【2024】AI開発でPythonがおすすめの理由を学習方法やサービス例とともに解説

【2024】AI開発でPythonがおすすめの理由を学習方法やサービス例とともに解説

ChatGPT登場により一般にも普及してきている「AI」ですが、そんなAIを開発する際によく使われているプログラミング言語が「Python」です。

そんな中「Pythonとは何なのか?」「PythonがなぜAI開発におすすめなのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。今回の記事ではそのような方に向けわかりやすく解説します。

本記事ではぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。

Pythonとは?

python

Python(パイソン)は、1991年にオランダ人のグイド・ヴァンロッサムさんによって開発されたプログラミング言語です。 Pythonは以下の特徴を持っています。

シンプルかつ短いコードで記述できる

Pythonのコードは他のプログラミング言語と比べて簡潔で読みやすいです。例えば「Hello World!」を表示するプログラムは、Pythonでは`print(“Hello World!”)`とわずかな行数で書けます。

簡単に動作を確認できる

Pythonはインタプリタ型言語であり、プログラム実行前の事前作業が不要です。コードを書いてすぐに実行できます。

幅広い用途に活用できる

Webアプリケーション開発、AIの開発、スクレイピング、大量のデータ処理・分析、ブロックチェーン技術の開発など、Pythonは多岐にわたる用途に適しています。

Pythonを活用できるスキルを証明する資格については、以下の記事を参考にしてみてください。

Pythonデータ分析関連の資格4つ!どの資格を取得すべきかを解説

AI(人工知能)とは?

人工知能(AI)は、コンピュータを用いて知能を研究する計算機科学の一分野を指します。 AIの明確な定義はありませんが、共通する要素は、人のような知的な情報処理を実現するソフトウェアであることです。IBMのWatson、ソフトバンクのPepper、AppleのSiriなどがAIの具体例です。

AIは強いAI(自意識を持つ)と弱いAI(知能があるように見える)に分類され、機械学習やディープラーニングがAIの重要な技術です。

AIが何か詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

【2024】AI(人工知能)とは簡単にいうと何?わかりやすい活用事例もご紹介!

AIと機械学習の関係性

AI

機械学習は、AI開発を行う上で必要とする仕組み・技術のことを指します。この章では機械学習について詳しく見ていきます。

機械学習とは?

機械学習はコンピュータに大量のデータから指定したアルゴリズムを元に特徴を発見させ、その特徴に基づいて最適化や推論、判断などを自動的に行う仕組みです。機械学習は、過去のデータから将来を予測したり、自動化で人員コストを削減したりするために利用されます。

教師あり学習、教師なし学習、強化学習などの種類があります。

教師あり学習

教師あり学習は、正解となる答えが含まれたラベル付きのデータを使って、最適なモデルを導き出す手法です。教師あり学習では、人間がAIに教えるような学習方法を採用します。目的は、意図した働きをするAIを作成することです。

学習には正解ラベルの付いた教師データが必要です。正解がわかっているデータを学習させるため、人間が気付かない関係性を見出すようなタスクには向いていません。

以下の活用事例があります。

画像認識 物体検知や文字認識などに使用します。
音声認識 話し言葉をテキストデータに変換したり、話している人が誰なのかを判別します。
機械翻訳 言語の翻訳を行います。
自然言語処理 人間の言語をコンピュータで処理する技術です。

教師なし学習

教師なし学習は正解となるデータが存在せず、入力されたデータを利用して正解を導き出す手法です。教師あり学習とは異なり、教師データが必要ありません。教師なし学習では、人間がAIに教えるような学習方法を採用します。目的は、意図した働きをするAIを作成することです。

正解ラベルの付いた教師データを必要としないため、大量の正解データを用意する必要がありません。

以下の活用事例があります。

クラスタリング 類似したデータをグループ分けする手法。例えば、顧客セグメンテーションや画像生成に利用されます。
主成分分析 (PCA) 多次元データを低次元に圧縮する手法。特徴抽出や次元削減に使われます。
GAN (敵対的生成ネットワーク) データから新たなデータを生成するモデル。画像生成や異常検知に応用されます。

強化学習

強化学習はモデルが「良い行動」を学習していく手法です。 強化学習は、エージェント(学習するプログラム)と環境の相互作用を通じて最適な行動を学びます。

環境から与えられる報酬を最大化する行動を学習します。報酬はエージェントの行動によって変化します。またエージェントは試行錯誤しながら、報酬を最大化する行動を探求します。

以下の活用例があります。

ゲームプレイ AlphaGoやチェスのAIなど、ゲームでの最適な行動を学習します。
ロボット制御 自律走行車やロボットアームの制御に応用されます。
金融取引 株式取引や仮想通貨の自動売買に利用されます。
自然言語処理 ダイアログシステムやチャットボットの改善に活用されます。

