E資格とは?受験する方必見!難易度や合格のための学習方法を徹底解説!

E資格とは?受験する方必見!難易度や合格のための学習方法を徹底解説!

近年のAI躍進により、AIの仕組みのわかるIT人材が様々な業界で求められるようになってきました。
この記事では、ディープラーニングを扱うエンジニア向けの資格である「E資格」についてご紹介します。
E資格の難易度や認定講座・合格に向けた学習方法をまとめているので、これからE資格にチャレンジしてみようと思っている方はぜひ参考にしてみてください。

E資格とは?

E資格は、「一般社団法人日本ディープラーニング協会」(JDLA)が創設した、ディープラーニングのプログラムを実装するエンジニアの技能を認定するエンジニア向けの資格です。
日本の産業競争力の向上を目指し、エンジニアがAIを軸にした技術を高める目的があります。

E資格が注目されているのはなぜ?

AI技術やディープラーニング技術は、画像認識や音声認識、異常検知などで利用されることが多いです。

AIによって、抽象的な情報を処理する等、さまざまな状況が「見える」ようになるため、ものづくりとも相性がよく、さまざまな業務を効率化し、労働力不足の問題を解決する可能性があるなど、今の日本に足りない物事を大きく改善できると期待されています。

AIエンジニアがE資格を取得するメリットはあるの?

E資格を取得することで、営業職や企画職にも役に立ちます。AIを導入しようとする企業は多いですが、社内にAIに関する知識がある人がいないと、取引先のエンジニアと交渉をする際に他社の営業と差が出ます。本来必要ない、何に使うのか決まってないのに、なんとなく最新技術だからといって導入するという話もよくあります。それでは宝の持ち腐れです。会社からの信頼キャリアアップのためにも取得するメリットは大いにあると言えるでしょう。

エンジニアの人にとって、やりたくない仕事が発生することがあると思います。AIによってもたらされる技術により、作業の簡略化や短縮が実現する場合があります。本当にやりたい仕事のためにやりたくない作業を減らすことが可能になるかもしれません。

人工知能、機械学習、ディープラーニングを用いたシステムの需要に対して、開発ができる人材とそれを管理できる人材は大きく不足しています。さまざまな領域に参画できるエンジニアが必要とされているのです。

E資格の他にジェネラリスト向けの資格である「G検定」もあります。実際に作業するエンジニアにAIに関する知識が十分にあっても、マネジメントする立場であるジェネラリストが分かっていないと、元も子もありません。マネージャーや管理者の立場にある人も新しい知識として知っておかなければならないのです。

G検定についてきになるという方はこちらの記事「G検定とは?どうすればG検定に合格できるのか?」を参考にしてみてください。

E資格の受験日は年に2回開催されていて、2020年は2月22日と8月29日(*8月の開催は新型コロナウイルス感染症の影響により中止)です。
E資格の受講者は年々増えていて、2019年8月31日に実施された試験では670名は受験しています。

E資格の合格率と難易度はどのくらい?

そんな、E資格の難易度や合格率が気になっている人も多くいることでしょう。
E資格の合格率は60%以上を維持し、受験者の割合は30代が最も多くなっています。エンジニア向けの資格なので、元々ITスキルに長けている人が受験者の中で多いのかもしれませんが、難易度はやや低めとなっています。AIエンジニアとして高いレベルの業務で知識の拡大が必要になった、もしくは転職や管理職になりAIエンジニアとしての知識を忘れないようにするために取得を目指しているようです。
「30代の受験者が多いし10代や20代には難易度が高いかな」ということはなく、10代からAIエンジニアを目指す人も増えているので20代や10代でもE資格を取得する価値は十分にあります。知識と資格を得ることに早すぎる、遅すぎることはありません。

合格者数は、453名で約6~7割の方が合格しています。
画像:JDLA試験実施レポートより抜粋:合格者数は、453名で約6~7割の方が合格しています。

E資格の難易度と合格率はどれくらいなのか?

