「最先端の技術に携わりながら、安定したキャリアを築ける職種」として注目を集めているのが、半導体エンジニアです。製品の小型化や高性能化が進むなか、半導体の重要性は年々増しており、それに伴ってエンジニアの需要も高まっています。
一方で、専門的な知識やスキルが求められるため「難しそう」「自分にできるのか不安」と感じる方も少なくありません。この記事では、仕事内容から年収、必要なスキルやおすすめ資格まで、半導体エンジニアの実像をわかりやすく解説していきます。
半導体エンジニアの概要を一覧で解説
半導体エンジニアは、製品の設計から製造・評価まで幅広い工程を支える専門職です。担当領域によって仕事内容や働く環境が異なります。
概要を一覧にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な種類 | 製造プロセスエンジニア デバイスエンジニア 回路設計エンジニア 装置エンジニア など |
| 主な仕事内容 | 半導体の設計・製造・評価・メンテナンス 歩留まり改善 材料・装置の選定 など |
| 勤務先の例 | 半導体メーカー 電子機器メーカー 材料メーカー 研究機関 装置メーカー |
| 年収相場 | 400万〜700万円(経験者で800万円以上も) |
半導体エンジニアは分野ごとに役割も分かれており、それぞれに専門性が求められます。とくに設計や製造の工程では高度な知識と精密な作業が欠かせません。
活躍の場は世界的に広がっていることもあって、将来性の高い職種といえるでしょう。
半導体エンジニアに必須となる能力・スキル

半導体分野では高度な技術が要求されるため、エンジニアとして活躍するには複数の専門スキルが欠かせません。ここでは、現場でとくに重視される代表的な能力・経験を4つに分けて紹介します。
- 電気電子回路・物理の基礎知識
- クリーンルームでの作業経験
- レイアウト設計(CAD)や回路シミュレーション(SPICE等)のスキル
- 技術資料の読解や海外とのやり取りに対応できる英語力
①電気電子回路・物理の基礎知識
半導体エンジニアとして働くうえで、電気電子回路や物理の知識はベースとなる要素です。デバイスの構造や動作原理を理解するためには、電流・電圧・抵抗といった回路の基本法則だけでなく、半導体の物性や熱・光の影響に関する物理的な知見も求められます。
とくに開発や設計を担当する場合、仕様の妥当性を理論的に説明する場面も多く、基礎知識があることで応用力も格段に高まります。
②クリーンルームでの作業経験
半導体の製造工程では微細な異物も致命的な影響を与えるため、作業のほとんどはクリーンルーム内で行われます。このため、清潔な環境下での装置操作や安全管理のルールに慣れていることが重要です。
実際の現場では、防塵服を着用しながら精密な装置を扱うため、細かな注意力や忍耐力が求められます。これらの現場経験のあるエンジニアは即戦力として高く評価される傾向があります。
③レイアウト設計(CAD)や回路シミュレーション(SPICE等)のスキル
回路設計や物理設計を担うエンジニアにとって、CADツールを使ったレイアウト設計や、SPICEなどのシミュレーションソフトを扱うスキルは不可欠です。設計図面を正確に描く力に加えて、動作検証のためのシミュレーション実行や結果の読み取りも求められます。
設計から製造への橋渡しをスムーズに行うためにも、これらのツールの活用はできるようになっておいたほうがいいでしょう。
④技術資料の読解や海外とのやり取りに対応できる英語力
半導体業界では海外メーカーの製品や仕様書を扱う機会も多く、エンジニアにも一定の英語力が必要とされます。技術文書の読解に加えて、海外拠点とのメール対応や会議でのやり取りが発生するケースもあります。
とくにグローバル企業では、英語での情報共有や指示のやり取りが日常的に行われており、実務で使える英語力を持つ人材は間違いなく重宝されます。
半導体エンジニアにおすすめの資格7選
半導体エンジニアとして専門性を高めたいなら、知識や技術を客観的に証明できる資格の取得がおすすめです。ここでは業務内容に直結するものからスキルアップにつながるものまで、エンジニアの実力を裏付ける7つの資格を以下のとおり紹介します。
- CAD利用技術者試験
- 統計検定
- E資格
- 半導体製品製造技能士
- 半導体技術者検
- ディジタル技術検定
- 機械保全技能検定
①CAD利用技術者試験

CAD利用技術者試験は、CADソフトの操作スキルや製図に関する基礎知識を証明できる民間資格です。2級・1級の区分があり、とくに2級は2DCADの基本操作や図面作成能力を測る内容となっており、実務経験の浅いエンジニアでも受験しやすいのが特徴です。
半導体分野では、レイアウト設計や図面の読み書きが日常業務となるため、この資格を持っておくことで設計職としての信頼度が高まります。これからCADスキルをしっかり身につけたいと考えている方には、AutoCAD基礎セミナー講習の受講も検討してみてください。
図面作成に必要な操作や機能を段階的に習得できるため、未経験の方でも安心してスキルアップを目指せます。
セミナー名 AutoCAD基礎セミナー講習 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 29,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
②統計検定
統計検定は、統計学に関する知識と実践的な応用力を測るための資格です。統計リテラシーを持つエンジニアは、現場でも信頼されやすく、将来的なキャリアの幅も広がるでしょう。
半導体エンジニアにとっても、製造プロセスの最適化や歩留まり改善、不良解析などに統計的な手法が不可欠な場面が多くあります。とくに製造現場では、データに基づいた意思決定が求められるため、統計検定を通じて得られる知識は業務にも直結します。
統計検定については、以下の記事でも解説しています。
③E資格

