【2025】ソニーAIについて徹底調査!事業内容・新卒の採用状況・AI製品についても解説

【2025】ソニーAIについて徹底調査!事業内容・新卒の採用状況・AI製品についても解説

ソニーグループのAI部門として誕生したソニーAI。長年にわたりソニーグループが培ってきた知見と技術力を結集し、2020年の創設以降飛躍的な成長を遂げています。

本記事では、ロボティクスからエンタテインメント、テクノロジー&サービスまで、多岐にわたる事業展開で注目を集めるソニーAIの全貌を徹底調査しました。

事業内容、新卒採用の現状、さらにソニーのAI製品と企業の導入事例まで幅広く解説するので、ソニーAIの魅力や特徴、そしてどのように未来を創造していくのか、ぜひ一緒に見ていきましょう。

ソニーAIとは

ソニーAIは、2020年に設立されたソニーグループのAI部門です。

同社のミッションは、「AIを通じて、人間の想像力と創造力を解き放つ」。ソニーの吉田憲一郎会長は、AIは人間の創造性を「代替」ではなく、「支援」であると明言し、エンタテインメント分野での実績を基盤に、AI研究で創造性の拡張を目指しています。

ソニーAIはグローバルに展開

グローバルな視点と連携を重視するソニーAIは、国内のみならず、世界で4拠点を展開しています。ソニーAIの拠点は以下の通りです。

  • 北米・ボストン
  • ヨーロッパ・バルセロナ
  • インド・ムンバイ
  • 日本・東京都港区

これらの拠点を基盤として、ソニーAIはグループ内の関連企業はもちろん、外部の先進的なパートナーとも手を携え、独自のアプローチでソニーならではのAI技術を磨き上げています。

ソニーAI設立の背景

ソニーAIは、AIとロボティクス分野での技術革新を目指し、ソニーグループの一員として2020年4月に設立されました。その背景には、CEOである北野宏明博士の長年の情熱と信念があります。

博士は、1990年代初頭に設立した国際的なロボット競技会「ロボカップ」を通じて、困難な目標を設定し、チームで協力して達成することの重要性を深く認識しました。

この経験が、ソニーAIの思念「グランドチャレンジ(科学的発見への挑戦)」に継承されています。

ソニーAIは設立当初、

  • ゲーム(PlayStationチームと連携)
  • イメージング&センシングとロボティクスの統合
  • ガストロノミー(創造性、持続可能性、健康を追求)

このようなプロジェクトに取り組んでおり、現在は、これらに加え、現在はAI倫理やサステナビリティにも注力しています。

ソニーAIの平均年収

続いて、ソニー株式会社のAIエンジニアの平均年収について見てみましょう。

ここでは、Indeedの求人情報(過去12か月間の10件のデータに基づく)の調査を元にお伝えします(調査日:2025年4月21日)。

  • 平均年収(推定): 719万円
  • 全国平均との比較:全国平均より37%高い

上記の年収は、個人のスキル、経験、担当プロジェクトなどによって変動するものの、高水準な年収であるといえるでしょう。

なお、これはソニー株式会社のAIエンジニアの平均年収であり、ソニーAI株式会社の給与体系とは異なる可能性があります。

参照:Indeed

ソニーAIの取り組み

ソニーAIの取り組み

ソニーAIは、エンタテインメントを革新するだけでなく、日常生活や社会の課題解決にもAIの力で貢献するため、幅広い分野で研究開発を進めています

ここでは、その主要な6つの取り組みを、一つひとつ見ていきましょう。

取り組み分野 概要
ゲームAI より賢く、面白いゲーム体験をAIで実現
イメージング&センシング 人間の視覚を超えるAI認識技術で産業と社会に貢献
AI倫理 公正で安全なAI利用のための研究
ロボティクス 人と協調する次世代AIロボットの開発
科学的発見の促進 AIで科学研究を加速し、新たな発見を支援
クリエイター向けAI AIがクリエイターの創造性をサポート

①ゲームAI

ソニーAIは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)と連携し、「AI×ゲーム体験の進化」を目指し、人間と自然に対話できる賢いAIキャラクター(インタラクティブエージェント)を開発しました。

この取り組みにより、ゲーム開発者はより自由な発想で新しいゲーム体験を創造でき、プレイヤーはこれまで以上に没入感のあるゲームを楽しめるようになります。

具体例

  • プレイヤーの行動に合わせて賢く反応する敵キャラクター
  • まるで人間と会話しているかのようなNPC(ノンプレイヤーキャラクター)
  • ゲームバランスを自動で調整するAI

②イメージング&センシング

ソニーAIは、ソニーの高度なセンサー技術とAIの画像認識技術を組み合わせ、「見る」という概念を変化させています。この技術革新により、製造業の品質向上、医療現場の診断支援、より安全なモビリティ社会の実現に貢献します。

