AIやChatGPTの普及が進むなか「OpenAI」という言葉を耳にする機会が増えてきました。OpenAIはニュースやSNSでも取り上げられることが増え、AIに関心がある人にとって重要な存在となっています。
そもそもなぜOpenAIがここまで注目を集めているのかというと、AIの進化とともに、OpenAIの取り組みが社会のさまざまな場面で影響を与えているためです。
この記事ではOpenAIに関する基本情報や目指す方向性、関連するサービスについて紹介します。
OpenAIの概要
OpenAIは2015年に設立されたAI研究機関で、人工知能の最先端技術の開発を進めています。本社は米国カリフォルニア州サンフランシスコにあり、サム・アルトマン氏がCEOを勤めています。
代表的な提供サービスには、自然言語処理モデルである「GPTシリーズ」や、画像生成AIの「DALL·E」、音声認識AIの「Whisper」などが挙げられます。またOpenAIはAPIやAzure経由で商用サービスも提供していることから、世界中の多くの企業や開発者がその技術を活用しています。
営利企業(OpenAI LP)と非営利組織(OpenAI Inc.)のハイブリッド構造を持っていることが特徴で、さらにMicrosoftとの提携を強化するなど、さらなるAI技術や安全性向上にも注力しています。概要を一覧にまとめると、以下のようになります。
名称 | OpenAI |
設立年 | 2015年 |
本社所在地 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州サンフランシスコ |
創設者・CEO | サム・アルトマン |
ミッション | 人類全体に利益をもたらす安全な人工知能(AGI)の開発 |
主要製品・サービス | GPTシリーズ(ChatGPT)、DALL·E、Codex、Whisper |
主な技術 |
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モデル例 |
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企業構造 | 営利企業(OpenAI LP)と非営利組織(OpenAI Inc.)のハイブリッド |
提携企業 |
など |
主な使用事例 |
など |
研究領域 |
など |
Webサイト | https://openai.com |
また上記、OpenAIの使用事例として「チャットボット」があります。チャットボットの概要については、以下の記事でくわしく紹介していますので、気になる方はぜひご一読ください。
OpenAIの主な目的やビジョン
OpenAIの目的は、人類全体に利益をもたらす安全な汎用人工知能(AGI)の開発です。AIがもたらす社会変革が公平に分配され、偏りなく人類に利益をもたらすことを目指しています。
開発技術の透明性と倫理性を重視ていることから、AIによる危険性への対策にも積極的に取り組んでいます。OpenAIは、AIの発展を促進する一方で、AIの安全性確保や規制整備を重要視しているのです。
またAI技術を通じて社会課題の解決やビジネスの効率化を支援したり、誰もが使える技術としてAIの普及を推進しています。
OpenAIが一躍有名になった背景
OpenAIが一躍有名になった理由としては、やはり自然言語処理モデル「GPTシリーズ」の成功が大きく関与しています。とくに2022年に公開された「ChatGPT」は、ユーザーと自然な会話ができる高度な性能として、日本国内含め世界的に大きな注目を集めました。
専門知識や創造的な文章の生成が可能なこの技術は、教育、ビジネス、開発といったじつに幅広い分野で活用され、AIの新たな可能性を示しました。それだけでなく巨大IT企業「Microsoft」との提携や、DALL·Eなど他の画期的なAI技術の提供も、OpenAIの存在感を一層高める要因となっています。
OpenAIが提供・運営しているサービス
2024年10月現在、OpenAIが提供・運営しているサービスを、以下のとおりご紹介します。
- ChatGPT
- DALL・E
- Whisper
- OpenAI Codex
OpenAIのサービス①ChatGPT
引用:ChatGPT
ChatGPTは、自然言語処理に基づく対話型AIです。ユーザーとの会話を通じて、質問への回答や助言、文章の生成などを行います。
OpenAIを世に知らしめる代表的なサービスとして認知されており、2022年に登場したモデルは大きな反響を呼び、教育やカスタマーサポート、個人の学習補助など幅広い場面で利用されています。
無料版に加えて有料プランの「ChatGPT Plus」や企業向けの「ChatGPT Enterprise」も展開され、またAPIやAzureを通じたサービスもあったりと、ニーズに合わせた柔軟な使い方が可能です。
OpenAIのサービス②DALL・E
引用:DALL・E
DALL・Eは、テキスト入力から画像を生成するAIサービスです。ユーザーが入力した文章どおりの写真風の画像やイラストなどを自動生成できるのが特徴です。