E資格は出題範囲を把握してから受験しよう

E資格試験の出題範囲は、一般的なAI知識の他、応用数学機械学習深層学習の応用など深層モデルの構築、Pythonを使ったプログラミングまで幅広く出題されます。E資格を取るためには、PythonのライブラリであるPandas、 NumPy、scikit-learn、Matplotlibの基本的な使い方を習得している、線形代数、微分、確率・統計の基本を理解している、機械学習の基礎知識があることがの前提条件として必要です。

2020年2月に行われたE資格のシラバスは以下になっています。

ディープラーニングと数学の学習には時間をかけよう

応用数学

応用数学の大項目として次に挙げられるのが線形代数と確率・統計です。
線形代数では、主に行列理論を使った空間に関する一般的な計算理論の体系的な理解と実践的な応用ができることが求められ、確率・統計はディープラーニングにおいて欠かせないもので、確率・統計に基づいたアルゴリズムの構築をすることが基本となります。数学と聞いて苦手意識が湧く人もいると思いますが、難しく考えすぎずチャレンジしてみましょう。

  • 線形代数
  • 確率・統計
  • 情報理論

E資格の勉強で抑えたいシラバス 【応用数学】

機械学習

機械学習の単元には、「機械学習の基礎」と「実用的な方法論」の2つがあり、機械学習の基礎で出題されるのはAI開発の基礎が中心です。そのため後の深層学習分野の学習に取り組むにあたっても必要な知識ですので、しっかり学習しておきましょう。

  • 機械学習の基礎
  • 実用的な方法論

E資格の勉強で抑えたいシラバス 【機械学習】

深層学習(ディープラーニング)

深層学習(ディープラーニング)とは、AI(人工知能)分野における大事な技術の1つです。AI(人工知能)の中の機械学習、機械学習の中の深層学習(ディープラーニング)という構造になっています。

深層学習では人の脳の神経ネットワークをモデルとして機械学習が行われています。一般的にはあまり耳慣れない専門用語も出てくるのでしっかり時間をとって学習を進めていきましょう。

  • 順伝播型ネットワーク
  • 深層モデルのための正則化
  • 深層モデルのための最適化
  • 畳み込みネットワーク
  • 回帰結合型ニューラルネットワークと再帰的ネットワーク
  • 生成モデル
  • 強化学習
  • 深層学習の適応方法

E資格の勉強で抑えたいシラバス 【深層学習1】

開発・運用環境

2020年から新しく開発・運用環境が追加され、出題範囲自体は広くはありませんがディープラーニングの実用面において極めて重要な軽量化・高速化技術が含まれています。このように試験のタイミングによって学習内容が変わることもあるので受験前に必ず確認しましょう。

  • ミドルウェア
  • 軽量化・高速化技術

E資格の勉強で抑えたいシラバス 【開発・運用環境】

E資格受験に必須なJDLA認定講座とは

JDLA認定講座とは

ディープラーニングに関する知識を有し、「事業活用する人材」と、「ディープラーニングを実装する人材」の育成を目指している講座です。主に「事業活用する人材」は管理職を、「ディープラーニングを実装する人材」はエンジニアとして作業する人のことを指します。管理職とエンジニアどちらの立場でも、お互いのことを理解するために両方とも学んでおく必要があるのです。

E資格を受験するには、「一般社団法人日本ディープラーニング協会」(JDLA)を受講することが必須条件となります。この認定講座は複数の企業が講座を開いており、AIについて初心者の人にも優しく、わかりやすい内容の講座が用意されているため、自分の学習スタイルや予算に合わせて選びましょう。

JDLA認定プログラムの種類と料金を比較

費用を抑えて最短合格!おすすめのE資格対策ディープラーニング短期集中講座(AI研究所)

AIの実務実績のある講師のもと、ディープラーニングを実装するエンジニアのスキル習得に特化し、オンラインでの事前学習や体験学習が可能です。毎回の講義の復習もオンラインで可能。
学習期間は1ヶ月で、受講料は188,000円(税別)と、仕事で忙しい方やとにかく短時間でE資格の対策がしたい方には非常におすすめです。
E資格対策ディープラーニング短期集中講座
詳細はこちら

E資格合格のためにディープラーニングの知識をつけよう

ディープラーニング(深層学習)とは

ディープラーニングとは、メカニズムのことです。機械であるAI(人工知能)が人間の神経を模したニューラルネットワークという処理機構を使い、自動的にデータから特徴を抽出する様子を学習に例えたAI分野の用語でもあります。ディープラーニングはAI(人工知能)に欠かせない要素であり、AIが知能らしく振る舞うために必要なものです。

