【2024】情報処理安全確保支援士試験とは?メリットや合格のポイントを紹介

【2024】情報処理安全確保支援士試験とは?メリットや合格のポイントを紹介

情報処理安全確保支援士試験は、サイバーセキュリティ分野において非常に重要な位置を占めており、多くの企業がその取得を推奨しています。ただ、情報処理安全確保支援士試験を取得するメリット、また合格するためのポイントはどのようなものなのか、わからない方は多いでしょう。

この記事では試験の概要から合格のための戦略まで、詳細に解説します。これから資格取得を目指す方にとって、必要な情報を分かりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

情報処理安全確保支援士試験の概要

情報処理安全確保支援士試験の概要

情報処理安全確保支援士試験は、日本の情報セキュリティ分野における国家資格です。情報システムの安全性を確保するために必要な高度な知識と技術を持つ専門家を育成することを目的としており、情報セキュリティに関する知識だけでなく、ネットワーク、システム開発、運用管理など広範な分野にわたる知識が求められます。

試験は春期と秋期の年2回実施され、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後試験の3つのセクションに分かれています。午前Ⅰと午前Ⅱは選択問題で、情報セキュリティに関する基礎知識を測定します。午後試験は記述式の問題で、より具体的なケーススタディや技術的な知識や実務に即した問題解決能力や提案力が問われる内容です。

受験資格に制限はなく誰でも受験可能ですが、試験の難易度は高く合格率は20%前後です。取得することで企業や組織の情報セキュリティ対策の責任者として活躍することが期待されたり、キャリアアップに大いに役立つことは間違いないでしょう。

なお、概要をまとめると以下のようになります。

資格名 情報処理安全確保支援士
目的 情報システムの安全性を確保するための高度な知識と技術を持つ専門家を育成
試験実施回数 年2回(春期・秋期)
試験セクション
  • 午前Ⅰ
  • 午前Ⅱ
  • 午後試験
午前Ⅰ・午前Ⅱ 選択問題:情報セキュリティに関する基礎知識を測定
午後
  • 記述式:具体的なケーススタディや技術的な知識を問う
  • 論述式:実務に即した問題解決能力や提案力を評価
試験時間
  • 午前Ⅰ:50分
  • 午前Ⅱ:40分
  • 午後:150分
受験資格 制限なし(誰でも受験可能)
合格率 約20%
登録後の要件 継続的な教育や実務経験が必要
取得後の役割 企業や組織の情報セキュリティ対策の責任者として活躍
キャリアアップの利点 情報セキュリティ分野でのキャリアアップに役立つ

情報処理安全確保支援士試験以外の高度情報処理技術者試験の種類について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になるのでぜひご一読ください。

【2024】高度情報処理技術者試験とは?該当資格やメリットをご紹介

情報処理安全確保支援士試験の難易度・合格率

情報処理安全確保支援士試験の合格率は例年約20%前後となっており、毎年受験者の多くが試験のこの難易度の高さに悩まされているのが現状です。特に午後の試験では、具体的な問題解決能力や深い技術理解が求められるため、実務経験がないと厳しいとされています。

午前Ⅰと午前Ⅱは選択問題で基礎知識を問う一方、午後は記述式で具体的なケーススタディや技術的な問題、また論述式で、実務に即した問題解決能力や提案力が試されます。これらのセクションをすべてクリアする必要があるため、幅広い知識と実務経験が求められます。

しかし合格することで情報セキュリティ分野でのキャリアアップに大いに役立つため、挑戦する価値は十分にあるでしょう。

なお、合格基準は「午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後すべて60点以上」となっており、どれかひとつでも60点に満たなければ不合格となってしまいます。

情報処理安全確保支援士試験の合格に要する勉強時間

情報処理安全確保支援士試験の合格に要する勉強時間は、受験者の知識レベルによりますが、一般的には300時間から500時間が必要とされています。特に初学者の場合、情報セキュリティの基本的な用語や概念の理解に時間をかける必要があり、実務経験がない場合はさらに時間がかかることがあります。

IT業界での実務経験があり、基本的な情報セキュリティの知識を持っている場合でも、午前の試験対策に加えて、午後の試験に対応するための実務的な問題解決能力を強化する必要があります。

なお、AI研究所が運営するデータサイエンティストセミナーでは、情報処理安全確保支援士試験にも求められるデータベースやビッグデータの知識を学ぶことができるため、初心者から挑戦する場合の勉強時間を短縮することに繋がります。

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情報処理安全確保支援士試験のメリット

情報処理安全確保支援士試験の代表的なメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

  • どこでも使える高需要なスキルが身に付く
  • 年収アップに直結する

それぞれ解説します。

メリット①どこでも使える高需要なスキルが身に付く

情報処理安全確保支援士試験に合格することで、どこでも使える高需要なスキルを身につけることができます。

情報セキュリティはあらゆる業界で重要視されており、特に近年のデジタル化の進展に伴い、サイバーセキュリティの専門知識は不可欠です。そのためこの資格を持つことで、企業内のセキュリティ対策の実施や、セキュリティポリシーの策定、リスク管理など幅広い分野での活躍が期待されるからです。

