E資格は、AIエンジニアとしての実力を証明できる資格です。ディープラーニング分野に強みを持つ人材として認められるため、受験を考える方も年々増えています。
ただし、申込にはいくつかの条件や手続きがあるため、事前にしっかりと流れを把握しておかなければなりません。この記事では、2025年現在の最新情報をもとに、E資格の申込手順や注意点をわかりやすく解説します。
E資格とは?
E資格とは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定する、ディープラーニングの実装力を証明する資格です。数学や深層学習の理論を理解し、適切な手法を選び実装できるエンジニアを対象としています。
受験にはJDLA認定プログラムの修了が必要なため、申込前に確認しておくべき条件がいくつかあります。
E資格の難易度
E資格はプログラミング実装まで求められるため、G検定よりも専門性が高く難易度も大きく上がります。とくにPythonを使った実務レベルの知識や、数学・統計などの基礎理解が問われる点が特徴です。
2025年2月の試験では合格率が68.26%と高めですが、これは多くの受験者がAI業界経験者だったり、理工学部出身の方が大半を占めているためです。
G検定との違い
G検定は知識中心のオンライン試験ですが、E資格は実務力が問われる会場試験です。違いを一覧にまとめると、次のようになります。
G検定 | E資格 | |
受験資格 | なし | JDLA認定プログラム修了が必要 |
試験時間 | 120分 | 120分 |
問題数 | 約200問 | 約100問 |
出題形式 | IBT(自宅受験)、多肢選択式 | CBT(会場受験)、多肢選択式 |
試験会場 | 自宅など自由 | 指定された会場に来場 |
受験費用 | 一般13,200円/学生5,500円(税込) | 一般33,000円/学生22,000円/会員27,500円(税込) |
G検定は知識の理解度を測る試験である一方、E資格は実装スキルが問われるため、準備の負担も大きくなります。将来的にAIエンジニアとして開発に携わりたい方には、E資格のほうが武器として役立つでしょう。
E資格申込前の確認事項
E資格の申込を行う前に、まず確認すべきなのが受験資格です。申込は誰でもできるわけではなく、JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了している必要があります。
またE資格は会場での受験となるため、申込時に指定された試験会場から希望の場所を選ぶ必要があります。その他、申込時の情報入力にミスがあると受験できなくなる恐れもあるため、入力内容の確認も怠ってはいけません。
E資格受験条件と内容
E資格を受けるには、まず申込可能かどうかをしっかり確認しておく必要があります。重要なのが「認定プログラムの修了時期」です。
試験直前に焦って申込を進めても、条件を満たしていなければ受験自体ができません。以下の表に、E資格の試験内容や必要な要件を整理してみました。
詳細内容 | |
申込条件 | JDLA認定講座を、試験日から2年以内に修了していることが前提となる |
実施時間 | 2時間(全体で約103問の設問が出題される) |
試験形式 | 申込時に全国の指定会場から希望する試験地を選択可能 |
出題内容 | 認定講座の修了水準に相当する内容が、JDLAシラバスに基づき出題される |
受験料 | 一般:33,000円 学生:22,000円 会員:27,500円(税込) |
受験資格に該当しない状態で申込を進めても、後から無効になる可能性があります。認定プログラムの修了時期をきちんと確認したうえで、手続きを進めてください。
E資格の申込区分
E資格では、申込時に自分がどの区分に当てはまるかを選択しなければなりません。料金体系は区分ごとに異なるため、間違えると申込後の変更が難しくなる場合もあります。
区分 | 試験料金(税込) | 対象者の目安 |
一般受験枠 | 33,000円 | 社会人や特定団体に属さない方 |
学生割引枠 | 22,000円 | 有効な学生証を持つ大学生・大学院生などが対象 |
協会会員特別枠 | 27,500円 | JDLAの正会員または賛助会員として登録されている方 |
