データサイエンティストとしてのキャリアを追求する上で、国際資格を取得することが重要だと考える方は増えてきています。近年この分野は急速に成長している背景から、国際的な認知度を持つ資格は就職やキャリアアップに大いに役立つからです。
とはいえ、どの資格が最適なのか疑問に思う方は多いでしょう。今回は国際的に評価の高い資格と国内での有用性を持つ資格、それぞれの特徴やメリットについて詳しくご紹介します。
データサイエンティストの概要
データサイエンティストは主にデータの収集、分析、解釈を行い、企業や組織の意思決定をサポートする専門家のことを指します。
大量のデータから有益な情報を抽出し、ビジネスの課題解決や戦略立案に役立てたり、統計学や機械学習、プログラミングスキルを駆使してデータの可視化や予測モデルの構築を行ったりします。
データサイエンス分野の需要は急激に増加している背景から、幅広い業界でそのスキルが求められています。
データサイエンティストに国際資格は必要?
データサイエンティストに国際資格が必須ではありませんが、取得することでキャリアに大きなメリットがあります。
例えば後にも紹介するオラクルマスターやCAP(Certified Analytics Professional)などの資格は国際的に認知されており、専門知識とスキルの揺るがぬ証明になります。これによりグローバルな就職市場での競争力が向上し、信頼性を高められるでしょう。
また資格取得を通じて最新の技術や知識を習得することができ、実務にも役立てることができます。
データサイエンティスト国際資格のおすすめ
データサイエンティスト国際資格のおすすめを挙げるなら、以下になります。
- ORACLE MASTER Silver
- Certified Analytics Professional
- AWS Certified Solutions Architect – Associate
- Professional Data Engineer
- Azure Data Scientist Associate
それぞれ見ていきましょう。
国際資格①ORACLE MASTER Silver
ORACLE MASTER Silverは、データサイエンティストにとって非常に価値のある国際資格といえます。名称のとおりソフトウェア大手「オラクル」が運営する資格で、データベースの運用や管理に必要な基本知識とスキルを証明できるので、データベース管理者としてのキャリアを築く上で重要です。
取得することでデータベースの設計、インストール、設定、メンテナンス、パフォーマンス最適化などのスキルを習得できます。また企業からの信頼性が高まり、就職や昇進の際に有利に働くでしょう。
国際資格②Certified Analytics Professional
通称「CAP」の愛称で親しまれているCertified Analytics Professionalは、データサイエンティストにとって有用な国際資格です。データ分析に関する幅広い知識と実践的なスキルを証明するものです。
CAPは主にデータ収集、分析、解釈を行うための能力を評価します。データ分析のプロフェッショナルとしての信頼性が高まり、キャリアの向上に繋がるメリットが得られるでしょう。
またこの資格は業界標準に基づいているため、さまざまなビジネスシーンで幅広く役立ちます。
国際資格③AWS Certified Solutions Architect – Associate
AWS Certified Solutions Architectは、Amazon Web Services(AWS)のクラウドインフラストラクチャを設計およびデプロイする能力を証明する国際資格です。国内のみならず世界的なシェアを誇るAWSのサービスを使用し、スケーラブルで信頼性が高く安全なシステムを設計する知識とスキルが認められます。
またクラウドコンピューティングに関する最新のベストプラクティスを理解し、複雑なアーキテクチャを効率的に管理できる能力が証明されるため、クラウドソリューションの分野でのキャリアアップに大いに役立ちます。持っておけば強力な武器になる内容であることは間違いないでしょう。
なお、AI研究所が運営する「AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー」なら、たった2日間でAWSにおける運フラ構築の基礎を学べるので、上記試験の対策としても有効です。
AWSで始めるインフラ構築基礎セミナーのスケジュール/お申し込みはこちらから
国際資格④Professional Data Engineer
Professional Data Engineerはアメリカ大手のGoogle Cloudが提供する国際資格で、データを収集、変換、および公開するための高度なスキルを証明します。主にデータ処理システムを設計、構築、運用する能力が認められることがメリットです。
データエンジニアリングのベストプラクティスに基づいて、大規模なデータ解析と機械学習モデルの実装、データの可視化とレポートの作成、データのセキュリティとコンプライアンスの維持などのスキルが求められます。主にデータエンジニアリング分野でのキャリアアップを目指す人にとって有益ですが、データサイエンス分野でも例外ではありません。
国際資格⑤Azure Data Scientist Associate
Azure Data Scientist Associateはアメリカの大手IT企業「Microsoft」が提供する国際資格で、Azureを使用してデータサイエンスと機械学習ソリューションを設計および実装するスキルを証明します。
データ準備、モデルのトレーニング、評価、デプロイ、そして監視に関する深い知識と実践力が要求されます。ほかにもAzure Machine Learningサービスを使用したデータサイエンスプロジェクト管理、Pythonを用いたデータ分析とモデル作成、データの前処理、モデル評価や調整などが含まれます。
Azure Data Scientist Associateはクラウドベースのデータサイエンスソリューションを提供する能力を証明できるため、データサイエンスのキャリアを進めるのに有力な資格となっています。