Pythonが機械学習に使われる理由

Pythonが機械学習においてよく使われる理由には大きく3つあります。豊富なライブラリやフレームワーク、導入実績と信頼性の高さ、コードのシンプルさ、それぞれの理由について解説します。

豊富なライブラリやフレームワーク

Pythonは機械学習向けのライブラリやフレームワークが豊富に存在します。TensorFlow、Keras、Scikit-learn、Pandas、NumPyなど、多くのツールがPythonで提供されています。これらのライブラリは、データの前処理、モデル構築、評価、可視化など、機械学習の各ステップで役立ちます。

導入実績と信頼性の高さ

Pythonは多くのテック系企業でサービスの根幹に使われており、信頼性が高い言語として知られています。YouTube、Instagram、Pintarest、DropboxなどがPythonを活用しています。

コードのシンプルさ

Pythonは読みやすくシンプルな文法を持ち、初心者からプロまで幅広く使えます。他のエンジニアのコードを読むのが容易という特徴を持ちます。

数学や統計の専門家が機械学習を導入する際、Pythonは学習しやすいプログラミング言語です。

Pythonを使ったAI開発の学習方法

python code

PythonはAIのプログラミングに非常に適しており、以下のステップで学習できます。

学習方法1. Pythonの基礎知識を学ぶ

Pythonの文法や基本的なプログラミング概念を理解しましょう。変数、制御構造、関数、クラスなどの基本的な要素を学ぶことが重要です。

学習方法2. AIに必要なライブラリをインストールする

PythonでAIを開発するためには、NumPy、Pandas、Scikit-learn、TensorFlow、Kerasなどのライブラリをインストールします。これにより開発をより円滑に進めることができます。

学習方法3. AIアルゴリズムを学ぶ

機械学習の基本的なアルゴリズム(線形回帰、決定木、ニューラルネットワークなど)を理解し、実際にPythonを使ってコードを書いて学習しましょう。

学習方法4. 実際にPythonでAIプログラムを開発する

データの前処理、モデルの構築、学習、評価、予測などのステップを実際に行いながら学習します。

学習方法5. AIの応用分野を探求する

画像認識、自然言語処理、音声認識、時系列データ分析など、AIの応用分野を探求し、興味を持った分野に特化して学習していきましょう。 全てを学習するのではなく、必要なものに絞るのがよいです。

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Pythonを使って開発したAIサービス例

前章ではPythonを使ったAI開発までの流れを見てきました。本章ではPythonを使って開発したAIサービスの具体的事例を紹介します。

Zinrai(ジンライ)

富士通が開発したAIプラットフォームで、自然言語処理や画像認識などの機能を提供しています。日本国内で広く利用されており、企業や研究機関で活用されています。

NEC Generative AI Service

nec

 

NECが日本市場向けに提供しているAIサービスで、日本語読解能力を高めたLLM(Large Language Model)を活用しています。日本語に特化したLLMはまだ少ないです。

Pythonを使ったAIエンジニアの特性とスキル

Pythonの知識と経験を活用したAIエンジニアは、テクノロジー分野において重要な役割を果たしています。Pythonを使ったAIエンジニアの特性とスキルについて詳しく説明します。

プログラミングスキル

PythonはAI開発において非常に強力な言語です。AIエンジニアはPythonを使って機械学習モデルを設計、実装します。Pythonのシンプルな構文と豊富なライブラリ(例:NumPy、Pandas、TensorFlow、PyTorch)を活用して、高度なアルゴリズムを実現します。

機械学習とディープラーニングの知識

AIエンジニアは機械学習とディープラーニングの基本原則を理解しています。モデルの選択、ハイパーパラメータの調整、データ前処理、モデル評価などを行います。

データ処理と分析のスキル

Pythonを使ってデータを収集、クリーニング、変換し、モデルに適した形式に整えます。PandasやSQLを使ってデータベースから情報を抽出し、分析します。

コンピュータビジョンと自然言語処理の知識

AIエンジニアは画像認識、物体検出、セグメンテーションなどのコンピュータビジョンに取り組みます。また、自然言語処理(NLP)の技術を使ってテキストデータを処理し、文章生成や感情分析などを行います。

モデルのデプロイメントと運用

Pythonを使ってトレーニング済みモデルを本番環境にデプロイし、APIとして提供します。モデルの運用、監視、アップデートもAIエンジニアの役割です。

問題解決能力とチームワーク

AIエンジニアは複雑な問題に対して効果的な解決策を見つける能力が求められます。チームと協力してプロジェクトを進め、ビジネスニーズに合ったAIソリューションを提供します。

PythonによるAI開発まとめ

PythonはAI開発におすすめのプログラミング言語です。AIを開発する上で機械学習が重要です。Pythonはフレームワークが充実している、文法が簡単などの理由により、機械学習を使ったAI開発に向いています。

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