【2024】コマンドプロンプトとは何?メリットや使い方、代表コマンドを紹介

【2024】コマンドプロンプトとは何?メリットや使い方、代表コマンドを紹介

コンピュータの操作で「コマンドプロンプト」という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。コマンドプロンプトは黒い画面にテキストベースで指示を入力して、さまざまな操作を行うツールのことで、Windowsをはじめとする多くのオペレーティングシステムで使われています。

いまやアイコンをクリックしてプログラムを起動するGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使用することが多い中、なぜわざわざこのようなテキスト入力の方法を使う必要があるのか、疑問に思う方もいると思います。

今回はコマンドプロンプトの基本を理解するために、その概要や利点、代表的なコマンドの使い方を詳しく紹介します。

目次

コマンドプロンプトとは?

コマンドプロンプトは、文字入力でコンピュータを操作できるツールのことです。使用することでユーザーはGUIを使わず、直接テキストコマンドを入力してファイル操作、システム情報の確認などさまざまなタスクを実行できます。

たとえばファイルの移動や削除、ディレクトリの移動といった操作をスピーディーに行えます。ファイル操作のみならず、プログラムの実行やバッチ処理の作成など、特定のタスクをより高速に実行したい場合にも重宝します。

コマンドプロンプトのメリット

コマンドプロンプトの主なメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

  1. 通常の操作ではできない操作が可能
  2. 通常の操作より素早い作業が可能になる
  3. プログラムやコンピュータの仕組みを学べる

それぞれ解説します。

メリット①通常の操作ではできない操作が可能

コマンドプロンプトでは、通常の操作ではアクセスできないシステム設定やファイル操作が可能です。

たとえば隠しファイルの表示したり、複数のファイルを一度に処理するなど、GUIでは手間がかかる操作を簡単に実行できます。

基本的な操作はGUIで十分に実行可能ですが、上記をはじめとする用途によっては、コマンドプロンプトのほうが効率がいいケースもあります。

メリット②通常の操作より素早い作業が可能になる

コマンドプロンプトはキーボード入力のみで操作が完結するため、マウスを使った手順よりも素早く作業できます。とくに大量のファイルを一括で操作したり、決まった作業を繰り返し行うといった用途では、コマンドを覚えておくことで大きな時間短縮につながります。

そのため、PC作業の効率化を図る上では、ぜひ覚えておきたいスキルといえます。

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メリット③プログラムやコンピュータの仕組みを学べる

コマンドプロンプトを使用することで、コンピュータの内部処理やプログラムの仕組みを学ぶことができます。「コンピューターに対する命令文」という意味合いでは、プログラミングとも共通しているためです。

またコマンドの実行結果を直接見ることで、システムがどのように動作しているのかを理解し、知識を深めることもでき、結果としてITスキルの向上につながります。

なお、プログラムおよびコンピュータの仕組みを学びたい方向けの資格に「基本情報技術者試験」があります。IT業界を目指す方なら覚えておきたい知識が網羅された登竜門的資格なので、ぜひ以下の記事で概要をご確認ください。

【2024】基本情報技術者試験とは?難易度や合格点・申し込み方法を解説

コマンドプロンプトのデメリット

コマンドプロンプトにはデメリットも存在します。この章では、とくに代表的な以下の2つをご紹介します。

  1. 使いこなすには知識と慣れが必要
  2. コマンド実行後はもとに戻せない

デメリット①使いこなすには知識と慣れが必要

コマンドプロンプトは基本的なコマンドから高度な操作まで多岐にわたるため、使いこなすには知識と慣れが必要です。

間違ったコマンド入力によって思わぬトラブルが発生することもあるため、初心者には敷居が高く、初めて使う人にとっては学習に時間がかかる点がデメリットです。

なお、コマンドプロンプトの知識と慣れを習得するなら、情報処理技術者試験の受験がおすすめです。一部を除いて難易度は高めですが、コマンドプロンプトを使いこなすだけでなく、幅広いIT業務で確実に役に立つ試験内容となっているので、ぜひ以下の記事を参考に受験してみてはいかがでしょうか。

【2024】情報処理技術者試験とは?区分・難易度・メリットをご紹介

デメリット②コマンド実行後はもとに戻せない

コマンド実行後はもとに戻せないのもデメリットになります。たとえばファイル削除や移動の誤操作は、GUIの場合「Ctrl+Z」でもとに戻せますが、コマンドプロンプトにはもとに戻すコマンドは存在しません。

従って、ファイルを一括して移動した場合などは手作業で戻す必要があり、かつ重要なファイルの削除など行ってしまった場合は取り返しがつかなくなることもあります。スピーディーな作業ができるとはいえ、細心の注意を払う必要があります。

