E資格とE検定、電験の違いは何?

E資格とE検定、電験の違いは何?

E資格とE検定、電験は、それぞれ異なります。

  • E資格:AI関連資格
  • E検定:電気系や電子系のエンジニア向けの資格試験
  • 電検:工場、ビルなどの受電設備や配線など、電気設備に関係する資格

であるため、しばしば混同されがちですが、同じではありません。

以下では、それぞれの資格の内容や特徴について見たうえで、それらの違いについて説明することにしますので、どちらを受けようか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

E資格とは?

E資格は、「一般社団法人日本ディープラーニング協会」(JDLA)が創設した、ディープラーニングのプログラムを実装するエンジニアの技能を認定するエンジニア向けの資格です。

E資格を受験するためには、JDLAが認定するプログラム(講座)を受講し、修了する必要があります。

E資格についてはこちらの記事「E資格とは?どうすればE資格に合格できるのか?」を参考にしてみてください。

E検定とは?

E検定というのは、電気・電子系技術検定試験のことで、株式会社サートプロが試験の開発と運営を担い、一般社団法人日本電気協会が後援する民間の資格です。

主な対象者は、若手や中堅などのエンジニアとなっており、電気系や電子系の技術者に必要とされるスキルや知識などが十分に備わっているかどうかをはかる検定であると位置づけられています。

出題範囲は・・・

  • 電子回路
  • デジタル
  • 電気回路

といった基本的な項目に加え、電磁気や半導体、コンピューターなどの9分野にわたります。かなり広範な分野をカバーしていることから、試験勉強を通じてエンジニアに必要な情報を一通りインプットすることができるでしょう。

また、この検定試験は、個人でも受験できますが、企業などの団体として受けることも可能となっています。団体の事務所を試験会場にすることも認められていますので、社内でエンジニアを育成したいと考えている企業は積極的に試験を実施して社員に資格取得を促すとよいかもしれません。

試験を受ければ、他の受験者との相対的なレベル差が明確になりますし、自らがどの程度の技術スキルを身に着けているかを客観的に示せるようにもなるため、エンジニアとしてキャリアアップしていきたいと考えている方も積極的に受験してみるとよいでしょう。

なお、この試験を受ければエンジニアとしての自分の強みや弱みがクリアになってきます。強みをより磨くとともに、弱みを補強することで、よりエンジニアとしてのレベルアップが可能です。

試験の出来によってエバンジェリスト、シニアエキスパート、エキスパートといった称号を名乗れるようになるため、学習へのモチベーションを高めることにもつながるでしょう。

電験とは?

電験というのは、電気主任技術者試験の略語で、電気についての知識やスキルを客観的に証明するために実施されている国家資格です。

この資格を取得すれば、発電所や変電所に加えて、工場やビルなどの配線や受電設備の管理などを行う保安監督の仕事を担うことが可能になるため、電気系のエンジニアを目指す方にとっては取得しておいて損はありません。

また、国家資格であるため、取得すれば電気業界への転職に有利に働くことが期待できますし、すでに業界で働いている方にとっては社内での評価向上や昇進にプラスに作用することでしょう。

さらに、電気を扱う仕事は何も電気業界だけに限られません。鉄道や不動産、ITといった様々な業界で電気に精通したエンジニアは重宝される傾向にありますので、それらの業界内でキャリアアップを狙いたい方にとってもこの資格は非常に有用であると言えます。

この電験の資格は、一種から三種の3つに分かれており、もっとも基本的なのが三種で、最上位が一種であると位置づけられています。

そのため、まずは三種の資格取得を目指して勉強をするとよいでしょう。三種さえ取得しておけば、一定年数の実務経験を積むだけで二種や一種の認定を受けることができるようになります。

一種は限られたエンジニアだけが有している希少価値の高い資格であるため、それを取得できれば仕事の幅を広げたり、より待遇の良い職場へとステップアップすることも可能となるはずです。

E資格と電験の違いとは?

ここまでE資格と電験のそれぞれの内容と特徴について見てきたわけですが、それらを比較することで両者の違いが明確になってきます。

まず、もっとも大きな違いは、E資格・E検定が民間の資格であるのに対して、電験は国家資格であるという点です。

また、電気業界内ではE検定の認知度も電験に決して引けを取るものではありません。そのため、必ずしもどちらを取得しておけばよいと一概に言うことはできないのです。

この点、より幅広く様々な分野をカバーしているのはE検定の方ですので、検定試験の勉強を通じてエンジニアとしての知識を一通り習得したいのであればそちらを、

より公的な資格を取得して電気業界だけでなく他の業界への転職も狙いたいという場合には電験の資格を取得するというのも一つの考え方です。

資格の違いを理解して自分に合った方を選ぼう

以上で見てきたように、E資格と電験は必ずしもどちらが優れた資格であるといえるものではありません。
電気業界内でのキャリアアップを図るべく幅広い知識を習得したいのであれば前者が、他の業界への転職も視野に入れるのであれば後者がそれぞれ役に立つため、自分がどのような道に進みたいのかを決めたうえで、それに適した方を取得するようにするとよいでしょう。