E資格は、ディープラーニングを中心としたAI技術の理論と実装力を証明する資格です。Pythonを用いた機械学習や深層学習のモデル構築、応用数学などの理解が問われるため、AI開発に本格的に取り組む半導体エンジニアにとっては、非常に実用的な内容といえます。
業務でデータ処理や品質予測、設備の最適化などを担当する技術者にとっても、E資格はキャリアの後押しとなる資格です。短期間で効率よく合格を目指すなら、E資格対策ディープラーニング短期集中講座の活用がおすすめです。
基礎から試験対策までを一貫して学べる構成になっており、過去の出題傾向や重要な理論ポイントを丁寧に解説してくれることから、初学者でも安心して取り組めるのでぜひご検討ください。
セミナー名 E資格対策ディープラーニング短期集中講座 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 54,780円〜 開催期間 4日間 受講形式 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング
JDLA認定プログラム修了報告期限
2026年2月4日(水)23:59まで
なお、E資格の概要を詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
④半導体製品製造技能士
半導体製品製造技能士は、半導体の製造に必要な実務スキルや知識を証明する国家資格です。主に前工程・後工程に関わる作業や装置の操作、測定技術、品質管理などが出題され、現場での実践力が問われます。
製造ラインに携わるエンジニアや技術者にとっては、自分の技術を可視化できる重要な資格となるでしょう。社内評価や昇進の指標になるほか、安全管理や作業精度の意識向上にもつながるため、製造現場で長く働きたい人に適しています。
⑤半導体技術者検定
半導体技術者検定は、半導体の基礎から応用までの技術的な理解度を測る民間資格で、開発・設計・製造など幅広い職種に対応しています。試験では、デバイス構造、プロセス技術、材料特性、信頼性評価などが出題され、技術的な知識の幅と深さが求められます。
業務で得た知識を体系的に整理できるため、若手技術者の学習目標としても有効です。設計・開発系のキャリアを志す半導体エンジニアにとって、基礎力の証明として活用しやすい検定です。
⑥ディジタル技術検定
ディジタル技術検定は、電子回路・情報処理・通信・制御技術などの基礎知識を評価するための資格です。試験は1級〜4級まであり、デジタル回路やセンサ制御、マイコン応用といった実務に関連する幅広いテーマが出題されます。
回路設計やプロセス開発といった分野での理解力向上に役立つので、半導体エンジニアにはぴったりです。
⑦機械保全技能検定
機械保全技能検定は、製造設備の保守・点検・トラブル対応などの技能を証明する国家資格です。半導体製造では、多くの工程が装置に依存しているため、装置トラブルの早期発見や対応力は重要な能力です。
製造現場での信頼性向上はもちろん、チーム内での技術的な存在感を高めたいエンジニアにも適した資格といえます。
半導体エンジニアに向いている人の共通点

どれだけ高いスキルがあっても、仕事のスタイルや価値観が合わなければ長くは続きません。半導体エンジニアとしてやりがいを感じながら働くためには、向いている性格や特性が少なからずあるのは事実です。
ここでは、現場で活躍している人に共通する4つの特徴を紹介します。
- 地道な作業や検証をコツコツ続けられる人
- 装置・材料・プロセスのすべてに好奇心を持てる人
- 新しい技術や知識に興味を持てる人
- チーム内外と円滑に連携できるコミュニケーション力のある人
①地道な作業や検証をコツコツ続けられる人
半導体エンジニアの仕事は、ミクロレベルの微細な検証や条件調整など、地道な作業の繰り返しが多く含まれます。そのため、試行錯誤を積み重ねながら根気よく最適解を探す姿勢が不可欠となります。
細かい変化を見逃さず、着実に改善に取り組める人はこの仕事に向いているでしょう。
②装置・材料・プロセスのすべてに好奇心を持てる人
半導体の製造には、装置の動作、材料の特性、各プロセスの化学反応や物理的変化など、多くの要素が絡み合います。ひとつの分野にとどまらず、工程全体に興味を持てる人は、現場での理解が深まりやすく、横断的な視点から改善提案する力にもつながります。
「好奇心が自然に成長を促してくれる職種」といって間違いありません。
③新しい技術や知識に興味を持てる人
半導体業界は技術革新のスピードが速く、次々と新しい装置・素材・プロセスが導入されます。これらを自ら学び取り、柔軟に対応していく姿勢がなければ、すぐに技術的に置いていかれてしまいます。
新しい知識への関心や情報収集の習慣を持ち続けられる人は、長期的に活躍しやすいでしょう。
④チーム内外と円滑に連携できるコミュニケーション力のある人
半導体開発や製造は、多くの工程を分業で進めるため、他部署や協力会社との連携が欠かせません。自分の考えや結果を正確に伝えたり、他者の意図をくみ取ったりする力が求められます。
「円滑な人間関係を築けるコミュニケーション力」も、技術力と同じくらい大きな武器になります。
半導体エンジニアについてまとめ
半導体エンジニアは、専門性の高い知識や技術を活かして、最先端のものづくりを支える重要な職種です。スキルや適性が求められる分野ではありますが、そのぶん手応えや将来性を得られるのは大きな魅力でしょう。
自分の興味や得意分野と照らし合わせながら一歩ずつ学習を積み重ねていけば、未経験でも確実に半導体エンジニアになれます。ぜひ本記事で紹介した資格の取得などから着手してみてはいかがでしょうか。