【2025】情報処理技術者試験とは?区分・難易度・メリットをご紹介

【2025】情報処理技術者試験とは?区分・難易度・メリットをご紹介

情報処理技術者試験はIT分野のスキルを証明する国家試験で、多くの企業が採用基準として重視しています。IT需要の高騰から注目が集まっているものの、どのような区分がありどの程度の難易度なのか、取得することによってどのようなメリットがあるのか、疑問に思う方は多いでしょう。

本記事では情報処理技術者試験の概要から各区分の特徴、難易度、取得することのメリットまでを詳しく解説します。IT業界でのキャリアアップを目指す方必見の内容です。

情報処理技術者試験とは?

情報処理技術者試験は日本のIT系国家資格の総称で、情報技術(IT)に関する専門知識と技能を評価するものです。この試験は、経済産業省が主催し、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施しています。

試験はITパスポート試験から高度情報技術者試験まで、初心者向けから専門家向けの多様なレベルに分かれています。各試験は基礎知識や実務能力、応用力などを問う内容で、IT業界でのキャリアアップやスキル向上に役立ちます。

試験に合格することで業務の幅が広がり、プロジェクトの管理やシステム設計、情報セキュリティなど、専門的な分野での活躍が期待できるでしょう。

情報処理技術者試験の区分

情報処理技術者試験の種類は全部で12種類あります。略称や区分、難易度を一覧表にまとめると以下のようになります。

資格名称 略称 資格区分 難易度
ITパスポート ITP IT利活用 ★☆☆☆☆
情報セキュリティマネジメント SG ★★☆☆☆
基本情報技術者 FE 情報技術者 ★★☆☆☆
応用情報技術者 AP ★★★☆☆
データベーススペシャリスト DB 高度情報技術者 ★★★★☆
ネットワークスペシャリスト NW ★★★★☆
ITサービスマネージャ SM ★★★★☆
システム監査技術者 AU ★★★★☆
プロジェクトマネージャ PM ★★★★☆
システムアーキテクト SA ★★★★★
ITストラテジスト ST ★★★★★
エンベデッドシステムスペシャリスト ES

IT利活用レベルはこれからIT業界を目指す未経験者に向いている難易度ですが、情報技術者および高度情報技術者になると、難易度が跳ね上がります。ベテランのIT業界従事者や有識者であっても、一回の受験で合格するのは難しいのが現状です。

ただ、その分大きなスキルと知識、またプロフェッショナルとしての権威性を強く裏付けられることは間違いないでしょう。

ちなみに情報処理技術者試験の中でも、とくに難易度が高いものを厳選した資格は「高度情報処理技術者」という名称で区分されています。以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひお読みください。

【2024】高度情報処理技術者とは?種類や学習ステップを解説

情報処理技術者試験は高レベルで難しい?

情報処理技術者試験は高レベルで難しい?

前述でも触れていますが、ITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験以外は、高レベルで難しいです。以下は情報処理技術者試験のおおよその合格率をまとめたものになります。

資格名称 合格率(例年のおおよそ)
ITパスポート 約50%
情報セキュリティマネジメント 約60%
基本情報技術者 約40%
応用情報技術者 約20%
データベーススペシャリスト 約15%
ネットワークスペシャリスト 約15%
ITサービスマネージャ 約15%
システム監査技術者 約15%
プロジェクトマネージャ 約13%
システムアーキテクト 約13%
ITストラテジスト 約10%
エンベデッドシステムスペシャリスト 約15%

ITの総合的かつ幅広い知識が問われる、IT業界の登竜門とされる基本情報技術者試験で約40%程度、また応用情報技術者試験の場合だと約20%となります。

さらにそれ以降の高度情報処理技術者の区分になると、例年約10%代の合格率となるため、相応の経験と勉強が必要になることは間違いありません。

そのため未経験からITの業界を目指すのであれば、まずは手始めにITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験の勉強から始めてみるのもおすすめといえます。

ちなみに情報処理技術者試験では、多くの試験でデータ分析や統計基礎が範囲に含まれています。これらの基礎を固めるならAI研究所が運営する「データサイエンティストセミナー」がおすすめです。

完全未経験からでもたった2日間で、確実に実務で役立つデータサイエンティストスキルをつけることができ、受講形式も3つから選ぶことが可能となっています。

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情報処理技術者試験を取得するメリット

情報処理技術者試験を取得するメリットは、大きく以下のとおりです。

  1. 年収アップに直結する
  2. より責任のある仕事を担当できる
  3. 独立しても自身の実績として残る

それぞれ解説していきます。

メリット①年収アップに直結する

情報処理技術者試験を取得することは、転職や給与交渉で有利になるため、結果的に年収アップに直結します。なぜかというと資格を持つことで自身の専門知識とスキルを客観的に証明でき、企業からの信頼を得やすくなるからです。

