【2024】ML(機械学習)とDL(ディープラーニング)の違いは?メリットやAIとの関係性を紹介!

【2024】ML(機械学習)とDL(ディープラーニング)の違いは?メリットやAIとの関係性を紹介!

現代社会において欠かせない技術であるAI。そんなAIに欠かせない重要な概念として、機械学習(ML)やディープラーニング(DL)が存在します。

しかしそれぞれがどういうものなのか、何がどう異なるのか困惑してしまう方は少なくありません。今回の記事では機械学習とディープラーニングの違いについて詳しく解説します。

加えて両者それぞれのメリットや使い分ける指標についても言及しますので、よりAIの知見を深められるでしょう。ぜひご一読のうえ参考にしてください。

ML(機械学習)の概要

機械学習(ML)とは、AI(人工知能)の技術のひとつです。1959年にアメリカの計算機科学者「アーサー・サミュエル」氏によって提唱されました。

具体的にはコンピューターに大量のデータを与え、明示的な指示がなくともデータから自動的に学習させてパターンや規則性を見つけ出す技術です。

学習した結果は画像認識、自然言語処理、将来のデータの予測や判断など幅広い分野で活用されています。

DL(ディープラーニング)の概要

ディープラーニング(DL)は前述で紹介した機械学習(ML)をさらに進化させた技術と考えて差し支えありません。具体的には人間の脳の仕組みに着想を得た機械学習の一種で、多層のニューラルネットワークを用いて大量のデータから複雑なパターンや特徴を自動的に学習することが大きな特徴となっています。

ディープラーニングは2006年ころに編み出された技術で、2024年4月現在で真っ只中である「第三次AIブーム」の火付け役になったといっても過言ではないでしょう。従来の機械学習よりも高精度な学習を実現していることから、画像認識や音声認識のみならず幅広い分野で大きな成果を上げ、今もなお注目を集め続けています。

いまDL(ディープラーニング)が注目を浴びている理由

いまディープラーニングが注目されている理由として、その高い性能が挙げられます。

過去には難しいとされていた課題に対しても、精度の高い結果を出すことが可能になりました。とくに画像認識や自然言語処理の分野において、実際に従来の手法を大きく凌駕する成果を収めています。

加えてディープラーニングは大規模なデータセットを用いることで効果を発揮する性質。インターネットの爆発的な普及により入手可能なデータ量が増加したという時代背景も、普及を後押ししている原因です。

さらにディープラーニングのフレームワークやツールがオープンソース化され、研究者や開発者が手軽に利用できるようになったことも注目を集め続ける理由といえるでしょう。

MLとDL(機械学習とディープラーニング)の違いは?

機械学習(ML)とディープラーニング(DL)の大きな違いは「そもそもの括り」と「性能」といえるでしょう。両者それぞれの違いを一覧にまとめると、以下のようになります。

機械学習(ML) ディープラーニング(DL)
区分 AI(人工知能)の技術のひとつ 機械学習(ML)の技術のひとつ
目的 機械を用いた学習による業務自動化 人間の脳の処理性能の実現
主な学習手法 統計に基づく学習手法 ニューラルネットワークを用いた学習手法
学習に必要なデータ量 少ない 多い
学習に要する時間 短時間の学習時間で実現可 長期間にわたる学習が必要
処理性能・精度 高い 非常に高い

機械学習はAI(人工知能)という大きな括りの中にある技術のひとつで、ディープラーニングはその機械学習の中に属する技術のひとつになります。

また機械学習は少ない時間でスピーディーかつ気軽にAIモデルを開発できるのに対し、ディープラーニングは高性能なぶん開発および学習にかかる時間が長いのがデメリットです。

また「ニューラルネットワークを用いているか否か」も、両者の大きな違いといえるでしょう。

MLとDLは「AI(人工知能)」とはどういう関係性?

機械学習(ML)とディープラーニング(DL)、そしてAI(人工知能)の関係性や違いがわからいという方も多いでしょう。それぞれの関係性を図にすると、以下のようになります。

それぞれの関係性

AI(人工知能)という大きな括りの中に「機械学習」という技術が存在します。そしてその機械学習技術のひとつとして編み出された革新的な技術が「ディープラーニング」です。

上記に掲載した動画でも詳しく紹介されていますので、ぜひ参考にしてください。また「まずAIについての理解をもっと深めたい」という方は、以下の記事もご一読いただければと思います。

【2024】AI(人工知能)とは簡単にいうと何?わかりやすい活用事例もご紹介!

MLとDL(機械学習とディープラーニング)の使い分け

MLとDL(機械学習とディープラーニング)を使い分ける指標

機械学習(ML)とディープラーニング(DL)、どちらをどのように使い分けるべきかわからない方に向け、この章では両者を使い分ける主な指標として以下のとおりにご紹介します。

  • どういった種類のデータを扱うか
  • サービスがクラウドかハードウェアか

どういった種類のデータを扱うか

まず機械学習とディープラーニングを使い分ける際の指標の一つは、扱うデータの種類です。機械学習は人間がデータの性質を判別するのに対し、ディープラーニングは機械がデータの性質を判別するためです。

たとえばMLはさまざまな種類のデータを扱えますが、適しているケースは主に「準備できる情報量が少ない場合」です。用意できる情報が多い場合でも十分に使えますが、それならディープラーニングを用いたほうがいいでしょう。

一方ディープラーニングは、大量のデータの準備ができる場合ぜひ活用したほうがいい技術です。膨大な非構造化データが手元にあったり画像やテキストのデータセットなどにアクセスできる場合、ディープラーニングはその性能を最大限に引き出してくれます。

