げています。そのため、AI初学者の方は試験を難しく感じてしまうことでしょう。
画像処理エンジニア検定の勉強方法
画像処理エンジニア検定の勉強方法は公式テキストがおすすめですが、以下のポイントを意識して勉強するようにしましょう。
法律に関する勉強をする
画像処理エンジニア検定の試験では、画像処理や補正に関する知識だけでなく、著作権や知的財産権についても出題されます。
試験問題の1割程度は、著作権など法律に関する問題が出題されるため、しっかりと勉強するようにしましょう。
数学に関する勉強をする
画像処理エンジニア検定は、ディープラーニングやニューラルネットワークに関する試験問題が出てきます。
機械学習において数式を頻繁に使うため、以下のような数学に関する勉強をしておきましょう。
- 数式には、どんな変数を活用すればいいのか?
- 変数はどのような意味を持っているのか?
- 変数の値が変化すると、数式はどう変化するのか?
上記を理解できると、画像処理エンジニア検定の合格が近づきます。
適切な勉強方法で学習していく
画像処理エンジニア検定に短期間で合格するためには、適切な勉強方法で学習していくことが大切です。
そのため、以下の手順で学習していきましょう。
- 画像処理エンジニア検定対策の参考書を3周読み込む
- 画像処理エンジニア検定問題集を解いてみる
- 問題集で間違えた箇所をチェックしておき、2回目・3回目に解き直す
- 問題集を解き終えたら、間違えた箇所を中心に参考書で復習しておく
過去問題を解いてみる
試験本番と考えて過去問題を解いてみましょう。
CG-ARTSの公式サイトには、試験2回分の過去問が公開されています。
検定の合格基準点は、およそ65%のため、確実に合格するためには、練習段階で80点以上が安定的に取れるようになっておきましょう。
下記の記事では、試験2回分の過去問だけでなく、それ以前の試験問題のPDFが集められています。
そのため、画像処理エンジニア検定の過去問題集をお探しの方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『画像処理エンジニア検定の過去問題集!PDFダウンロード可』
補足:数学や機械学習に不安を感じる方におすすめの「E資格対策講座」
画像処理エンジニア検定に合格するためには、数学や機械学習に関する知識が必要です。これらの知識がなく、独学が難しいと感じる場合は、「E資格対策講座」を受講してみてください。
AI研究所のE資格対策講座であれば、短期集中講座(最短4日)で、数学と機会学習の知識を習得できます。また、ディープラーニングの知識を保有していることを証明できる「E資格」の受験資格が得られます。
E資格を取得した後に、画像処理エンジニア検定を取得するという勉強方法もおすすめです。
E資格対策講座に興味がある方は、下記をご覧ください。
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画像処理エンジニア検定を合格するメリット
画像処理エンジニア検定に合格すると4つのメリットが得られます。
画像処理分野の知識が学べる
1つ目は、画像処理分野の知識が学べることです。
画像処理エンジニア検定を合格するために勉強すれば、画像処理分野の開発・設計に関する幅広い知識が学べます。
特に、検定試験の問題は、画像処理分野の現場で活躍しているクリエイターやエンジニア、研修者300名の協力により作成されています。そのため、現場に役立つ知識を体系的、網羅的に学習でき、現場で活かせるようになるのです。
知識を持っておけば、周囲からも信用されるようになり、粒度の細かな話ができるようになります。
転職活動を有利に進められる
2つ目は、転職活動を有利に進められることです。
画像処理エンジニア検定に合格すれば、転職活動を有利に進められます。なぜなら、画像処理に関する知識を証明できるためです。
また、AI人材は不足しており、簡単なプログラムを作成できる未経験者でも採用したいという企業も存在します。そのため、未経験でも就職することができます。
現役エンジニアの方であれば、資格を取得することで希望する会社に転職しやすくなるでしょう。
スキルアップで年収を上げられる
3つ目は、スキルアップで年収を上げられることです。
画像処理エンジニアの平均年収は、519.7万円です。国税庁の「民間給与実態統計調査結果」に記載されている平均年収は441万円のため、平均より高い給与が期待できます。
どのような企業で働くかで変わりますが、年収900万円の求人もあります。また、会社によっては、画像処理エンジニア検定に合格すれば資格手当が支給してもらえるケースもあるでしょう。
そのため、スキルアップして年収を上げたいという願望が実現しやすくなります。
仕事が安定している
4つ目は、仕事が安定してあることです。
画像処理エンジニアの仕事は増え続けています。デロイトローマツミック経済研究所の独自調査『AI(ディープラーニング)を活用した画像認識市場の中期予測(2020~2026年度)』では、2026年まで画像処理の市場規模は拡大し続け、1,100億円に達すると予測されています。
この調査結果からわかるように、画像処理の需要は増えているため、将来的に仕事に困ることはないでしょう。AIによって失われる仕事が出てくると叫ばれている中でも、安定的に働けます。
そのため、将来的にも需要が見込める仕事に就きたいという方は、画像処理エンジニア検定の受験をしてみると良いでしょう。
まとめ
画像処理エンジニア検定とは、画像処理分野のシステム開発、システム設計に必要なスキルを習得していることを証明できる検定です。
画像処理エンジニア検定の難易度は高いですが、資格を取得すれば転職活動を有利に進められたり、スキルアップできて年収アップが期待できたりします。
そのため、将来を見込んで画像処理エンジニアの知識を身に付けたいという方におすすめの資格になっています。
この記事を読んで、画像処理エンジニア検定に興味を持った方は、これを機会に勉強を始めてみてください。