社内DXの加速やAIブームなどにより、AIエンジニアが大きな注目を浴びています。そのため、世界初AIエンジニアを認定するE資格にも注目が集まっています。
この記事を読んでいる人は「E資格を取得すると、どのような効果が見込めるのだろうか…」「E資格の難易度はどれぐらいなのだろうか…」と疑問を抱いていませんか?
そのような疑問を解決するために、今回はE資格について詳しく解説していきます。
E資格とは
E資格とは、ディープラーニングの理論を理解して、適切な手法で実装できる能力を認定するものです。
一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)がエンジニア資格として認定しています。同協会は、AIの実装を牽引できる人材を輩出するために設立されました。
世界初のAIエンジニアを認定する資格として注目を浴びています。
E資格とG検定の違い
一般社団法人日本ディープラーニング協会が認定しているAIエンジニアには、E資格とG検定があります。
G検定
G検定は、ディープラーニングの基礎知識があることを証明できる資格です。そのため、ビジネスでAI技術を活用したい経営者やコンサルタント向きの資格となっています。
E資格
その一方でE資格は、ディープラーニングの理論を理解して実装まで行える能力を証明できる資格です。そのため、AIエンジニアやデータサイエンティストとして活躍したい人向きの資格となっています。
2つの資格の違いを理解して、自分に見合う資格を取得するようにしましょう。 2つの資格の違いについて理解したい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『E資格とG検定の違いとは?試験概要、受験メリット、目指せる仕事を比較』
E資格を取得するメリット
E資格を取得するメリットは4つあります。
AIを業務で活用できる
1つ目がAIを業務で活用できるようになることです。
E資格はディープラーニングの基礎知識だけでなく実装する能力を習得できます。初学者でもAIエンジニアの素養が身に付けられるのです。そして、業務でAIを有効活用していけます。
E資格を合格した人の中には、AI活用の社内プロジェクトメンバーに選ばれた人もいます。AIを活用した社内のDX推進の際に活躍できることがE資格の取得を目指すメリットです。
就職・転職活動で有利になる
2つ目が就職・転職活動で有利になることです。
E資格はディープラーニングを実装できる能力を証明できる資格です。経済産業省『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』では、2030年に高度なIT技術を保有するエンジニアは55万人不足すると予想されています。
多くのエンジニアがディープラーニングに関する知識を保有していないため、実装できる能力を証明できれば、就職・転職活動で高い評価が得られやすくなります。
E資格の認知度が広まる中で、E資格保有者は書類選考を免除するという企業も出てきました。AIの普及に伴い、人材に求めるスキルの1つにE資格が挙げられるようになってきています。
未経験者でもE資格があれば、即戦力として採用されることもあるため、就職・転職活動を控えている方は資格取得を検討してみると良いでしょう。
E資格を就職・転職活動に活かす方法を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:『E資格は転職に有利?未経験者でもAI関連会社に転職する方法まで解説』
高年収が得られやすくなる
3つ目がAIエンジニアやデータアナリスト、データサイエンティストになると高年収が得やすくなることです。
AIブームが到来しているにも関わらず、企業は肝心のデジタル人材が確保できていません。そのため、高年収を提示している企業が多く存在します。
例えば、デジタル人材募集では、新卒でも年収1,000万円を提示されています。また、シニアプロフェッショナル制度と新たな給与制度を導入して、最大で3,000万円を提示する企業も増えてきました。
つまり、ディープラーニングが実装できる能力を身に付ければ、高年収が得やすくなります。
コミュニティCDLEに参加できる
4つ目がコミュニティサイトCDLEに参加できることです。
CDLEは、ディープラーニングを習得している人が集まる日本最大のコミュニティです。CDLEでは、交流会や勉強会が開催されており、さまざまな知識を蓄えることができます。
それだけでなく、チームを組んでAIプロダクトを競い合うイベントなども主催されているのです。このコミュニティでご縁が見つかり、転職できる場合もあります。
E資格の試験情報
E資格の概要は以下の通りです。
受験資格者 | 試験日の過去2年以内にJDLA認定プログラムを修了していること
※試験予約時に「修了No.」と「認定プログラム修了日」の入力が必要 |
試験時間 | 120分 |
