データベースやネットワークなど、ITの基盤となる知識を網羅的に問われる基本情報技術者試験。
この資格は「ITエンジニアの登竜門」ともいわれ、ITエンジニアのキャリアアップの第一歩として多くの方が受験にチャレンジしています。
本記事では、この記事では、基本情報技術者試験について詳しく解説します。
難易度や合格点、試験範囲、申し込み方法もお伝えするので、基本情報技術者試験の受験方法を知りたい方もぜひ参考にしてください。
基本情報技術者試験とは
基本情報技術者試験は、経済産業省認定の国家資格「情報処理技術者試験」の一つです。
情報処理技術者試験の入門的な資格として位置づけられていますが、システム設計・企画、IT戦略、プログラミングなど幅広い知識を問われます。
情報処理技術者試験に関しては、以下の記事で解説しています。
情報処理技術者試験の種類や区分を詳しく知りたい方もぜひご一読ください。
基本情報技術者試験の概要
基本情報技術者試験は科目Aと科目Bに分かれており、各科目を受験する必要があります。
以下は、2024年11月11日時点の基本情報技術者試験の概要です。
実施方式 | CBT方式(コンピュータを利用して実施する試験方式) | |
実施日時 | 随時 | |
受験料 | 7,500円 | |
受験資格 | なし | |
科目A | 試験時間 | 90分 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | |
出題数・解答数 | 各60問 | |
科目B | 試験時間 | 100分 |
出題形式 | 多肢選択式 | |
出題数・解答数 | 各20問 |
基本情報技術者試験は、2023年4月に大きな改訂が行われました。
以前は午前試験、午後試験という区分で、試験実施回数も春と秋の年2回でした。しかし、改定以降、上記のように科目A、科目Bと区分し、試験実施期間や科目Bの試験範囲が変更されています。
今後も試験の改定を念頭に置き、受験申し込み前には必ず最新情報を確認して、試験内容や形式変更について把握しておきましょう。
基本情報技術者試験の難易度
基本情報技術者試験の受験に際し、多くの方がその難易度を気にするのではないでしょうか。
試験名が「基本情報技術者試験」とされているため、一般的には基礎的な難易度と評価されていますが、実際の難易度はどの程度なのか、具体的な情報を知りたいという方も多いかと思います。
基本情報技術者試験はレベル2
試験を主催している日本情報処理推進機構では、基本情報技術者試験をレベル2に分類しています。
上記表を見ると、基本情報技術者試験は「情報処理技術者」の最も基礎的レベルに位置していますが、ITパスポート試験よりもワンランク上位の資格になります。
同じくレベル2に分類されているのは、情報セキュリティマネジメント試験です。
なお、基本情報技術者試験の次に位置する上位資格は「応用情報技術者試験」はレベル3、さらに上位である「情報処理安全確保支援士」「ITストラテジスト試験」など9資格はレベル4と分類しています。
これらの情報から、基本情報技術者試験の難易度は易~中と推察されます。
基本情報処理技術者試験内容は広範にわたる
しかし、基本情報処理技術者試験の試験範囲(シラバス)は広く、ITの基礎理論やアルゴリズム、ハードウェア、セキュリティ、さらにプロジェクトマネジメントや経営戦略まで含まれています。
ITに関する幅広い知識とスキルが必要とされるため、スムーズに合格するためには体系的な学習が欠かせません。特に、独学では試験範囲の広さにより、試験で重要となるポイントを見失いがちです。
ProSkilllのデータサイエンティストセミナーは、わずか2日でデータ分析の基礎から分析・予測、Pythonプログラミング、マネジメント、マーケティングまで幅広く学びます。
基本情報技術者試験のシラバスに適したカリキュラムなので、受験を検討している方はぜひ本セミナーを試験対策に活用してください。
受講期間 | 2日 |
受講形式 |
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受講料 |
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なお、レベル4に区分される高難易度な情報処理技術者試験9種に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
基本情報技術者試験の合格点
基本情報技術者試験の合格点は、科目Aと科目Bそれぞれ600点以上です。
