E資格のシラバスが改定されました。2022年8月試験(E2022#2)から出題範囲が大きく変わり、ライブラリを活用した実装問題も取り上げられるようになりました。
大きな変更となるため、E資格を受験する方はチェックしておきましょう。
ここでは、E資格のシラバスの改定内容について詳しく解説します。
E資格シラバスが改定される理由
E資格シラバスは、1年〜2年に1回改訂されています。
その理由は、一般社団法人ディープラーニング協会は、ディープラーニングを実装できるエンジニアの育成を目指しており、進化し続けているテクノロジーに対応できる人材を輩出することを目標に掲げているためです。
近年、ディープラーニングは自然言語処理をはじめ、画像認識や音声認識など、あらゆる場面で使われるようになってきました。
これらを実装できる人材を輩出するために、定期的にシラバスを改定しています。
そのため、E資格の受験を検討している方は、試験問題の範囲を確認するようにしましょう。
E資格シラバス
2022年8月試験(E2022#2)のシラバスは以下の通りです。
1.数学
(1)確率・統計
一般的な確率分布 | ベルヌーイ分布 |
多項分布 | |
ガウス分布 | |
ベイズ則 | ベイズ則 |
(2)情報理論
ベイズ則 | ベイズ則 |
2.機械学習
(1) 機械学習の基礎
学習アルゴリズム | 教師あり学習 |
教師なし学習 | |
半教師あり学習 | |
転移学習 | |
機械学習課題 | 能力、過剰適合、過少適合 |
次元の呪い | |
ハイパーパラメータ | |
検証集合 | 学習データ、検証データ、テストデータ |
ホールドアウト法 | |
k-分割交差検証法 | |
最尤推定 | 条件付き対数尤度と平均二乗誤差 |
(2) 実用的な方法論
性能指標 | |
ハイパーパラメータの選択 | 手動でのハイパーパラメータ調整 |
グリッドサーチ | |
ランダムサーチ | |
モデルに基づくハイパーパラメータの最適化 |
(3) 強化学習
方策勾配法 | |
価値反復法 |
3.機械学習
(1) 順伝播型ネットワーク
全結合型ニューラルネットワーク | |
損失関数 | 最尤推定による条件付き分布の学習 |
活性化関数 | シグモイド関数 |
Softmax関数 | |
ReLU, Leaky ReLU | |
tanh | |
誤差逆伝播法およびその他の微分アルゴリズム | 計算グラフ |
微積分の連鎖率 | |
誤差逆伝播のための連鎖律の再起的な適用 | |
シンボル間の微分 | |
一般的な誤差逆伝播法 |
(2) 深層モデルのための正則化
パラメータノルムペナルティー
|
L2パラメータ正則化 |
L1正則化 | |
データ集合の拡張 | Rnadom Flip・Erase・Crop・Contrast・Brightness・Rotate, MixUp |
ノイズに対する頑健性 | 出力目標へのノイズ注入 |
マルチタスク学習 | |
早期終了 | |
スパース表現 | |
バギングやその他のアンサンブル手法 | |
ドロップアウト |
(3)深層モデルのための正則化
学習と純粋な最適化の差異 | バッチアルゴリズムとミニバッチアルゴリズム |
基本的なアルゴリズム | 確率的勾配降下法 |
モメンタム | |
パラメータの初期化戦略 | |
適応的な学習率を持つアルゴリズム | AdaGrad |
RMSrop | |
Adam | |
最適化戦略とメタアルゴリズム | バッチ正規化 |
Layer正規化 | |
Instance正規化 | |
教師あり事前学習 |
(4)深層モデルのための正則化
畳み込み処理 | |
プーリング |
(5) 回帰結合型ニューラルネットワークと再帰的ネットワーク
回帰結合型のニューラルネットワーク | |
双方向 RNN | |
Encoder-Decoder と Sequence-to-Sequence | |
長期依存性の課題 | |
ゲート付きRNN
|
LSTM |
GRU | |
長期依存性の最適化 | 勾配のクリッピング |
Attention |
(6) 生成モデル
識別モデルと生成モデル | |
オートエンコーダ
|
VAE |
VQ-VAE | |
GAN
|
DCGAN |
Conditionnal GAN |
(7) 深層強化学習
深層強化学習のモデル | AlphaGo |
A3C |
(8)グラフニューラルネットワーク
グラフ畳み込み |
(9) 深層学習の適用方法
画像認識
|
GoogLeNet |
ResNet, WideResNet | |
DenseNet | |
EfficientNet | |
画像の局在化・検知・セグメンテーション
|
FasterR-CNN |
YOLO | |
SSD | |
MaskRーCNN | |
FCOS | |
自然言語処理
|
WordEmbedding |
Transformer | |
BERT | |
GPT-n | |
音声処理
|
WaveNet |
サンプリング、短時間フーリエ変換、メル尺度 | |
CTC | |
スタイル変換 | pix2pix |
(10) 距離学習(Metric Learning)
2サンプルによる比較 | SiameseNet |
3サンプルによる比較 | TripletLoss |
