G検定に合格すれば、AI関連の職種への就職・転職が有利になるだろうかと、気になっていませんか?今回はG検定の試験概要と例題問題についてご紹介します。ぜひ受験する際の参考にしてみてください。
G検定とは何か?
G検定(公式名:ジェネラリスト検定)は、ディープラーニングを事業に活かすための知識を保有しているかを確認するための試験です。
ディープラーニングとは、人工知能の一分野であり、多層のニューラルネットワークを用いて、大量のデータから特徴を自動的に抽出する機械学習の手法です。
ディープラーニングは、画像認識、音声認識、自然言語処理などの分野で高い精度を発揮し、現在では様々な分野で活用されています。
G検定はJDLA(Japan Deep Learning Association、一般社団法人日本ディープラーニング協会)が実施しています。
G検定は、人工知能やディープラーニングなどの技術とビジネス活用の双方を理解し、橋渡しができる「ビジネストランスレーター」としてのジェネラリストの育成を目的として問題を出題しています。
G検定の出題問題・試験概要
前章のG検定とは何かを踏まえた上で、G検定の出題問題を含め、試験概要をご紹介します。
G検定の試験時間は120分で、知識問題(多肢選択式・200問程度)が出題されます。また実施方法はオンライン実施であり、受験費用は一般13,200円(税込)で、学生は5,500円(税込)です。
また、G検定の出題問題の範囲は多岐にわたります。人工知能、機械学習、ディープラーニングの基礎概念と応用技術、ディープラーニングの研究分野、ディープラーニングの応用に伴う社会的課題などが問題の出題範囲に含まれます。
G検定に合格することで、ディープラーニングに関する知識を客観的に証明することができ、ビジネス活用において有利に働くことが期待されます。
G検定は年間5回実施され、試験日程は公式サイトで確認できます。2024年第2回G検定の試験日は2024年2024年3月8日(金) 16:00〜18:00、3月9日(土) 13:00〜15:00です。
G検定の受験方法
前章の試験概要を理解した上で、G検定を受験するには、以下の手順を実施する必要があります。
- 受験申込
G検定の受験申し込みはオンライン上で行います。 受験申込期間は、試験日の約2ヶ月前から約1ヶ月前までです。 - 受験料の支払い
G検定の受験料は、受験申込時にクレジットカード決済またはコンビニエンスストア決済で支払うことができます。 - 受験チケットの購入
G検定の受験の際は、受験チケットの購入が必要で、受験申込時に購入することができます。学生料金は「受験チケット」購入時に学生であることが適用条件になります。 - 試験当日の受験
G検定はオンラインで行われるため、自宅での受験が可能です。受験に必要なものは、パソコン、Webカメラ、マイク、インターネット環境です。 - 試験結果の確認
G検定の試験結果は、受験後2,3週間程度でメールで通知されます。合格者には合格証やオープンバッジが発行されます。
G検定の合格率と問題の難易度
G検定の合格率は約60%ほどです。G検定は、問題の出題範囲が幅広く、専門的な知識も問われるため、難易度は高いと言えます。
出題問題の範囲はAIの定義から具体的な手法、また、数理・統計、法律・倫理といった幅広い知識が問われます。
また、出題問題数が多く、200問ほどの問題を120分間で回答しなければなりません。ただし、G検定は前提知識がない方や文系の方でも合格を目指せる検定です。
G検定の例題問題
G検定で過去に出題された例題問題をいくつかご紹介します。
人工知能についての問題
AI研究には過去に2度のブームが起こり、現実的な進展が周囲の過剰な期待に追いつかず、それらのブームは終焉を迎えた。第2次AI ブームで登場し、第1次AIブームの時代に比べて適用範囲は広がったものの、知識を明示的な形で記述することの難しさがネックとなってしまったものとして、最も適切な選択肢を1つ選べ。
A)ディープラーニング
B)コグニティブコンピューティング
C)機械学習
D)エキスパートシステム
G検定2022#1に出題された過去問題
人工知能をめぐる動向の問題
1969年にマーピン=ミンスキー、シーモア=パパートによって著書「パーセプトロン」にて指摘され、第1次 AIブームの終焉を招くきっかけともなった単純パーセプトロンの欠点として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
A)線形分離可能でない問題に対処できない
B)3 クラス以上の分類問題に対処できない
C)過学習を防ぐことができない
D)時系列データを扱うことができないG検定2022#1に出題された過去問題
ディープラーニング概要の問題
ニューラルネットワークにおいて、どのような条件のときに勾配消失問題が起こりやすくなると考えられるか。最も適切な選択肢を1つ選べ。
A)使用している活性化関数の微分値が大きい
B)学習データの数が多い
C)バッチ正規化を行っている
D)ネットワークの層が深い
G検定2022#1に出題された過去問題
数理・統計問題
以下のあ、い、う、えの説明に適した名称の組み合わせとして、最も適切な選択肢を1つ選べ。
( あ ) 相関の程度を表す指標
( い ) 他の変数の影響を除いた相関の程度を表す指標
( う ) 偏差積の全データについての平均
( え ) 偏差を2乗したものの平均A)( あ ) 相関係数 ( い ) 偏相関係数 ( う ) 共分散 ( え ) 分散
B)( あ ) 偏相関係数 ( い ) 相関係数 ( う ) 共分散 ( え ) 分散
