E資格の学習で抑えたい JDLA公式シラバスを解説 【開発・運用環境】

E資格の学習で抑えたい JDLA公式シラバスを解説 【開発・運用環境】

近年話題となっているAI(人工知能)に関する資格が、E資格です。AI(人工知能)グは様々な分野で活用が期待されているため、E資格に合格しておくと、今後のキャリア設計や就職に役立つ可能性はあるでしょう。ただ、受験の際に気を付けたいのは、シラバスがしばしば改定されている点。受験勉強を始める前に、しっかりとJDLA(日本ディープラーニング協会)から公式シラバスを確認しておく必要があります。

E資格のシラバスは4つの大項目からなる

E資格では学習範囲内に高度な専門知識が含まれており、しかも、120分で総数100問程度が出題されるなど、難易度は決して低くないものとなっています。限られた時間で多数の問題に正確に回答するためには、精度の高い勉強を行っていくことが重要です。また、E資格は新しめの資格ですから市販の書籍は充実しているとは言えません。加えて、ほとんどの資格検定で欠かせない存在となっている過去問が出回っていないので要注意です。このような特徴を考えると、シラバスをしっかりとリサーチして、学習計画をうまく立てることが重要で合格の近道ではないでしょうか。

E資格の4大項目

E資格のシラバスは4つの大項目から構成されています。具体的には、応用数学機械学習深層学習、そして開発・運用環境です。特に2020年からは新しく開発・運用環境が追加され、勉強すべき範囲が広がりを見せました。これらの項目は満遍なく点数が取れるように準備しておきたいものですが、実際の試験では出題数の多い分野もあれば、そうではないものもあります。優先度を決めて、効率的に勉強していくことが望ましいです。

特に出題範囲が広いのが深層学習と機械学習

E資格の中でも最も勉強すべき範囲が広いのが、順伝播型ネットワークをはじめとした深層学習となります。それに次ぐ形で機械学習も学習内容が多めとなっており、受験対策としては、この二つに効率的な対策を施して行くことが大切と言えそうです。まず深層学習はディープラーニングの核となる部分で、これを理解することは合格には欠かせません。勉強する内容は線形・非線形問題、コスト関数、他にも基礎的なアルゴリズムなど多彩なものとなっています。

次に機械学習についてです。機械学習は深層学習よりも古い概念ですが、ディープラーニングに関する基礎的な知識も含まれているため、こちらも理解しておくことが大切。検定試験における出題数も、無視はできないレベルです。実際の試験範囲としては、学習アルゴリズムについてや、データの追加収集に関してなどが盛り込まれています。IT技術に関する内容も含みつつ、次元の呪いと言った数学的な要素もあるため、多彩な知識を身につけていくことが大切となります。実践的な問題では、Pythonコードについての出題もあったようです。

深層学習と機械学習については出題範囲が広めで、しかも専門知識が必要となる部分となります。合格者はeラーニングを受講するほかにも、専門書などを購入して対策を立てたそうです。この試験では合格率は6割から7割で推移しているものの、本職のディープラーニングに関するエンジニアが多く参加しているため、IT初心者だったり他の分野が専門と言う時には、やや難関と言えるかも知れません。4割は不合格と言うことを忘れず、油断しないように勉強していきましょう。

見逃せない応用数学と新設の開発・運用環境

応用数学と新しく試験範囲に加わった開発・運用環境は、出題範囲自体は広くはありませんが、軽視するのは危険です。特に応用数学は、合格者の正答率が高くなっています。深層学習と機械学習では5割から6割の得点が一般的な傾向です。したがって合格のためには、深層・機械学習で安定して得点することに加えて、応用数学で高得点を得ることが大切と考えて良いでしょう。応用数学の具体的な試験範囲は、線形代数学の手法の一つとして知られる線形代数学の他、確率分布に関しての出題もあります。ベルヌーイ・マルチヌーイの分布などが含まれており、正確に理解していくことが大切です。

新設された開発環境・運用環境も軽視はできない分野。出題範囲自体は限られていますが、油断せずに勉強していきましょう。具体的には、まず、軽量化・高速化技術が含まれています。軽量化・高速化はディープラーニングの実用面において極めて重要な分野です。学ぶ範囲としてはモデル並列・データ並列の知識の他に、プルーニングや量子化も含まれています。また、演算処理に使うGPUに関しての知識も必要になってくるようです。

開発・運用環境に関しては、ミドルウェアも学習範囲に含まれました。具体的には、深層学習ライブラリが試験範囲となっています。深層学習ライブラリは通信大手会社が手掛けたものなど、多彩なものが登場して競争が激化しつつある状況です。これらを使いこなすこともディープラーニングでは重要なことだと言えるでしょう。

受験料・受講料共に高いので一発合格を

E資格のシラバスを紹介しつつ、対策についても考えてきました。過去問がないのでインプット重視の勉強になるはずですから、シラバスをしっかり確認して学習計画を立てていきましょう。受験資格を得るためには認定講座を取る必要がありますが、これが高価な上に、受験料も手ごろとは言えません。できれば一発合格を目指したいもの。信頼できる認定プログラム・推薦図書をリサーチしていきましょう。