特定分野の専門知識や技術に秀でた人を指すスペシャリストに対して、幅広い知識や技術を持っている人を指すジェネラリスト。IT業界では、ジェネラリストの存在感が増し需要が増えつつあります。なぜジェネラリストが求められるのか、そもそもジェネラリストはどのような役割なのか、AIとの関わりやジェネラリストと関連するAI資格も合わせて解説します。
期待されるジェネラリストの役割
オールラウンドな立ち回り
ジェネラリストとは、特定の専門分野のみに限定されないオールラウンドな知識や技術を有している人のことです。あらゆることに万能なオールラウンドとまでいかずとも、複数の分野にまたがる知識・技術を持っていればジェネラリストといえます。ジェネラリストが注目されるようになったのは、AIの研究が盛んになったことが関係しています。AIが注目され、開発に参入する企業が増えたりAI業界への転職を考える人が増えたことで、AI関連の資格にチャレンジするジェネラリストが出てきたのです。例えばG検定と称されるジェネラリスト検定などは、正にジェネラリストに打ってつけの資格です。
AI業界で新しいアイディアを生み出す
AIは世界中で期待されている研究・開発分野ですが、どの程度期待に応えてくれるかは未知な部分も多い分野です。そのため、未知数に賭けた企業が我先にと競争で開発を進めています。そのような状況では、エンジニアとしてITの専門知識と技術を十分に備えた人材が欠かせません。しかしその一方で、エンジニア以外の経験や知識を持つ人材にも活躍の場が開かれています。むしろ、幅広い知識を持つ人にはエンジニアが思いつかないような新しいアイディアを生み出せる可能性があります。そのような背景から、ジェネラリストは注目されているのです。
AIエンジニアとジェネラリストの関連性
エンジニアとの協業が大事
AIエンジニアとは、AIに関わるエンジニアです。もっぱらコンピュータ関連の専門知識や技術の研鑽に努めてきたAIエンジニアも、ジェネラリストの存在を無視できなくなってきています。というのも、コンピュータや機械についての専門知識さえ持っていれば歓迎されるとは限らなくなってきているからです。AIの開発・導入に参入する企業がジェネラリストに期待し始めた以上、エンジニアもうかうかしていられません。エンジニアとしてもジェネラリストとしても通用する多様な側面をアピールするのが、AI時代を生き抜くコツです。
かといって、スペシャリストとして生きてきたエンジニアにとって、その他の分野の経験を新たに積むのは難しいかもしれません。AIの研究はスピードが求められ、その他のキャリアを作る時間があればもっと開発に力を注ぎたいところでしょう。そんなエンジニアがジェネラリストとしてのスキルも持っていると示すことができるのが、G検定です。長年キャリアを積み重ねる必要もなく、ジェネラリストとして通用すると試験で証明してくれるのですから受験しない手はありません。G検定は、ディープラーニングの知識を事業に活用できるスキルがあるかどうかをアピールしやすい資格です。
AI関連の資格
AI関連の資格として、ジェネラリストにもエンジニアにも役立つ代表格がG（ジェネラリスト）検定です。ジェネラリストであるかどうかは、わかりやすいキャリアがなければ簡単には判断できません。その点、G検定の合格者はディープラーニングを事業に活用する知識を持つ人材だと認定されています。非エンジニアでも受験しやすい資格試験で、合格率が平均50％以上と高く難易度が低めの試験である点も取得しやすいおすすめポイントです。G検定は、日本ディープラーニング協会（JDLA）が主催しています。
ITパスポートも、非エンジニアが受験しやすい資格試験です。広範囲なIT知識を問う国家資格で、ITについて広く学習しておきたいジェネラリストに適しています。一般の社会人や学生の受験者も多く、合格率は平均50％以上で難易度は低めです。一方、エンジニア経験がある人におすすめなのがE資格です。AIエンジニアとして理論から実装までのスキルが認定される資格で、JDLAが主催しています。
AIの技術を支えているディープラーニングは、機械学習の手法としてデータ分析を必要とします。その際役立つのが、統計学です。このような背景から、統計検定もAIに関連する資格として注目されています。統計の知識やスキルが問われる検定試験で、4級から1級までの試験が設定されているため初心者から上級者まで幅広くチャレンジできます。ここまで紹介した4つの資格は、いずれも異なる範囲のスキルを認定してくれる資格です。どれから挑戦しようか迷ったときは、JDLAが提供しているG検定対策講座やE資格認定プログラムを検討してみるのもよいでしょう。
AI資格を取得してAI業界にスキルをアピールしよう
AI業界では、エンジニアはもちろんジェネラリストの人材も積極的に求めています。エンジニア経験がなくてもAI業界に転職したいという人は、ジェネラリスト検定などのAI資格を取得して業界にアピールする手があります。逆に、エンジニアがジェネラリストとしての知識やスキルをアピールするために、ジェネラリスト検定の取得を目指すのも良い方法です。資格取得からスタートして、AI業界への道を切り開いてみませんか？