AIの重要性が日に日に増す中、AIに関する知識とスキルを証明する新しい資格「AI人材検定」が注目されています。AI技術を業務に活かしたい人や、キャリアアップを目指すビジネスパーソンに有益な内容で、AI初心者でも取り組みやすいのが特徴です。
ただ比較的新しい資格ということもあり、どんな資格なのか、取得によってどのようなメリットが得られるのか、まだまだ認知されていないのが現状です。本記事ではそんなAI人材検定の特徴や学習方法、そして取得で得られるメリットなどを紹介します。
AI人材検定とは?
AI人材検定とは、技術に関する知識やスキルを評価するための試験です。主にAIを活用したビジネスや、エンジニアリングの分野で活躍できる人材の育成を目的としています。
ビジネス向けの「for Business」とエンジニア向けの「for Engineer」の2つの区分があり、それぞれ異なるニーズに対応した内容を網羅しています。
ビジネス向けのほうでは基本概念や活用事例、導入における課題やリスク管理の知識を重視するなど、AI戦略の立案や運用に携わる人材を対象としています。一方のエンジニア向けの検定では、機械学習やディープラーニングなどの技術的な知識に加え、Pythonなどのプログラミング言語を使ったモデル構築スキルなどが求められます。
概要をまとめると、以下のようになります。
試験正式名称 | AI人材検定 for Business | AI人材検定 for Engineer |
提供開始時期 | 2021年4月 | 2021年4月 |
運営会社 |
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運用目的 |
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対象者 | AIの初学者および一般的なビジネスパーソン | AIエンジニアおよびAIエンジニア志望者、実務経験者 |
試験時間 | 40分 | 180分 |
出題数 | 60問 | 110問 |
主な出題内容 |
など |
など |
AI人材検定 for Business
AI人材検定 for Businessは、AI技術をビジネスに応用したいと考える初心者、および一般的なビジネスパーソンを対象とした検定試験です。2021年4月に株式会社アイデミーと株式会社ギブリーが共同で、AIに関する基礎的な知識やリテラシーを向上させることを目的として運営を開始しました。
40分で60問の問題に取り組む形式となっており、AIの基礎知識やデジタルトランスフォーメーション(DX)の概要、ビジネス数学や統計学などの内容が出題されます。受験者は、AIの基本概念やそのビジネスへの活用方法、データ分析の手法などを理解することが必須となります。
合格することで、企業内でAIプロジェクトに参加するに値する基礎的なスキルが証明され、キャリアアップの第一歩を踏み出すことができるでしょう。
AI人材検定 for Engineer
AI人材検定 for Engineerは、その名のとおりエンジニアを対象とした検定で、上記とおなじく2021年4月に株式会社アイデミーと株式会社ギブリーが共同で運用を始めています。主にAIに関する応用技術や知識の深い理解が求められ、中でもとくにディープラーニングやPythonの操作能力の向上を目指しています。
試験は180分で110問という構成で、for Businessのほうより問題数が多く時間も長くなっています。出題内容にはマーケティングリテラシーをはじめデータクレンジング、機械学習の理論、Pythonの基礎、ライブラリの知識などが盛り込まれます。
高度なエンジニアとしての実務経験を積みたい方や、確かな技術力を身につけたい方にとって、非常に有意義な検定となるでしょう。なお、本項で紹介しているAI人材検定 for Engineer以外でデータサイエンス系の資格に興味のある方は、以下の記事が参考になるので、ぜひご一読ください。
AI人材検定の難易度・合格率
AI人材検定の難易度は、受験する方のレベル感によって異なるものの、「AI人材検定 for Business」は初級~中級レベル、「AI人材検定 for Engineer」は中級~上級レベルとなっています。
合格率については公式に公表されていないため具体的な数値は不明ですが、本検定はどちらも基礎知識や実務的なスキルを問う幅広い内容が含まれているので、受験者は広く浅く試験範囲の内容をおさえておかなければなりません。
ビジネス向けの検定では基礎知識やDXの理解、ビジネス数学および統計の知識が問われ、エンジニア向けの検定ではディープラーニングやPython操作に関する応用技術が中心となります。合格率に左右されることなく、そして初心者向けだからと油断することなく、十分な準備・対策を入念にすることが、合格への近道になります。
AI人材検定の合格につながる勉強方法
AI人材検定の合格につながる勉強方法として、代表的な方法を以下のとおりご紹介します。
- Web・インターネット上の情報で独学する
- プログラミングスクールを受講する
- AI関連セミナーを受講する
AI人材検定の勉強方法①Web・インターネット上の情報で独学する
AI人材検定の勉強方法として、まずはインターネットを活用した独学が挙げられます。
現代では無料および有料のオンラインコース、YouTubeチャンネル、専門的なブログやフォーラムなど、豊富すぎるほどの情報源が存在します。たとえばYouTubeなどの動画プラットフォーム、またUdemyといった学習サービスにはAIの基本概念やデータサイエンスの基礎を学ぶための講座は見尽くせないほどたくさんあります。
