【2024】説明可能なAI「XAI」とは?メリットや手法、学習方法を紹介

【2024】説明可能なAI「XAI」とは?メリットや手法、学習方法を紹介

「AI」とひとことで言っても特化型AIや汎用型AI、生成AIなどその種類は星の数ほどあるのが現状。そんな種類のひとつに「説明可能なAI」と「説明不可能なAI」が存在します。

なかなか聞き馴染みがないため、それぞれどういう意味かわからない方も多いでしょう。今回の記事ではその「説明可能なAI」の概要やメリット・デメリット、主な手法や学習手段について解説します。

数ある種類のひとつとして把握し、より知見を深めるきっかけにしていただければと思います。

説明可能なAI「XAI」の概要

説明可能なAI「XAI」とは、かんたんに言うと「信頼性を向上させるためのAI技術のこと」です。

詳しく説明すると、従来のAIは人間が書いたプロンプト(命令文)をもとに処理・分析・解析を実行し、正解となる回答を生成します。

しかしAIは膨大なデータをもとに複雑な処理を行っているため、この処理・分析・解析のロジックおよび根拠を説明できないうえ、開発した人間すらもそれを明らかにすることは困難を極めます。これがいわゆる「ブラックボックス化」です。

それゆえに医療や金融をはじめとする万が一の誤処理が許されないシーンでは使用が避けられているのが現状といえるでしょう。

しかし、その処理・分析・解析のロジックおよび根拠を明確に説明できる技術「説明可能なAI(XAI)」が誕生したことで、あらゆるシーンで安心感と信頼感をもって活用できるようになったのです。

説明可能なAIの概要を一覧にまとめると、以下のようになります。

名称
  • 説明可能なAI
  • XAI
  • 信頼されるAI
メリット
  • 処理工程・根拠がわかる
  • モデルの分析・改善が容易になる
  • 信頼性の向上
デメリット
  • 研究・開発にコストがかかる
  • 処理の正確性を上げるものではない
活用例
  • 医療系AIシステム
  • 自動運転技術
  • コンサルティングサービス
  • 異常検知
  • 需要・売上予測

そもそも「AIとは何?」というところから学びたいという方は以下の記事が参考になるので、ぜひご一読ください。

【2024】AI(人工知能)とは簡単にいうと何?わかりやすい活用事例もご紹介!

「説明可能なAI」と「深層学習」の違いは?

「説明可能なAI」と「深層学習」は、そもそもの概念が違います。

「説明可能なAI」は、なぜ特定の意思決定や推論を行ったのかの根拠を説明できる技術です。システムが意思決定を行う際の信頼性を高めたり、信頼できるか否かを評価する際に重要視されています。

一方「深層学習」は機械学習の一種のことで、多層のニューラルネットワークを使用して複雑なパターンや特徴を学習するアルゴリズムです。主に画像認識、音声認識、自然言語処理で優れた性能を示しており近年のAIの発展に大きく貢献しています。

したがって説明可能なAIは透明性や理解可能性を向上させるためのアプローチ、深層学習はそのようなAIの一部を構成する技術のひとつといえます。

深層学習についてもっと詳しく知りたいという方は、以下の記事も参考になるのでぜひご一読ください。

E資格を受けてAIエンジニアになりたいなら深層学習の生成モデルを詳しく知っておこう

説明可能なAIが注目を集めている理由

「意思決定が不透明」という現状のAIの課題に対する解決策として期待されているからです。

従来の機械学習や深層学習モデルは、複雑なパターンや特徴を学習する能力が高い一方、内部の処理や意思決定プロセスがブラックボックス化しているケースが少なくありませんでした。
これにより「なぜその意思決定をしたか」を説明することが困難であり、信頼性に欠けることが課題でした。

説明可能なAIはこのブラックボックス化されたプロセスを解明し、人間が理解しやすい形で説明することが可能です。
これによりプロセスが不当なものである場合の是正、法的な責任の追及などが容易になります。

他にも説明可能性は、システムの開発や運用における信頼性を高めるためにも重要視されています。

説明可能なAIを用いるメリット

説明可能なAIを用いるメリット

説明可能なAIを用いるメリットは、主に以下のとおりです。

  1. AIの処理工程や過程が明確になる
  2. AIモデルの効果的な分析や改善が容易になる
  3. ユーザーからの不信感を払拭し信頼を得られる

それぞれ、順を追って紹介します。

メリット1.AIの処理工程や過程が明確になる

メリット1つ目は、処理工程や過程が明確になることです。

従来のモデルはブラックボックス化によって、どのように意思決定を行っているかが不明確なことが課題でした。そこで説明可能なAIを使用することにより、「どのようにデータを処理して意思決定を行ったのか」を詳細に説明することが可能になります。

これにより動作を理解できることから、開発や運用における改善点や問題点を特定しやすくなります。

メリット2.AIモデルの効果的な分析や改善が容易になる

2つ目のメリットは、モデルの効果的な分析や改善が容易になることです。

従来のブラックボックスモデルではモデルがどのように動作しているかを解明することが難しいため、改善のしようがない、もしくは極めて困難なのが現実でした。

しかし説明可能なAIの登場によって処理のロジックが明確になり、より確実な改善点を見つけ出すことが容易になりました。

これによってより効率的かつ高性能なシステムの開発を実現できるようになったこともメリットとして挙げられます。

メリット3.ユーザーからの不信感を払拭し信頼を得られる

メリット3つ目は、ユーザーからの不信感を払拭し信頼を得られることです。

従来のブラックボックスモデルでは「どのような根拠や処理工程を経てこの答えに至ったか」が不明確だったため、当然ユーザーの不信感を抱くことが度々ありました。

ですが説明可能なAIによってその工程や根拠を明確化できることから、信頼性向上によるユーザーエクスペリエンスの提供、そしてシステムの受容性や利用率アップにも繋げられることがメリットになります。