基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bのどちらか一方でも600点に満たない場合は不合格となり、再受験時には両科目を受験する必要があります。
つまり、一度の試験で両科目に合格しなければ、基本情報技術者試験に合格することはできません。
また、科目Aが合格点に到達し、科目Bが合格点に満たなかった場合、次回の試験で科目Aのみ免除されることはなく、もちろんその逆も同様です。
基本情報技術者試験の試験範囲
基本情報技術者試験範囲(シラバス)は、「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3分野からなり、さらに大分類と中分類に区分されています。
以下では、基本情報技術者試験の試験範囲を表にまとめました。
分野 | 大分類 | 中分類 |
テクノロジ系 | 基礎理論 |
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コンピュータシステム |
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技術要素 |
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開発技術 |
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マネジメント系 | プロジェクトマネジメント |
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サービスマネジメント |
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ストラテジ系 | システム戦略 |
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経営戦略 |
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企業と法務 |
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基本情報技術者試験の申し込み方法
続いて、基本情報技術者試験の申し込み方法について解説しましょう。
なお、基本情報技術者試験の受験申し込みはインターネットのみで受け付けています。
ステップ1. 利用者IDの取得
基本情報技術者試験の受験には、まず利用者IDの取得が必要です。
利用者IDを持っていない方は、以下の手順で取得してください。
- 「【CBT】基本情報技術者試験(FE)」にアクセス
- 「受験の流れ」をクリック
- 「新規登録」をクリック
- 「マイページアカウント作成」のページが開く
- 利用規約に同意し「次へ」をクリック
- 「利用者IDの登録について」に同意
- メールアドレスを入力
- 「登録する」をクリック
これで、利用者IDの登録が完了しました。
この利用者IDは、他の情報処理技術者試験の申し込みにも使用できるため便利です(ITパスポート試験を除く)。
ステップ2. 申し込み
続いて、基本情報技術者試験の申し込みに進みましょう。
申し込み手順は以下の通りです。
- 「【CBT】基本情報技術者試験(FE)」にアクセス
- 「受験の流れ」をクリック
- 「受験予約」をクリック
- 「CBT試験申込」が開く
- 希望の試験を選択
- アンケートに回答
- 受験したい日付・会場・時間を選択
- 郵便物の送付先住所を入力
- 支払い方法を選択
(クレジットカード、コンビニエンスストア、銀行ATM(Pay-easy)、バウチャーより選択) - 支払い手続きを完了
これで受験申し込みが完了です。
なお、受験料の領収書が必要な方は、マイページからダウンロードしてください。
ダウンロードの有効期間は申請後1年間です。
ステップ3. 申し込み後の確認
この受験予約が完了すると、登録のメールアドレスに予約完了の連絡がきます。
予約完了メールには、申し込み内容、支払い手続き、そして試験会場の地図などが記載されているので、必ず目を通しておきましょう。申し込み内容の変更は、試験日の3日前まで対応しています。
基本情報技術者試験申し込み時の注意事項
基本情報技術者試験は、受験申し込み後のキャンセルや返金に対応していません。
一度申し込んだ「基本情報技術者試験(FE)科目A・科目B」から「基本情報技術者試験(FE)科目A免除(修了認定者)」への変更、およびその逆の変更も受付不可です。
