E資格試験が不合格だった!敗因はどこにある?経験者の声をまとめました

E資格試験が不合格だった!敗因はどこにある?経験者の声をまとめました

一流のAIエンジニアを目指す人にとっては、避けて通れない資格「E資格」。その難易度や専門性の高さから、AIエンジニアとしての確固たる実力を証明できる資格として注目を集めています。

しかし、「AIに関連する資格の最高峰」といわれるだけあって、E資格に合格するのは簡単ではありません。資格サイトなどでは合格者の感想ばかりがフォーカスされがちですが、これからE資格を受ける人にとって本当に有益なのは、不合格だった人たちの言葉ではないでしょうか。今回は、残念ながらE資格試験に不合格だった人たちのメッセージから、E資格の学習でつまづきがちなポイントを探るとともに、合格者の勉強方法を分析していきます。

E資格とは

E資格は、正式名称をJDLA Deep Learning for ENGINEER(JDLAディープラーニングフォーエンジニア)といい、エンジニアがディープラーニングの知識・技術を高めることで、我が国におけるAI分野の競争力を強化するために創設された資格です。

E資格の目的は、ディープラーニングを仕組みや背景から理解し、自らの手で実装できる能力を持ったAIエンジニアの育成です。フレームワークやライブラリアプリをゼロから構築し、AIの動きの一つ一つを数式で解読し、プログラムに変換できるといった、ハイレベルな能力が求められます。

このように、専門性と実践力を極め、「本当に優秀な人材」を育成するための試験として、世界レベルで見ても類を見ない資格試験になっています。トヨタ自動車やPreferred Networks、NVIDIAなど、世界のAI技術を牽引する企業が監修・協賛しているなど、試験の有用性・信頼性は疑いようがありません。

E資格の難易度は?

E資格は、AIに関する資格では最高難易度といわれています。
しかし、2022年8月26日(金)、27日(土)、28日(日)に実施された「2022#2」では、受験者数897名のうち合格者は644名であり、合格率は71.79%という結果でした。過去7回の結果と併せても合格率は74.00%に達しており、7割以上もの人が合格していることがわかります。難易度や専門性がE資格とほぼ同等とされる「IPA・情報処理試験レベル3、4」が合格率15~20%、「情報処理技術者試験の応用情報技術者~高度情報技術者」が合格率20%程度であることを考えると、E資格は難易度の高い資格試験の割に合格率は高めであることがわかります。

そのため、E資格の受験者のなかには、「市販の参考書を購入して自分で勉強すればなんとかなる」「試験対策の講座を受講するだけで合格できる」などと考える人もいるようです。
しかし、E資格の受験者は、受験の条件である「過去2年以内にJDLA認定プログラムの受講を修了していること」という条件をクリアしている人達です。JDLA認定プログラムそのものがかなりハイレベルな内容であり、修了テストも設けられているため、プログラムを修了しているというだけでもかなりの実力があるといえます。

つまり、合格率7割は「7割もの人が合格できる資格試験」という意味ではなく、「JDLA認定プログラムの修了者であっても3割は不合格になる資格試験」と考えるべきということでしょう。実際にE資格の勉強を開始すると、簡単な内容とはとても思えないはずです。

E資格試験に不合格でも落ち込まなくて大丈夫

残念ながら不合格だった場合も、E資格試験は再チャレンジする人が少なくありません。なぜなら、E資格試験に不合格でも、受験資格である「試験日の過去2年以内にJDLA認定プログラムを修了していること」という条件はまだ生きているからです。E資格試験は年に2回実施されるため、次のチャンスは半年後にやってきます。2年近く有効期限がある人ならば、あと3回は再受験できるということです。
高額なJDLA認定プログラムを再受講する必要がなく、試験の受験料(一般:33,000円、学生:22,000円、会員:27,500円)だけで済むので、再受験はしやすいといえます。

