Pythonはプログラミング初心者から現役のプロの方々まで、幅広い層に支持されている人気のプログラミング言語です。シンプルな構文と高い汎用性から、さまざまな分野で活用されています。
近年はAIやデータ分析の分野でなお注目を集めており、IT業界での存在感がますます高まっています。この記事ではPythonの特徴を解説のうえ、これから学びたい方のために基本的な情報や学習の進め方を紹介していきます。
Pythonとは?
Pythonはプログラミング言語のひとつです。シンプルで読みやすく、ライブラリも豊富で使いやすいことから、現代では多くの用途で使われています。
概要を一覧表にすると、以下のようになります。
言語名 | Python(パイソン) |
開発者 | グイド・ヴァンロッサム(Guido van Rossum) |
特徴 |
|
主な用途 |
ほか |
代表的なフレームワーク・ライブラリ |
|
動作環境 |
ほかほとんどの主要OSで対応 |
学習のしやすさ | プログラミング初心者、未経験者でも学びやすい |
Pythonを学ぶメリット
この章では、学ぶメリットを以下のとおりご紹介します。
- コードがシンプルで初心者でも学びやすい
- さまざまなライブラリが充実している
- 汎用性が高い
- 無料で学習できる
- 将来性の高いAI開発に最適
Pythonのメリット①コードがシンプルで初心者でも学びやすい
直感的でわかりやすい構文が特徴です。他のプログラミング言語に比べて記述量も少なく、英語に近い表現でコードを書けることから、初心者でも理解しやすくエラーも発見しやすいです。
Pythonのメリット②さまざまなライブラリが充実している
機械学習の「TensorFlow」やデータ分析の「Pandas」をはじめ、多岐にわたるライブラリが提供されています。そのため高度な開発がより柔軟にできるので、より専門的かつニッチな分野でも役立てられています。
Pythonのメリット③汎用性が高い
Web開発、データ分析、AI開発、ゲーム制作など、さまざまな分野で活用されています。用途が広くどの業界でもひととおり使えるため、初心者からプログラミングを学ぶ際も、エンジニアとしてのスキルの幅を広げる際にも役立ちます。
なお、以下の記事では「PythonがAI開発におすすめとされている理由」をはじめ、学習法などをくわしく解説しています。興味のある方はぜひ併せてご一読ください。
Pythonのメリット④無料で学習できる
オープンソースなので、無料で利用可能です。また公式ドキュメントやオンラインの学習教材、インターネット上の情報も豊富なので、他の言語と比較して学習のハードルも低めです。
Pythonのメリット⑤将来性の高いAI開発に最適
高い汎用性を誇りますが、中でもとくにAIおよび機械学習の分野で多くの支持を得ています。
AIや機械学習の分野は現在まさに成長市場であり、これからもさまざまな業界で使われていくと予想されています。Pythonはその市場に身を置けるスキルなので、その点もメリットといえるでしょう。
Pythonが向いている分野
さまざまな分野で活用されていますが、とくに以下の分野に向いています。
- AI・機械学習
- データ分析・可視化
- Web開発
AI・機械学習では「TensorFlow」や「PyTorch」などのライブラリで効率的なモデル開発が可能、そしてデータ分析・可視化では「Pandas」や「Matplotlib」で膨大なデータの処理を支援してくれます。
さらにWeb開発においては「Django」や「Flask」といったフレームワークが人気で、これらを活用した自動化によって業務効率を向上させます。
Pythonが向いていない分野
向いていない分野を挙げるなら、以下のとおりです。
- 処理速度やメモリ制約が求められるシステム
- リアルタイムグラフィックス処理
- モバイルアプリ開発
リアルタイム処理やシステムプログラミングのように、厳密な速度やメモリ制約が求められる場面では不向きです。たとえばゲームエンジンの開発や組み込みシステムでは、CやC++のほうが適しているでしょう。
またインタプリタ型であるため処理速度が遅いことから、リアルタイムのグラフィックス処理などにも適しません。モバイルアプリ開発においても、Swift(iOS)やKotlin(Android)といった専用言語の方が一般的です。
Pythonの基礎的な文法
ここでは基礎文法を以下のとおりご紹介します。
- 変数定義
- 条件分岐(if)
- ループ(while,for)
- 各種データ型
Python基礎文法①変数定義
一般的なプログラミング言語とは異なり、特定の型を宣言する必要はありません。以下のように変数に値を代入することで、自動的にその型が決まります。
x = 5 # 整数
y = 3.36 # 小数
name = “Vost” # 文字列
is_active = True # 真偽値
xやyのような変数名を使いますが、数字で始める変数名は使えません。
Python基礎文法②条件分岐(if)
if文を使って条件に応じた処理を記述します。基本的なif文は、以下のようになります。
x = 3
if x > 5:
print(“xは5より大きい”)
else:
print(“xは5以下です”)
上記は、変数xの値が5よりも大きければ「xは5より大きい」、そうでない場合「xは5以下です」と表示するものです。
また条件を追加する場合は、以下のように「elif」を使います。一般的なプログラミング言語は「else if」などと記述するものが多いですが、Pythonでは簡略化されています。
x = 5
if x > 10:
print(“xは10より大きい”)
elif x > 5:
print(“xは5より大きいが、10以下です”)
else:
print(“xは5以下です”)
Python基礎文法③ループ(while,for)
whileループは特定の条件が満たされている間、処理を繰り返すものです。具体的には、以下のように記述します。
