数学検定は数学の知識や能力を証明するものであり、学業や仕事に役立ちます。特にITやデータサイエンスなどの分野で数学的思考力が求められることが多く、数学検定の取得はそのスキルに長けている証明となるでしょう。
IT化や技術革新が進む近年では数学の重要性が再認識され、数学検定に興味をもつ方が増えてきています。その背景から「どのような資格で、難易度はどれくらいなのか」気になる方も多いでしょう。
本記事では数学検定の概要、難易度、そして取得することで得られるメリットについて詳しく解説します。取得を考えている方や数学力をアピールしたい方にとって、非常に参考になる内容です。
数学検定とは?
数学検定(実用数学技能検定)は、数学の理解度を測るための検定試験です。文部科学省が後援を行っているものの、国家資格ではなく民間資格という位置づけです。
小学生から社会人まで幅広い層が受験可能なことが特徴で、日常生活やビジネス、学業で必要な数学の知識と技能を評価しています。検定はそれぞれの級で必要とされる数学の範囲やレベルが異なります。
数学の基礎力向上やスキルの証明に役立つものとして多くの人が挑戦する資格となっており、種類と階級を一覧にまとめたものが以下になります。
種類・名称 | 階級 | 構成 | 制限時間 | 出題数 | 対象者 |
実用数学技能検定「数検」 | 1級 | 1次:計算技能検定 2次:数理技能検定 |
1次:60分 2次:120分 |
1次:7問 2次:2題必須、5題から2題選択 |
会社員 大学生 |
準1級 | 1次:計算技能検定 2次:数理技能検定 |
1次:60分 2次:120分 |
1次:7問 2次:2題必須、5題から2題選択 |
高校3年 | |
2級 | 1次:計算技能検定 2次:数理技能検定 |
1次:50分 2次:90分 |
1次:15問 2次:2題必須、5題から3題選択 |
高校2年 | |
準2級 | 1次:計算技能検定 2次:数理技能検定 |
1次:50分 2次:90分 |
1次:15問 2次:10問 |
高校1年 | |
3級 | 1次:計算技能検定 2次:数理技能検定 |
1次:50分 2次:60分 |
1次:30問 2次:20問 |
中学3年 | |
4級 | 1次:計算技能検定 2次:数理技能検定 |
1次:50分 2次:60分 |
1次:30問 2次:20問 |
中学2年 | |
5級 | 1次:計算技能検定 2次:数理技能検定 |
1次:50分 2次:60分 |
1次:30問 2次:20問 |
中学1年 | |
ビジネス数学検定 | 1級 | 統計・集合・相関関係ほか | 90分 | 30問(5者択一問題) | 会社員 大学生 |
2級 | データ把握・平均値・時差ほか | 60分 | 30問(5者択一問題) | 会社員 大学生 |
|
3級 | グラフ把握・定価利益・比較など | 60分 | 30問(5者択一問題) | 会社員 大学生 |
|
データサイエンス数学ストラテジスト | 上級 | データサイエンス上級 数学ストラテジスト |
120分 | 40問 | 数検2級・準1級および大学初学年程度まで |
中級 | データサイエンス中級 | 90分 | 30問 | 数検準2級程度、数学Ⅰ・Aまで |
数学検定の難易度・レベル
数学検定の難易度・レベルは各級によって異なります。一覧にまとめたものが以下になります
種類・名称 | 階級 | 例年の合格率(おおよそ) |
実用数学技能検定「数検」 | 1級 | 約11%前後 |
準1級 | 約23%前後 | |
2級 | 約30%前後 | |
準2級 | 約45%前後 | |
3級 | 約65%前後 | |
4級 | 約70%前後 | |
5級 | 約70%前後 | |
ビジネス数学検定 | 1級 | 非公開 |
2級 | ||
3級 | ||
データサイエンス数学ストラテジスト | 上級 | |
中級 |
最難関である1級は合格率が約11%前後で、大学レベルの高度な数学知識が求められ、準1級は約23%前後の合格率でこちらも高度な数学力が必要です。
2級の合格率は約30%前後で、高校数学の範囲をカバーしており、準2級は約45%前後の合格率で中学数学の発展的な内容を扱います。3級からは約65%前後の合格率で、中学~小学数学の基礎を確認する内容です。
なお、ビジネス数学検定とデータサイエンス数学ストラテジストについては、合格率は非公開となっています。
数学検定に合格するメリット
数学検定に合格するメリットには、以下のようなものがあります。
- 数字に強いことの証明になる
- 進学で圧倒的に有利になる
- ビジネスのあらゆるシーンで役立つ
それぞれ、順を追って解説します。
メリット①数字に強いことの証明になる
数学検定に合格することで、数字に対する強い理解力とスキルを証明できます。中でも実用数学技能検定「数検」1級や準1級に合格すると、高度な数学力が求められる分野での専門性を示すことができ、大学や企業からの評価が高まります。
