デジタル庁がクラウドサービス導入を推進する中、初期費用を抑えて手軽に導入できるAWSを選択する企業が急増しています。
しかし、AWSを効果的に活用するためには、専門的なスキルを持つエンジニアが欠かせません。
そこで注目を集めているのが、AWSスキルを客観的に証明できるAWS認定資格です。
本記事では、AWS認定資格取得にかかる費用を徹底解説します。
AWS認定資格の再認定費用、および再認定費用を抑える方法まで詳しくお伝えするので、AWS認定資格取得を考えている方はぜひ参考にしてください。
AWS認定資格とは?
AWS認定資格は、Amazonのクラウドサービス「Amazon Web Services」に関する専門知識とスキルを証明する公式資格です。
AWS認定資格試験では、クラウドコンピューティングの各分野における技術的熟練度を評価・認定し、デジタル化社会の波を受けAWS認定資格に注目する企業も増え続けています。
AWS認定資格については、以下の記事で詳しく紹介しています。
AWS認定資格を取得するメリットについても解説しているので、AWS認定資格に興味がある方もぜひご覧ください。
AWS認定資格の重要性
デジタル庁は2023年9月29日に「政府情報システムでクラウドサービスを優先的に利用する基本方針」を更新し、政府全体としてクラウド化を推進するため、各府省に対してクラウドサービスの利用を推奨する方針を示しました。
この方針では、クラウドサービスを効果的に活用するため、セキュリティ強化、コスト削減、システムの柔軟な拡張なども挙げています。AWSスキルの重要性は国家レベルの施策に基づいており、決して一時的なトレンドではないのです。
参照:デジタル社会推進標準ガイドライン「クラウド・バイ・デフォルト原則」
AWS認定資格の分類
AWS認定資格は、クラウドエンジニアのスキルレベルに合わせて大きく4つのカテゴリに分類されます。さらに各カテゴリは、専門分野に合わせて資格が細分化しています。
AWS認定資格のカテゴリとその内容は以下の通りです。
カテゴリ | 資格数 | 難易度 | 主な内容 |
Foundational | 2 | 易 | AWSクラウドサービスの基礎知識を証明 |
Associate | 5 | 中 | AWSサービスの実践的活用スキルを証明 |
Professional | 2 | 高 | 複雑なシステム設計や運用能力を証明 |
Specialty | 3 | 高 | 特定のAWSサービスに関する専門知識を証明 |
AWS導入が費用を抑える理由
以下では、AWS導入が費用を抑える理由を解説します。
- 初期費用を削減できる
- 使った分だけ費用が発生する
- 作業を自動化できる
費用を抑える理由①初期費用を削減できる
AWSを利用すると、初期費用を大幅に抑えられます。
通常システム導入をする場合、物理的なサーバーやネットワーク機器を購入しなければいけません。
しかし、AWSはクラウドベースのサービスなので利用料金のみを支払えば利用できます。
設備費用のカットにともない、新製品開発やマーケティングに余剰費用を充てることも可能です。
費用を抑える理由②使った分だけ費用が発生する
AWSは使った分だけ料金が発生します。
AWSの支払い形態は従量課金制なので、需要に合わせてリソースを調整できます。
たとえば、ビジネスの成長やセール期間など、ニーズに合わせたリソースの増減が可能です。
将来かかる費用も予測しやすくなるため、予算管理を簡易化したい企業にも適しています。
費用を抑える理由③作業を自動化できる
AWSを導入することで、サーバー運用に関連するさまざまな作業を自動化できます。
たとえば、普段IT担当者が行っているサーバーの起動・停止、パッチ適用、バックアップといった作業もAWSが代行してくれます。
これにより、社内のIT要員をより戦略的な業務にシフトさせることも可能。人的費用をカットできるのはもちろん、手作業によるミスで生じる費用も抑えられます。
AWS認定資格取得にかかる費用
AWS認定資格取得にかかる費用は、先述したカテゴリごとに異なります。
AWS認定資格費用は2024年4月1日に改訂されました。
以下の費用は、改定後の最新受験料となります。
カテゴリ | 費用 |
Foundational | 15,000円 |
Associate | 20,000円 |
Professional | 40,000円 |
Specialty | 40,000円 |
参照:AWS
ちなみに、上記のAWS認定資格費用は、2024年3月までの費用より4,000円~10,000円高くなりました。AWS認定資格費用は、為替レートの変動にあわせて毎年4月1日ごろに改訂されます。
AWS認定資格取得にかかる費用が分かったところで、申し込み手続きに進みたい方もいるでしょう。以下の記事は、AWS認定資格の申し込み方法、および試験時に必要なものについて解説しているのでぜひ参考にしてください。
AWS認定資格は更新時も費用が必要?
AWS認定資格は一般的な資格試験のように、一度取得したら永久的に有効な資格ではありません。
そして、資格更新時も費用が必要です。
AWS認定資格の更新費用
AWS認定資格の更新(再認定)時には、初受験時と同様の費用が必要です。
受験の費用は前項「AWS認定資格取得にかかる費用」でご確認ください。
ちなみに、再認定が行われるのは、資格取得者がAWSの最新技術に対応できるスキルを維持するためです。AWSは日々進化しているため、最新のAWS認定試験を受験することでスキルレベルの信頼性を証明できます。
AWS認定資格の有効期限
AWS認定資格の有効期限は3年です。
AWSアカウントにログインし、「取得済み認定」ページを開くと各資格の有効期限が確認できます。
AWS認定資格は、取得から3年が経過すると自動的に失効します。
資格失効後は履歴書にも記載できないので注意しておきましょう。
AWS認定資格の更新方法
AWS認定資格は、有効期限の約6ヶ月前に更新のリマインダーがメールで送付されてきます。
更新方法は、以下の2パターンです。
- 同レベルの試験に再度合格する
- 上位の資格試験に合格する
FoundationalとAssociateの場合は、上位資格であればすべて対象です。
上位資格を取得しても再認定の手続きが完了するので、AWS認定資格の更新は、スキルアップとキャリアアップの両立を目指せる絶好の機会ともいえるでしょう。
ProfessionalとSpecialtyの再認定時はカテゴリ(レベル)変更不可
AWS認定資格の更新費用を安くする方法
先述したように、AWS資格の更新時には新規テストを受験するため、新規受験者と同じ費用が必要です。しかし、AWSの「再認定オプション」を利用すれば、安い費用で資格を更新できます。
AWS資格の再認定オプションとは?