2024年10月時点で最新のDALL・E 3では、ビジュアル制作の精度と柔軟性がさらに向上しました。専門的なデザインスキルが不要なため、広告制作、商品デザイン、アートなどの幅広い分野で活用されています。
従来のクリエイティブ業務を効率化するほか、アイデアを形にする迅速な手段としても注目を集めています。
OpenAIのサービス③Whisper
引用:Whisper
Whisperは音声認識に特化したAIモデルで、音声を高精度にテキストへ変換してくれるのが特徴です。多言語対応と環境ノイズへの強さが特徴で、会議の文字起こし、字幕作成、音声アシスタントなどさまざまな用途で重宝されています。
人の話し言葉や雑音の多い環境でも正確に認識できるため、インタビューや会議の記録の圧倒的な効率化を実現しています。またリアルタイムでの音声認識も可能で、ライブイベントの字幕提供などにも役立てられています。
Whisperは言語の壁を超えて情報を共有できるツールとして、今後はビジネスや教育現場での利用拡大が期待されています。
OpenAIのサービス④OpenAI Codex
引用:OpenAI Codex
OpenAI Codexは、プログラミングの支援に特化したAIです。自然言語で書かれた指示をプログラムコードに変換するツールとなっており、PythonやJavaScriptなどさまざまな言語に対応しています。
GitHub Copilotとして実用化されており、開発者のコーディング作業を効率化したり、初心者の学習支援などにも活用されるなど、開発現場の生産性向上に大いに役立てられています。
OpenAIによるバリエーション豊かなAIサービスを紹介してきましたが、これらのサービスは「どうやって作られているのか」と気になった方は多いでしょう。以下の記事ではそのAIの作り方についてくわしく解説していますので、興味のある方はぜひご一読ください。
OpenAIのChatGPTの使い方
OpenAIのChatGPTは、使い方もとてもかんたんです。ここでは、使い方を以下の2ステップで紹介します。
- 会員登録を行う
- プロンプトを入力する
ステップ①会員登録を行う
ChatGPTの公式サイトから、「Try ChatGPT」をクリックします。すると以下のような画面に遷移するので、右上「サインアップ」から会員登録を行います。
なお、Googleアカウントをすでに持っている方であれば、右上「ログイン」ボタンからワンクリックで会員登録が完了します。
ちなみに会員登録は必須ではありません。会員登録しなくても、「ChatGPTにメッセージを送信する」のバーにプロンプトを入力してエンターを押せば、文章の自動生成が始まります。
とはいえログインを行って、生成の履歴をしっかり管理しておくほうが使い勝手はいいでしょう。
ステップ②プロンプトを入力する
ChatGPTへのアクセス、および会員登録が完了したら、実際にプロンプトを入力します。
プロンプトは日本語に対応しているので、特殊な文法や記述法を覚える必要はありません。「空はなぜ青いのですか」「鳥はなぜ飛ぶのですか」といったように、スマートスピーカーに質問を投げかけるようなニュアンスで質問しましょう。
ちなみに、回答の制度をより上げたいのであれば、
- あなたは気象予報士です。空が青い理由を理由、具体例の順に説明してください。
- あなたは生物学の研究者です。鳥が飛ぶ理由を、小学生でもわかるように教えて下さい。
といったように、回答者の立場や回答の書き方を指定すると、以下のようにそれらしい文章を返してくれるようになります。
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生成AIの基礎から応用まで学べる内容で、ChatGPTにおける上手なプロンプトの作り方も習得可能となっています。
OpenAIおよびChatGPTについてよくある質問
ここではOpenAIおよびChatGPTに関する、よくある質問に回答していきます。
OpenAIに日本法人はある?
あります。2023年の4月に日本法人「OpenAI Japan合同会社」を、東京オフィスとして開設しました。
OpenAIのChatGPTは無料で使える?
はい、ChatGPTは無料でも十分な機能を使用できます。それだけでなく、より回答の精度を上げたい方向けに、有料プラン「ChatGPT Plus」も提供しています。
OpenAIのChatGPTは日本語でも使える?
はい、ChatGPTは日本語に完全対応しています。そのため、ふだんの日常会話のようなニュアンスで質問を入力して差し支えありません。
OpenAIまとめ
OpenAIは、AI技術の発展と安全な普及を目指す研究機関です。高度な人工知能のサービスをいくつも開発しているなか、とくに有名で人気を集めているのが自然言語処理モデル「ChatGPT」です。
ChatGPTは日常的な会話やビジネス支援、学習サポートなど幅広い場面で活用されています。ユーザーはシンプルなインターフェースから質問やタスクを指示するだけで、AIからの的確な応答を得ることが可能です。
OpenAIのビジョンは人類全体に有益なAIを構築し、その技術を公正かつ安全に提供することです。今後も多くの分野でのAIの可能性が期待されています。