説明可能なAIを用いるデメリット

説明可能なAIは便利な半面、デメリットおよび課題も一部あります。具体的には、以下のとおりです。

  1. 研究および開発に膨大な工数やコストがかかる
  2. 「説明可能」イコール「情報が正しい」ではない

それぞれ、くわしく見ていきましょう。

デメリット1.研究および開発に膨大な工数やコストがかかる

デメリット1つ目は、研究および開発に膨大な工数やコストがかかることです。

研究や開発にはモデルの設計やトレーニング、説明生成アルゴリズムの開発など、多岐にわたる作業が必要となります。
そしてこれらを行うにも高度な専門技術者や有識者が必要であり、それに伴うコストもかさみます。

さらに運用に関しても、モデルの複雑さや計算量の増加によるコスト増大も見込まなくてはなりません。

デメリット2.「説明可能」イコール「情報が正しい」ではない

課題の1つとして、「説明可能は必ずしも情報が正しいとは限らない」ことが挙げられます。

説明可能なAIはロジックやプロセスを明確化できますが、その回答が正しいかどうかは別問題。「出力結果が正しいかどうか」を検証するためには、また別の検証やテストが必要です。

まったく間違えることのないAIは現段階では存在しません。いくら説明可能になったとはいえ、過信しすぎないよう注意が必要です。

説明可能なAIでよく用いられている2つの手法

説明可能なAIでよく用いられている2つの手法

説明可能なAIで用いられている手法は、主に以下の2つになります。

  1. Global Explanation(全体的・グローバルな説明)
  2. Local Explanation(局地的・ローカルな説明)

この章では、両者それぞれをご紹介します。

手法1.Global Explanation(全体的・グローバルな説明)

ディープラーニングなどといった複雑なモデルに対し、線形モデルや決定木といった高性能モデルを用いて予測や分析のロジックを明確にする方法です。

主にモデルやデータの大部分だったり、全体的な傾向を明確にしたいときによく用いられています。

また動作を簡潔に説明することができるため、ユーザーや開発者が意思決定プロセスを理解しやすくなる点もメリットです。

手法2.Local Explanation(局地的・ローカルな説明)

特定のデータや部分的な結果など、狭く局所的な部分の分析・解析を行い、中身を明確化する方法です。

モデル全体の傾向や大部分ではなく、主にデータの特定の部分のロジックを確かめたい際に役立てられています。

説明可能なAIを学習するための手段

説明可能なAIの学習には、以下のような手段がおすすめです。

  1. 書籍を購入する
  2. インターネットや動画で学ぶ
  3. オンラインセミナーや講座を活用する

それぞれ見ていきましょう。

学習手段1.書籍を購入する

書籍は基本から応用まで幅広い内容を体系的に学習するのに最適です。理論や技術を体系的に習得できるだけでなく、著者の知識や経験を学ぶこともできます。

また自分のペースで学習できる点もメリットですが、最新の技術動向には対応していない場合もあります。そのため、他の情報源と併用することがおすすめです。

学習手段2.インターネットや動画で学ぶ

Web上には多くの無料や有料の学習リソースがあるので、それらを活用するのもひとつの手段です。たとえばYouTubeやUdemyなどのオンラインプラットフォームでは、有識者による説明や実演を通じて基礎から応用まで学ぶことができるでしょう。

またブログやSNSも常に最新の動向を反映しており、実践的な知識やヒントを得ることができます。ただ発信者の信頼性や情報の質には注意が必要です。

学習手段3.オンラインセミナーや講座を活用する

AIプロフェッショナル人材育成コース

オンラインセミナーや講座を活用することで、専門家や業界の第一人者から直接的な指導を受けることが可能になります。書籍やネットに比べるとお金がかかるものの、圧倒的な効率による大きな学習時間の短縮が見込めます。

中でもAI研究所が運営する「AIプロフェッショナル人材育成コース」は、最速3日間でAIプログラミングのプロを目指せる内容になっています。現場で使われる実践的な技術を凝縮したカリキュラム構成によって、まったくの初学者でも確実に即戦力になれることが特徴。

「説明可能なAI」のような高度な技術を独学で習得するのは簡単ではないので、ぜひプロのカリキュラムとサポートを検討してみてはいかがでしょうか。

AIプロフェッショナル人材育成コースのスケジュール/お申し込みはこちらから

まとめ

「説明可能なAI」は、これまで説明不可能だった処理や分析・解析のロジックや根拠を説明できるようにしたAI技術です。この技術の登場によって重要かつ大規模なシーンでも、ユーザーの大きな安心感・信頼感を得られるようになりました。

とはいえ「説明可能なAI」は、あくまで処理・解析のロジックや根拠を明確にするもの。万が一誤情報を生成した際にロジックを説明できること、そしてモデルの処理性能のさらなる向上を大きく助けることがメリットです。

まったく間違えることのないAIは現段階では存在しません。いくら説明可能とはいえ、過信しすぎることなく節度をもって活用することをおすすめします。

AIプロフェッショナル人材育成コースの詳細はこちら