再受験はここに注意

E資格は再受験のハードルが低く、2回目、3回目の挑戦で合格を勝ち取った人も少なくありません。しかし、E資格のシラバス(出題内容)は頻繁に変更されるので、前回と同じ内容を学習していては通用しなくなる可能性があります。市販の問題集や参考書を活用しながら、自学自習で備える必要があるでしょう。
また、すでにJDLA認定プログラムは受講期間が終了しているため、学習のサポートを受けることもできません。再受験のための学習はよりハードになることを想定した方が良いかもしれません。

参考にしてほしい!不合格者の声

E資格試験不合格者の反省ポイントはどのようなところにあるのでしょうか。ここでは、これからE資格試験を受ける人に参考にしてほしい不合格者の感想を紹介します。

G検定が受かったので、甘く見てしまった

E資格試験の受験者のうち、約半数はG検定の合格者といわれています。G検定は、AIに関する知識を「広く、浅く」問うものであり、エンジニアだけでなく、ビジネスパーソンや経営者など、幅広い人を対象にしています。E資格の出題範囲はG検定の応用編ともいえるので、AIに関して知見があまりない人はG検定の受験からスタートするのもおすすめです。

G検定の合格率は6割前後で推移しており、資格試験のなかでも高めの合格率となっています。実際のところ、G検定の受験者はソフトウェア業や情報処理関連業や、実務でデータ分析の活用機会が多い職種が大多数を占めるため、試験そのものが簡単なわけではありません。しかし、G検定に一発合格したために、「自分はAIについて知っている」という意識を持ってしまう人は少なくないようです。E資格では、より「狭く、深く」AIの知識を追求していく必要があるため、ゼロから学び直すつもりで取り組む必要があります。

シラバスを確認していなかった

E資格のシラバスは、出題内容が事細かに書かれています。AIやディープラーニングは大変奥深く、どこまでも深く学んでいくことができます。しかし、試験にあまり出ない箇所に時間をかけすぎて、シラバスの記載内容がすべて学習できなかったという人は少なくないようです。初見ではなんのことか理解できなくても、最初にシラバスをきちんと確認し、学習漏れがないようにしましょう。

JDLA認定プログラムを受講する前に基礎知識が身に付いていなかった

JDLA認定プログラムは、それ自体がかなり高度な内容であり、AIに関する知識が少ない人は一度講義を聞いただけでは知識が定着しない可能性があります。特に、数学や機械学習の基本、Pythonでのコーディングができないと、プログラムを開始しても初めて聞く内容ばかりになってしまうでしょう。

Pythonに慣れていなかった

近年ではプログラミング言語のなかでもPythonが人気ですが、E資格の勉強を開始して初めて使い始めたという人も少なくないはずです。Pythonのコードは決して書きにくいものではありませんが、インデントやコロンの使い方が他の言語と異なり、慣れるまでは苦戦する人も多いようです。
E資格ではPythonをつかって実際にプログラミングできる能力も必要であることから、Pythonには早めに慣れておいた方が良いでしょう。

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問題集をやり込まなかった

学んだ知識を実践できるレベルまで高めるためには、問題演習が必要不可欠です。しかし、不合格者の声で多かったのは、「問題集をはじめるのが遅く、すべて終わらなかった」「知識を身に付けたと思っていたが、問題演習をしなかったので点数に結びつかなかった」など、問題演習に関する反省点でした。問題集の内容があまりに難しいため、「目が点」になってしまう人はとても多く、「もう一度勉強し直そう」と思って参考書やセミナー動画に戻ってしまうようです。結果、問題演習の時間がなくなってしまい、問題集がすべて終わらない状況になってしまう人は少なくありません。

計算問題を間違えた

最近のE資格試験では計算問題の出題は減少傾向にありますが、計算問題は解き方さえ知っていれば必ず点数につながるラッキー問題ともいえます。行列の計算(固有値分解、特異値分解)など毎回必ず出題されている問題は落とさないようにしましょう。

合格者はどんな学習をしている?