たとえ2級や準2級でも中高生の数学力をしっかりと証明できるため、進学や就職の際に有利になります。そしてビジネス数学検定やデータサイエンス数学ストラテジスト資格も、業務におけるデータ分析や数値管理能力の証明となり、キャリアアップに繋がるでしょう。
また、同じIT資格の中でも数字の強さを証明できる資格としておすすめなのが「データサイエンティストの国際資格」です。以下の記事でわかりやすくまとめて紹介していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
メリット②進学で圧倒的に有利になる
数学検定に合格することは、進学の際にも大きなアドバンテージとなります。
とくに難易度の高い1級や準1級に合格することは、数学的な思考力と高い問題解決能力を持つことを証明でき、大学の推薦入試や特別入試で有利になることは間違いありません。
数学検定は、学習意欲と数学の実力を示す一つの指標となるので、進学における競争力を高める強力な武器となるでしょう。
メリット③ビジネスのあらゆるシーンで役立つ
数学検定に合格することで、数理的思考力と分析力が証明され、データ分析や問題解決、意思決定など、ビジネスに不可欠なスキルが強化されます。これらのスキルは汎用的で業界問わず使えるので、ビジネスのあらゆるシーンで役立ちます。
例えば財務分析や市場調査、品質管理においても数学的な理解は非常に重要であり、またプロジェクトマネジメントや戦略立案の際にも数値に基づく判断が求められるため、数学の知識は大いに役立ちます。数学検定の資格を持つことで、ビジネスの場で信頼性と競争力を高めることができ、キャリアの発展にもつながるでしょう。
なお、ビジネスのあらゆるシーンで汎用的に役立つ資格として、「高度情報処理技術者試験」があります。以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はぜひご一読ください。
数学検定に合格するための学習方法
数学検定に合格するための学習方法には、以下のようなものがあります。
- 過去問題を反復する
- Webサイトや動画を使う
- スクールやセミナーを活用する
それぞれ見ていきましょう。
学習方法①過去問題を反復する
数学検定に合格するための効果的な学習方法の一つは、過去問題を反復して解くことです。過去の問題を解くことで、実際の試験の形式や出題傾向を把握し、問題の種類や難易度に慣れることができるからです。
また過去問題を解く際には、時間を計りながら解答することも重要になります。時間内に問題を解くことができるかどうかを確認することで、試験本番での時間管理がスムーズになります。
そして間違えた問題や理解しきれなかった部分は解答を確認したり、再度問題を解いたりして、理解を深めるよう努めましょう。
過去問題を解くことで、このように自分の弱点や課題を特定し、それに対する対策を練ることができます。学習は基本的に過去問題を解くことをメインにし、理解度を確認しながら学習を進めましょう。
学習方法②Webサイトや動画を使う
数学検定の学習においてWebサイトや動画を活用する方法は、非常におすすめです。オンライン学習サイトでは、幅広い数学のトピックにわたる教材や動画が無料で提供されており、自分のペースで好きな時間に利用できます。
たとえばYouTubeなどでは数学の解説や問題解説動画が豊富にあり、この手の動画は視覚的に学習を補完してくれるので、難解な問題の解法や具体的なテクニックを効果的に理解できる強力なツールとなります。
教科書や問題集だけでは得られない視点や解説を得ることができるので、併用することが学習スピードや理解度は飛躍的に上がるでしょう。
学習方法③スクールやセミナーを活用する
スクールやセミナーを活用することも、おすすめの学習方法のひとつとして挙げられます。スクールやセミナーでは、専門の講師や指導者から直接指導を受けることができるため、独学に比べて圧倒的な効率を実現できるからです。
さらにスクールやセミナーでは、定期的な模試やテストを通じて自分の学習進捗を確認する機会を提供しているところもあります。したがって実際の試験形式に慣れることができるため、自信を持って本番に臨むことができるでしょう。
とはいえスクールやセミナーを選ぶ際には、受講の費用や交通の便などの面も考慮する必要があります。独学に比べて高額であることは間違いないので、慎重に選びましょう。
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数学検定まとめ
数学検定は数学の理解度と応用力を評価する資格であり、さまざまな階級があるため幅広い年齢層やレベルに対応しています。もちろん難易度も基礎から高度な内容まで多岐にわたり、自分の数学力に応じて受験レベルを選べます。
取得のメリットとしては、受験や就職活動でのアピールポイントになること、また非常に幅広い業界で使える汎用的なスキルが身に付くことが挙げられます。数学力の向上と自己成長を目指して、ぜひ数学検定に挑戦してみてください。