AIが普及するようになったことで、ディープラーニングの知識を身に付けた人材が必要とされています。エンジニアなどの情報システムの仕事に就く人はもちろんですが、マーケティングや営業、人事などの職種でも、G検定を受験する人が増えている状況です。
今回は、G検定の概要に触れながら、試験勉強に役立つテキストや勉強法などを紹介していきます。
ディープラーニングの知識が問われるG検定
G検定(ジェネラリスト検定)は、一般社団法人の日本ディープラーニング協会が毎年実施している資格試験です。試験が始まった2017年から徐々に受験者が増えており、人気がある資格のひとつになっています。
専門知識を事業に応用できる人材を育てるのが目的
G検定は、ディープラーニングの知識を事業に応用できる人材の育成を目的にしています。このようなスキルを持った人材はジェネラリストと呼ばれており、AIの導入を考えている企業にとっても欠かせない存在です。現場のエンジニアと管理部門の橋渡し役になれたり、専門技術を事業に応用するときの問題点を発見できたりするところは、ジェネラリストの大きなメリットです。
エンジニア以外の受験者が多い
G検定は、情報システムの専門知識を持たない人も多く受験している試験です。
この検定は、AI、機械学習、ディープラーニングが主な出題範囲です。いずれも、プログラミングの専門知識がなくても解ける問題が中心ですが、覚えなければならない情報量が多いこと、数学の基礎力が必要なこと、などは受験する前に知っておく必要があります。公式のテキストや日本ディープラーニング協会が紹介している書籍などを使って勉強をすれば、本職のエンジニアでなくても合格できる可能性は十分にあります。
G検定合格に役立つテキストや本は?
プログラミングの知識がまったくない人がG検定合格を目指す場合は、テキストや本を利用して必要な情報を得ることが必要です。ここでは、日本ディープラーニング協会が紹介している試験勉強におすすめのテキストや推薦図書から、代表的なものを5点ほどピックアップしてみました。
「深層学習教科書ディープラーニングG検定公式テキスト」
単行本価格 | 3,080円 |
Kindle版価格 | 2,772円 |
著者 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 監修 |
出版社 | 翔泳社 |
日本ディープラーニング協会が監修しているこちらのテキストは、G検定合格を目指す受験者の多くが利用しています。シラバスに沿った章立てとなっており、「深層学習教科書」というネーミングの通り、ディープラーニングを一から学べる情報が詰まっているのがこのテキストの特徴です。
章末にはその賞の内容に沿った例題が出ているため、学習した内容を正しく理解できているかどうかを章ごとに確認することが出来ます。
テキストは楽天ブックスやAmazonなどの通販サイトでも取り扱いがあり、比較的簡単に入手ができます。kindle版も発売されており、電子書籍派の人でもスムーズに学習が進められます。
「AI白書2020」
単行本価格 | 5,870円 |
Kindle版価格 | 3,762円 |
著者 | 独立行政法人情報処理推進機構AI白書編集委員会 |
出版社 | KADOKAWA |
日本ディープラーニング協会が推薦図書として挙げているのが、こちらの本です。毎年発刊されている「AI白書」では、AIについての最新の動向や統計データなどが紹介されています。G検定では、AIを取り巻く現状の問題などが問われることもあるため、新しい情報に触れておくことは大切です。この本も、楽天ブックスやAmazonなどで手に入ります。
「深層学習」(機械学習プロフェッショナルシリーズ)
単行本価格 | 3,080円 |
Kindle版価格 | 3,080円 |
著者 | 岡谷 貴之 |
出版社 | 講談社 |
講談社から出版されているこちらの推薦図書は、CNNやRNNなどの深層学習についての専門的な知識を含む内容です。ディープラーニングの基礎から学べる構成になっているため、プログラミングの知識がない人がG検定を受けるときにも役立つ可能性があります。
「人工知能は人間を超えるかディープラーニングの先にあるもの」
単行本価格 | 1,540円 |
Kindle版価格 | 0円 |
著者 | 松尾 豊 |
出版社 | KADOKAWA / 中経出版 |
この本は、第一線で活躍するAIの研究者が執筆をしています。人工知能のこれまでの歴史や今後の見通しなどが詳しく解説されており、知識がない人にとっても比較的読みやすい内容と言えます。AIブームの詳細や、専門家と世間一般の考え方の違いをまとめた章などは、試験対策をするうえでも役立つかもしれません。
「徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集」
単行本価格 | 2,310円 |
Kindle版価格 | 2,079円 |
著者 | 明松 真司 |
出版社 | インプレス |
この問題集はスキルアップAI株式会社の明松真司氏と田原眞一氏が執筆しています。出題傾向を分析し、シラバスに沿った章立てで模擬問題を収録しています。特にディープラーニング分野の問題数が多く、全ての問題が丁寧に解説されているため、初心者が理解を深めるためにも役立つ内容となっています。
テキスト選びは自分に合ったものを
ここではG検定の試験対策に有効な5冊のテキストを紹介しました。この5冊は一般社団法人日本ディープラーニング協会やG検定合格者が推薦しているテキストですが、全てを購入する必要はありません。
試験対策テキストは自分に合ったものを選ぶのが基本です。自分の苦手分野を補強するテキストや、習熟度に合わせたテキストなど必要に応じて選択しましょう。
また、問題集はここでご紹介した1冊以外にもテキストと一体となったものなど複数出版されています。ただし、全ての問題集がシラバスを網羅しているわけではありませんので、目次などでしっかり内容を確認してから購入するようにしましょう。
試験対策で必要なテキスト数は人によって違いがありますが、問題集は1冊で十分です。
G検定合格を目指すときの勉強法
G検定合格を目指すときの勉強法には、独学と講座を利用する方法があります。
独学はテキストや推薦図書を集中的に勉強するのがポイント
自分でG検定の勉強をする場合は、テキストや推薦図書を中心に学習を進めるのがよい方法です。日本ディープラーニング協会の公式サイトでは、出題範囲をまとめたシラバスが公開されています。サイトには例題も一部掲載されているため、どのような問題がでるかをチェックして勉強をすることができます。実際に試験を受けた人の口コミなども、参考にできるでしょう。
過去問題集は何度も繰り返す
G検定の本番で重要となるのは短時間で正しい答えを導き出すことです。その為にはテキスト1冊を暗記する勢いで勉強する必要があります。ですが、テキストを読んだだけでは暗記できませんしどの程度覚えているのか判りません。
問題集を解こうことで自分の習熟度を把握することが出来て、苦手分野をあぶりだすことが出来ます。同じ問題を何度も繰り返すことで覚えることも出来ます。1冊の問題集を最低10回は解くようにしましょう。特に間違えた問題は正解するまで繰り返します。
講座にはいろいろなスタイルがある
G検定の対策講座には、インターネットを利用して勉強ができるオンライン講座や専門家から講義を受けるセミナー形式の講座などがあります。どういった講座がよいかは、受験者のライフスタイルや試験までの残り時間などで変わってきます。自分に合った講座を選ぶのが、合格への近道です。
G検定に合格するには事前の準備が必要
G検定は、AIや機械学習などのさまざまな知識が問われる試験です。第一線で活躍するエンジニアでなくてもトライできる試験ですが、合格するには相応の準備をしておく必要があります。試験準備に役立つ情報は、日本ディープラーニング協会の公式サイトでも入手ができます。ここで紹介したテキストや本なども活用しながら、しっかりと準備をして試験に臨みましょう。