G検定の勉強で抑えたいシラバス 【数学編】

G検定の勉強で抑えたいシラバス 【数学編】

今やAI(人工知能)に関連する知識は文系・理系を問わず必須となりつつあります。そのような事情を踏まえて一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施しているのがG検定(ジェネラリスト検定)です。ディープラーニングを事業に取り入れる際に最低限身につけておくべき知識を広く学習できるため、非エンジニアからも注目を集めています。ここではg検定で必要な数学の学習方法について解説していきます。

試験で求められる数学知識は?抑えておきたいポイント

コンピューターに人間の仕事を代替させる手法の一つであるディープラーニング(深層学習)は、これからのAI社会を支える重要な技術です。それを扱うエンジニアにとって避けては通れない関門が数学でしょう。ここで紹介しているG検定でも当然数学の知識は求められます。そのため、数学を離れて久しい人の中には、エンジニアであっても苦手意識を持つ方は少なくない筈です。

しかし、G検定が求める数学の知識は、あくまでも広範囲に及ぶ基礎的な理解のみです。大学入試のような高度な計算力や深く掘り下げた難問が出題されるケースは稀であると言えます。実際、受験で数学を経験していない文系の人でも試験には合格しているという報告は多数あるのです。数学に関する深い素養や専門性が求められることはありませんので、安心してください。とは言え、これからAIを扱うエンジニアとして基礎を身につけておくことは大切です。g検定の問題集に取り組む前に高校数学(2B・3C)の初歩的な知識をこの機会に再確認しておきましょう。

数学3Cが試験範囲に含まれると聞いて、理系の学習範囲であることに警戒される方もいるかも知れません。また、微分の知識がどこまで求められるのか不安に感じられる方もいるかと思います。具体的に説明しますと、主な試験範囲は数学の基礎である関数、数学Cの範囲としては行列演算も出題されますが、それほど多くはありません。その他にも確率分野の標準偏差や分散、正規化等に関連した項目も出題されます。大学基礎レベルである線形代数も一部試験範囲に含まれますが、基礎ができていれば解答できる内容です。微分も当然出題されますが、数学の知識の根底とも言える範囲となりますので、高校の学習指導要領を基準に参考書等で基礎を固めておく必要があります。その際には微分電卓や行列計算機を利用して答え合わせをしながら問題集を解く方法が最適です。 試してみましょう。

自ら調べる力が求められる

G検定の合否を左右するもう一つの要素として、検索力が求められると言っても過言ではありません。事前に試験範囲を網羅的に学習し、必要に応じて調べられるスキルも必要なのです。事実、G検定では試験中のWeb検索が認められています。想定から外れた問題が出題されたときに検索スキルがないとあっという間に時間切れになってしまうのです。問題集を解きながらでも良いので、自ら疑問点を解消する方法を模索しておくことをお勧めします。日々の何気ない疑問や解決策を瞬時に検索し、最適な答えに辿り着けるよう訓練しておけば、本番で対応に困る心配もなくなるでしょう。

時間切れに注意する

試験本番で困りそうなところをまとめますと、先ず第一に素早い解答速度が求められるところにあります。電卓がないと解答できないほど難解な計算問題は出題されませんが、偏微分を使う難易度の高い計算が必要な場合もあります。日頃から計算に慣れておく必要があるでしょう。必ず手を動かして問題を解くこと、そして微分電卓、行列計算機は答え合わせを効率的に行うための道具として利用することに留めてください。

もう一つは、試験本番で学習範囲からズレている場合です。そのようなことがないように、G検定の学習に取り組む際に参考にできるよう、出題の範囲もまとめておきます。先ずは「人工知能とは何か」で人工知能の定義について見識を深めてください。次に「人工知能をめぐる動向」で現場の諸問題を把握します。「人工知能分野の問題」では、より実務に即した知識を学習します。「機械学習の具体的手法」で、人工知能の基礎知識を一通りまとめておきましょう。

本試験の要とも言える「ディープラーニングの概要」では、より初歩的な知識の確認を行うことになります。「ディープラーニングの手法や研究分野」で応用的な内容を取り扱いますが、殆どが広く浅い知識に留まるものです。あくまでも事業に応用する際にエンジニア同士の会議で最低限必要な知識の確認に留めるものであると言えます。

上記を踏まえた上で、より具体的に数学の知識をディープラーニングに応用して行きたいという方には、Pythonでプログラムを構築しながら機械学習を把握する、より実践的な試験対策もお勧めします。事前に数学(行列や微分等)の知識を整理した上で取り組んでみてください。

その他には、暗記量の多さも本番で頭を悩ませることのひとつとなります。特にコンピューター技術に関する歴史は専門用語がちりばめられているため、問題を理解することさえ難しくなる可能性があります。その辺は、日々の学習で知識を積み重ねるようにしておきましょう。

G検定は網羅性の高い試験

ここまでG検定の試験対策について、数学の学習方法を中心にまとめてきました。G検定は、ディープラーニングを事業に取り入れる際に必要となる広い知識を身に付けることができる大変役立つ試験です。エンジニアに必要な数学の知識を基礎から身に付けられるという点にも利点があると言えるでしょう。E資格のシラバスに共通する部分も含まれる試験です。後々の発展学習のためにもg検定を活用してみましょう。