AIに関する検定について

ディープラーニングや機械学習などといった、AI技術の進歩には目を見張るものがあります。様々な分野にAIは取り入れられており、AIエンジニアの需要は高まる一方です。AIには検定試験というものがあり、受験を考えている方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では受験の参考となるよう、AI検定試験の概要とそれぞれの検定試験の違い、難易度や合格することのメリットなどについて解説していきます。

AI検定の概要とは

AI技術の必要性が高まるにつれ、AIエンジニアも増え続けています。しかしAIエンジニアは国家資格ではないため、誰でも名乗れるのが現状です。そこでAIエンジニアのスキルアップと、一定の技術を持つAIエンジニアを認定するために、AI検定が行われるようになりました。

具体的なAI検定としては、G検定やE検定、画像処理エンジニア検定などが挙げられます。検定数はまだまだ少ないものの、AI技術の浸透によりさらに増えていくことが予想されています。AI検定に合格するためには、AI技術に関する専門的な勉強が欠かせません。一夜漬けでは合格が難しいのが、AI検定だと言われています。

AI検定試験はどのようになっている?

AI検定試験の概要ですが、AI検定試験の主なものの中でG検定とE検定は、一般社団法人である日本ディープラーニング協会(JDLA)が行っています。G検定はジェネラリスト向けで、E検定はエンジニア向けです。

画像処理エンジニア検定を実施しているのは公益財団法人画像情報教育振興協会で、この検定試験にはベーシックとエキスパートの2つのレベルが設定されています。Pythonエンジニア認定データ分析試験はPythonエンジニア育成推進協会が執り行っていますが、実際にはまだ実施されていません。第1回は2020年春に予定されています。それぞれの検定試験は試験内容が違うので、自分の目的に合ったものを選ぶのが大事です。

G検定とE検定の違いを知っておこう

AI検定試験を受験する際に戸惑わないよう、日本ディープラーニング協会が実施しているG検定と、E検定の違いについて詳しく知っておきましょう。

AI関連検定

G検定の概要

G検定は前述のとおりジェネラリスト向けの検定で、ディープラーニングの基礎知識があり、適切に事業に応用できる人材を育成する目的で行われています。受験対象者はエンジニアに限らず、ビジネスに携わる人々全般となっています。G検定はオンライン試験で、自宅で受けることも可能です。回答は選択式で、問題の難易度はさほどでもありませんが、問題数が多く付け焼刃ではどうすることもできません。手元の参考書を見ながら受けられるものの、基本的な知識をしっかりと身に着けていないと合格は困難です。

E資格の概要

対するE検定は、エンジニア経験者向けの検定試験となっていて、ディープラーニングの理論をきちんと理解し、適切に実装できる人材を育成するための検定です。誰でも受けられるというものではなく、日本ディープラーニング協会の認定プログラムを修了していなければ受験することもできません。これを見ても分かるように、E検定はG検定よりもより高度で専門的な検定試験なのです。そのため、受験者数はG検定よりも少ない傾向にあります。検定試験を受験する流れとしては、G検定に合格した後にE検定を受験する例が多く見られます。

G検定・E資格の受験料ってどのくらい

G検定とE検定は受験料金も違い、G検定は12,960円で、E検定は32,400円となっています。学生はどちらも5,400円です。

AI検定試験の難易度

AI検定試験の難易度は、検定試験によって違います。G検定の合格率は2017年が56.8%(受験者数1,488合格者数823)で、2018年の1回目が57.1%(受験者数1,988合格者数1,136)です。2019年の3回目の合格率は70.7%(受験者数6,580合格者数4,652)となっていて、受験者数が増えるとともに合格率も年々上がっていることがうかがえます。E検定の合格率は2018年から2019年までの累計で、66.9%です。

画像処理エンジニア検定の2019年後期の合格率は、ベーシックが67.9%でエキスパートが32.6%となっていて、エキスパートが狭き門であることが分かります。なお、Python3エンジニア認定データ分析試験はまだ実施されていないので不明です。

AI検定の資格取得のメリットと勉強方法

AI検定の資格を取得するメリットとしては、受験に際して勉強することで、AIに関する基本的な知識を得られるという点と、検定試験に合格したというお墨付きを得られる点の2つが挙げられます。AIエンジニアとして職を探し、実際に仕事を行う場合に、どちらも大きな武器となることは間違いありません。G検定とE検定の問題は、日本ディープラーニング協会が設定したシラバスから出題されます。G検定のテキストとして、「深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト」が用意されているので繰り返し学習して身に着けましょう。E検定用には、7冊の推薦図書が日本ディープラーニング協会のHPで公開されています。
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト

画像処理エンジニア検定に関しては、画像情報教育振興協会がHP上で過去問題と解答例を公開しているので参考にするとよいでしょう。

AI検定試験を受験してAIに関する理解を深めよう

AIに関する技術は年々進化しており、毎年のように新たに覚えるべき知識が増え続けています。AI技術を取り入れようとしている会社は、AIに関する知識と経験の豊富なエンジニアを求める傾向にあります。そういった会社に就職して結果を出すためには、確かな基礎知識と柔軟な対応力が必要です。
まずはAI検定試験を受験し、AIに対する理解を深めましょう。