(11) メタ学習(Meta Learning)
初期値の獲得 | MAML |
(12) 深層学習の説明性
判断根拠の可視化 | Grad-CAM |
モデルの近似 | LIME |
SHAP |
4.機械学習
(1) ミドルウェア
深層学習ライブラリ |
(2)エッジコンピューティング
軽量なモデル | MobileNet |
モデルの軽量化
|
プルーニング |
蒸留 | |
量子化 |
(3) 分散処理
モデル並列 | |
データ並列 |
(4) アクセラレータ
デバイスによる高速化 | GPU |
(5) 環境構築
コンテナ型仮想化 | Docker |
E資格シラバスの改定内容
2022年8月試験(E2022#2)より、E資格シラバスが改定されました。
ここでは、主な変更点について解説していきます。
応用数学
応用数学では、線形代数が出題形式から削除されました。
線形代数とは線形空間と線形変換を中心とした理論を研究する代数学の一分野です。
線形代数は数字の行列を扱う学問で、画像処理技術や統計学に役立てられています。
数多くの技術が線形代数の恩恵を受けており、ディープラーニング技術もその1つです。
E資格の試験問題として出題されなくなりましたが、線形代数を覚えておかなければ、ディープラーニングの実装は難しくなります。
最低知識として必要になるため、線形代数についても学んでおくことが大切です。
機械学習
機械学習では、機械学習の基礎が出題形式から削除されました。
これまで、機械学習の方法「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の枠組みを理解しているかが試験で問われましたが、今後は試験問題に出ません。
しかし、機械学習の枠組みを理解していないと、どのようなディープラーニングを実装すべきか判断できなくなります。
E資格に合格するためにも機械学習の基礎を身に付けておくことが大切です。
また、機械学習ライブラリPyTochやTensorFlowを活用した実装問題も出てきます。
深層学習
深層学習では、深層モデルに関する基礎知識(深層モデルのための最適化や畳み込みネットワーク)が出題形式から削除されました。
その一方で深層モデルをどのように活用していくかの応用知識が問われるようになりました。
「画像認識」「画像の局在化・検知・セグメンテーション」「自然言語処理」「音声処理」などです。
また、「距離学習」や「メタ学習」も試験範囲となるなど、より実践的な問題が問われるようになりました。
環境構築
環境構築では、仮想化技術の1つであるコンテナ型仮想化が出題範囲となりました。
コンテナ型とは、アプリケーション環境をコンテナという独立空間で構築する技術のことをいいます。
最大の特徴はゲストOSを必要としないことです。
コンテナ管理ソフトウェアDockerなどについて出題されます。
E資格の最新シラバスに対応した「AI研究所 E資格対策講座」
2022年8月試験(E2022#2)から、応用技術や実践力が問われるようになりました。
E資格の試験勉強に不安を抱える方は、「AI研究所 E資格対策講座」を受講してみてください。
ここでは、AI研究所 E資格対策講座の魅力をご紹介します。
好みの受講形式を選択できる
AI研究所 E資格対策講座であれば3つの受講形式からお好みのものを選べます。
- 会場受講:講師と受講生と同じ会場で試験勉強ができる
- ライブウェビナー:オンライン形式で場所を問わずに講座を受講できる
- Eラーニング:自分のペースで試験勉強ができる
多くのE資格対策講座では「会場受講」「ライブウェビナー」が用意されていません。
そのため、講師や仲間と一緒に試験勉強を頑張りたいという方におすすめです。
最短4日でJDLA認定プログラム修了証が取得できる
AI研究所 E資格対策講座は、最短4日でJDLA認定プログラム修了証が受講できます。
JDLA認定プログラム終了証とは、E資格の受験資格となるものです。
他の講座では、100時間のオンライン学習講座を修了しなければいけないなど、JDLA認定プログラム修了証を取得するまで時間がかかります。
その一方で、AI研究所のE資格対策講座であれば最短4日で取得が可能です。
そのため、次のE資格の試験日までにJDLA認定プログラム修了証を取得しておきたいという方におすすめです。
リーズナブルな料金体系
AI研究所はリーズナブルな料金体系を実現しました。
キャンペーン期間中に申し込んでいただければ、低価格で受講することも可能です。
通常価格(税込) | キャンペーン価格(税込) | |
会場受講 | 206,800円 | 138,000円 |
ライブウェビナー | 206,800円 | 138,000円 |
eラーニング | 184,800円 | 78,000円 |
まとめ
E資格のシラバスは2022年8月の試験から出題範囲が変わりました。
基礎問題を身に付けておき、応用問題に取り組めるようになっておかなければいけません。
また、ライブラリを活用した実装問題を出題範囲となりました。
この記事を読んで、E資格の試験勉強に不安を感じた方は、E資格対策講座など最新シラバスに対応した講座を受験するようにしましょう。
AI研究所のE資格対策講座は、受講者のお好みの受講形式で試験勉強が始められます。
料金体系もリーズナブルなため、ぜひ、ご検討してみてください。