データサイエンティストとしてスキルアップするために統計検定に興味があるけれど、資格を取得すべきだろうか?統計検定の難易度はどれぐらいなのだろうかと思っていませんか?
そのような方向けに統計検定の概要、難易度、将来性について解説します。
この記事を読めば、統計検定を優先して勉強すべきなのかどうか判断できるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。
統計検定とは
出典元:『統計検定』
統計検定とは、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。
一般社団法人 日本統計学会(JSSC)が主催しています。
統計検定に合格すれば、データに基づき物事を判断でき、問題を解決していく能力があることを証明できます。
検定種別は概要欄に記載していますが、10種類あります。
■統計検定の概要
受験資格 | 特になし |
受験料 | 1級:10,000円
2級:8,000円 3級:6,000円 4級:5,000円 統計調査士:7,000円 専門統計調査士:10,000円 データサイエンス基礎:7,000円 データサイエンス発展:6,000円 データサイエンスエキスパート:8,000円 |
試験の開催日 | 1級:11月頃
その他:随時受付 |
統計検定の試験問題
統計検定の試験問題は検定種別に応じて異なります。
大まかに試験内容を説明すると、以下の通りになります。
検定種別 | 試験内容 |
統計検定1級 | さまざまな分野でデータ解析するための統計専門力 |
統計検定準1級 | 社会の課題に対する適切な手法の活用力 |
統計検定2級 | 大学の統計学の基礎レベルの知識と問題解決力 |
統計検定3級 | データ分析の概念 |
統計検定4級 | データやグラフ、確率に関する基本知識 |
統計検定 統計調査士 | 統計に関する基本知識 |
統計検定 専門統計調査士 | 統計に関する高度な知識 |
統計検定データサイエンス基礎(DS基礎) | コンピュータにデータセットを提示して、目的に見合う解析手法を選択する能力 |
統計検定データサイエンス発展(DS発展) | 数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムのリテラシーレベルのモデルカリキュラムに準拠した内容 |
統計検定データサイエンスエキスパート(DSエキスパート) | 数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムの応用基礎レベルのモデルカリキュラムを含む内容 |
※検定種別の詳細の試験内容が知りたい方は、公式ホームページを読んでみてください。
統計検定の難易度・合格率
統計検定の難易度は、どの検定種別を受験するかで変わります。
一般的に、2級から難易度が上がると言われています。
■統計検定の合格率
検定種別 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
統計検定準1級 | 1,061名 | 704名 | 166名 | 23.6% |
統計検定2級 | 979名 | 731名 | 249名 | 34.1% |
統計検定3級 | 380名 | 320名 | 242名 | 75.6% |
統計検定4級 | 172名 | 147名 | 107名 | 72.8% |
統計調査士や統計データサイエンスの合格率は記載されていませんが、難易度はやや易しいと言われています。そのため、2級以上が難易度が高いと捉えておきましょう。ちなみに、統計学の初心者が統計検定2級を合格するためには、80~100時間勉強する必要があると言われています。
統計検定の勉強方法
統計検定を勉強する方法は級によって異なりますが、大きく3つあります。
- 関連書籍を読む
- 過去問を解く
- セミナーに参加する
ここでは、それぞれの勉強方法について詳しく解説します。
関連書籍を読む
一般社団法人 日本統計学会が認定している公式テキストを読めば、試験範囲を効率よく勉強できます。また、厳格な数式が学べます。
しかし、統計学の初心者だと、公式テキストが難しく感じてしまうかもしれません。そのような場合は、統計検定の合格者がおすすめする書籍を参考に活用してみましょう。
合格者がおすすめする参考書籍の例
- 統計検定1級・準1級公式問題集 / 統計質保証推進協会統計検定センター著
- 日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学
- 現代数理統計学 / 竹村彰通著
- 現代数理統計学の基礎 / 久保川達也著
※公式ホームページの合格者の声で、各検定種別のおすすめの参考書が確認できます。
出典元:『合格者の声|統計検定:Japan Statistical Society Certificate (toukei-kentei.jp)』
過去問を解く