試験問題 | 多肢選択式(100問程度) |
試験会場 | 指定の試験会場にて受験 |
出題範囲 | シラバスを参照(※) |
試験日程 | 年2回(2月・8月) |
受験費用(税込) | 一般:33,000円
学生:22,000円 会員:27,500円 |
シラバス(試験出題範囲)
応用数学 | 確率・統計
情報理論 |
深層学習 | 順伝播型ネットワーク
深層モデルのための正則化 深層モデルのための最適化 畳み込みネットワーク 回帰結合型ニューラルネットワークと再帰的ネットワーク 生成モデル 深層強化学習 グラフニューラルネットワーク 深層学習の適用方法 距離学習 メタ学習 深層学習の説明性 |
機械学習 | 機械学習の基礎
実用的な方法論 強化学習 |
開発・運用環境 | ミドルウェア
エッジコンピューティング 分散処理 アクセラレータ 環境構築 |
E資格の合格難易度・勉強時間
E資格の合格難易度は非常に高いです。下記の表はE資格の合格率です。
E資格の合格率
開催回 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2021#1 | 1,723 | 1,688 | 1,324 | 78.44% |
2021#2 | 1,193 | 1,170 | 872 | 74,53% |
2022#1 | 1,357 | 1,327 | 982 | 74.00% |
2022#2 | 917 | 897 | 644 | 71.79% |
2023#1 | 1,131 | 1,112 | 807 | 72.57% |
2023#2 | 1,089 | 1,065 | 729 | 68.45% |
E資格の合格率は、平均約70%です。合格率は高いですが、AIエンジニアや研究者などAI関連業務を担っている人が受験して合格しています。AI関連業務が未経験の人の合格率は低くなるため、難易度は高いと覚悟しておきましょう。
また、試験時間120分で100問に回答していかなければいけません。1問当たりの回答時間は1.2分しか与えられてないため、ハイペースで問題を解いていく必要があります。
JDLA認定プログラムの修了するために半年程度かかります。その後で自己学習を100~300時間程度することで合格できるレベルです。
E資格を合格するための学習方法
E資格に合格するための学習方法には3つの方法があります。
JDLA認定プログラム
出典元:『AI研究所 実践的に学べるE資格対策講座』
E資格の受験資格は、JDLA認定プログラムの修了です。
JDLA認定プログラムは民間事業者や教育機関が提供しており、E資格に合格するためのプログラムが提供されています。2023年地点では19種類の認定プログラムが用意されており、提供事業者により「学習内容」「学習期間」「費用」が異なります。
JDLA認定プログラムの中には、E資格の合格を目指すものもあるため、自己学習に自信がない方におすすめです。
JDLA認定プログラムの選び方については、下記の記事を参考にしてみてください。
関連記事:『「E資格」受験に必須のJDLA認定講座の選び方とは?おすすめセミナーはこれ!』
大学・専門学校
出典元:『福岡デザイン&テクノロジー専門学校』
将来的にAIエンジニアやデータサイエンティスト、データアナリストで働きたいと夢があり、基礎から学習したい人は大学や専門学校で学ぶのも1つの選択肢です。
大学や専門学校で勉強する魅力は、高度専門士という学位を取得できることです。高度専門士の学位を取得すると、大学院への進学が可能となるため、AIを深く研究したいという方におすすめです。
推薦図書
出典元:『徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版』
JDLA認定プログラムや専門学校での勉強に対して敷居が高いと感じる場合は、JDLAの推薦図書で独学してみることをおすすめします。
JDLAのホームページ上では、E資格の合格者が選ぶ推薦書籍が紹介されています。自分に見合う参考書が探しやすくなっているため、推薦図書を覗いてみてください。
E資格を独学で合格したいという方は、下記の記事が参考になるはずです。ぜひ、読んでみてください。
関連記事:『E資格は独学で合格できる?試験勉強におすすめの勉強方法や参考書を紹介!』
まとめ
E資格とは、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法で実装できる能力を認定するものです。E資格に合格すれば、社内業務でAIを活用できるようになったり、就職・転職を有利に進められるようになったりします。
E資格の合格率は約7割ですが、エンジニアや研究者などが合格をしており、未経験者の合格は難しいです。
しかし、E資格に合格をすれば、さまざまなメリットが得られます。
当社ではJDLA認定プログラムを提供しているため、最短でE資格の合格を目指したい方は、講座の受講を検討してみてください。