AI資格の「G検定」を聞いたことがあるでしょうか。就職・転職に有利にするためにAI関連の資格を取りたくて、G検定に興味があり、どのような資格か詳しく知りたいと思っていませんか?
そのような方向けに、今回はAI資格のG検定がどのような試験なのかについて、具体的に解説します。ぜひ参考にしてみてください。
G検定とはAIの基本的な知識を問う資格
AI技術の進化とともに、AIの知識を証明する資格が求められるようになりました。その中でも一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催している「G検定」は特に注目されています。
G検定はAIの基本的な知識を問う資格であり、AI技術の理解と応用能力を評価します。この資格は、AIの専門家だけでなく、ビジネスパーソンや学生など、幅広い層に対してAIの基礎知識を身につける機会を提供します。
G検定の概要
G検定の難易度は決して低くありません。試験範囲は広く、AIの基本的な理論から、機械学習、ディープラーニングなどの具体的な技術までをカバーしています。
- 機械学習
データからパターンを学び、予測や決定を行う技術です。教師あり学習、教師なし学習、強化学習などがあります。 - ディープラーニング
機械学習の一種で、人間の脳のニューロンの動作を模倣したニューラルネットワークを深く重ねたものです。画像認識や自然言語処理などに用いられます。 - 強化学習
エージェントが環境と相互作用しながら報酬を最大化する行動を学ぶ方法です。ゲーム理論やロボット制御などに応用されています。
G検定の重要性とは
なぜG検定が重要なのでしょうか。それは、AIが私たちの生活やビジネスに大きな影響を与えているからです。
ここ最近話題になっているChatGPTもAIの一種です。人間の生活や仕事にも大きなインパクトを与えています。AI技術を理解し、適切に活用する能力は、現代社会で成功するための重要なスキルとなっています。G検定は、そのスキルを証明するための手段です。
G検定を取得することで、AIの基本的な知識と応用能力を持っていることが証明され、就職や転職、キャリアアップに有利となります。
また、AI技術の理解が深まることで、新たなビジネスチャンスを見つけることも可能となります。
AI資格G検定の合格難易度と合格率
前章ではG検定の重要性を示しました。G検定に合格するための難易度と合格率について紹介します。
難易度と合格率
G検定の合格率は約60%〜70%で、合格ラインは概ね70%程度と予想されています。しかし、出題範囲が広く、AI関連の高度な内容を含むため、簡単にカバーしきれるレベルではありません。
G検定の過去5年間の合格率は以下の通りです。
- 2019年: 第1回 72.76%, 第2回 71.40%, 第3回 70.70%
- 2020年: 第1回 66.66%, 第2回 68.96%, 第3回 59.56%
- 2021年: 第1回 63.77%, 第2回 61.50%, 第3回 64.45%
- 2022年: 第1回 62.10%, 第2回 61.22%, 第3回 66.17%
- 2023年: 第1回 65.80%, 第2回 67.99%, 第3回 68.75%, 第4回 72.23%, 第5回 68.71%
引用:「2023年 第5回 G検定」開催結果を発表(5,330名が受験し、3,662名が合格)合格のための対策
G検定を習得するためのステップ
G検定の習得には以下のステップでの対策がおすすめです。
- 基礎知識の習得
PythonやRのプログラミング、統計学、機械学習の基礎知識を身につけます。Pythonは汎用性の高い言語で、Web開発からAIまで幅広く使われています。一方、Rは統計計算やデータ分析に特化した言語で、科学研究などによく用いられます。 - 公式テキストの学習
G検定の公式テキストを読み、理解します。 - 過去問題の解答
過去の試験問題を解き、理解度を確認します。 - 模擬試験の受験
模擬試験を受けて、本番の試験に備えます。
AI資格G検定とE資格との違い
G検定とE資格は、どちらもJDLAが主催するディープラーニングに関する資格ですが、その内容や対象者には違いがあります。
G検定は、ディープラーニングの基礎知識を有し、事業に活用する能力や知識を持っているかどうかを認定する資格です。対象者は主に「AI従事者全般」で、初級~中級者向けです。
一方、E資格は、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を持っているかどうかを認定する資格です。対象者は主に「AIエンジニア」で、専門性の高いAI技術者・上級者向けです。
AI資格G検定の過去問についての情報
G検定合格を目指すにあたり、過去に出題された問題を活用するのがおすすめです。
過去問の活用法
G検定の過去問題を解くことで試験の形式や出題傾向を把握します。これにより、どのような問題が出題されるのか、どの範囲を重点的に学習すべきかが明確になります。
