需要が拡大していくIT業界への第一歩を踏み出す方、より専門的な知識やスキルを証明したい方を中心に、エンジニアの国家資格や民間資格の人気が高まっています。
今回はIT従事者ならとるべきエンジニア資格を、国家資格と民間資格別にご紹介します。
エンジニアは資格が必要?
エンジニアとして働くために必ずしも資格が必要というわけではありませんが、資格を取得することでスキルや知識を証明し、キャリアを有利に進めることができます。
とくにIT業界では資格が技術力の証明となり、採用や昇進において重要視されることが多いです。たとえばAWS認定やMicrosoftの資格は、クラウドやシステム開発に特化したスキルを持つことを示すため、業界内での評価を飛躍的に高めます。
しかし実務経験やポートフォリオも重要で、資格だけではなく実際のプロジェクトでの経験が求められます。資格は有用ですが、それを補完する実践的なスキルや経験も同じくらい重要です。
エンジニア資格がいらないと言われる理由は?
エンジニア資格が「いらない」とされる理由は、実務経験やスキルがより重要視される事が多いためです。多くの企業は資格だけでは十分な評価を得られない場合もあり、応募者の実績やプロジェクト経験を重視する傾向があります。
とはいえ資格は転職やキャリアアップにおいて、ものごとを有利に進めるための強力な武器になるので、必ずしも不要とは言い難いのが現状です。
エンジニア資格の主な分類
エンジニア資格には、大きく分けて「国家資格」と「民間(ベンダー)資格」の2つの分類があります。
国家資格 | 民間(ベンダー)資格 | |
定義 | 政府が認定した資格。国家試験を通じて取得。 | 民間団体や企業が発行する資格。 |
メリット |
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デメリット |
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更新・維持 | 一般的に更新の必要がない | ほとんどの試験で更新が必要 |
認知度 | 高い(業界内外で広く認知されている) | 業界や団体によって異なるが一般的に低め |
この章では、上記2つのそれぞれの違いについてくわしく見ていきます。
エンジニア資格分類①国家資格
国家資格は政府が認定する資格で、国家試験を通じて取得されます。信頼性が高く、社会的な評価も得やすいのが特徴です。
この資格を持つことで職業選択の幅が大きく広がり、特定の業界での就職やキャリアアップに有利になります。そして一般的に資格の更新は不要である点が大きなメリットになります。
また取得に伴うコストは比較的安価ですが、全体的な難易度は高い傾向があります。
エンジニア資格分類②民間(ベンダー)資格
民間(ベンダー)資格は民間団体や企業が発行する資格で、多様な分野やレベルから選択できるのが特徴です。短期間で取得可能な資格も多く、特定の業界に特化した内容が含まれていることも多々あります。
ただし国家資格に比べて信頼性は劣り、資格の認知度も業界によって異なることがデメリットです。またほとんどの試験では資格の更新が必要で、その更新料も安くはありません。
エンジニアならとるべき国家資格
この章では、エンジニアならとるべき国家資格を以下のとおり5つご紹介します。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- データベーススペシャリスト試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
国家資格①ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基本的な知識を身につけることを目的としており、IT業界で新たに働きたい人に人気の資格です。IT業務に必要な知識の土台を築くことができます。
エンジニア国家資格の中ではもっともかんたんな資格で、合格率も高い水準となっているため、就職や転職、キャリアアップではそれほど役に立ちません。ただ、まったくのIT未経験者がITの基礎を固めるうえでは有用な資格といえます。
国家資格②基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は「IT業界でのキャリアを目指すエンジニアの登竜門」とも称される、IT資格の中でもとくに有名な資格です。
情報処理に関する基本的な知識と技術を問うものでプログラミングやデータベースはもちろん、ネットワークやセキュリティなど多岐にわたるテーマが含まれています。受験者は理論的な知識だけでなく、実際の業務で必要となるスキルも求められます。
内容としても難易度としても、エンジニアなら必ず一度は挑戦しておきたい資格です。
国家資格③応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、前述「基本情報技術者試験」をより難しくしたもの、という認識で差し支えありません。
IT業界でのさらなるスキルアップを目指すエンジニアにとって重要な国家資格で、範囲はプログラミングやシステム設計、プロジェクト管理、情報セキュリティなど多岐にわたり、実務に即した幅広い知識を習得しなければなりません。
取得すれば、専門的なスキルを証明し、より高度な職務への挑戦やキャリアの向上が期待できるでしょう。
国家資格④データベーススペシャリスト試験
データベースに関する専門的な知識と技術を証明する国家資格です。主にデータベース設計、管理、運用、セキュリティ、パフォーマンスチューニングなどの知識が必要とされます。
データベースを使わないIT企業は存在しないので、その汎用性の高さから、エンジニアはぜひ習得しておきたい資格と言えます。とはいえ難易度は非常に高く、実務経験がないと合格は難しいでしょう。
国家資格⑤情報セキュリティマネジメント試験
その名のとおり情報セキュリティの管理に必要な知識を証明するもので、情報セキュリティの基礎知識、リスク管理、セキュリティポリシーの策定、セキュリティ対策の実施、インシデント対応などのテーマが出題されます。
いまやセキュリティはすべてのITサービスにおける最重要項目となっているため、取得すれば仕事に困ることはほとんどないといって差し支えないでしょう。ただ難易度は非常に高く、実務経験がないと合格は難しいのが現状です。