コマンドプロンプトの開き方

コマンドプロンプトの開き方

コマンドプロンプトの開き方には、以下の種類があります。

  1. Windowsメニューから開く
  2. ショートカットキーを用いて開く

それぞれ見ていきましょう。

開き方①Windowsメニューから開く

Windowメニューから開く方法になります。これがもっとも手っ取り早い方法となります。

Windowのスタートキーをクリックすると、スタートメニューが開きます。スタートメニューが開いた状態でそのまま「コマンド」と入力します。

開き方①Windowsメニューから開く

すると上記画像のようにコマンドプロンプトのアイコンが表示されるので、こちらをクリックすれば開くことができます。

開き方②ショートカットキーを用いて開く

ショートカットキーを用いてコマンドプロンプトを開く方法になります。「Windowキー+r」をクリックすると、以下のように「ファイルを指定して実行」というウィンドウが左下に表示されます。

開き方①ショートカットキーを用いて開く

ウィンドウが表示されたら、名前のフォームに「cmd」と入力のうえ「OK」をクリックします。クリックするとコマンドプロンプトが開きます。

マウス操作を極力行いたくない方向けの開き方となっています。

コマンドプロンプトの使い方

コマンドプロンプトの基本的な使い方として、この章では以下の使い方をご紹介します。

  1. ファイルの基本操作
  2. 管理者権限での実行
  3. より使いやすくカスタマイズ

使い方①ファイルの基本操作

コマンドプロンプトが開いたら以下のような黒い画面が表示されます。ここに表示されている「C:\Users\moril>」というのは、GUIでいう「PC→ユーザー」の中にある、「moril」というフォルダが現在地、ということを示しています。

使い方①ファイルの基本操作

ここに何らかのコマンドを入力することで処理を実行します。たとえば「cd..」と入力してエンターをクリックすると、ひとつ前のフォルダ「Users」に移動します。

「cd..」と入力

またファイルの構造をツリー形式で確認したいときは、「tree」と入力してエンターを押します。すると、時間はかかりますが、ファイルの全体像がツリー形式で表示されます。

ツリー形式で確認

このようにコマンドプロンプトでは、その動作にちなんだコマンドを入力してエンターを押すだけで、GUIでできるほぼすべての動作を行えます。

以下の章では、代表的なコマンドとそれによってできることを紹介しています。

使い方②管理者権限での実行

前述で紹介したような簡易的なファイル操作などの場合、コマンドプロンプトは誰でもこれまでの手順で行うことができます。

しかしOS動作に直結するような設定の変更だったり、ソフトウェアのインストールやアンインストールを行うといった場合だと、「管理者権限を用いてコマンドプロンプトを実行」する必要があります。

管理者権限でコマンドプロンプトを実行するには、Windowsキーを押してメニューを開いた状態でそのまま「コマンド」と入力します。すると以下のようなアイコンが表示されるので、その下にある「管理者として実行」をクリックします。

使い方②管理者権限での実行

クリック後「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」というウィンドウが出るので、「はい」をクリックすると、管理者権限を用いたコマンド入力画面が表示されます。

管理者権限を用いたコマンド入力画面

使い方③より使いやすくカスタマイズ

黒と白のみの見た目となっているコマンドプロンプトは、より使いやすくカスタマイズすることも可能です。コマンドプロンプトのウィンドウ上部(タブの部分以外)を右クリックし、「設定」をクリックします。

使い方③より使いやすくカスタマイズ

クリック後、コマンドプロンプトのタブの隣に設定タブが追加され、設定画面が表示されます。そこで画面左側の「コマンドプロンプト」をクリックします。

コマンドプロンプト設定画面

設定できる項目としては、以下のとおりです。

  • ドロップダウン表示名変更
  • 開始ディレクトリの変更
  • フォントスタイルおよび太さ設定
  • 入力画面の配色設定
  • 画面および文字サイズ設定
  • 背景画像の適用
  • ほか

コマンド入力のほか、文字および背景色を変えたり背景画像を設置することも可能となっています。またターミナル全体をレトロ風の装飾にすることもできたりと、自分好みの画面にすることが可能となっています。

