AIの急速な発展に伴い、多くの方がAIスキルの必要性を感じているのではないでしょうか。しかし、どのように学び、どのようなスキルを身につければよいのか迷っている方も多いでしょう。そんな悩みを解決する1つの方法がG検定の取得です。G検定の勉強、さらに資格取得を通じてAIに関する知識を習得できます。
そこで。本記事ではG検定の概要やメリット、類似資格との違い、そして効果的な学習方法について解説します。AI関連の資格取得に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
G検定とは
G検定は、AI時代に必要な知識を証明する資格です。日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する試験であり、AIの基礎から活用方法まで幅広く評価します。まずは次の内容を解説します。
- G検定の試験概要
- 2025年の開催予定
- G検定の合格率
G検定の概要や試験日程を確認し、学習計画に役立ててください。
G検定の試験概要
G検定の概要を表にまとめました。
項目 | 内容 |
受験資格 | 制限なし |
試験時間 | 120分 |
問題形式 | 多肢選択式 |
問題数 | 160問程度(2024年第6回より変更) |
実施方法 | オンライン(自宅受験) |
受験料 |
|
この表から分かるように、G検定は誰でも受験できる試験です。2時間半という比較的短い時間で、AIに関する幅広い知識が問われます。
2025年の開催予定
2025年のG検定開催予定は下表のとおりです。
回 | 試験開催日 | 受験申込受付期間 |
第1回 | 2025年1月11日(土)13:00〜 | 2024年11月15日(金)〜2024年12月27日(金) |
第2回 | 2025年3月7日(金)16:00〜・8日(土)13:00〜 ※2日間 | 2025年1月17日(金)〜2025年2月27日(木) |
第3回 | 2025年5月10日(土)13:00〜 | 2025年3月14日(金)〜2025年5月2日(金) |
第4回 | 2025年7月4日(金)16:00〜・5日(土)13:00〜 ※2日間 | 2025年5月16日(金)〜2025年6月26日(木) |
第5回 | 2025年9月6日(土)13:00〜 | 2025年7月11日(金)〜2025年8月29日(金) |
第6回 | 2025年11月7日(金)16:00〜・8日(土)13:00〜 ※2日間 | 2025年9月12日(金)〜2025年10月30日(木) |
この表から、奇数回は土曜日の1日開催、偶数回は金曜日と土曜日の2日間開催となっていることがわかります。2日間開催の回では、受験者は都合のよい日を選択できます。また、申込期間は各回とも約1.5ヶ月間設けられているので、計画的に準備を進められるでしょう。
なお、試験開催日や申込期間は変更されることもあるため、定期的に確認することをおすすめします。
G検定の合格率
G検定の難易度を示す合格率データを表にまとめました。
回 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
2024年第5回 | 75.03% | 4,917名 | 3,689名 |
2024年第4回 | 74.40% | 4,140名 | 3,080名 |
2024年第3回 | 73.46% | 3,044名 | 2,236名 |
2024年第2回 | 68.03% | 5,527名 | 3,760名 |
2024年第1回 | 72.87% | 3,291名 | 2,398名 |
この表から、G検定の合格率は概ね70%前後で推移していることがわかります。難関資格に比べると合格率が高いので、適切な準備をすれば合格の可能性は十分にあるといえるでしょう。
なお、G検定の合格ラインや合格者、不合格者の違いについては次の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
G検定の出題範囲
以下の表は、G検定の主な出題範囲をまとめたものです。
出題分野 | 主な出題内容 |
人工知能(AI)の基礎 |
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人工知能分野の問題 |
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機械学習 |
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ディープラーニング |
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AIの社会実装 |
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この表から分かるように、G検定は単なる技術的な知識だけでなく、AIの社会的影響や倫理的側面も重視しています。これは、AI技術が急速に発展し、社会に大きな影響を与えている現状を反映しているといえるでしょう。
G検定取得のメリット
G検定を取得することで、以下のようなメリットが期待できます。
- AI・ディープラーニングの体系的な知識を獲得できる
- キャリアアップにつながる
- ビジネスでAIを活用するスキルが向上する
- DX推進パスポートの取得につなげられる
それぞれのメリットを確認し、受験の判断材料にしましょう。
AI・ディープラーニングの体系的な知識を獲得できる
G検定の学習を通じて、AIとディープラーニングに関する幅広い知識を体系的に習得できます。これは、基礎理論から最新の応用技術まで、AIの全体像を把握できるのがこの資格の強みだからです。たとえば、機械学習の基本原理や、ディープラーニングのアーキテクチャ(構造設計)などの技術的な側面を学べます。
同時に、AIプロジェクトの進め方や、AIの社会的影響についても理解を深められます。これらの知識は、AIプロジェクトに携わる際に大いに役立つでしょう。プロジェクトの全体像を把握し、各フェーズでの課題を予測できるようになります。
キャリアアップにつながる
G検定の取得は、キャリアアップにもつながります。AI関連の職種への転職や社内での昇進に有利に働く可能性が高いです。AI人材の需要は年々高まっており、G検定はその需要に応える資格として認知されつつあり、特にAIプロジェクトのマネジメントやAIを活用した事業企画などの分野で重宝されます。
