統計検定2級とは?試験概要や難易度、勉強方法まで徹底解説

統計検定2級とは?試験概要や難易度、勉強方法まで徹底解説

統計検定2級を受験しようと思っているけれど、3級から2級になると難易度が上がると聞いて不安に感じていませんか?

統計検定2級に合格するためには、どのような勉強をすればよいのだろうかと悩んでいませんか?

そのような悩みを抱えている方向けに、統計検定2級の概要、合格するための勉強方法を解説します。

この記事を読めば、統計検定2級の勉強方法までわかるため、ぜひ参考にしてみてください。

統計検定2級とは

統計検定2級とは

統計検定2級とは、統計に関する知識や活用する能力を持っていることを証明するための資格です。

大学基礎科目レベルの統計学の知識と習得度を証明できます。データに基づいて客観的に判断し、問題を解決していく能力は仕事で必要なスキルだと国際的に認められています。

このような背景から、日本統計学会が統計活用力を持つ人材を輩出するために2011年度から認定試験を開催され始めました。 

■統計検定2級の試験概要

受験資格 特になし
受験料 一般価格:7,000円(税込)

学割価格:5,000円(税込)

試験の開催日 随時受付
試験問題数 35問程度
試験時間 90分
試験の出題形式 選択問題
試験の合格水準 60点/100点

 統計検定2級の試験問題

統計検定2級の試験問題

統計検定の試験問題の出題範囲は、10分野に分類できます。

大学の基礎科目レベルの問題が出題されます。

データソース 身近な統計
データの分布 データの分布の記述
1変数データ 中心傾向の指標
散らばりなどの指標
中心と散らばりの活用
2変数以上のデータ 散布図と相関
カテゴリカルデータ
データの活用 単回帰と予測
時系列データの処理
推測のためのデータ収集法 観察研究と実験研究
標本調査と無作為抽出標
実験
確率モデルの導入 確率
確率変数
確率分布
推測 標本分布
推定
仮説検定
線形モデル 回帰分析
実験計画の概念の理解
活用 統計ソフトウェアの活用

統計検定2級の難易度・勉強時間

統計検定2級の難易度・勉強時間

統計検定2級は、難易度がやや高いです。日本統計学会が発表している試験データによると、2級の合格率は34.1%となっています。 

■2021年6月度の試験データ(PBT方式)

申込者数 979名
受験者数 731名
合格者数 249名
合格率 34.1%

出典元:『受験データ|統計検定:Japan Statistical Society Certificate (toukei-kentei.jp)

統計検定4級の合格率は72.8%、3級の合格率は75.6%と高いため、より高い級の合格を目指す方は難しく感じてしまうでしょう。

しかし、2級の受験者は、18歳から20歳の方が多く受験しているため合格率が下がっています。仕事で統計学を取り扱っている人は、難易度が易しく感じるかもしれません

一般的には50~80時間の勉強時間を確保できれば合格できると言われています。

統計検定2級の勉強方法

統計学2級に合格するためには試験勉強が欠かせませんが、どのような手順で勉強するかで習得度が変わります。

そのため、効率的に勉強していく方法を覚えておきましょう。ここでは、統計検定2級の勉強方法をご紹介します。

1.テキストの目次を見て全体像を把握する

最初に統計学2級のテキストの目次を見て全体像を把握していきます。

最初に全体を把握することで、自分が勉強している箇所はどこに該当するかを把握しながら勉強を進めていけるようになります。

全体を把握しないで勉強を進めると、どこを勉強しているんだろうと迷子になってしまいかねません。最悪の場合、試験日までに全ての項目を勉強できないという事態になります。