設定が完了したら、画面下の「保存」をクリックすれば完了です。

覚えておきたいコマンドプロンプトの代表的なコマンド

覚えておきたいコマンドプロンプトの代表的なコマンド

この章では、覚えておきたい代表的なコマンドを以下のとおり13種類紹介します。

コマンド名 できること
cd 現在のフォルダ(ディレクトリ)を移動する
dir 指定したフォルダ内のファイルやフォルダ一覧を表示する
tree フォルダ構造をツリー形式で表示する
type テキストファイルの内容を表示する
copy ファイルをコピーする
move ファイルやフォルダを移動する
ren ファイルやフォルダの名前を変更する
del ファイルを削除する
md 新しいフォルダを作成する
rd フォルダを削除する
ipconfig ネットワーク接続に関する情報を表示する
exe 実行ファイル(プログラム)を起動する
exit コマンドプロンプトを終了する

コマンドプロンプトの代表コマンド①cd

操作を行いたいディレクトリに移動するコマンドです。

たとえば「Documentsフォルダ」に移動する場合、以下のように記述します。

cd Documents

コマンドプロンプトの代表コマンド②dir

現在のディレクトリ内のファイルやフォルダを一覧表示します。

シンプルに「dir」と入力すれば、以下のように現在のディレクトリ内のフォルダが表示されます。

dir

コマンドプロンプトの代表コマンド③tree

指定ディレクトリの構造をツリー形式で表示します。

treeとだけ入力すれば、PC全体のファイル構造がツリー形式で表示されます。また、たとえば「C:\Projects以下のフォルダ構造を表示」する際の使用例としては、以下のようになります。

tree C:\Projects

コマンドプロンプトの代表コマンド④type

指定したファイルの内容を表示するコマンドです。

たとえば「example.txt」というファイルの内容を表示したい場合、以下のように書きます。

type example.txt

テキストファイルの内容確認に便利です。

コマンドプロンプトの代表コマンド⑤copy

ファイルを指定した場所にコピーします。

たとえば「file.txt」というデータを、Dドライブ内のBackupフォルダにコピーする場合、コードは以下になります。

copy file.txt D:\Backup

コマンドプロンプトの代表コマンド⑥move

ファイルを移動するコマンドです。移動元から削除し、指定先に配置します。

たとえば「data.csv」をDドライブ内のDocumentsフォルダに移動する場合、コマンドは以下になります。

move data.csv D:\Documents

コマンドプロンプトの代表コマンド⑦ren

ファイルやフォルダの名前を変更します。

たとえば「oldname.txt」というファイル名を「newname.txt」に変更する場合、以下のように入力します。

ren oldname.txt newname.txt

変更前のファイル名を書き、続いて変更後のファイル名を拡張子つきで書きます。

コマンドプロンプトの代表コマンド⑧del

ファイルを削除するコマンドです。

たとえば「sample.txt」というファイルを削除する場合、コマンドは以下になります。

del sample.txt

ただ前述でも述べていますが、削除系のコマンドはもとに戻すことができないので、間違って削除などしないよう細心の注意が必要です。

コマンドプロンプトの代表コマンド⑨md

新しいディレクトリを作成するコマンドです。

たとえば「NewFolder」というフォルダを新たに作成する場合、コマンドは以下になります。

md NewFolder

コマンドプロンプトの代表コマンド⑩rd

ディレクトリを削除するコマンドです。

たとえば「OldFolder」というディレクトリを削除する場合、コマンドは以下のとおりです。

rd OldFolder

ちなみにディレクトリ削除コマンドとして「rmdir」も存在しますが、できることはまったく同じです。

コマンドプロンプトの代表コマンド⑪ipconfig

主にネットワーク情報を確認するときに使用します。

単純に「ipconfig」と入力すれば、

  • ローカルエリア接続情報
  • IPアドレス
  • ゲートウェイ情報

などが表示されます。

コマンドプロンプトの代表コマンド⑫exe

プログラムを実行するコマンドです。

たとえばWindowsアプリの「メモ帳」を起動する場合、以下のコマンドを打ちます。

notepad.exe

コマンドプロンプトの代表コマンド⑬exit

コマンドプロンプトを終了するコマンドです。

単純に「exit」を入力して実行すればすぐにターミナルが閉じるので、作業が完了したら使用してください。

コマンドプロンプトまとめ

コマンドプロンプトは、より効率的にコンピュータシステムの操作を行うための重宝するツールです。GUIにはない使用感が提供されており、迅速で正確な操作を実現できます。

基本的なコマンドはもちろん、システム管理者やプログラマーが利用する高度なコマンドを覚えることで、多岐にわたるタスクをカバーできるでしょう。また、使いこなすことでプログラムやコンピュータの仕組みを学習できる点もメリットになります。

日常的な業務やトラブルシューティングを容易にし、ユーザーの作業効率をアップさせるためにも、ぜひ習得してみてはいかがでしょうか。

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