特に高度な技術が要求されるポジションやプロジェクトでは、資格保有者が優先的に選ばれることが多いので、より高い報酬を得るチャンスが増えます。

メリット②より責任のある仕事を担当できる

より責任のある仕事を担当できることも、情報処理技術者試験を取得することのメリットです。資格によってリーダーシップを発揮できるポジションや、重要なプロジェクトの進行を任される機会が増えるからです。

企業は専門知識とスキルを持つ資格保有者を優先的に信頼し、プロジェクトの成功に向けた中核的な役割を任せるものです。これによりリーダーとしての経験を積むことができ、キャリアのステップアップにも繋がります。

メリット③独立しても自身の実績として残る

情報処理技術者試験の取得は、たとえばフリーランスとして独立しても自身の実績として残るという大きなメリットがあります。資格は一生使える知的資産そのものであり、フリーランスや起業時においても強力な武器となります。

たとえばクライアントやビジネスパートナーに対して、専門知識とスキルの証明として提示できるため、信頼を得やすくなります。また資格取得を通じて培った技術と経験はどのような業務環境でも活かせるため、長期的なキャリア構築においても非常に有利です。

情報処理技術者試験のビジネスでの活用方法

情報処理技術者試験のビジネスでの活用方法

情報処理技術者試験の資格をビジネスで活用する方法には、以下のようなものがあります。

  1. 未経験からの転職でスキルとやる気をアピールする
  2. スペシャリストとしての権威性を証明する
  3. 人材価値向上や唯一無二性の証明

それぞれ順を追ってご紹介します。

活用方法①未経験からの転職でスキルとやる気をアピールする

情報処理技術者試験は、未経験からの転職においてスキルとやる気をアピールする強力な手段となります。とくに情報処理技術者試験の取得であれば、実務経験がなくても情報技術に関する基本的な知識と理解を十分に証明できるからです。

情報処理技術者試験は学習意欲だけでなく、自己研鑽の姿勢を示すものとしても企業に評価されるため、採用担当者に強い印象を与えることができます。とくにIT業界では経験のみならず、資格取得も即戦力としての評価に繋がりやすいため、未経験者でも十分な武器となるでしょう。

活用方法②スペシャリストとしての権威性を証明する

情報処理技術者試験を取得することで、スペシャリストとしての権威性を証明できるのも大きなメリットです。権威性とはかんたんに言うと「影響力」や「説得力」のようなものです。

資格による権威性はプロジェクトの進行やIT営業において非常に有用です。専門知識とスキルの証明として、クライアントやチームメンバーからの信頼を得るための強力なツールとなります。

とくにプロジェクトでは技術的な判断やリーダーシップを発揮しやすくなり、またIT営業では提案の説得力が増します。このように資格を通じて築いた権威性はあらゆるビジネスシーンで活用でき、キャリア発展にも寄与するでしょう。

活用方法③人材価値向上や唯一無二性の証明

情報処理技術者試験は、人材価値向上や唯一無二性の証明にも大いに役立ちます。とくにセキュリティ、インフラ、データベースなどの資格を取得すれば、これらの専門知識は企業にとって必ず必要とされるため、存在価値が飛躍的に高まります。

これにより「会社にとって必要不可欠な人材」としてのポジションを確立できるでしょう。資格取得を通じて専門分野でのスキルを証明し他の社員との差別化を図ることで、キャリアの安定性や昇進の機会を得ることができ、結果として自身の市場価値を高め、唯一無二の存在として認められるようになります。

なお、IT企業に必ず必要になる技術は情報セキュリティで、その資格の代表格として「情報セキュリティマネジメント試験」が挙げられます。こちらは本記事で紹介している資格の中でも難易度がそれほど高くないので、手始めに受験してみることがおすすめです。

興味のある方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。

情報セキュリティマネジメント試験とは?難易度や合格する攻略法を解説

情報処理技術者試験まとめ

情報処理技術者試験はITエンジニアやシステム開発者など、情報処理分野で働くプロフェッショナルに向けた国家資格です。区分は基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、そして高度情報処理技術者試験など多岐にわたります。

各区分ごとに試験内容と難易度が異なり、自身のスキルレベルやキャリア目標に応じた選択が可能です。合格することで技術力の証明となり、就職や昇進の際に有利になるほか、業務の効率化や質の向上にも寄与します。

また試験勉強を通じて最新の技術や知識を習得できるため、自己成長にもつながることは間違いありません。これからIT業界で活躍を目指す方もぜひ情報処理技術者試験に挑戦し、キャリアのステップアップを図ってみてはいかがでしょうか。

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