ただ独学では自分のペースで学習できるため、隙間時間を有効に活用できるのがメリットです。ただ情報が多すぎてどこから手を付けていいか迷ったり、自らの意思で進捗管理が難しいのがデメリットです。
AI人材検定の勉強方法②プログラミングスクールを受講する
プログラミングスクールを受講するのも効果的です。専門のカリキュラムに沿って、AIの基礎から応用までを体系的に学ぶことができるため、知識の定着が図れます。
とくにPythonなどのプログラミング言語やデータ分析手法を学ぶことで、試験対策のみならず実務における応用力を高めることができます。そして何より現役のエンジニアや専門家から直接指導を受けられるため、疑問点をすぐに解消できることが大きなメリットです。
独学に比べて多額のお金がかかること、そしてマイペースでじっくり学ぶことができない点はデメリットになりますが、いち早く「稼いで入会費を回収するフェーズ」に入れることを考慮すると、投資効果は高いでしょう。
AI人材検定の勉強方法③AI関連セミナーを受講する
AI関連のセミナーに参加することも効果的です。セミナーでは最新の技術トレンドや業界動向、実際の事例などを専門家から直接学ぶことができるため、理解を深めるのに役立つからです。
ITセミナーは独学ほど自己管理と自己解決能力が求められるわけでもなく、そしてスクールほど高額な費用がかかるわけでもないので、双方のいいとこ取りのような位置づけとなります。
とくにおすすめのセミナーは、ProSkilllが運営するビジネス向けAI完全攻略セミナーです。最速でビジネスに活用できるAIの知識とスキルを短期間で習得するための1Day集中講座となっており、AI学習未経験者でも参加可能で、基礎から応用までの内容を1日で学べる内容となっています。
受講形式は会場受講、ライブウェビナー、eラーニングの3つから選べ、特にeラーニングは場所を問わず学習できるうえ価格も35,800円からと安価なため、節約派の方にも忙しいビジネスパーソンにも最適です。必要な部分のみを学べる短期集中型の学習を希望する方は、ぜひご検討ください。
ビジネス向けAI完全攻略セミナーのスケジュール/お申し込みはこちらから
AI人材検定に合格するメリット
AI人材検定に合格するメリットには、以下のようなものが挙げられます。
- AI人材としての価値を証明できる
- 高度なAIスキルの証明になる
- キャリアアップ・年収アップがスムーズになる
それぞれ見ていきましょう。
AI人材検定のメリット①AI人材としての価値を証明できる
AI人材検定に合格することで、知識やスキルとともに、高い人材価値であることを証明できます。現代の多くの企業は技術導入を積極的に進めており、それに伴いAI専門人材の需要が急増しているからです。
この検定は就職や転職の際「自分はAI人材として高い価値を持っている」ということを示す明確な証拠となります。よってより専門的なプロジェクトへの参加機会を増やせるなど、自身のキャリアを一層豊かにすることができます。
AI人材検定のメリット②高度なAIスキルの証明になる
取得することで、自身が高度なAIスキルを持っていることを証明する手段となります。AI人材検定にはAI基礎~応用のみならず、データサイエンス、ディープラーニングといった内容も含まれているからです。
合格によって技術やトレンドの理解が深まり、実務でも確実に役立つスキルを習得できるでしょう。とくに競争が激しいIT業界においては、他の候補者と差別化する要素として資格の存在は強いです。
AI人材検定のメリット③キャリアアップ・年収アップがスムーズになる
AI人材検定に合格することは、キャリアアップや年収アップの大きな推進力になるでしょう。たとえばおなじレベルの人がいたとして、AI人材検定をもっている人とそうでない人では、取得者のほうが昇進や新しい役職へのチャレンジの機会を与えられる可能性が高まるためです。
またそもそもAI人材は市場での需要が高いため、転職活動においても有利に働き、より高い年収を得るチャンスが増えます。さらにAIは今後ますます需要が伸びていくとされるため、将来的なキャリアの選択肢も広がるでしょう。
なお、キャリアアップおよび年収アップにつながるAI資格は他にも多数あります。以下の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひご一読ください。
AI人材検定にデメリットはある?
AI人材検定の資格自体にデメリットはありません。強いてデメリットを挙げるなら、習得までにコツコツと勉強を継続しなければならないこと、また受験料がかかることでしょう。
初心者向けのAI人材検定 for Businessのほうに挑戦するにしても、AIやDXの基礎、ビジネスや統計数学、データサイエンスを習得しなければなりません。一方のAI人材検定 for Engineerにしても、専門的なPythonプログラミングの知識が必要です。
そしてAI人材検定は取得がゴールではなく、取得後にそれを活かして自ら手足を動かして行動する必要があります。
AI人材検定まとめ
AI人材検定はビジネスパーソン向けに、AIやデータサイエンスの基礎知識を評価する資格です。レベルは「AI人材検定 for Business」と「AI人材検定 for Engineer」の2種類に分けられているため、技術職以外の方々でもAI活用力を養えるようになったり、高度なかつ実用的なAIリテラシーが身につけられるようになるのが特徴です。
また、そもそもAI人材検定はAI人材のスキル向上を図りたい企業向けに開発された資格となっているので、社員の教育目的としてもうってつけです。ぜひ積極的に受験し、AI人材としてのスキルと人材価値を上げていきましょう。