国内で役立つデータサイエンティスト資格のおすすめ
国内で役立つデータサイエンティスト資格のおすすめは、主に以下が挙げられます。
- データサイエンティスト検定
- Python3エンジニア認定基礎試験
- G検定またはE資格
それぞれ見ていきましょう。
国内資格①データサイエンティスト検定
データサイエンスの基礎から実践的なスキルまでを網羅し、実務での活用が期待される国内の資格です。
データ分析の能力を評価し、業務に即した知識と技術を身につけることができます。特に日本国内での就職やキャリアアップに有利です。
なお、上記の資格についてより詳しく知りたいという方は、以下の記事が参考になるのでぜひご一読ください。
国内資格②Python3エンジニア認定基礎試験
その名のとおりプログラミング言語「Python」の基礎知識から実装能力を図る資格となっています。
データサイエンス分野ではPythonを用いた分析やデータ抽出を行うことに加え、Pythonは国際的に幅広い用途で用いられている言語なので、挑戦する価値および合格後のメリットが非常に大きい資格といえます。
国内資格③G検定またはE資格
G検定またはE資格も、国内で代表的なデータサイエンティスト向け資格です。どちらも高度な数学知識が問われるため決して簡単な資格ではありませんが、難易度としてはG検定が初学者向け、E資格が経験者向けという位置づけとなっています。
それぞれの違いを一覧にすると、以下のとおりです。
G検定 | E資格 | |
目的 | AIの基礎知識や応用知識の理解を測る | AI技術を実践的に活用するスキル証明 |
対象者 | AIをビジネスで活用したい非技術者 | AIの開発や実装を行う技術者 |
内容 |
など |
など |
試験時間 | 120分 | 120分 |
受験資格 | なし(どなたでも受験可) | JDLA認定プログラムを過去2年以内に修了している方 |
合格率 | 約60-65% | 約66-71% |
試験主催 | 日本ディープラーニング協会(JDLA) | 日本ディープラーニング協会(JDLA) |
AI研究所では、上記それぞれの対策セミナーとして「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」と「JDLA認定 G検定対策講座」を運営しています。いずれも最短効率で合格を目指せる内容となっていますので、ぜひ以下から詳細をご覧のうえ、ご検討下さい。
E資格対策ディープラーニング短期集中講座のスケジュール/お申し込みはこちらから
JDLA認定 G検定対策講座のスケジュール/お申し込みはこちらから
なお、上記それぞれの違いをもっと詳しく知りたい方は、以下の記事でも詳しく解説していますのでぜひご一読ください。
データサイエンティスト国際資格に合格するための対策
データサイエンティスト国際資格に合格するための対策を、以下のとおり紹介します。
- 取得後の目的やゴールを明確にする
- 期限を決めて学習計画を作成する
- インプット3割アウトプット7割を意識する
対策①取得後の目的やゴールを明確にする
データサイエンティスト国際資格を取得するための対策の一つとして、まず取得後の目的やゴールを明確にすることが重要です。
資格取得後にどのようなキャリアパスを目指すのか、どの分野で活躍したいのかを具体的に考え、そのためのスキルや知識を身につけるよう計画を立てます。この段階での明確な目標設定は学習効率を高めるだけでなく、モチベーション維持にも役立ちます。
対策②期限を決めて学習計画を作成する
データサイエンティスト国際資格を取得するためには、学習計画を期限付きで立てることも重要です。期限を設定することで、学習の進捗状況を把握しやすくし、目標達成への動機付けにもなるからです。
資格試験の日程や自身の学習ペースに合わせて、必要な内容を段階的にカバーする計画を作成しましょう。計画には振り返りや調整のための余裕も含めることが大切です。
対策③インプット3割アウトプット7割を意識する
データサイエンティスト国際資格の取得に向けた対策の一環として、学習時間のうちインプット(知識の吸収)には3割、アウトプット(実践や応用)には7割の割合を意識することが効果的です。「実践と反復」こそが、資格勉強の基本だからです。
インプットに時間をかけてもすぐに忘れてしまうものです。この割合を保つことで、より効率的に学習を進められます。
データサイエンティストを目指すならAI研究所
データサイエンティストへの転職を目指すなら、AI研究所が運営する「データサイエンティストセミナー」がおすすめです。こちらは、未経験者向けにデータサイエンスの基礎から実践まで学べる2日間の講座となっています。
受講形式には会場での受講やライブウェビナー、eラーニングの選択肢があり、柔軟な学習が可能です。講義では、Pythonプログラミングや統計学の基礎から始めて、データ分析の流れや機械学習モデルの作成方法まで実践的なスキルを身に付けます。
またビッグデータの解析やプロジェクトマネジメントなど、実務で必要な知識もカバーしています。ビジネス課題の解決に向けたデータ活用を学びたい方に最適なセミナーです。
データサイエンティストセミナーのスケジュール/お申し込みはこちらから
データサイエンティスト国際資格まとめ
データサイエンティストの代表的な国際資格には、ORACLE MASTERやCertified Analytics Professionalをはじめとする認定資格があり、それぞれが高度なデータ分析能力を証明します。これらの資格はデータサイエンスの専門知識を国際的に認知される形で証明するために、強力な手段となることは間違いありません。
取得することでグローバル市場でのキャリアの可能性が広がり、企業からの信頼も向上します。一方の国内資格としては、応用情報技術者試験やPython3エンジニア認定基礎試験などがあり、これらも高い評価を受けることが可能です。
これからデータサイエンティストを目指す皆さんも、ぜひこの機会に自分のキャリア目標やニーズに応じて適切な資格に挑戦し、さらなるキャリアアップを図ってみてはいかがでしょうか。