さらにこのスキルは国際的にも評価されるため、国内外問わず多くの企業での就職やキャリアアップに有利になるでしょう。

セキュリティインシデントの対応力や予防策の提案ができるため、企業にとっても信頼される存在となり、業界全体のセキュリティ水準向上に貢献できる専門家としての価値が高まります。

メリット②年収アップに直結する

年収アップに直結することも、情報処理安全確保支援士試験に合格するメリットです。情報セキュリティ分野の専門知識とスキルは以前にも増して高く評価されており、特にサイバーセキュリティの重要性が増している現代、企業はこの分野の専門知識をもつ方を求めているためです。

この資格を取得することでセキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントといった高収入の職種への道が開けます。

さらに資格保有者はリーダーシップポジションやマネジメントポジションに昇進する可能性も高まり、これに伴う給与の増加が期待できるでしょう。

実際、多くの企業では、情報セキュリティの専門家に対して特別な手当や報酬を提供している場合も多いです。

情報処理安全確保支援士試験に合格するポイント

この章では、情報処理安全確保支援士試験に合格するポイントとして、以下の4つをご紹介します。

  1. ひたすら過去問題を反復する
  2. 午後試験の対策に時間を割く
  3. 情報処理安全確保支援士ドットコムを活用する
  4. 午前試験免除制度を使う

ポイント①ひたすら過去問題を反復する

過去問題を解くことで、出題傾向や頻出テーマを把握しやすくなります。また解答プロセスを繰り返すことで、知識の定着と解答スピードの向上が期待できるでしょう。

さらに間違えた問題を見直し、理解が不十分な分野を重点的に学習することで、試験当日に向けた準備を万全に整えることが可能です。

ポイント②午後試験の対策に時間を割く

午前試験では基礎的な知識が問われるのに対し、午後試験では実務での応用力や解決能力が求められます。そのため午後試験の解答方法や対策を十分に理解し、練習を重ねることが重要です。

また午後試験では短答式や論述問題が出題されることが多いため、文章を読み解き、適切な回答をする能力を高めることも重要です。情報処理安全確保支援士試験は主に午後試験が鬼門になるといっても過言ではないので、念入りに対策を行いましょう。

ポイント③情報処理安全確保支援士ドットコムを活用する

情報処理安全確保支援士ドットコム」は、試験対策に役立つ情報や過去問題、そして解説、勉強法アドバイスなどを網羅したサイトのことです。とくに過去問題の解説は、試験の傾向や出題範囲を理解するのに非常に役立ちます。

過去問題は午前、午後ともに平成21年度分まで遡って利用することができる有料級の内容となっているにもかかわらず、完全無料で活用できるので、もはや使わない手はないでしょう。

ポイント④午前試験免除制度を使う

午前試験免除制度とは、特定の条件をクリアすることで午前試験を免除してもらえる制度のことです。特定の条件とは、以下のとおりです。

  1. 応用情報技術者試験(AP)に合格
  2. 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格
  3. 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績をとる

引用:IPA

いずれもハードルは低くありませんが、午前試験の免除は大きなアドバンテージになるので、挑戦の価値はあるでしょう。なお、情報処理安全確保支援士試験を含む「高度情報処理技術者」共通の学習ステップなどを知りたい方は、以下の記事も参考になります。

【2024】高度情報処理技術者とは?種類や学習ステップを解説

情報処理安全確保支援士試験取得後の注意点

情報処理安全確保支援士試験取得後の注意点

情報処理安全確保支援士試験取得後の注意点を、以下のとおり紹介します。

  • 3年に1度の更新が必要になる
  • 合格後は別途登録費用がかかる

注意点①3年に1度の更新が必要になる

情報処理安全確保支援士試験を取得した後は、3年に1度の更新が必要になります。この更新を怠ると資格が失効してしまうため注意が必要です。

登録更新申請は期限の60日前までに行わなくてはならず、かつ毎年受講しなければならない「講習」をすべて修了していることが条件になります。更新手数料はかかりませんが、手間がかかることはデメリットと言えるでしょう。

注意点②合格後は別途登録費用がかかる

情報処理安全確保支援士試験には、「登録」という概念が存在します。合格後に情報処理安全確保支援士に登録することで、はじめて支援士としての資格を得ることができます

手順としては、以下のとおりです。

  1. 情報処理安全確保支援士試験に合格
  2. 合格すると、登録資格を得られる
  3. 登録手続きを行う

この登録には、総計で20,000円かかります(登録の収入印紙9,000円、登録手数料10,700円、住民票写し取得300円)。

とくに登録に期限はなく強制でもありませんが、登録しなければ支援士としての資格が得られないので、必須と考えるのが得策です。

情報処理安全確保支援士試験まとめ

情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティ分野の専門知識と技能を認定する試験です。この資格を取得することで、情報セキュリティに関する高度な知識を持つことが証明され、企業からの信頼を得ることが可能になります。

合格のポイントはまず試験範囲をしっかりと理解し、過去問や参考書を繰り返し解くこと。また実務経験を通じて知識を実践に活かすことで、より理解が深まるでしょう。

試験対策としては「計画的な学習」と「模擬試験の活用」が効果的です。情報処理安全確保支援士試験に合格することで、キャリアアップや転職に有利なだけでなく、情報セキュリティの専門家として社会に貢献する機会が広がります。

ぜひこの試験に挑戦し、自身のスキルと知識をさらに高めてみてはいかがでしょうか。

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