ITエンジニアの国家資格である基本情報技術試験を取ろうと思ったとき「どれぐらいの勉強時間が必要になるのだろうか?」「難易度はどれぐらいだろうか?」と気になってしまうでしょう。そのような悩みを抱えている方向けに、この記事では基本情報技術者試験について解説します。
ITエンジニアのスキルアップを考えており、基本情報技術者に興味を持っている人は、この記事を読んでみてください。
基本情報技術者試験とは
出典元:『基本情報技術者試験』
基本情報技術者試験とは、IT業界で働く上で習得すべきITに関する基礎的な知識、技能が問われる資格試験です。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営している国家資格です。基本情報技術者試験に合格すれば、以下の能力を証明できます。
- ITの基礎知識
- IT戦略の評価する力
- システムやサービスを提案する力
- システムの企画・要件定義ができる力
- 情報セキュリティに関する知識
- ソフトウェアの設計力
- プログラム開発力
■基本情報技術者試験の概要
実施期間 | 通年で受験可能 |
採点方法 | IRT方式(項目応答理論) |
科目名称 | 科目A試験
科目B試験 |
出題形式 | 科目A試験
試験時間:90分 出題数:60問 回答数:60問 |
科目B試験
試験時間:100分 出題数:20問 解答数:20問 ※全問必須解答 |
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合格基準点 | 600点/1,000点 |
受験資格 | 特になし |
受験料 | 7,500円 |
受験申込方法 | [個人申込み]原則WEBでの申し込み |
※2023年4月より、通年実施の試験に変更となりました。
基本情報技術者試験の試験問題
基本情報技術者試験は科目A試験と科目B試験に分類できます。
科目A試験 | テクノロジー系 |
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マネジメント系 |
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ストラテジ系 |
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科目B試験 | 情報セキュリティ系 |
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アルゴリズム系 |
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基本情報技術者試験の合格率・難易度
基本情報技術者の合格率は、約40%です。
■基本情報技術者試験の受験データ
令和4年度下期 | 令和4年度下期 | 令和4年度上期 | |
受験者数 | 45,618人 | 9,882人 | 38.3% |
合格者数 | 15,919人 | 3,861人 | 39.0% |
合格率 | 34.8% | 39.0% | 38.3% |
難易度が高い試験ではありますが、勉強時間を確保して、効果的な対策をしていけば独学でも合格を目指せる資格です。
社会人と学生の合格率が同じであることから、試験勉強次第で合格できることが伺えます。
しかし、基本情報技術者試験の合格者の勉強時間は180~200時間前後となっているため、充分に時間を確保するようにしましょう。
基本情報技術者試験の勉強方法
基本情報技術者試験に合格するためには、勉強時間の確保と正しい勉強方法が欠かせません。そのため、基本情報技術者試験に合格するための勉強方法を覚えておきましょう。
テキスト学習
テキスト学習は、最初に目次を確認しておき、全体像を把握しておきましょう。その上でテキストを流し読みしていきます。
テキストの流し読みで全てを理解する必要はありません。大切なことは、基本情報技術者試験の全体像を理解することです。
テキストの流し読みを終えたら、各項目をジックリ読んでノートにまとめていきましょう。ノートにまとめるときは、要点のみを書くことです。そうすることによって、重要な箇所を復習しやすくなります。
過去問演習
テキスト学習で基礎知識が固まってきたら、過去問に挑戦しましょう。基本情報技術者試験の過去問は書店にて販売されています。
また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の公式ページで過去問のPDFがダウンロードできるようになっています。
以下からも過去門のPDFをダウンロードできるため、ぜひ取得してみてください。
基本情報技術者試験の過去問
- 2023年度の過去問
- 2022年度の過去問
- 2021年度の過去問
- 2020年度の過去問
- 2019年度の過去問
過去問を解いてみて苦手だと思う分野は復習するようにしましょう。
基本情報技術者試験の合格基準は600点/1000点のため、700点は取れるようにしておくと、安心です。
科目A試験と科目B試験で対策を変える