C)( あ ) 相関係数 ( い ) 偏相関係数 ( う ) 分散 ( え ) 共分散
D)( あ ) 偏相関係数 ( い ) 相関係数 ( う ) 分散 ( え ) 共分散
G検定2022#1に出題された過去問題
法律・倫理・社会問題
個人情報保護法の説明として、最も不適切な選択肢を1つ選べ。
A)メールアドレスのユーザー名及びドメイン名から特定の個人を識別することができる場合、そのメールアドレスは、それ自体が単独で個人情報に該当する
B)個人情報は新聞やインターネット等で既に公表されているとしても、個人情報保護法の保護の対象となり得る
C)外国に居住する外国人の個人情報は、個人情報保護法の保護の対象となり得る
D)顧客との電話の通話内容を録音したものは、通話内容から特定の個人を識別することができない場合、顧客IDなどで顧客データベースと突合する事が出来たとしても、個人情報に該当することはない
G検定2022#2に出題された過去問題
引用:JDLA
G検定に合格するポイント
前章では過去に出題された問題をジャンル別にご紹介しました。過去問題を解くことを含め、G検定に合格するためのポイントを押さえましょう。
- シラバスを確認する
G検定の出題問題の範囲は、シラバスにより決定されます。シラバスを確認し、出題問題の範囲を理解することが重要です。また、シラバスには、参考書や問題集の情報も記載されています。 - 過去問題を解く
過去問題を解くことで、出題傾向や難易度を把握することができます。また、過去問題を解くことで、自分の理解度を確認することができます。 - 正しい勉強法を身につける
G検定は、ディープラーニングの基礎知識を問う試験です。正しい勉強法を身につけることで、効率的に知識を習得することができます。例えば、まずは基礎問題から学び、徐々に応用問題に取り組むという方法が有効です。 - 模擬試験を受ける
模擬試験を受けることで、実際の試験に近い状況で自分の実力を確認することができます。また、模擬試験の結果を分析し、自分の弱点を把握することができます。 - 勉強時間を確保する
十分な勉強時間を確保することが重要です。自分のスケジュールに合わせて、勉強時間を確保しましょう。 - 試験当日の準備をしっかり行う
試験当日は、試験会場に余裕を持って到着し、必要なものを持参することが重要です。また、試験中には、問題を解くのにかかる時間配分に注意し、余裕を持って問題に解答することが大切です。
G検定の受験に向けた注意点
G検定に合格するポイントに加え、受験する際に押さえておきたい注意点をまとめています。
- 受験申込期間
G検定の受験申し込み期間は、試験日の約2ヶ月前から約1ヶ月前までです。申込期間内に必ず申し込みを行うようにしましょう。 - 試験環境の準備
試験前の1、2週間は、実際の試験環境をシミュレーションしておき、必ず自身の環境が受験可能かどうか確認しておく必要があります。 - 試験当日の準備
試験当日は、試験開始時間の10分前までにはログインしておきましょう。また、試験中には時間配分に注意し、余裕を持って解答することが大切です。試験中には、他のウィンドウやアプリケーションを開かないようにし、試験監督者の指示に従ってください。 - 計画的な勉強
試験前までに必要な勉強時間を計算し、計画的に勉強を進めるようにしましょう。過去の出題問題を解けるようにしておくことが大事です。
G検定の合格後のキャリアアップ
G検定に合格することで転職・就職が有利になるなど、キャリアアップが期待できます。
- AI・ディープラーニングに関する知識の習得
G検定に合格することで、AI・ディープラーニングに関する幅広い知識を習得することができます。この知識は、AI・ディープラーニングを活用したビジネスの推進や、新たなビジネスの創出に役立ちます。 - AI・ディープラーニングに関する業務の拡大
G検定に合格することで、AI・ディープラーニングに関する業務の幅を広げることができます。AI・ディープラーニングに関する知識を持つ人材は、今後ますます需要が高まることが予想されます。 - 転職・就職の有利化
G検定に合格することで、AI・ディープラーニングに関する知識を持つことが証明されます。このため、転職・就職活動において、AI・ディープラーニングに関する業務に携われる可能性が高くなります。 - 資格取得証明書の取得
G検定に合格すると、資格取得証明書が発行されます。この証明書は、AI・ディープラーニングに関する知識を持っていることを証明するものであり、転職・就職活動において有利に働くことが期待できます。 - キャリアアップの機会の拡大
G検定に合格することで、AI・ディープラーニングに関する知識を持つことが証明されます。このため、AI・ディープラーニングに関する業務に携わることができる機会が増え、キャリアアップの機会が拡大することが期待できます。
ディープラーニングについて本で学べる範囲には限りがあります。
ディープラーニングを上手く使いこなすには、独学だけでなくしっかりセミナーを受けることが大事です。
仕事や業務で使えるディープラーニングスキルを学びたいなら、「G検定セミナー」を受けてみてはいかがでしょうか。
まとめ
G検定はディープラーニングに対する自分の知識量を知るためだけなく、これからAI関連の仕事に携わる上での学習手段としてもおすすめです。
AI関連資格を持っているだけでも、これからAIを扱うエンジニアをはじめとする職業への転職に有利になるなど、メリットが大きいので、実力試しとして是非挑戦してみてはいかがでしょうか。