データベーススペシャリスト試験とは?難易度から勉強方法まで徹底解説

データベーススペシャリスト試験とは?難易度から勉強方法まで徹底解説

エンジニアとしてスキルアップするために、データベーススペシャリスト試験を受験しようか悩んでしまうこともあるでしょう。

  •   「データスペシャリストの難易度はどれぐらいなのだろうか…?」
  •  「データスペシャリストに合格するためには、どれだけ勉強時間を確保すべきなのだろうか?」
  •  「効率的に勉強する方法はあるのだろうか…?」 

このような悩みを抱えている方向けに、データベーススペシャリスト試験について詳しく解説していきます。

この記事を読めば、試験概要や難易度、勉強方法を理解でき、受験すべきかどうか判断できるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。

データベーススペシャリスト試験とは

データベーススペシャリスト試験とは
出典元:『情報処理推進機構 データベーススペシャリスト試験』

データベーススペシャリスト試験とは、データベースの企画・要件定義・開発・運用・保守ができる能力を認定する試験です。

経済産業省が認定する国家資格で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営しています。

■データベーススペシャリストの試験概要

試験時間、出題形式・出題数 午前Ⅰ 試験時間:9:30~10:20

出題形式:多肢選択式

出題数:30問

解答数:30問

午後Ⅱ 試験時間:10:50~11:30

出題形式:多肢選択式

出題数:25問

解答数:25問

午後Ⅰ 試験時間:12:30~14:00

出題形式:記述式

出題数:3問

解答数:2問

午後Ⅱ 試験時間:14:30~16:30

出題形式:記述式

出題数:2問

解答数:1問

試験開催日 年1回実施(秋期)
受験料 7,500円(税込)
受験資格 特になし

データベーススペシャリスト試験の出題範囲

試験は「午前Ⅰ」「午前Ⅱ」と「午後Ⅰ」「午後Ⅱ」に区分されており、出題範囲は広いです。 

データベースシステムの企画・要件定義・開発に関する範囲

データベースシステムの企画・要件定義・開発に関すること データベースシステムの計画
要件定義
概念データモデルの作成
コード設計
物理データベースの設計・構築
データ操作の設計
アクセス性能見積り
セキュリティ設計

 データベースシステムの運用・保守に関する範囲

データベースシステムの運用・保守に関すること データベースの運用・保守
データ資源管理
パフォーマンス管理
キャパシティ管理
再編成
再構成
バックアップ
リカバリ
データ移行
セキュリティ管理

 データベース技術に関する範囲

データベース技術に関すること リポジトリ
関係モデル
関係代数
正規化
データベース管理システム
SQL
排他制御
データウェアハウス
その他の新技術動向

 データベーススペシャリスト試験の合格率・難易度

データベーススペシャリスト試験の合格率・難易度

データスペシャリスト試験の合格率は15%程度です。過去3年分の試験の受験者と合格者、合格率は以下の通りとなっています。

  受験者数 合格者数 合格率
R2秋期 6,536人 1,031人 15.8%
R3秋期 7,409人 1,268人 17.1%
R4秋期 8,445人 1,486人 17.6%

 合格者の平均年齢は31歳となっています。そのため、現場でエンジニアやデータサイエンティストとして力を磨いていても勉強しなければ合格が難しいです。

難易度は高く、経験が豊富なエンジニアでも200時間は勉強しなければいけないと言われています。仕事と勉強を並行するのであれば、半年から1年程度はかかると見積もっておきましょう。

データベーススペシャリスト試験に合格するための勉強方法

データベーススペシャリスト試験に合格するための勉強方法

データベーススペシャリスト試験に合格するためには、効率的に勉強することが大切です。そのため、勉強方法について理解しておきましょう。

1.データスペシャリスト試験の攻略方法を把握する

まずは、午前試験と午後試験の出題範囲の違いを把握しておきましょう。 

  • 午前試験

ITでデータベースに関する基本知識が問われる

  • 午後試験

文章を読んで状況を頭に浮かべて、どのように設計すべきか表現できる力が問われる 

そして、データベーススペシャリスト試験の大きな特徴は、過去問と類似の問題が出てくるということです。そのため、テキストと過去問を使用して勉強していくと効率よく勉強できます。

