E資格に合格するためには、ディープラーニングを理解して、適切な手法を用いて実装できる能力を身につけるための、幅広い知識が必要になります。エンジニアに求められている知識として、E資格ではさまざまな内容のシラバスを試験科目として定めていますが、ここではE資格を受験するために必要な勉強の必須単元について詳しく紹介します。
E資格に必要な応用数学と開発・運用環境の学習単元
E資格の試験ではディープラーニングの理解を確認するためのさまざまな種類の問題が課せられます。数学の計算問題から法律問題までジャンルが幅広いのが特徴です。「本番で困りそうなところまとめ」という形でそれぞれのシラバスで特に重要な項目を試験前にまとめておけば、本番の直前に復習するときに役立ちます。
E資格に合格するために必須単元となっている科目の1つが応用数学です。応用数学では主に線形代数や確率統計、情報理論に関する知識が求められます。線形代数の科目で特に重点的に勉強する必要があるのが特異値分解の問題です。確率統計の科目では、一般的な確率分布の知識が試験で問われます。覚えておいたほうが良い確率に関する理論としては、ベルヌーイの分布やマルチヌーイの分布、ガウス分布などがあります。ベイズ則の学習もE資格の試験では欠かせないことです。開発・運用環境に関する知識も試験では求められていて、ミドルウエアと軽量化・高速化技術に関する知識がE資格の必須単元です。ミドルウエアでは深層学習ライブラリに関する知識を勉強する必要があります。軽量化技術に関する項目では量子化や蒸留、プルーニングに関する問題が出題されます。分散技術に関する問題も試験では解答する必要があり、モデル並列やデータ並列の知識も必要になります。アクセラレータの知識も試験科目の一つで、主にGPUについての知識が試験では問われます。
機械学習の勉強必須単元
E資格の勉強必須単元として幅広い知識が問われるのが機械学習の項目です。機械学習の基礎理論から実用的な方法論まで、ディープラーニングのエンジニアに必要な機械に関する知識が求められています。機械学習の基礎として重要になるのが学習アルゴリズムの知識です。具体的にはタスクTや性能指標Pなどが試験範囲になります。能力や過剰適合、過少適合などの知識も求められていて、ハイパーパラメータの学習も必須です。検証集合の科目では学習データや検証データなど各種データに関する知識や、ホールドアウト法やk-分割交差検証などの知識を問われる問題が出題されます。
最尤推定では条件付き対数尤度と平均二乗誤差が試験科目です。教師あり学習アルゴリズムの科目では、ロジスティック回帰やサポートベクトルマシン、最近傍法、k近傍法などが勉強必須単元になっています。教師なし学習アルゴリズムもE資格の出題範囲で、主成分分析とk平均クラスタリングの知識が必要です。確率的勾配降下法の問題も試験では出題される可能性があり、深層学習の発展を促す課題では次元の呪いが試験範囲になっています。実用的な方法論では性能指標とハイパーパラメータの選択に関する問題が出題されます。手動でのハイパーパラメータ調整やグリッドサーチの知識が必要で、ランダムサーチやモデルに基づくハイパーパラメータの最適化なども、試験前に勉強することが必須な単元です。
深層学習の勉強必須単元
E資格の勉強必須単元の中でも特に種類が多いのが、深層学習に関するものです。順伝播型ネットワークと深層モデルのための正則化・最適化に関する知識がそれぞれ出題されます。
コスト関数の分野では、最尤推定による条件付き分布の学習が勉強必須単元になります。出力ユニットの科目では、ガウス出力分布のための線形ユニット、ベルヌーイ出力分布のためのシグモイドユニット、マルチヌーイ出力分布のためのソフトマックスユニットがそれぞれ出題範囲です。隠れユニットの科目ではReLUとその一般化や、ロジスティックシグモイドとハイパボリックタンジェントが勉強必須単元です。線形問題と非線形問題も試験科目に含まれていて、アーキテクチャの設計では万能近似定理と深さに関する知識が求められます。誤差逆伝搬法およびその他の微分アルゴリズムに関する問題も、試験では出題されます。深層モデルのための正則化では、データ集合の拡張やノイズに対する頑健性、出力目標へのノイズ注入などが勉強必須単元です。深層モデルのための最適化では学習と純粋な最適化の差異や、パラメータの初期化戦略、基本的なアルゴリズムなどが試験の範囲です。E資格では順伝播型以外のネットワークに関する知識も求められ、回帰結合型ニューラルネットワークや再帰的ネットワーク、畳み込みネットワークが勉強必須単元です。生成モデルや強化学習、深層学習の適応方法なども試験範囲に含まれています。
各単元をしっかりと勉強して試験に合格する
E資格に合格するためには、試験の出題範囲である勉強必須単元をまんべんなく学習する必要があります。応用数学から機械学習、深層学習まで幅広い内容の知識が試験では問われます。深層学習だけでも、順伝播型ネットワークから深層モデルの正則化・最適化、畳み込みネットワークなどの幅広い知識が問われ、偏りなく学習することで最適な試験の準備ができます。