また、受験料の支払いで、コンビニエンスストアや銀行ATMを利用する場合、支払い期限を過ぎると申し込みが無効になるので、こちらも注意しておきましょう。
受験免除者の申請
基本情報技術者試験は、IPA認定講座を修了し、修了試験に合格した方は科目Aの受験が免除されます。対象者の方は、上記の受験申込みの際に申請手続きを行ってください。
このIPA認定制度の有効期間は2年間ですが、基本情報技術者試験の科目A免除の対象期間は修了試験合格後1年間です。申請前には有効期間内であるかを確認しておいてください。
基本情報技術者試験受験の流れ
基本情報技術者試験の申し込みが完了したら、事前に受験の流れを把握しておきましょう。
以下では、受験の流れをステップごとにお伝えします。
ステップ1. 試験会場に入館
申し込み時に選択した日時になったら、選択した試験会場に入館しましょう。
試験の当日は、試験開始前30分に受付を開始します。
試験開始前には、受験時の説明などを行うために来場してください。
受付が混雑する可能性も考慮して、試験開始15分前までの来場が推奨されています。
なお、試験開始から80分以内であれば、入室して受験することが可能です。
ステップ2. 受付
会場に入場したら、まず受付を行いましょう。
受付の手順は以下の通りです。
- 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を提示
- 受験時の注意事項を聞く
- 配布された「ログイン情報シート」の規約に同意、署名
- 受験会場に持ち込み不可の荷物をロッカーなどに預ける
上記まで完了したら、試験担当者から試験の説明を受け、受験会場に入室します。
試験時にメモやペンを使う方は、受付時に申し出てください。
受験に個人で持ち込みできるもの:ログインシート、ポケットティッシュ、ハンカチ、目薬
ステップ3. 入室・受験
受験会場に入室したら、担当者の指示に従い指定の席に着席しましょう。
受験の流れは以下の通りです。
- 試験開始時刻になったら試験官が開始を指示
- 科目Aを開始
- 科目Aの試験終了時間前に試験官がメモ用紙を回収
- 10分間の休憩(退出可能)
- 科目Bを開始
受験時は試験問題に関する質問は一切受け付けておらず、マシントラブルなどの質問のみ対応しています。また、10分間の休憩時間が終わると自動的に科目Bの試験に進み、試験時間がカウントされます。
ステップ4. 試験終了・結果確認
試験が終了したら、受験で使用していたパソコン画面に受験結果が表示されます。
科目Aと科目Bそれぞれの受験結果が表示されるので、しっかり確認しておきましょう。
受験結果は、試験終了後2~3時間経過するとマイページでも閲覧できます。
合格した場合、後日官報に受験番号が公示されるので、こちらで確認することも可能です。
なお、官報は、区役所や市役所などの行政機関に設置されています。
ステップ5. 合格証受け取り
基本情報技術者試験に合格した方は、後日経済産業省から「情報処理技術者試験合格証書」が簡易書留で送られてきます。
配達時に不在で、郵便局での保管期間を超過した場合、情報処理推進機構に戻されるので早目に受け取るようにしてください。なお、情報処理推進機構での保管期限は3ヵ月間です。
この合格証の送付時期は、情報処理推進機構ホームページで確認可能です。
また、発送後の追跡状況はマイページに随時更新するので、あわせてご確認ください。
基本情報技術者試験時の注意事項
基本情報技術者試験は、試験開始後80分を超過した場合、受験資格が失効します。
試験開始後80分以内であっても、遅刻時間に伴う時間の繰り下げには対応していません。
受験料の返還、および他の日時への変更も行っていないので、試験開始時間を十分に確認しておいてください。
再受験に関して
基本情報技術者試験に不合格だった場合、受験終了後すぐに再受験の申し込みが可能です。
ただし、システム処理の関係上、試験完了後1時間程度は再受験の申し込みができない場合があります。そのため、しばらく時間をおいてから、再受験の申請手続きを行ってください。
なお、申し込み時に指定できる受験日時は、前回の受験日の翌日から30日以降の日時となります。
基本情報技術者試験についてまとめ
基本情報技術者試験は、経済産業省認定の国家試験で、応用情報技術者試験や情報処理安全確保支援士など、高度な情報処理試験の土台にもなるため、IT業界で活躍するための登竜門ともいわれています。
基本知識を問われる資格ではありますが試験範囲は非常に広いため、効率的に学習するためには専門家の指導が効果的です。
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