また、G検定の取得は、自身のAIリテラシーを客観的に示す指標となります。その結果、AI人材としての市場価値が向上し、よりよい待遇や興味深い仕事の機会を得られる可能性が高まります。
ビジネスでAIを活用するスキルが向上する
G検定の学習過程を通じて、AIをビジネスに活用するスキルが磨かれます。理由はAIの技術的な側面だけでなく、ビジネス応用の観点からも学べるのがこの資格の特徴だからです。たとえば、AIを活用した新規事業の提案能力が向上します。さらに、データ駆動型の意思決定スキルも獲得できます。AIやデータ分析の基礎を学ぶことで、ビジネス上の意思決定をより科学的に行えるようになるでしょう。
DX推進パスポートの取得につなげられる
G検定の取得は、DX推進パスポートの獲得にもつながります。DX推進パスポートは、デジタルリテラシー協会が発行するオープンバッジ(デジタル証明)です。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進できる人材であることを証明するものです。
G検定と組み合わせることで、AIだけでなくDX全般に精通した人材として認められます。そして、企業のデジタル化推進において中心的な役割を担える可能性が高まるでしょう。
G検定と類似資格の違い
G検定と類似した資格や検定はいくつかあります。ここでは、G検定を類似した資格との違いを紹介します。
- G検定とE資格の違い
- G検定とデータサイエンティスト検定の違い
G検定と類似した2つの資格について違いを把握して、どれを受験するか判断してみましょう。
G検定とE資格の違い
G検定とE資格は、どちらも日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するAI関連の資格ですが、その目的と対象者が異なります。
項目 | G検定 | E資格 |
対象者 | AIを活用するビジネスパーソン向け | AIを実装するエンジニア向け |
難易度 |
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高度な専門知識が必要 |
受験資格 | 誰でも受験可能 | JDLA認定プログラムの修了が必要 |
試験方式 | IBT(Internet Based Testing) | CBT(Computer Based Testing) |
出題内容 | AIの基礎知識や活用方法 | ディープラーニングの理論や実装に関する専門的内容 |
G検定はAIを活用するビジネスパーソンを対象としており、E資格よりも幅広い層が受験できます。一方、E資格はより専門的な内容を扱い、AIの実装に携わるエンジニアを対象としています。
G検定とデータサイエンティスト検定の違い
G検定とデータサイエンティスト検定は、どちらもAI関連の知識を問う資格ですが、下表のような違いがあります。
項目 | G検定 | データサイエンティスト検定 |
実施団体 | 日本ディープラーニング協会(JDLA) | データサイエンティスト協会 |
出題内容 | AIとディープラーニングに特化 | より広範なデータ分析スキルを評価 |
対象者 | AI活用を目指すビジネスパーソン | データ分析の実務能力を持つ人材 |
G検定はAIとディープラーニングに特化した内容を扱うのに対し、データサイエンティスト検定はより幅広いデータ分析スキルを評価します。また、データサイエンティスト検定はデータ分析の実務能力を持つ人材を対象点でもG検定とは異なります。
G検定の効果的な学習方法
G検定合格に向けて、以下の学習方法が効果的です。
- 公式テキストと問題集を活用する
- オンライン講座を利用する
- 最新のAI動向をリサーチする
- 時間管理を意識した問題演習をする
以上の学習方法を組み合わせて実践すると、より効果的な学習につながります。
公式テキストと問題集を活用する
G検定の学習の基本は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が推奨する公式テキストです。このテキストは、出題範囲を網羅しており、重要な概念や用語を効率よく学べます。また、「徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集」(通称:黒本)も活用しましょう。この問題集で実践的な問題演習を行うことで、理解度を確認できます。
なお、G検定の問題集については、次の記事でも解説しているので、あわせてご覧ください。
オンライン講座を利用する
オンライン学習プラットフォームには、G検定対策に特化した講座が多数あります。これらの講座は、体系的に学習でき、自分のペースで進められる利点があります。
さらに、AI関連のYouTube動画や技術ブログも有効な学習ツールです。これらは最新のAI技術や応用事例を学ぶのに役立ちます。ただし、信頼性の高い情報源を選ぶよう注意しましょう。
なお、オンライン講座選びに迷っている場合は「JDLA認定 G検定対策講座」がおすすめです。「JDLA認定 G検定対策講座」は、公式テキストに基づく体系的な学習、ハンズオン形式(体験しながら学ぶ)の実践的な演習、模擬試験による習熟度確認などが特徴です。さらに、会場受講、ライブウェビナー、eラーニングの3つの受講形式から選べる柔軟性もメリットです。
G検定のオンライン講座を探している場合は、ぜひ受講を検討してみてください。
最新のAI動向をリサーチする
G検定では、最新のAI動向に関する問題も出題されます。そのため、AI関連のニュースサイトや学会発表を定期的にチェックすることをおすすめします。特にAIの社会実装事例を調査することがポイントです。実際のビジネスでのAI活用例を知ることで、試験問題の背景にある文脈を理解しやすくなります。
時間管理を意識した問題演習をする
本番を想定した時間制限付きの模擬試験に取り組むことで、実際の試験でのペース配分や時間管理のコツをつかめます。また、模擬試験の結果を分析し、苦手分野を特定することが大切です。苦手分野は集中的に復習し、弱点を克服していきましょう。
G検定のまとめ
G検定の取得はAI・ディープラーニングの体系的な知識獲得やキャリアアップにつながるだけでなく、ビジネスでのAI活用スキル向上にも役立ちます。AIの重要性が増す現代社会において、G検定の取得はさまざまな面で有利になるでしょう。
試験に向けて自分のペースで学習を進め、着実にスキルアップを図り、合格を目指してください。