AWS資格の再認定オプションは、「割引バウチャー」という全てのAWS資格更新費用を50%オフするサービスです。
各資格レベルに応じて柔軟な選択肢を提供し、資格保持者が費用を抑えて効率的に認定を更新できるシステムとなっています。Foundationalレベルの場合は、ゲーム形式のトレーニング「AWS Cloud Quest」を受ければ更新費用はかかりません。
AWS資格再認定時の注意点
AWS資格の再認定は、有効期限内に手続きを進める必要があります。
一度資格が失効してしまうと再認定の対象外となるため、有効期限の管理は非常に重要です。
認定の有効期限は、先述したようにAWSマイページで確認できます。
資格更新前にはAWSから更新メールが送付してくるので、忘れずチェックして更新時期を逃さないようにしましょう。
安い費用でAWS認定資格を学習するには?
AWS認定資格取得にかかる費用や更新費用が分かったところで、次に気になるのは資格取得までの学習にかかる費用でしょう。以下では、安い費用でAWS認定資格を学習する方法を紹介します。
- YouTube公式チャンネルを視聴する
- AWS Skill Builderを活用する
- 短期型セミナーを利用する
学習方法①YouTube公式チャンネルを視聴する
安い費用でAWS認定資格を学習する方法は、AWS公式チャンネルの利用です。
AWS公式チャンネルでは、AWS認定資格の中で最もポピュラーなAssociate(中難易度)のSolutions Architectをステップごとに分かりやすくまとめた動画を公開しています。
この動画は全75回に細かく区分されており、各動画は問題を元に学習を進め3分前後で視聴が完了します。AWS資格取得を目指す方であれば誰でも無料で利用できるため、費用をかけずに学習したい方に最適です。
ただし、Solutions Architectの学習のみなので、その他の資格を取得する場合には活用できません。YouTube動画のコメント機能は有効ですが、活用している方はほとんどいないので、疑問点・不明点を解決しにくいというデメリットもあります。
学習方法②AWS Skill Builderを活用する
安い費用でAWS認定資格を学習する方法としては、無料トレーニングが600以上あるAWS Skill Builderもあります。このサービスは、AIを活用したシミュレーションで現実的な問題解決能力を高め、さらに認定試験対策用の練習問題や模擬試験も提供されています。
実践力を身につけたい方は、1,000超のラボ演習を学べる個人サブスクリプションプランを選択することも可能です。こちらの費用は1ヶ月29米ドル(約4,141円)、1年で449米ドル(約64,130)となっています(2024年9月9日時点)。
しかし、この学習方法は独学ならではのモチベーション維持の壁にぶつかりやすいです。学習効率が悪いと感じたら、他の学習方法に移行する、もしくは他の学習方法と併用することをおすすめします。
学習方法③短期型セミナーを利用する
安い費用でAWS認定資格を学習する方法には、短期型セミナーの利用も挙げられます。短期型セミナーは、通常受講期間2~3日程度と短いため、受講料や教材費などの費用を安く抑えられます。
短期型セミナーは、先述した2つの学習方法の課題点であったモチベーション維持も解決できるので、学習効率や時間効率を向上したい方にもおすすめです。
ただし、短期型セミナーといってもそれぞれ費用は異なり、中には高額なセミナーも存在します。
短期型セミナーを利用する際には、費用をしっかりリサーチしたうえで選びましょう。
AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー|BIZROAD
AWSで始めるインフラ構築基礎セミナーは、2日間で実践的なAWSスキルを習得できる集中講座です。
1日目はクラウドの基礎知識から始まり、仮想ネットワーク構築、EC2を使用したWebサーバーの設定など。2日目は、Pythonプログラミングによるアプリケーション開発環境の構築、そして今話題のChatGPTの実装に挑戦します。
セミナーでは、負荷分散やシステム監視など、クラウドシステムの運用に必要な知識と実践的スキルも習得できるため、「費用対効果が高い学習方法を選びたい」という方に最適です。
受講期間 |
|
受講形式 |
|
受講料 |
|
AWS認定資格取得にかかる費用についてまとめ
この記事では、AWS認定資格取得にかかる費用、AWSの認定資格の更新費用を中心に解説しました。AWS認定資格取得にかかる費用は毎年更新されているため、受験前には再度確認しておきましょう。
AWS認定資格は、費用対効果の高い学習法を選ぶと、合格までの道のりがグッと短縮します。
学習効果の高い方法でしっかり受験対策することで、結果的にトータル費用を削減できるでしょう。
AWSで始めるインフラ構築基礎セミナーは、わずか2日間でAWSの基礎から学べる初心者向けセミナーです。AWSの基礎から応用スキルまで短期間で学びたいという方は、ぜひ以下のページでセミナーの詳細を確認してください。