試験勉強の方法をご紹介しましたが、科目A試験と科目B試験で対策を変えると試験対策に効果的です。
[A科目試験]
- 試験範囲が広いため苦手分野を見つけ克服する
- 計算問題は計算式だけでなく意味を理解しておく
- 過去問を解いて、出題範囲全般で点数を取れるようにしておく
[B科目試験]
- アルゴリズムの問題は配点が高いため勉強しておく
- プログラミング言語の問題は配点が高いため勉強しておく
- 過去問を解いて、出題範囲全般で点数を取れるようにしておく
基本情報技術者試験のための学校
基本情報技術者試験の勉強方法をご紹介しましたが、独学に限界を感じたら、通信講座や通学講座を受講してみることをおすすめします。
これらの学校は、公式テキストを読むだけではわからない項目をわかりやすく紐解いてくれます。それだけでなく、わからない箇所は質問できるため、試験勉強に躓く心配もありません。
ここでは、基本情報技術者試験の勉強ができるおすすめの学校をご紹介します。
TAC
資格の学校TACでは、通信講座と通学講座が用意されています。
基本情報技術者試験の勉強は、平日コースと休日コースがあるため、社会人の方も受講しやすいです。そのため、基本情報技術者試験の受験仲間と切磋琢磨しながら勉強したい方におすすめの学校です。
また、講座の料金がリーズナブルで受講しやすいことも魅力となっています。
運営会社 | TAC株式会社 |
会社住所 | 〒101-0061
東京都千代田区神田三崎町 3-2-18 TAC本社ビル |
電話番号 | 0120-509-117 |
講座・種類 | 通信講座・通学講座 |
講座料金 | 54,000円~64,000円(税込) |
大栄
大栄の基本情報技術者講座はオンライン講座でありながら、抜群のサポートが魅力となっています。
基本情報技術者講座の資格対策を熟知している講師が学習プランを作成してくれたり、効率的な学習方法を教えてくれたりします。
また、定期的にカウンセリングを行ってくれるため、独学では挫折してしまいそうと不安な方も安心です。
その他の講座と比較して料金は高めですが、サポート力を重視したい方におすすめです。
運営会社 | 株式会社リンクアカデミー |
会社住所 | 〒104-0061
東京都中央区銀座4丁目12-15 歌舞伎座タワー 15F |
電話番号 | 03-6853-8066 |
講座・種類 | オンライン講座 |
講座料金 | 163,757円(税込) |
JTEX
JTEX(職業訓練法人 日本技能教育開発センター)の基本情報技術者試験講座は、リーズナブルな料金体系が魅力で、18,700円となっています。
また、法人・団体受講の場合は値引きされて16,500円で受講することが可能です。動画講座は用意されていませんが、eラーニング形式で学習していけます。
運営会社 | JTEX(職業訓練法人 日本技能教育開発センター) |
会社住所 | 〒162-8488
東京都新宿区岩戸町18 日交神楽坂ビル |
電話番号 | 03-3235-8686 |
講座・種類 | Eラーニング |
講座料金 | 18,700円(税込) |
基本情報技術者試験取得のメリット
基本情報技術者試験について解説しましたが、資格を取得すると得られるメリットは3つあります。
ITエンジニアとしてスキルアップができる
1つ目がITエンジニアとしてスキルアップができることです。基本情報技術者試験の勉強を通じて、情報処理分野の知識を体系的に身に付けることができます。
ITの基礎知識だけでなく、システムの提案力、企画力、設計力、開発力を養うことができます。資格を取得して、能力を客観的に証明できれば、周囲から頼りにされることでしょう。
就職・転職を有利に進められる
2つ目が基本情報技術者試験を取得しておけば、就職・転職を有利に進めていくことができます。なぜなら、ITの基礎知識を身に付けており、設計・開発できる能力を証明できるためです。
経済産業省の調査によると、2030年にはITエンジニアが79万人不足すると述べられています。ITエンジニア不足は深刻な問題になっているため、資格を取得すれば、就職・転職が非常にしやすくなります。
勤務先から資格手当がもらえる
3つ目が基本情報技術者試験を取得すれば、勤務先から資格手当がもらえることです。企業によって異なりますが、基本情報技術者試験の取得者の手当相場は5,000円~10,000円/月となっています。
また、社会人で試験に合格した場合は合格報酬金(20,000円~100,000円)がもらえることもあるようです。そのため、年収を上げたいという方にも資格取得がおすすめです。
まとめ
基本情報技術者試験とは、IT業界で働く上で習得すべきITに関する基礎的な知識、技能が問われる資格試験です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営している国家資格です。
試験に合格すれば、ITに関する基礎知識や設計、開発力を証明できます。そして、就職・転職を有利に進められたり、年収アップができたりします。多くの人が受験している資格のため、ぜひ、これを機会に資格の取得を目指してみてください。