統計検定に合格するためには、試験本番を意識して過去問を解いてみることが重要です。
統計検定は勉強範囲が広いですが、重要な箇所は多くはありません。そのため、過去問を大量に解いておけば、類似問題が出てきて解答しやすくなります。
以下に、各級の過去問のPDFを載せておきますので、ダウンロードしてみてください。
■統計検定の過去問
試験問題 | 解答 | |
1級(統計数理) | ||
1級(統計応用) | ||
準1級 | ||
2級 | ||
3級 | ||
4級 | ||
統計調査士 | ||
専門統計調査士 |
セミナーに参加する
テキストや問題集など独学では習得ができないと感じたら、セミナーに参加してみましょう。
統計学の勉強に役立つ各社が開催しているセミナーを「連携セミナー」として公式ホームページで紹介しています。
通信講座や対面講座など、さまざまな形式のセミナーが用意されているため、自分に見合うセミナーを探してみましょう。
出典元:『セミナー|統計検定:Japan Statistical Society Certificate (toukei-kentei.jp)』
ちなみに、通信講座と対面講座のメリット・デメリットは以下の通りです。
通信講座 | 対面講座 | |
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
統計検定に合格するメリット
統計検定について理解できたと思いますが、データサイエンティストに関する資格は、さまざまなものがあります。
その中で統計検定の合格を目指すメリットとは何なのでしょうか?ここでは、統計検定に合格するメリットをご紹介します。
データサイエンティスト関連の資格として、他に何があるか気になる方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『データサイエンティストに関する資格、全8種類を徹底解剖』
就職・転職しやすくなる
統計学の資格を保有しておけば、データに基づいた判断ができる能力を証明できます。そのため、就職・転職しやすくなります。
日本は、DX推進が加速しており、AIを扱える人やデータを活用できる人が不足している状況です。
このように、国内では、AIやデータを活用できる人材の市場価値が上がっているため、資格を取得しておけば就職・転職を有利に進めていけるようになります。
大学入学の優遇の対象になる
統計学2級~4級の受験者は、18歳未満が多いです。
なぜなら、統計検定は、大学入学の優遇や成績評価の対象になることがあるためです。データサイエンスの学部がある一部の大学では、優遇措置を設け始めています。
そのため、入りたい大学がある方は統計学を取得しておくようにしましょう。
キャリアアップが見込める
統計検定に合格すれば、データに基づいた判断ができるようになり、あらゆる課題を解決していけるようになります。
どのようなデータを集めて、どのように解析すれば、求めている応えを導き出せるかが分かるようになります。
これらの能力を身に付けられれば、経営者や現場管理者から相談されやすくなるでしょう。
統計検定に関してよくある質問
最後に統計検定に関してよくある質問をご紹介します。
統計検定は国家資格ですか?
統計検定は、国家資格ではありません。
統計検定は、統計に関する知識、統計をビジネスに活用する能力を証明するための民間の検定試験です。
データサイエンティスト関連の国家資格を取得したい場合は、「データベーススペシャリスト」や「基本情報技術者試験」を取得すると良いでしょう。
Q.どのような人が統計検定を受験していますか?
統計検定2級から4級までは、20歳未満の学生が多く受験しています。
その理由は、統計検定に合格すれば、大学入学が優遇されることがあるためです。大学に入学するために多く受験しています。
その一方で、準1級になると社会人の方が多く受験しています。社会人の方が統計検定を受験している理由はキャリアアップのためが大半です。
また、データサイエンティストになるために、資格取得を目指している方もいます。
Q.統計検定は何級からすごいと思われますか?
統計検定は、2級からすごいと言われています。
なぜなら、統計検定2級から一気に難易度が上がり、合格するのが難しくなるためです。1級はさらに難易度が高いと言われているため、合格できればすごいと思われることでしょう。
そのため、実力を付けたい方は統計検定2級の合格を目指してみてください。
まとめ
統計検定とは、統計に関する知識や活用力を評価する検定試験です。10種類の検定種別が用意されているため、自分のレベルに見合った資格を取得するようにしましょう。
統計検定に合格すれば、大学入試が優遇されたり、就職・転職を有利に進めたりしていくことができます。また、キャリアアップができて社内で頼りにされることもあるでしょう。
そのため、このような目的をお持ちの方は国家資格ではありませんが、データ活用能力を証明するために試験勉強をしてみてください。