G検定について全体把握し、余裕を持って受験しよう

G検定について全体把握し、余裕を持って受験しよう

日本はもちろん世界的にも人工知能の専門技術者を求める声が年々大きくなっています。ニュースなどでもディープラーニングや機械学習といったAI用語をよく耳にするようになりました。そんな時代に対応するべく、日本ディープラーニング協会は、ディープラーニングに関する知識をもった人材育成の為にG検定(ジェネラリスト検定)の試験を作りました。
G検定とはどんな内容なのでしょうか。
今回は人工知能に関する知識を持たない方でも全体を把握できるように詳しく解説していきます。

G検定とは何を目指しているのか

日本ディープラーニング協会ではG検定について「人工知能に関する知識を体系的に取得できる」「転職や就職に有利」「スキルや知識を証明し、社内外からの評価に」といった3つの特徴を掲げています。
これは、人工知能・機械学習・ディープラーニングに対する基礎から最新動向に至る知識を備え、法律・倫理の分野にまで対応した優れた技術者である事をG検定によって証明し、転職や就職の優位に繋げようという意図があります。
そのため、G検定合格者は認定ロゴを名刺に記載する事ができます。日本ディープラーニング協会では、このロゴの提示が「社内だけでなく、社外にもアピールができる」と公表しています。

G検定の概要

G検定はいつどこで、どうやったら受ける事が出来るのでしょうか。もちろん日本ディープラーニング協会のwebサイトにわかりやすく掲載されていますが、こちらでも簡単にまとめます。

受験費用と支払方法

受験資格は必要なく、オンラインを用いた自宅受験に対応しています。受験の為の費用は「一般 12,000円(税抜き)」と「学生 5,000円(税抜き)」の2種類が用意されています。webサイトより申し込むことが可能になっており、受験の費用はクレジットカードまたはコンビニ決済に対応しています。

G検定の出題項目

G検定で問われる内容としては、先に説明したとおり「人工知能」「機械学習」「ディープラーニング」の基礎から最新動向の知識、法律や倫理の問題といった運用上の知識に加え、未解決の問題に対する応用力を試される事になります。

G検定の制限時間とポイント

これらの様々な問題を制限時間内に回答しなければなりません。制限時間は120分で小問226の多肢選択式知識問題で構成されています。
オンラインによる受験になりますので、分からない部分を検索する事も可能です。しかし、検索に頼りすぎると確実に時間が足りなくなります。G検定は知識と技術力の証明を行う試験ですから、受験中に外部の情報に頼ることが無いようにしっかりとした知識と理解を身につけて挑む必要があります。

合格の発表までは受験から数日必要になります。近年の統計では、G検定の合格率は6割から7割といわれています。

まずは協会のwebサイトに行ってみよう

G検定の受け方と日程以外にも、様々な情報が日本ディープラーニング協会のwebサイトにて公開されています。特に重要な項目として、具体的な出題範囲がwebサイト内の「資格試験」項目にある「学習のシラバス」の項目において、詳しく掲載されています。

JDLA

参照サイト:jdla.org/business/certificate/

簡単にまとめますと出題範囲は「人工知能」「機械学習の具体的手法」「ディープラーニングの概要」 「ディープラーニングの手法」「ディープラーニングの応用に向けて」といった項目に分かれています。シラバスに示された項目からもG検定では人工知能の全般的な概要と機械学習の具体的な手法、そしてディープラーニングに関する詳細な理解と実践に向けての応用力が試されている事が分かります。

人工知能

「人工知能」に関する問題では、人工知能そのものの定義と知識を問われます。人工知能の概要から人工知能をめぐる動向に関する知識は当然として、「フレーム問題」「強い&弱いAI」といった問題など、人工知能分野において必ず耳にする技術用語や基礎知識に関する設問が用意されています。

機械学習の具体的手法

「機械学習の具体的手法」の項目では、機械学習の代表的な手法に関する知識を問われます。機械学習が実際に運用される場合におけるデータの取り扱いや、応用に関する設問が予想されます。

ディープラーニング

「ディープラーニング」に関する問題では、「概要」/「手法」/「研究分野」/「応用に向けて」といった項目に細かく分けられており、より具体的な知識が問われる事になります。

ディープラーニングの概要

「ディープラーニングの概要」に関する問題としては、ニューラルネットワークとディープラーニングの知識やアプローチに関する設問、既存のニューラルネットワークにおける問題点といった基本概要から、ハードウェア上での処理の違いや、ディープラーニングを運用するにあたって実際必要となるデータの推量などの設問が予想されます。

ディープラーニングの手法

「ディープラーニングの手法」では、ディープラーニングの研究分野に関する最新知識や現在実用化されている様々な手法の知識が必要になります。活性化関数、学習率の効率化や改善、深層強化学習、深層生成モデルといった基礎知識からConvolutional Neural Network(CNN)やRecurrent Neural Network(RNN)に関する設問などが予想されます。

ディープラーニングの応用に向けて

「ディープラーニングの応用に向けて」の項目では、より実際の運用に密接な応用知識が問われます。ディープラーニングを実際に産業へ応用するための設問に限らず、法律や倫理といった運用上避けては通れない問題や、結論が未だ出ていない「現行の議論」に関する設問が予想されます。

学習のシラバス

「学習のシラバス」の説明中には例題も用意されています。まずは自分の力量を試す為にも、この例題に挑戦してみることをお勧めします。不安になった場合は同じページ内に参考資料として多くの推薦図書がまとめられています。すでに受験した方の体験談においても、これらの資料や過去問題集の読み込みが確実な合格に繋がっています。

G検定は国の未来を左右する技術者を作る

今後の人工知能開発は国の未来の明暗を分けるともいわれており、国家間での開発競争は激化の一方となっています。しかし残念ながら、日本は人工知能の開発分野ではまだ遅れているといわれています。G検定の合格は未来の就職や転職への利点となるだけでなく、未来の日本を救う技術者の一人として力と自信を身につける事が出来ることでしょう。