それでは、合格者はどのような勉強をしているのでしょうか。ここでは、合格に結び付きやすい学習のポイントを紹介します。

前提知識を確実に身に付ける

本格的な学習に入る前に、AIに関する基礎的な知識を身に付けておきましょう。特に文系出身者はAIの本質を理解するために必要不可欠な数学の知識が不足している可能性があります。高校数学から学び直すつもりで、じっくりと取り組みましょう。基本的な知識があることで、その後の学習がグッと進みやすくなります。

「いちばんやさしい機械学習プロジェクトの教本」
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「人工知能プログラミングのための数学がわかる本」
(引用:https://amzn.asia/d/ddGTd75

JDLA認定プログラムのなかには、本講義が開始する前に前提知識を学ぶ機会を用意している講座もあるので、積極的に利用しましょう。自分で準備する場合は、「ゼロつく」シリーズの熟読がおすすめです。「ゼロつく」のなかで出てきたコードを実際にタイピングしてきちんと動かしてみることで、ディープラーニングの基礎がわかり、知識と実践力が身に付きます。

ゼロから作るDeep Learning

「ゼロから作るDeep Learning ―― Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」(2016/9)
(引用:https://amzn.asia/d/j4BhBSy

ゼロから作るDeep Learning❷

「ゼロから作るDeep Learning ❷ ―― 自然言語処理編」(2018/7)
(引用:https://amzn.asia/d/gTbd9Nb

ゼロから作るDeep Learning ❸ ―フレームワーク編

「ゼロから作るDeep Learning ❸ ―フレームワーク編 」(2020/4/20)
(引用:https://amzn.asia/d/1yHXcAI

JDLA認定プログラムは早めに終わらせる

JDLA認定プログラムの内容は、E資格試験の出題範囲に準拠しています。多くのプログラムは短期間で出題範囲のすべてが学べるように内容を凝縮しています。JDLA認定プログラムを早めに受講することで、出題範囲の全容が把握でき、自分の苦手なポイントに時間をかけることができます。eラーニングなどでは自分のペースで受講できるため、「しっかり理解してから次に進もう」と考えがちですが、まずは全体像をつかむことが大切です。

JDLA認定プログラムの修了試験は一次試験と思え

JDLA認定プログラムは修了試験に合格しなければ修了ナンバーがもらえず、受験資格を得たことになりません。修了試験はE資格試験と難易度も内容も同等レベルですから、E資格試験の一次試験のつもりで真剣に取り組みましょう。

問題演習に時間をかける

E資格の膨大な出題範囲を網羅するため、問題集はかなりの分量になります。最初は時間もかかり、正解にたどり着くことも難しいでしょう。そのため、問題集は2周、3周と繰り返し解き直し、スラスラと答えが出せるまでやり込む必要があります。間違えた箇所はしっかりと復習しましょう。
実際の試験は120分間で約100問を解かなければならず、回答スピードが要求されます。正確性とスピードを身に付けるためにも、問題演習は丁寧にやり込みましょう。

E資格の唯一の問題集は「黒本」と呼ばれる「徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集」です。また、AI研究所の「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」をはじめ、いくつかのJDLA認定E資格対策講座では教材として問題集を配布している場合もあります。

「徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版」

徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版

(引用:https://amzn.asia/d/9Bf9io5

苦手分野は専門書籍で学習を

学習を進めるなかで、自分の苦手分野がわかってくると思います。苦手分野は専門書籍を読み込むことで克服しましょう。学習を効率的に進めるためには、あまり深くやり込まない方が良い場合が多いですが、わからない箇所や苦手な分野は、深く学ぶことで理解が進むことがあります。

「深層学習」

(引用:https://amzn.asia/d/1bTAZUN

まとめ

E資格試験の難易度は高く、誰もが合格できる資格試験ではありません。確実に合格を勝ち取るためには、十分な学習時間の確保と、効果的な学習スタイルの確立が重要です。学習を進めるにあたっては、学習方法や時間の配分など、信頼できる人からアドバイスやサポートを受けられると良いでしょう。

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