サービスがクラウドかハードウェアか

機械学習とディープラーニングを使い分ける指標として「サービスの提供形態がクラウドかハードウェアか」という点も挙げられます。

開発の際、機械学習は比較的軽量な計算リソースで実行可能なため、クラウド環境で提供されることが傾向として多いです。一方ディープラーニングは膨大な計算や処理が必要となるため、専用のハードウェアが適しているとされています。

とはいえクラウドとソフトウェアはどちらにも良し悪しがあり、ディープラーニングをクラウドで提供する事例もあればその逆もしかり。サービス内容や運用事情に沿ったものを選ぶことが大切です。

ML(機械学習)のメリット

機械学習(ML)にはいくつものメリットがありますが、代表的なものを挙げると以下のとおりです。

  • ローコストで手軽に成果に繋げられる
  • 圧倒的な作業効率化が実現する

それぞれ解説します。

ローコストで手軽に成果に繋げられる

機械学習の大きなメリットは、比較的低コストで手軽に成果につなげられることです。ディープラーニングと比較すると少ない情報量でも開発が行えるうえ、学習にかかる時間も最小限で済むためです。

また機械学習はオープンソースのフレームワークやツールも豊富にあり、かつ無料で提供されているものも少なくありません。小規模開発で手軽かつスピーディーに成果を得たい方にとっては、大きなメリットといえます。

圧倒的な作業効率化が実現する

機械学習のもうひとつのメリットは、圧倒的な作業効率化が実現できること。たとえば画像やテキストの自動分類、予測モデルの構築など人間が行っていた繰り返しの作業を自動化することが可能です。

さらに従来人間がやるべき作業が根こそぎなくなることで作業時間の大幅な短縮や人的ミスの削減が実現され、業務プロセス全体の効率化も図られます。なお上記のように業務の自動化による弊害について興味のある方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。

AIに仕事を奪われる?心配を払拭するために磨きたいスキルとは?

DL(ディープラーニング)のメリット

一方のディープラーニング(DL)を活用するメリットには、主に以下のようなものがあります。

  • 高い費用対効果が期待できる
  • ML以上の圧巻の処理性能を実感できる

それぞれ見ていきましょう。

高い費用対効果が期待できる

ディープラーニングのメリットの一つ目は、高い費用対効果が期待できることです。

ディープラーニングの開発・学習は機械学習に比べて時間やコストがかかりますが、大規模かつ膨大なデータセットから複雑なパターンを学習するため、一度モデルを構築すれば同じモデルを使用して複数の問題に対応できるでしょう。

そしてディープラーニングは人間の脳を模倣した技術であることから、使うごとに処理の精度を上げていくという観点からも、長期的に活用することで高い費用対効果が実現できます。

ML以上の圧巻の処理性能を実感できる

ディープラーニングは機械学習以上の圧巻の処理性能を実感できます。ディープラーニングは機械学習にはない「多層ニューラルネットワーク」を用いて学習を行っていることから、複雑な問題や大規模なデータセットに対して機械学習よりも優れた性能を発揮してくれるからです。

そのためディープラーニングは、主に画像認識や音声認識などの分野で人間に匹敵もしくはそれ以上の精度を誇り、ハードウェアの進化や最適化技術の進歩も相まって処理性能はますます向上しています。

MLとDL(機械学習とディープラーニング)のおすすめ講座

機械学習(ML)およびディープラーニング(DL)を学ぶなら、AI研究所の以下のサービスがおすすめです。

  • E資格対策ディープラーニング短期集中講座
  • ビジネス向けAI完全攻略セミナー

それぞれご紹介します。

E資格対策ディープラーニング短期集中講座

E資格対策ディープラーニング短期集中講座

E資格対策ディープラーニング短期集中講座は、JDLAが運営するAI資格「E資格」に最短で合格を目指すための4日間短期集中セミナーです。

わかりやすく凝縮されたセミナー内容となっており、合格まで専門スタッフの徹底的なサポートが受けられることから、まったくの初学者でも安心。修了率99.2%、合格率は83.3%と高い水準となっています。

基本的にはE資格合格を目指す方向けですが、試験範囲となっている機械学習とディープラーニングについて念入りな学習を行いたい方にもうってうけです。

E資格対策ディープラーニング短期集中講座のスケジュール/お申し込みはこちらから

ビジネス向けAI完全攻略セミナー

ビジネス向けAI完全攻略セミナー

ビジネス向けAI完全攻略セミナーは、ビジネスに使えるAI作成方法を最短で習得できる1dayセミナーです。

まったくのAI未経験者向けに、より実践的で現場で使える知識と活用術を凝縮した内容となっているため「転職後の即戦力」を目指している方にぴったりです。

もちろん機械学習およびディープラーニングを入念に学習することも可能で、満足度は97.5%を誇ります。

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まとめ

以上、機械学習(ML)およびディープラーニング(DL)の概要、また両者の違いや使い分けの指標について解説してきました。結論、機械学習はAI(人工知能)の技術のひとつであり、そしてディープラーニング(DL)は機械学習の技術のひとつとなります。

大きな違いとしてはそもそもの括り、学習手法(MLは統計に基づく学習手法、DLはニューラルネットワークを用いる学習手法)、効率や精度などが挙げられます。それぞれに特有のメリットが存在しており、主にデータの種類やサービス形態によって使い分けられることが多いのが現状です。

AIには本記事で紹介したディープラーニングや機械学習以外にも、あらゆる学習手法や技術が存在します。ぜひこの機会に興味をもち、AIの知見を深めてみてはいかがでしょうか。

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