2.テキストで基本知識を身に付ける

データベーススペシャリスト試験の攻略法を覚えたら、テキストで基本知識を身に付けていきます。

テキストは、以下の手順で読むようにしましょう。

  1.   目次を見て全体像を把握する
  2.   1周目をザックリと読む
  3.   2周目はわからない用語や概念をノートにまとめながら読む

テキストの内容が難しいと感じる方は、おすすめの参考書「徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書 令和5年度」がおすすめです。

この参考書は前編カラーで、難しい用語や概念を図解で解説しているため非常に読みやすいです。

3.午前対策として過去問をやる

テキストを読み終えたら、データスペシャリスト試験の「午後Ⅰ」「午後Ⅱ」対策として過去問を解いていきましょう。

たくさんの過去問を解きたい方は、「データベーススペシャリスト過去問道場」がおすすめです。

「データベーススペシャリスト過去問道場」は、過去の問題がたくさん出てきて、リアルタイムに採点してもらえます。

また、間違えた部分の解説が読めます。完全無料で利用できるサービスで、評判も非常に良いため、午前対策に利用してみてください。

4.午後対策として過去問をやる

同様に午後対策として、過去問をしていきます。午後対策の過去問は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の公式ホームページからダウンロードしましょう。

公式ホームページは、過去15年分の過去問がダウンロードできるようになっています。以下からもダウンロードできるようになっているため、ぜひご利用ください。

■データスペシャリスト試験の午後試験

令和4年度 午後Ⅰ 問題 解答
午後Ⅱ 問題 解答

 5.復習をする

午前と午後の過去問を解いて、自信を持って解答ができない箇所はデキストで復習するようにしましょう。テキストで勉強した上で、再度、過去問を解いていきます。

データスペシャリスト試験の合格点は60点のため、70点以上は取れるようにしておきましょう

データベーススペシャリスト試験の将来性

データベーススペシャリスト試験の将来性

データベーススペシャリスト試験は難易度が高い試験ですが、合格すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

ここでは、データベーススペシャリスト試験の将来性について解説します。

将来も安定して働くことができる

データベース技術は、将来性が高い技術です。なぜなら、ソフトウェア業界でAIやIoTが注目を集めていますが、これらのシステムにはデータベースのような情報管理ソフトウェアが欠かせません

これらの技術が普及すると同時に、インフラやデータベースの需要も伸びていきます。

現場を円滑に進めていける

システム開発の現場では、さまざまな人に会う機会があります。なぜなら、システム開発の各工程で、さまざまなエンジニアが協力し合う必要があるためです。

現場で知り合った人に、データベーススペシャリスト試験に合格している旨を伝えれば頼られる機会が増えます。

それだけでなく、密度の高い会話ができるようになり、現場を円滑に進めていけるようになります。

就職・転職がしやすくなる

データベーススペシャリスト試験は、経済産業省が認定している国家試験で知名度があります。

そのため、試験に合格しておけば、データベース技術を保有していることを証明できて、就職・転職を有利に進めていくことが可能です。

データベース技術を持っておけば、以下の職種に就けます。

  • プログラマー
  • データベースエンジニア
  • ネットワークエンジニア
  • サーバーエンジニア
  • システムエンジニア
  • Webエンジニア 

高度な技術の職種に転職すれば、年収1,000万も夢ではありません。

資格手当や合格報奨金が期待できる

データベーススペシャリスト試験に合格すれば、資格手当や合格報奨金が期待できます。

各社で異なりますが、データベーススペシャリスト試験の資格手当の相場は10,000円~20,000円/月です。合格報奨金の相場は、80,000円~100,000円と言われています

まとめ

データベーススペシャリスト試験とは、データベースの企画・要件定義・開発・運用・保守ができる能力を認定する試験です。経済産業省が認定する国家資格で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営しています。

データスペシャリスト試験の合格率は15%程度と難易度が高いですが、合格すればキャリアアップや年収アップ、就職や転職を有利に進めていくことができます。

この記事では、データベーススペシャリスト試験の勉強方法をご紹介しました。ぜひ、この記事を参考にしながら、データベーススペシャリスト試験を受験するか判断してみてください。