count = 0
while count < 5:
print(count)
count += 1 # countを1ずつ増やす
こちらは変数「count」の数字が5以下であれば、1ずつ数字を足す、という繰り返し処理になります。5になれば、自動で処理をストップします。
一方のforは、一般的にコレクション(リストや文字列など)の要素を順番に処理する場合などに向いています。具体的には、以下のように記述します。
fruits = [“apple”, “banana”, “cherry”]
for fruit in fruits:
print(fruit)
上記はfruitsという変数に「apple」「banana」「cherry」をそれぞれ格納し、そのあと変数fruitの中身をひとつずつ出力するといった内容になります。
これを活用すれば、後から好きなフルーツを自由に[]内に追加しても、その数の分だけ繰り返し処理を行ってくれるので便利です。
Python基礎文法④各種データ型
よく使われるデータ型には、以下のようなものがあります。これから学習する方であれば、ひとまず以下を覚えておくことをおすすめします。
データ型 | 概要 | 具体例 |
int | 整数を表すデータ型 |
|
float | 小数を表すデータ型 |
|
str | 文字列を表すデータ型 |
|
bool | 真偽値を表すデータ型 |
|
list | 順序付きの複数要素を格納する配列 |
|
Pythonを学ぶための学習方法
学ぶための学習方法としては、以下のような方法があります。
- インターネットや書籍を用いて学ぶ
- プログラミングスクールに投資する
- 短期ITセミナーで効率よく学ぶ
それぞれ見ていきましょう。
Python学習法①インターネットや書籍を用いて学ぶ
インターネット上の無料教材やYouTube講座、オンライン学習サイト、さらに入門書を活用する方法です。自分のペースで答えを模索してじっくり進めるため、深い理解が得られることがメリットです。
一方で独学のため、モチベーションが下がりやすいというデメリットもあります。とくにエラーが多発したり、進捗が見えにくいと挫折しやすくなります。
Python学習法②プログラミングスクールに投資する
プログラミングスクールへの投資は、短期間で効率的に学ぶ手段として有効です。講師のサポートや体系立てられたカリキュラムにより、独学でつまずきがちな部分もスムーズに理解できます。
また実践的なプロジェクトやコードレビューを行えるので、実務に近いスキルが身につき、即戦力になることが期待できます。学習環境が整っているため、モチベーションの維持もしやすいでしょう。
ただスクールは基本的に高額な費用がかかるため、受講する前にカリキュラムの内容や口コミを確認し、自分の目標に合ったところを選ぶのが大切です。
Python学習法③短期ITセミナーで効率よく学ぶ
短期ITセミナーはPythonの基礎~応用を短期間で学べる講座です。独学ほど自由でもなく、かつスクールほど高額でもないので、両方のメリットを得られるのがポイントです。
ProSkilllが運営するPython基礎セミナー講習は、2日間で未経験者から実務レベルのスキルを習得できる集中セミナーです。受講形式は会場受講、ライブウェビナー、eラーニングから選べ、資格試験対策にも対応しています。
基礎をはじめAI、データ分析、Excel自動化などの深い知識をスピーディーに学ぶことが可能です、これからPythonを初めて学ぶ方、また知識の深堀りをしたい現役エンジニアの方も、ぜひご検討ください。
Python基礎セミナー講習のスケジュール/お申し込みはこちら
Pythonの身近な活用事例
この章では、活用事例を以下のとおり紹介します。
- 人工知能(AI)開発
- データサイエンス
- ブロックチェーン技術
- Webアプリ開発
Python活用事例①人工知能(AI)開発
事例でまず挙げられるのが、人工知能の開発です。チャットボットはもちろん画像認識、自然言語処理といった高度な分野も、TensorFlowやPyTorchなどのライブラリを用いればスムーズに実装可能です。
そもそも人工知能(AI)の概要を詳しく知りたいと思っている方は、以下の記事が参考になるので、ぜひご一読ください。
Python活用事例②データサイエンス
データの収集・分析に優れており、たとえばPandasやNumPyでデータ処理、またMatplotlibやSeabornを活用すればそれらの可視化が可能になります。
ビッグデータ解析やマーケティングの予測モデル構築といった分野で役立てられています。
Python活用事例③ブロックチェーン技術
ブロックチェーン開発でも用いられています。具体的にはスマートコントラクトや暗号通貨ウォレットの開発に使用されます。
シンプルなコードで実装できることから、新しいネットワークのプロトタイプを素早く作成することが可能です。
Python活用事例④Webアプリ開発
DjangoやFlaskなどのフレームワークを利用すれば、Webアプリ開発をより効率的に行うことが可能です。
実際に企業の管理システムやECサイト、個人ブログなど幅広い用途で活用されています。
Pythonまとめ
初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに支持されるプログラミング言語です。その人気の理由として
- シンプルで読みやすい文法
- 豊富なライブラリ
- データ分析やAI開発などさまざまな分野で活用できる汎用性
などが挙げられます。またインターネットの情報が豊富で、学習プラットフォームや書籍も充実しているため、学習を進めやすい点もメリットです。
学ぶことでデータサイエンスや機械学習といったモダンな分野に挑戦できるようになり、キャリアの幅も大きく広がります。簡単なプログラム作成から高度なシステム開発まで幅広く使えるPythonを習得できれば、スキル向上はもちろん年収アップのチャンスも現実的になるでしょう。