AIスピーカーや自動運転システムなど、AI(人工知能)の活用は様々な業種・分野で進んでいます。今後もAIを活用した商品・サービスの開発は増えると予想されるため、AI関連の資格を取得しておけば、就職・転職で有利になるかもしれません。そこで今回は国内外のAI関連資格の概要と、勉強方法や試験対策について紹介していきます。
国内外のAI関連資格について
AI関連資格の国内外一覧から代表的なものを紹介していきます。まずはG(ジェネラリスト)資格。G資格は一般社団法人・日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する資格試験です。この資格ではディープラーニングに関する基礎知識、それを事業に応用する能力が問われます。ちなみにディープラーニング(深層学習)は、AIを支える技術・機械学習の一種です。また、日本ディープラーニング協会が実施している資格に、E(エンジニア)資格があります。E資格はディープラーニングの理論を理解したうえで、実装するエンジニアとしての知識とスキルを問われる試験です。この他に一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施するPythonエンジニア認定データ分析試験があります。
参照サイト:jdla.org/business/certificate/
AIの開発に関連するプログラミング言語Pythonとは
PythonはAIの開発で頻繁に使用されるプログラミング言語です。Pythonを使うAIエンジニアを目指すなら、Pythonエンジニア認定データ分析試験は取得する価値はあるでしょう。海外のPython資格である「Python Certification」もあります。「Python Certification」の試験はエントリー、アソシエイト、プロフェッショナル1、プロフェッショナル2の4段階に分かれています。エントリーはPythonエンジニアとして基礎的なスキルを問われる試験、プロフェッショナル1・2は国際的なPythonエンジニアとして活躍するためのスキルを問われる試験です。「Python Certification」は海外の資格なので、問題は英語で出題されます。また、画像処理エンジニア検定という資格もあります。AIに直接関わる資格ではありませんが、AIによる画像処理・画像解析について学びたい人には有効な資格です。
AI関連の資格は文系でも取れる?勉強方法やコツは?
AI関連資格は理系の人が取得するものと思われがちですが、文系の方でも取得可能です。例えばE(エンジニア)資格の受験資格を得るためには、日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定する講座を受講する必要があります。そしてJDLA認定の講座は、文系の方でも受講できる講座となっています。ただし、ディープラーニングの知識が全く無いまま受講すると、講座の内容が理解できないかもしれません。そのため、事前に参考書でディープラーニングなどについて軽く勉強しておくと、講座内容の理解もスムーズに進むでしょう。
AIに関連する資格の勉強方法
AI関連資格の勉強方法ですが、資格によっては認定教材・公式問題集などが存在します。例えばG資格にはディープラーニングG検定公式テキスト、ディープラーニングG検定公式問題集があります。またPythonエンジニア認定データ分析試験、画像処理エンジニア検定にも認定教材・公式問題集があるので、これらを活用するのが勉強のコツです。AIの知識が全く無い状態で勉強を始めた方は、認定教材を読んでも理解できないかもしれません。ですから、まずはAIの基礎を学べる入門書を読むことをオススメします。
G資格の出題内容と試験対策について
G資格の出題内容
G資格はディープラーニングを事業に活かす知識があるかが問われますが、プログラミングやコーディングなど開発に関する能力までは問われません。ですから文系出身者やプログラミングに疎い人でも、比較的取り組みやすい資格です。そんなG資格の試験の出題内容ですが、日本ディープラーニング協会で公開している「学習のシラバス」から幅広く出題される傾向にあります。具体的には「人工知能をめぐる動向」「機械学習の具体的手法」「ディープラーニングの概要」「ディープラーニングの応用に向けて」など8項目です。AI・ディープラーニングそのものに関する知識だけでなく、法律の知識なども問われます。
G資格の試験対策
具体的な試験対策としては日本ディープラーニング協会の認定教材・公式問題集である、ディープラーニングG検定公式テキストとディープラーニングG検定公式問題集を活用することが挙げられます。それとG資格の試験は試験時間が120分に対して問題が200問以上あるので、問題集を解く時も時間を意識することが大切です。G資格では過去問が公開されていませんが、過去問に近い問題を公開している「Study-AI」というサイトがあるので、模擬テストを受けたい方は活用しましょう。時間に余裕があれば最新版の「AI白書」を読み、AIの最新の研究動向や法制度の整備などについて抑えておきましょう。G資格の試験は試験中のネット検索が許可されていますが、解答に迷うたびに検索していると時間が足りなくなる恐れがあります。迷った問題にチェックを付ける機能があるので、迷ったら飛ばして後から調べた方が良いでしょう。
認定教材・公式問題集を活用し資格取得を目指そう
今回は国内外のAI関連資格の概要や、勉強方法・試験対策などについてご紹介しました。AIの分野で働くためにG資格やPythonエンジニア認定データ分析試験などの資格は必須ではありません。しかしAI関連の資格があれば知識やスキルの証明になります。自分のキャリアを有利に進めるためにも、認定教材・公式問題集を活用して、AI関連資格の取得を目指してはいかがでしょうか。