E資格のシラバスで深層学習の項目に含まれている転移学習を理解して試験合格を目指そう

E資格のシラバスで深層学習の項目に含まれている転移学習を理解して試験合格を目指そう

E資格の出題内容はシラバスに記載されていますから、受験する際には一通り目を通しておきましょう。その項目の一つである深層学習はE資格試験の重点項目となっています。この中でも転移学習に関する部分はあまり知識がなく、どんなものなのかを知りたいというエンジニアが多いです。
この記事では転移学習に関する試験対策についてご紹介します。

E資格のシラバスの項目で注目すべき特徴量の転移

転移学習について説明する前に、シラバスのどれに該当するのかを確認しておきましょう。E資格のシラバスには直接的に転移学習という記載がされているわけではありません。

シラバス上は深層学習の中の畳み込みネットワークに含まれています。特徴量の転移という中項目があり、これが転移学習における重要な項目となっています。転移学習と明記されていないために見落としてしまって学習を忘れる人もいますから、気を付けなければならない点です。特徴量とは分析対象となっているものに関する測定可能な変数のことで、その測定結果として得られた特徴量を上手に使いこなすことで機械学習が実現されています。そして、特徴量を転移させることによって、今回取り上げる転移学習が実現されます。

転移学習とは何か

転移学習とは、ある特定のオブジェクトや領域で学習したことを別のオブジェクトや領域に対しても適用できるようにする学習技術です。

AI(人工知能)による学習を効率化するための手法で、学習済みのモデルを別のところで活用することにより効率化を図ることができます。人が持っているニューラルネットワークにはこのような力がもともと存在していると考えられています。
例えば、初めて聞く人の声が男性か女性か、子供か大人か高齢者かといったことを判断することができますが、これは異なる人の声を色々と聞いてきたことによって音声識別のモデルが作り上げられ、そのニューラルネットワークを使って新しい声について種類の判別ができるようになるからです。これが転移学習で、機械学習でも特徴量を転移させることにより実現することが可能です。

転移学習の手法を理解しよう

転移学習は対象としているオブジェクトやモデルにおける特徴量のデータベースが少なくても精度の高い学習が実現できるのが特色です。機械学習ではデータベースが小さいと予測の難易度が飛躍的に上がりますが、それでもなお転移学習の手法を使えば信頼性の高い結果を出力できるようになります。

転移学習の手法は学習したモデルから特徴量を抽出してカテゴリーに分類することから始まります。その際に特徴量として最終層に相当する重みの大きいものは除外し、中間的な位置にある特徴量のみを抽出するのが特色です。このあいまいな部分が他の領域への適応性が高く、学習に適用できる傾向があることが実証されているからです。これによって、新しい領域で今までに学習したモデルの特徴量を使った学習が可能になります。

ただ、全く関連性のない領域同士を関連付けるのは困難です。観測データの分布が確率分布において類似性を持っていることにより適応が可能になり、転移学習に活用できると判断することができます。

ファインチューニングのと違いを把握しよう

既に学習をしたモデルを利用することで別の領域での学習効率を上げるのはディープラーニングにおける重要な要素です。

転移学習はあくまでその方法論の一つであって、他にも有名なやり方としてファインチューニングがあります。ファインチューニングは畳み込みニューラルネットワークとは異なる手法として位置づけられていて、基本的には学習をしたモデルを再調整することによってより高い精度で学習を進められるようにするものです。そこに別の領域の特徴量を使用することが可能になっています。
両者の分布などに類似性が低い場合でも適用できるメリットがあるものの、どちらも十分なデータが蓄積していないとファインチューニングの効果は上がりません。少ないデータしかない領域での学習を効率化させる転移学習とは本質が異なっています。

深層学習を学べる認定講座について

E資格の試験を受けるためには日本ディープラーニング協会(JDLA)の認定プログラムを受講して修了していなければなりません。JDLA認定プログラムはただ受験資格を得るために存在しているわけではなく、ディープラーニングを使いこなせるエンジニアとして身につけておきたい理論や実践的な能力を身に付けられるようになっています。

今回取り上げた転移学習や特徴量の転移についても、深層学習の畳み込みネットワークを取り上げている講座であれば深い理解を得られる講義を受けることが可能です。JDA認定プログラムとして認められている講座はだんだんと増えてきていますが、全ての講座で深層学習を深く取り扱っているわけではありません。深層学習を学べる認定講座を確認し、検定に合格するための対策として活用しましょう。

代表例として挙げられるのが、AI研究所が提供するE資格対策ディープラーニング短期集中講座です。この短期集中講座は会場での受講も可能ですが、ライブウェビナーとEラーニングの2種類が用意されていて、インターネット環境があれば簡単に受講できる仕組みになっています。たった4日間のプログラムになっているため、最短でJDLA認定講座を修了できる講座の一つとしてよく利用されています。3日目のプログラムとして畳み込みニューラルネットワークが筆頭に挙げられており、特徴量の転移についてもその重要項目の一つとして取り上げられているため、きちんと基礎から応用まで学ぶことができるでしょう。

この他にも、JDLA認定講座として株式会社キカガクのディープラーニングハンズオンセミナーやテクノブレーン株式会社の基礎から学ぶディープラーニング、Study-AI株式会社の現場で潰しが効くディープラーニング講座などがあります。Pythonの扱いに慣れることに力を注いでいる株式会社すうがくぶんかのPythonで学ぶ機械学習入門【JDLA E 資格対応】もあるので、コーディングに苦手意識がある人は選んでみると良いでしょう。

ディープラーニングの肝になる転移学習をマスターしよう

ディープラーニングに対応できるエンジニアが効率的な学習が可能なAIを構築するためには転移学習をマスターすることが大切です。畳み込みニューラルネットワークを最大限に活用し、少ないデータからでも学習を進められる特徴的な技術として高い有用性があります。E資格試験の合格を左右する重要なポイントでもありますから、JDLA認定講座などを活用して習得を目指しましょう。