次に、過去問題を時間を計測しながら解くことで、試験時間内に問題を解くスピードを鍛えます。試験では時間管理が重要となるため必須です。
また、過去問題を解いた後は、間違えた問題や理解が曖昧な問題の解説をしっかりと読み、理解を深めます。これにより、同じような問題が出たときに正確に解答できるようになります。
仕事や業務で使えるディープラーニングスキルを学びG検定を最短最速で合格したいなら、「G検定セミナー」を受けてみてはいかがでしょうか。
問題の出題範囲
出題範囲は非常に広く、AI、ディープラーニングの概要といった基本知識から、ディープラーニングの仕組み、ハードウェア、AIの活用方法まで、幅広く出題されます。
具体的には、専門用語の定義、具体的な技術や分析手法の名称と内容、技術・手法の仕組みや特徴に関する理解、ディープラーニングを応用した最新技術の用語、AIを活用するための知見(社会・産業への影響、法的規制、倫理、現行の議論)などが出題されます。優秀なAI人材となるためには、技術的な知識だけでなく、社会へ与える影響・インパクトについても理解しておかなければなりません。
G検定に求められるハードウェアの知識として、例えば以下のようなものが挙げられます。
- CPU(中央処理装置)はコンピュータの「脳」で、プログラムの命令を実行します。
- GPU(グラフィックス処理装置)は、画像処理に特化しており、機械学習やディープラーニングの計算にも利用されます。
- RAM(ランダムアクセスメモリ)は、一時的なデータ保管場所で、CPUが直接アクセスできます。
- ストレージは、データを永続的に保存します。SSDはHDDより高速ですが、コストが高いです。
- 帯域幅とレイテンシは、ネットワークの性能を測る重要な指標です。
また、問題は220問程度出題され、試験時間120分です。
AI資格G検定の試験情報
G検定の試験日程と申し込み方法はどうなっているのか、見ていきます。
試験日程
G検定は2024年は1年に6回開催されます。具体的な日程は以下の通りです。
第1回:2024年1月13日(土) 13:00〜15:00
第2回:2024年3月8日(金) 16:00〜18:00、3月9日(土) 13:00〜15:00
第3回:2024年5月11日(土) 13:00〜15:00
第4回:2024年7月5日(金) 16:00〜18:00、7月6日(土) 13:00〜15:00
第5回:2024年9月7日(土) 13:00〜15:00
第6回:2024年11月8日(金) 16:00〜18:00、11月9日(土) 13:00〜15:00
引用:G検定とは – 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】 (jdla.org)
試験申込期間は各試験日の約1ヶ月前から開始されます。
申し込み方法
G検定の申し込み方法は以下の通りです。
- アカウント作成
まずG検定の公式サイトにアクセスし、新規アカウントを作成します。 - 受験チケットの購入
次に受験チケットを購入します。購入から1年間が有効期限です。 - 受験予約
受験チケットを購入したら、有効期限内にご希望の試験回に受験予約をします。 - 試験受験
試験当日に受験ページで受験します。
AI資格G検定のメリットと活用方法
G検定の資格を取得するメリットと、取得後の活用方法を紹介します。
G検定取得のメリット
G検定を取得することで以下のようなメリットがあります。
1.体系的な知識の獲得とその証明
ディープラーニングの基礎知識を体系的に学び、その基礎知識を証明できます。
2.業務への活用
AI関連の学んだ知識を業務に活かすことが可能です。
3.就職・転職への活用
AI関連の仕事に就職もしくは転職したいと考えている方にとって、G検定は有利に働く可能性があります。
4.コミュニティへの参加
合格者のみが参加できるコミュニティでは、勉強会やさまざまなイベントに参加できます。
G検定の活用方法
G検定を通じて、AIが何を実現でき、何を実現できないのか、どのような場面でAIを活用すべきか、AIを活用するために何が必要かということを理解することができます。
これにより、データを活用した新たな課題の発見やアイデアの創出が可能になります。さらに「どこにAIを使えるか」「どう使えばよいか」を具体的にイメージできるようになり、デジタル施策の企画や推進に自信を持って取り組むことができます。
また最新技術を学び、活用できる人材として、これからのキャリアを積み上げることができます。
まとめ
G検定はディープラーニングに対する自分の知識量を知るためだけなく、これからAI関連の仕事に携わる上での学習手段としてもおすすめです。AIに関する知識を蓄積することで、仕事に活用することもでき、これからのAI時代により一層活躍できる人材になれます。
AI関連の資格を持っているだけでも、これからAIを扱うエンジニアをはじめとする職業への転職に有利になるなど、メリットが大きいので、どれほどの実力を持っているのか、実力試しとして是非挑戦してみてはいかがでしょうか。