E資格やG検定では、ディープラーニング以外の機械学習手法に関しても学習します。E資格における機械学習のシラバスは、G検定で学ぶ基礎知識をさらに掘り下げ、事業者向けの応用的な範囲までレベルアップした内容となっています。E資格を勉強する前に、G検定で学ぶ機械学習の具体的手法について事前学習し、機械学習の基礎をおさらいしましょう。
E資格とG検定で出題される「機械学習」の相違点
E資格を合格するためには、ディープラーニングや機械学習の基本的な手法について理解し、さらに応用的な手法を用いて実装できる知識・技術が求められます。本来、「機械学習の具体的手法」はG検定のシラバスですが、E資格の前提となる項目のため必ず身につけておく必要があります。G検定より先にE資格をスタートする方は、まずG検定の内容からステップアップを目指しましょう。G検定を既に合格している方も、E資格の勉強に向けて復習しておくことを推奨します。
E資格とG検定の内容的な相違点
E資格・G検定ともに、「ディープラーニングや機械学習を実装できるエンジニアの育成」という人材育成を目的とした資格試験です。しかし、両者には「難易度」という大きな相違点があり、G検定は初歩的な知識から入る初心者向けの試験ですが、E資格はより試験範囲を広げた中級者・上級者向けの内容となっています。E資格のシラバスは、G検定の応用的な要素が多分に含まれるため、予めG検定で学習する内容をおさえておく必要があるのです。
G検定で学ぶ機械学習の概要
機械学習とは、サンプルとして大量のデータをコンピューターにインプットし、サンプリングによる反復学習を実行させて、一定のパターンやルールを見つけ出すという統計的手法です。G検定で中心的に学ぶディープラーニングは機械学習における手法の一つで、他にも教師あり学習や強化学習などの代表的な手法も学びます。それを基本として、機械学習で使用するデータの取り扱い方や応用的手法など、より専門的な範囲にも触れていきます。
「機械学習の具体的手法」の3項単元を詳しく解説
機械学習の具体的手法の試験範囲には、「代表的な手法」「データの扱い方」「応用」という3つの単元があり、内容を総括すると「機械学習の手法には何があり、これらの手法・データはどのように応用できるのか」という基本を学習する単元となっています。
代表的な手法
機械学習の代表的な手法には、「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」という3つの学習アルゴリズムが定義されており、これらの概要や用途などを体系的に学習する基礎的な範囲です。学習アルゴリズムの種類さらに細分化され、それぞれに分岐。例えば、教師あり学習は事前にインプットされたデータを「例題=教師」とみなし、それをガイドとして学習する手法であり、「分離問題」「回帰問題」など「与える問題の違い」によって種類が分かれます。
データの扱い方
機械学習に使用するデータは何でも良い訳ではなく、まずは各々の学習アルゴリズムに適用させるための「前処理」が必要です。この前処理は大まかに2つに分けられ、データの平均を0に、分散・標準偏差1に調整する「標準化」、データを一定のルールに基づいて加工し、使いやすくする「正規化」などがあります。これらに加えて、多変量データを取り扱うための前処理として、モデルの構築用にデータを選択・変換する「特徴量エンジニアリング」があります。
応用
機械学習を用いたモデル構築など、より応用的な分野を学習する項目です。出題の例を挙げると、教師あり学習を用いた「サポートベクターマシン」というパターンモデルの仕組みなど、内部的な部分に踏み込みます。「機械学習の実装」とも言える専門的な内容であり、前2単元の知識を前提とした難易度の高い単元です。
E資格で出題される機械学習の知識について
G検定の内容を一通りおさらいした所で、次はE資格の内容に移りましょう。E資格のシラバスは、G検定よりもさらに細分化されており、出題範囲も広くなっています。
「機械学習の基礎」と「実用的な方法論」
E資格のシラバスは2020年に更新され、「機械学習」の項目には「機械学習の基礎」「実用的な方法論」という2つの中項目に分かれています。G検定との違いは、一つの単元からさらに細かい単元が設けられており、「教師なし学習アルゴリズム」の項目には「主成分分析」「k平均クラスタリング」など、それぞれの学習アルゴリズムの応用した手法を学びます。また、E資格ではさらに実用的な内容に移り、「性能指数」や「ハイパーパラメータの選択」など、機械学習をモデルに適用させるための調整方法にも触れていきます。
E資格に向けて学ぶべき内容
E資格に向けて、最低でも「代表的な手法」は覚えてきましょう。E資格における機械学習はより理論的な領域に踏み込み、それぞれの学習アルゴリズムだけでなく、「最尤推定」など統計学の分野にも触れるため、数学・理論を含めた総合的な知識が求められます。新しい知識をスムーズに吸収できるよう、基礎知識の理解は必須です。
まずはG検定の内容から復習して理解を深めよう
E資格を勉強するためには、まず前提となる知識を身に付ける必要があります。特に、ディープラーニングに関する出題が多いE資格では、機械学習という前提知識を見に付けていないと厳しいです。他の機械学習でも応用的な内容に移るので、最低限の知識は頭に入れておく必要があります。E資格から始める方も、まずはG検定のテキストなどで基礎学習からスタートすることを推奨します。