AIエンジニア向け深層学習のE資格で、試験範囲となるシラバスと深層モデルのための正則化とは?

AIエンジニア向け深層学習のE資格で、試験範囲となるシラバスと深層モデルのための正則化とは?

日本ディープラーニング協会(JDLA)が開催している、ディープラーニングを実装する能力があることを証明するE資格の検定試験。AIエンジニアに関する知識だけでなく、幅広い内容が問われる試験です。試験対策として、出題範囲をしっかり確認して対策することが重要なポイントになります。何から勉強すべきかは、公開されているシラバスを確認するのが最適です。E資格に合格するために必要な試験範囲を詳しく紹介します。

深層モデルのための正則化を理解する

機械学習においては、多大なデータ量を処理します。そのため、一部のデータにかたよった結果が出てしまう過学習が起こってしまうことがあるのです。そんな過学習を防止するために、データ量が多い場合、性能を定量化して誤差を小さくする、正則化が取られます。試験に合格するために、シラバスの中でも正則化は重要な項目なのでしっかりと理解しましょう。

パラメータノルムペナルティーを理解する

正則化は、パラメータノルムペナルティーと呼ばれており、誤差関数にペナルティの項を設定して学習させる手法です。ペナルティ項を加えることで、データの分量が制限されるため、正則化をかけることができます。パラメータノルムペナルティーは、項を加えるだけなので実装が簡単です。試験ではよく使用されるL1正則化とL2正則化が必須項目なので、その違いを理解しておきましょう。

データ拡張の技術

データ量が多ければ、深層学習モデルを構築するのは比較的容易です。しかし、データ量が少ない場合はどうでしょうか。データ拡張の技術を使えば、データ集合を拡張することができます。データ拡張では、手元にあるデータを用い、違う種類を作成することでデータ量を拡張することが可能です。画像を使ったデータ処理では、明度を変更したり、背景を置き換えることでデータ量を増やせます。言語の場合には、類似語や反対語に置き換える方法で作成が可能です。

ノイズ追加の必要性

画像処理では、デジタル画像に含まれるノイズを考慮した処理を行わなければなりません。画像に含まれるノイズは、その画像ならではの印象や雰囲気を出すためには必須です。データ拡張を行うときには、画像が単一化するのを避けるためにノイズ追加をするのが良いでしょう。ノイズの追加は、画像にピクセルを追加することで可能です。

半教師ありの学習とは

半教師あり学習は、ラベルがある限られたデータを使用することで、ラベルが付いていない大量のデータにその役割を活かす手法です。半教師あり学習のメリットは、データが足りないという場合、両方のデータをうまく活用することができます。通常は、ラベルが付いていない大量のデータにラベルをつけてデータを統一する必要がありますが、半教師あり学習を使うとその作業をする必要がありません。実際の処理では、ラベルを予測して追加し、データの増量と学習を同時に行うブートストラップ法やラベルが付いてないデータの情報を確認してから半教師あり学習を行う、データに基づく手法が行われます。

マルチタスク学習の有効性を知る

マルチタスク学習は、それぞれ関連している課題を同時に処理させることで、予測をより精度の高いものにする手法です。画像認識では、領域やクラスなどの認識を行うことで、より正確な予測につながります。言語処理では、単語だけでなく、文節や品詞なども同時に学習させることで、誤差を少なくすることが可能です。マルチタスク学習を実行することで、違う課題でも関連している特徴を学ぶことで、より難易度の高い課題をクリアすることができるようになります。

早期終了が意味すること

学習を途中で終了することで、過学習になっている処理を強制的に終了させることができます。過学習で得られるデータより前に早期終了をさせると、適度なパラメータを入手することが可能です。

スパース信号表現とは

スパース表現とは、ゼロに近い値のようにその値を小さく見せる信号処理の方法です。スパース信号表現が可能な基底行列を理解することで、雑音の除去や信号を分けることが可能になります。スパース表現を使うことで、データ量が少なくても信号を復元することができるのです。

バギングを中心とするアンサンブル学習とは

精度が低い弱学習器を使っても、精度を高めることができる方法がアンサンブル学習です。アンサンブル学習は、バギング、ブースティング、スタッキングのタイプに分かれます。バギングはサンプルを並列的に並べてデータを作成し、集約して出力結果を導き出す方法です。ブースティングは、直列的に並べる方法で、バギングよりもより精度が高い結果を出せます。スタッキングはモデルを積み上げていく方法で、より高度な手法です。

ドロップアウト実装とは

過学習が起きることを避けるために、ドロップアウトを実装することが最適です。ドロップアウトを実装すると、過学習で起きる誤差を事前に防ぐことができます。その結果、データの精度をあげることに繋がるのです。

過学習を防ぐための手法

E資格の試験範囲であるシラバスの中で、過学習になってしまう機械学習をどう防ぐかを知ることは重要なポイントです。データの正則化にはさまざまな手法があり、より精度の高いデータを得るためにはデータの種類や容量に応じたデータ処理が必要になります。データの正則化をはじめ、過学習にどう対応するかは試験に出題される内容ですので、しっかりとプログラムできるよう理解しておきましょう。

「深層モデルのための最適化」について解説!
深層学習と順伝播型ネットワークについて