具体例

  1. 半導体製造の不良をAIが高速かつ高精度に検出
  2. 医療画像から病変をAIが早期に発見
  3. 自動運転における周囲の状況認識をAIが高度化

③AI倫理

ソニーAIは、AIが公正で透明性があり、安全に利用されるための研究開発に取り組んでいます。

データ収集、アルゴリズムの公平性評価、バイアス軽減など、倫理的なAIの実現を目指し、AI技術が人々の信頼を得て、より良い社会の実現に貢献できるよう努めています。

具体例

  • プライバシーに配慮したデータ収集方法
  • AIの判断における偏りを検出・軽減する技術
  • AIの動作原理を人間が理解しやすいように説明する技術

④ロボティクス

ソニーAIは、AIが物理的な世界でどのように活躍できるかを探求し、人間と協調して作業できる次世代ロボットの開発を目指しています。

高度な認識能力と精密な動作制御により、スポーツ、料理、科学研究など、様々な分野で人間の能力を拡張し、新たな可能性を切り拓くロボット技術の実現を目指します。

具体例

  • 高速かつ正確な動作制御
  • 多様な環境を認識し、柔軟に対応する知能
  • 人間と安全かつ円滑に協調作業を行うための技術

⑤科学的発見の促進

ソニーAIは、AIの力を活用して科学研究を加速させることも目指しています。

AIが大量の科学データを解析し、新たな知識や法則の発見、または研究者の新しい仮説創出支援など、人類の進歩に貢献する画期的な発見に貢献しています。

具体例

  • 膨大な研究論文やデータを解析し、新たな関連性やパターンを発見
  • 研究者のアイデア発想を支援するAIシステムの開発
  • 実験計画やデータ分析を効率化するツールの提供

⑥クリエイター向けAI

ソニーAIは、AIによる音楽、映像、ゲームなど、様々な分野のクリエイターの創造活動をサポートする取り組みにも力を入れています。

より豊かで多様なエンターテインメント体験の実現に向け、AIをクリエイターの創造性を増幅させるツールとして活用されています。

具体例

  • 音楽制作における作曲、編曲、サウンドデザインの支援
  • 映像編集や特殊効果制作の効率化と新たな表現の創出
  • ゲーム開発におけるキャラクター、シナリオ、背景などの自動生成

参照:ソニーAI

クリエイティブな作品制作を効率化!生成AIセミナー

ソニーAIのクリエイティブ分野でも活用されている生成AIは、上記のようにクリエイティブな活動に取り入れることで、表現の可能性を大きく広げてくれます。

生成AIセミナーは、生成AIの基礎から実践的な活用方法、さらには安全な使い方や独自のAI作成まで、現代クリエイターに欠かせない内容をしっかり習得できます。

こちらのセミナーは、短期間で効率的に生成AI活用術を学べるので、多忙な方にもおすすめのカリキュラムです。詳細なスケジュールやお申し込み方法については、以下のページでご確認ください。

セミナー名生成AIセミナー
運営元ProSkilll(プロスキル)
価格(税込)27,500円〜
開催期間2日間
受講形式対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー

生成AIセミナーのスケジュール/お申し込みはこちら

生成AIは「説明可能なAI」「AI説明不可能なAI」があります。以下の記事は、「説明可能なAI」について解説しているので、ソニーAIの技術を深く理解したい方はぜひご一読ください。

【2025】説明可能なAI「XAI」とは?メリットや手法、学習方法を紹介

以下の記事は、生成AIを代表するツール・ChatGPTの開発元であるOpenAIについて解説しています。具体的な使い方もお伝えしているので、ChatGPTの活用方法を知りたい方もぜひご一読ください。

【2025】OpenAIとは?概要やビジョン、ChatGPTの使い方を紹介

ソニーAIの新卒採用から読み解く求める人材像

ソニーAIの新卒採用から読み解く求める人材像

ソニーAIは、「AIで人間の想像力と創造性を解き放つ」という使命に共感し、その実現に情熱を注げる人材を求めています。

特に、多様性を重視し、様々な文化的、社会的、教育的背景を持つ人材と共にチームを作ることに注力しているのが特徴です。

現時点(2025年4月20日現在)で公開されている求人情報はインターンシップが中心ですが、新卒を含め意欲ある多くの人材を歓迎しています。

以下はソニーAIで公開されている求人情報の一部です。

職種 勤務地 必要学歴 新卒対象
科学的発見のための研究インターン(バイオメディカル) 東京 大学院
HCIインターン(AI倫理チーム) リモート 修士・博士
ITシステム管理スタッフ 東京 学士以上
イメージング&センシングエンジニアリングインターン 東京 学士以上
3D/4D生成および認識基盤モデル研究インターン 東京、欧米、リモート 修士・博士
コンテンツ制作のためのジェネレーティブAIリサーチインターン 東京、NYC、リモート 修士以上