申込区分を誤って選んでしまうと、差額が返金されないケースもあるため注意が必要です。申し込む前に、自身の立場と提出書類をよく見直しておくことをおすすめします。
E資格の申込可能期間
E資格の申込期間は、毎回試験日程にあわせて設定されています。たとえば2025年8月に実施される「E資格2025 #2」の場合、申込受付は6月2日から試験日前日の23:59までです。
申込はWeb上で行う形式ですが、会場には定員があるため、早めの申込が安心です。また、申し込むタイミングによっては希望の会場が選べない可能性もあるため、試験日程が発表されたら速やかに申込手続きを始めるのが理想でしょう。
E資格の申込手順
E資格の申込は、基本的にオンラインで完結します。ここでは3つのステップに分けて、初めての方でも迷わず進められるように申込方法を解説します。
- ピアソンVUEでアカウント登録
- E資格の試験予約に申し込む
- 申込予約完了メールの受信を確認する
①ピアソンVUEでアカウント登録
E資格の申込には、まずピアソンVUEのアカウント作成が必要です。初めての方は、JDLA公式サイトにある受験案内ページから「受験サイト」へアクセスし、「ログイン」→「アカウント作成」を選んで登録を進めます。
※すでにアカウントを持っている方は、この手順をスキップして構いません。
氏名は本人確認書類と一致している必要があるため、入力ミスには十分注意しましょう。登録後、受信メール設定を確認しておくと安心です。
②E資格の試験予約に申し込む
アカウントが用意できたら、次は試験予約の申込です。ログイン後、受験日程や会場を選び、支払い方法を選択する流れになります。
支払いはクレジットカードかバウチャーコードによる決済のみで、銀行振込は対応していません。会員割引や学生割引を利用する方は、申込時に「プロモーションコード」の欄でコードを入力し、割引が反映されているかを確認してください。
全体の流れはシンプルですが、入力内容の見直しは丁寧に行いましょう。
③申込予約完了メールの受信を確認する
申込が完了したら、予約が正しく処理されたかを必ずチェックしてください。「PearsonVUEConfirmation@pearson.com」から届く確認メールに、受験日時・試験会場・予約番号などが明記されています。
万が一メールが届かない場合は、迷惑メールに振り分けられていないかも確認しましょう。このメールは当日の受付にも関わる重要な情報となるため、申込後は確実に内容を把握しておくことが大切です。
E資格の申込完了から受験までの流れ
E資格の申込が済んだら、あとは本番に備えるのみです。試験当日は会場での対応が必要になるため、流れを事前に理解しておくことで落ち着いて受験できるでしょう。
この章では、E資格の申込完了から受験までの流れを以下の手順で解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- 必要な持ち物をもって会場に行く
- 試験開始15分前までに受付を済ませる
- 私物をすべて預けて待機
- 試験室へ入室して試験開始
①必要な持ち物をもって会場に行く
E資格は、申込時に選択したピアソンVUEテストセンターで受験します。当日は、試験開始の15分前までに必ず到着しておく必要があります。
遅刻するとその時点で失格となり、申込費用も戻ってきません。忘れ物にも注意が必要で、本人確認書類が2点必要、学生として申込んだ場合は学生証の提示も求められます。
試験中はすべての私物を預ける必要があるため、必要最低限の荷物で来場したほうが安心です。
②試験開始15分前までに受付を済ませる
受付は、試験開始の15分前が締切とされています。ギリギリに到着して焦ってしまうと、確認作業がスムーズに進まず、トラブルにもなりかねません。
申込時に登録した本人情報と照合されるため、身分証明書の内容に誤りがないかも事前に確認しておきましょう。なお、本人確認ができない場合は受験そのものができなくなります。
③私物をすべて預けて待機
E資格の試験室では、スマートフォンや財布、腕時計などの私物は一切持ち込み禁止です。受付後はロッカーにすべて預け、指定された待機場所で案内を待ちます。
このタイミングで、希望者にはホワイトノートと水性ペン2本が貸し出されるので、必要な方は受付時に申込しておくとスムーズです。私物の扱いや記録用具のルールは厳格なので、申込後に送られてくる案内メールを事前によく読んでおきましょう。