エンジニアならとるべき民間(ベンダー)資格
この章では、エンジニアならとるべき「民間(ベンダー)資格」のほうを、以下のとおり5つご紹介します。
- G検定
- E資格
- Microsoft Office Specialist
- Python 3 エンジニア認定基礎試験
- AWS認定資格
民間資格①G検定
人工知能(AI)や機械学習の基礎知識を測定する民間資格です。デジタル技術が進化する現代において、AIに関する知識はエンジニアにとって必須のスキルとなりつつあり、需要も高まっています。
G検定の大きな魅力は、AIに関心を持つエンジニアやビジネスパーソンが基礎から専門知識までの体系的な理解を深められる点です。取得後はAIプロジェクトに関与する際に役立つ知識を持つ証明となるので、企業内でのキャリアアップなどに役立つでしょう。
なおProSkilllが運営するG検定対策講座では、G検定の合格に必要な知識および技術を1日で効率よく学ぶことができますので、ぜひご検討ください。
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またG検定については以下の記事でもくわしく解説していますので、興味のある方はぜひご一読ください。
民間資格②E資格
前述「G検定」とおなじく人工知能(AI)に特化した民間資格ですが、G検定はジェネラリスト向け、E資格はエンジニア向けという違いがあります。E資格のほうが難易度も高く、受験資格もあることからハードルは高いです。
AIエンジニアとしての実務に直結した知識を身につける絶好の資格であり、特にAI関連のプロジェクトに関わるエンジニアにとって必須となります。
なおE資格対策ディープラーニング短期集中講座では、E資格の合格に必要なノウハウを4日間の短期集中で学ぶことができます。
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民間資格③Microsoft Office Specialist
通称「MOS」の相性で親しまれるこちらの資格は、Microsoft Office製品に関するスキルを証明するための民間資格です。この資格はWord、Excel、PowerPoint、AccessなどのOfficeアプリケーションにおける実践的な操作能力を測定します。
とくに事務職やIT業界ではOffice製品の操作がほぼ必ず求められるため、MOS資格の取得はキャリアアップや就職活動において有利に働くでしょう。
民間資格④Python 3 エンジニア認定基礎試験
Python 3 エンジニア認定基礎試験は、Pythonプログラミング言語の基礎知識とスキルを証明するための民間資格です。Pythonはデータ分析や機械学習、Web開発など、様々な分野で需要が高まっているので、幅広いIT業界で使える資格となるでしょう。
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民間資格⑤AWS認定資格
AWS認定資格は、Amazon Web Services(AWS)のクラウド技術に関する専門知識やスキルを証明するための民間資格です。AWSのサービスを利用したシステムの設計や運用、セキュリティ対策、コスト管理などについての知識が求められます。
国内・海外問わずAWSを使用している企業は多いため、取得によって企業におけるクラウドプロジェクトへの参画やキャリアアップの可能性が広がるでしょう。
AWSで始めるインフラ構築基礎セミナーでは、2日間でAWSにおけるインフラ構築のプロになるための短期集中講座が提供されています。実務ですぐに使える技術を凝縮したカリキュラムとなっていますので、ぜひ以下のリンクから詳細をご確認ください。
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ひとえにAWS認定資格といっても、さまざまな科目が存在します。以下の記事では一覧表でわかりやすくまとめていますので、気になる方はぜひご一読ください。
エンジニア資格の勉強方法
エンジニア資格の勉強方法を、以下のとおりご紹介します。
- テキストや問題集を活用する
- ネットの情報および動画を用いる
- ITセミナーを活用する
勉強方法①テキストや問題集を活用する
テキストや問題集を活用する勉強方法は、エンジニア資格取得において基本です。
公式の専門書や問題週をしっかり活用し、基礎知識を身につけることが重要です。過去問や模擬試験を通じて実際の試験形式に慣れることで、理解を深められます。
勉強方法②ネットの情報および動画を用いる
いまやインターネットや動画を活用すれば、資格に関するノウハウや学習コンテンツは無料でかんたんに手に入るので、活用しない手はありません。
参考書や問題集でどうしてもわからなかった部分をインターネットで検索する、といった活用法が効果的です。
勉強方法③ITセミナーを活用する
ITセミナーを活用すれば、学習時間を飛躍的に短縮しつつ、資格取得を目指すことが可能になります。たとえばJDLA認定 G検定対策講座では、G検定を習得するための1Day講座が5,500円から受講できます。
また同様のAI資格「E資格」の対策セミナーとして、E資格対策ディープラーニング短期集中講座もあり、こちらも重点が凝縮された4日間の短期集中カリキュラムを54,780円で受講できます。脱落者ゼロ、修了率99%以上、合格率は83.3%と高い水準になっていますので、ぜひご検討下さい。
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エンジニア資格まとめ
国家資格と民間資格はそれぞれにメリット・デメリットがあるので、自分の目標やゴールから逆算して選ぶことが大切です。
国家資格は公的な認知度が高く信頼性がありますが、その分難易度が高いため取得には時間と労力が必要。一方で民間資格は多様な選択肢があり、国家資格に比べると難易度はそれほど高くないものが多い傾向ですが、権威性は劣ります。
目的に合う資格を選べばエンジニアとしてのスキルアップや転職・昇進のチャンスが広がるので、ぜひ挑戦してはいかがでしょうか。