これらの求人情報からわかるように、ソニーAIでは高度な専門知識を持つ人材を募集しており、特に、技術系のバックグラウンド、AI・機械学習に関する知識やプログラミングスキルを持つ人材が求められています。

参照:ソニーAI

ソニーのAI製品

ソニーのAI製品

ソニーAIが開発しているソニーのAI製品は何があるのでしょうか?ここでは、数あるソニーAI製品の中から主要な3製品について見ていきましょう。

製品名 概要 主なユーザー
Prediction One 簡単AI予測分析 データ分析初心者
Neural Network Console ドラッグ&ドロップでAI開発 AI開発者・研究者
NURO AI コンタクトセンター AIで窓口業務を効率化 コールセンター

①Prediction One

Prediction Oneは、AIの専門知識がなくても使える予測分析ツールです。

数回クリックするだけの簡単操作で、誰でもデータから予測を導き出すことができます。もともとはソニー社内のAI教育用に開発されましたが、今では多くの企業が導入しており、業務改善に大きな効果をもたらしています。

特長

  • シンプルで簡単な操作性
  • 高精度な予測能力
  • 予測理由の分かりやすい表示
  • デスクトップ版とクラウド版を提供
  • チームでの共同作業が可能

②Neural Network Console

Neural Network Consoleは、ラッグ&ドロップの簡単操作でニューラルネットワークを設計できるツールです。ディープラーニングのプログラミングが不要なので、専門的な知識がなくても高度なAI開発ができます。

提供機能・サポート

  • Windows版を提供
  • AI・データ活用の支援メニューを用意
  • ソニーグループのノウハウを活かした研修を提供
  • PoC(概念実証)環境構築を支援

③NURO AI コンタクトセンター

NURO AI コンタクトセンターは、企業のお問い合わせ窓口をデジタル化するマルチクラウド型のサービスです。AI技術を活用して、電話、メール、チャット、LINEなど複数のコミュニケーションチャネルを統合管理します。

特徴

  • 在宅ワーク環境の整備
  • 低コストでの導入
  • 柔軟な席数の変更
  • 高いセキュリティ基準
  • AIを活用したボイスボット機能

参照:ソニー

ソニーのAI製品導入事例

ソニーのAI製品導入事例

ソニーが開発したAI製品は、様々な業界で大きな成果を上げています。ここでは、実際の企業がソニーのAI製品を導入して、どのような課題を解決し、どのような成果を得たのかを紹介しましょう。

企業名 主な課題 導入ツール 主な成果
AGC AIの現場における活用困難 Prediction One 現場でAI運用可能
札幌海鮮丸 DM反応率の低迷 Prediction One DM反応率が大幅アップ
ベルシステム24 予測と分析の負担大 Prediction One 高精度予測で効率アップ

①AGC

AGC株式会社では、社内DX推進においてデータ活用を重視していましたが、「現場担当者のスキルにばらつきがある」という課題を抱えていました。

加えて、専門部門の負担軽減が課題となる中、シンプルな操作性のソニーのAI予測分析システム・Prediction Oneを導入し、現場でのAI活用を実現しています。

具体的な活用と効果

  • 社内システムデータをPrediction Oneで分析
  • 現場担当者自身でのAI運用が可能となり、専門部門の負担を軽減
  • 手頃な価格とノートPCでの利用が可能で、導入提案もスムーズ

②札幌海鮮丸

出前専門店を運営する株式会社札幌海鮮丸では、創業当初からデータに基づいた販促活動を行っていましたが、増え続ける手動処理に限界を感じていました。

そこで、膨大なデータをAIで客観的に分析し、マーケティングの精度向上を目指し、ソニーのAI予測分析システム・Prediction Oneを導入し、これらの課題点を解決しています。

具体的な活用と効果

  • AIでDM送付リストを作成し、優良顧客にDMを送付
  • ROI(投資収益率)1200%という驚異的な成果を達成
  • 人間では考えつかない予測パターンを発見

③ベルシステム24

コンタクトセンター大手のベルシステム24では、データ活用に注力するもExcelでの大量データ分析に限界があり、過去データからの客観的な予測分析を求めていました。

そこで、ソニーのAI予測システム・Prediction Oneを導入し、サービスレベル向上を実現しています。

具体的な活用と効果

  • アウトバウンド業務での受注確率予測や問い合わせメールのラベリングで成果
  • 「接続率」の予測でPrediction Oneが大きな効果を発揮
  • 分析スキルの差があってもサービスレベル平準化を実現

参照:ソニー

ソニーAIについてまとめ

ソニーAIは、世界4拠点でゲーム、画像認識、ロボットなど幅広い研究開発を進めています。採用では多様性を重視し、インターンシップで若手を歓迎していました。

ソニーAIは、簡単予測分析のPrediction Oneをはじめ、様々なAI技術搭載の製品で企業の課題解決に貢献しています。創造支援と社会貢献を目指すソニーAIは、今後もさらなる進化を遂げることでしょう。