④試験室へ入室して試験開始
案内があれば試験室へ移動し、着席後に試験が開始されます。E資格では、試験前に「PyTorch」または「TensorFlow」のどちらかを選択する必要があり、途中での変更はできません。
PyTorchとTensorFlowというのは、どちらも深層学習モデルの開発に使われるフレームワークのことです。E資格のコーディング問題では、上記どちらかに特化した内容が出題されるので、どちらにするかはJDLA認定プログラムを選ぶ段階で決めておく必要があります。
難易度にそれほど大きな違いはありません。もし迷っているなら、コードのシンプルさや情報量の観点でいうと、PyTorchを選んでおくのがいいでしょう。
申込時点ではなくこの場で選ぶため、どちらを使うかを事前に決めておくと迷わず済みます。また試験中はPC画面上に電卓が表示されるので、個人の電卓の持込は不可です。
落ち着いて取り組むためにも、当日の段取りを把握しておきましょう。
E資格の申込時の注意点
E資格の申込を終えたら、試験当日に気をつけるべきルールについても把握しておきましょう。G検定とは異なり、E資格は試験監督のもと会場で行われるため、セキュリティも非常に厳格です。
ここでは、申込後によく見落としがちな注意点を2つ紹介します。
- 参考書や問題集の閲覧は禁止
- テスト会場に私物の持ち込みが原則できない
①参考書や問題集の閲覧は禁止
E資格では、参考書・問題集・ノートなど一切の資料の持ち込みや閲覧が認められていません。たとえ付箋やメモであっても、所持していれば不正と判断される可能性があります。
そのため、試験までに必要な知識を頭に入れ、完全な暗記ベースで挑めるよう準備しておく必要があります。
②テスト会場に私物の持ち込みが原則できない
受験会場であるピアソンVUEテストセンターでは、スマートフォンや腕時計、筆記用具などの私物を含め、すべてロッカーに預ける必要があります。ポケットの中身も空にする必要があるため、当日は手ぶらで挑むくらいの心構えでいた方が安心です。
監視体制も万全で、不正が発覚した場合は即座に失格となります。G検定と違って自宅受験ではないので、もちろんカンニングもできません。
申込時からルールを把握し、誠実な姿勢で試験に臨みましょう。
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E資格の申込に関するよくある質問
最後に、E資格の申込に関するよくある質問に回答していきます。
E資格は意味がないって本当?
E資格はディープラーニングの実装スキルを証明できる数少ない資格です。実務での信頼性や転職時のアピール材料としても十分に役立ちます。
とはいえAIやディープラーニングはまだまだ発展途上の分野であり、難易度のわりに現段階では使い道が少ない点から、「意味がない」という意見もあります。
E資格受験に必須の認定プログラムとは
JDLAが認定した教育機関による講座で、E資格の出題範囲に直結した内容を学べます。E資格は、このプログラムを試験日の2年以内に修了していることが申込条件となっています。
また注意点として、講義修了後2年以内にE資格に合格しなければ、改めて認定プログラムを受講する必要があることは、覚えておきましょう。
詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてください。
E資格にはどれくらいの勉強時間が必要?
個人差はありますが、まったくの未経験者なら200〜300時間、経験者でも80~120時間以上は見ておいたほうが安心です。込み入った知識が求められるだけでなく、未経験の場合まず概念理解や基礎固めの部分からスタートとなるので、やはりどうしても時間はかかります。
E資格の申込についてまとめ
E資格は、AIエンジニアとして一歩踏み出すために確実に頼りになります。ただし申込には認定プログラムの修了や受験会場の選択など、いくつかの条件をクリアする必要があります。
申込手続きそのものはまったく難しくありませんが、流れや注意点を把握しておくことで当日のトラブルも未然に防げます。初めての方でも安心して受験できるよう、本記事を参考に準備を整えていきましょう。