大量のデータを集めておき、十分なデータ量があれば、人間の力なしに機械が自動的にデータから特徴を抽出してくれるという技術です。

ディープラーニングを利用することによって、機械はモノを識別するために必要なパターンについて学習し、それをもとに自動でデータから特徴を抽出してモノを識別できるようになります。これは、画像認識や自動運転などに活用されています。

ディープラーニングの参考書

「ゼロから作るDeep Learning1、2」

JDLAの推薦図書でもある本書は受験対策にもぴったりな参考書です。
基礎的な数学の解説や実装についても解説されているため、試験勉強以外にも自分の知識を補う本として持っておくこともお勧めします。
ディープラーニングについて

参考書のクチコミやレビュー「ゼロから作るDeep Learning1、2」はこちら

2018年のレビューでも図書の丁寧さ使い易さに満足度5!!

そうそう、こういうことが知りたかった!ライブラリの使い方なんてちょっと検索すればわかる。数学的・構造的な解説が丁寧にされていて、とても良かったです!ありがとうございます!
最初この本から読み始めましたが1章に時間がかかり過ぎ、「ゼロから作るDeep Leaning」(1の方)から出直しました。1日8時間くらいとしてゼロから作るDeep Leaning 5日
ゼロから作るDeep Leaning 2(本書) 10日
くらいで読了しました。最初から1の方を読んでいれば、2はもうちょっと早く読めたと思います。最後の方で、一見同じに見える変数が関数によって異なることに気づき、だーっと戻って確認したので、そこに最初から気づいている人は更に早く読み終えられると思います。”先に言ってよ”的な部分は1に比べると2の方がちょっと多いかな(汗)。最終的にはわかります。数学的には、線形代数と微分積分、ちょっとだけ情報理論、の知識があった方がわかりやすいです。参照:amazon.co.jp

「グーグルに学ぶディープラーニング」

グーグル社のエンジニアへのインタビューをベースに、3つのテーマの違いについてわかりやすく解説をしています。ディープラーニングの仕組みやグーグル社での活用のされ方などがまとめられており、初心者でもディープラーニングが理解できる内容です。
グーグルに学ぶディープラーニング

参考書のクチコミやレビュー「ゼロから作るDeep Learning1、2」はこちら

2019年のレビューから、一般教養レベルでDL概要を理解したい方にお薦めの1冊!!

全7章の構成から2章を使いディープラーニング概要、各1章ずつでグーグルの事例、その他企業の事例、活用フレームワーク、今後の展望となっています。
良く混乱されるAI/ML/DLの違いの説明から、事例を通した理解、それらを元に今後の展望を述べるという良く出来た構成になっています。実際の技術(偏微分、統計学等)には触れられていないので、一般教養レベルでDL概要を理解したい方にお薦めです。逆にディープラーニングをある程度理解している方や技術的な事が知りたい方であれば特に得るものは無いかもしれません。参照:amazon.co.jp

「最短コースでわかる-ディープラーニングの数学」

ディープラーニングを学ぶ上で数学の知識は欠かせません。AIの本質を学ぶためにもおすすめの参考書です。
最短コースでわかる ディープラーニングの数学
AI分野の学習をしたい方におすすめ、基礎学習から使えるディープラーニングの用語

参考書のクチコミやレビュー「ゼロから作るDeep Learning1、2」はこちら

2020年のレビューから、中高時代の数学にある程度勘所がある人向けの1冊!!

体系的に整理されており、中高で習う数学にある程度、勘所がある方には最適だと思います。
きれいさっぱり忘れているという方には、「統計学が最強の学問である[数学編]」をオススメします。 参照:amazon.co.jp

E資格に受験するために必要なこと。絶対合格を目指そう

E資格に合格するためには試験の情報をしっかりと収集することのほかに、先に述べたような一般的なAI知識の他、応用数学、機械学習、深層学習の応用など深層モデルの構築、Pythonを使ったプログラミングのスキルが必要となります。
また、資格を受験するためには、2年以内にJDLAが認定している講座を受講する必要があります。受験するのにハードルのある資格ではありますが、自分のスキルアップにつながる試験なのでAIエンジニアとして活躍したい方や転職で有利になりたい方は是非受験していてください。

以下のサイトにJDLA認定講座の情報がまとめらていたので参考にしてみてください。
参考サイト:E資格を受験をするのに受講が必須なJDLA認定講座の比較まとめ