このような問題を起こさないためにも、テキストの目次を見ておきましょう。

2.テキストを一周読んでおく

テキストの目次を見て全体像を把握したら、日本統計学会認定の公式テキストを一周流し読みしましょう。

スキルアップのために統計検定を受験するため、テキストを読んでも理解できない内容が出てくるかもしれません。そのような場合でも気にせず流し読みをしてください

大切なことは、どのようなことを学ぶかを理解することです。

3.テキストの内容をノートにまとめる

次にテキストの内容をノートにまとめていきます。

ノートにまとめるときは、重要な箇所を抜粋して書くようにしましょう。統計学のテキストでは、複雑な数式が出てくることが多いです。

そのため、複雑な数式が出てきたら「何のために使うものか」をまとめておくと、よく理解できるようになります。

また、公式テキストが難しいと感じたら、やさしく紐解いているテキストを一緒に読むようにしましょう。そうすることで、統計学の理解が深まります。

4.過去問題集を解いてみる

テキストを読み終えたら、過去問題集を解いてみましょう。

過去問題集の答え合わせをするときは、以下のように記録をしていきます。 

  • 自信を持って正解できた:◎
  • 自信はないが正解できた:〇
  • あやふやな状態で間違えてしまった:△
  • 全然分からずに間違えた:×

5.苦手な分野をおさらいする

過去問題集を解いてみて、苦手な分野が把握できたらおさらいをしていきます。

復習をする場合は、全然分からずに間違えたというものから、おさらいをしていきましょう。このように苦手な分野の優先順位を上げていくと、試験日までに万全な体制を整えられるようになります

6.過去問題で70点を取れるようにする

苦手な分野をおさらいしたら、統計検定の試験本番と同様に過去問を解いてみましょう。

統計検定の合格水準は、60点と言われています。そのため、試験問題を何度も解いて、70点以上は問題なく採れるような状態にしておきましょう。

過去3年間の試験問題が収録された問題集『日本統計学会公式認定 統計検定2級 公式問題集[2018~2021年]』がおすすめです。

また、公式ホームページには1回分の過去問PDFがダウンロードできるようになっています。

以下から、2021年6月の過去問PDFがダウンロードできるようになっているため、ぜひ挑戦してみてください。

統計検定2級の勉強におすすめの本

統計検定の勉強方法をご紹介しましたが、どのような本を活用するかで合格できるかが変わってきます。

ここでは、統計検定2級の勉強におすすめの本をご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

統計学基礎

統計学基礎
出典元:『Amazon』

統計学基礎は、日本統計学会認定の公式テキストです。

テキストを読めば、大学基礎科目としての統計学の知識と問題解決能力を習得することができます

中学生や高校生レベルの数学力の人でも理解できるレベルから、体系的に統計学を学んでいけます。

書籍名 統計学基礎
著者 田中豊、中西寛子、姫野哲人、酒折文武、山本義郎
出版社 東京図書
価格 2,420円(税込)

統計検定2級公式問題集

統計検定2級公式問題集
出典元:『Amazon』

統計検定2級公式問題集は、日本統計学会公式認定の過去問題集です。

分野・項目別の問題が掲載されているページと模擬テストのページがあります。

CBT方式試験の出題範囲と出題形式に乗っ取って問題・解説が収録されているため、統計検定2級の問題集を探している方は一冊購入しておきましょう。

書籍名 日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[CBT対応版]
著者 日本統計学会
出版社 実務教育出版
価格 2,200円(税込)

完全独習 統計学入門

完全独習 統計学入門
出典元:『Amazon』

完全独習 統計学入門は、小難しい数式や分布をなぜ使うかをストーリー形式で丁寧に解説しているテキストです。

どのような目的で数式を利用するかを解説した上で、数式の勉強が始められるため、理解しやすいと高く評価されています。

日本統計学会公式認定のテキストの内容が難しいと感じた方からも評価されています。 

書籍名 完全独習 統計学入門
著者 小島寛之
出版社 ダイヤモンド社
価格 1,980円(税込)

統計学のための数学教室

統計学のための数学教室
出典元:『Amazon』

統計学のための数学教室は、統計学を学ぶ前に中学数学や高校数学を学び直したい方におすすめのテキストです。

このテキストの魅力は、統計学に必要な中学数学、高校数学を抜粋して紹介しているところです。そのため、数学を効率的に学び直したいという方であれば満足できるでしょう。

書籍名 統計学のための数学教室
著者 永野裕之, 岡田謙介
出版社 ダイヤモンド社
価格 単行本:2,640円(税込)

Kindle:2,376円(税込)

【超入門・初心者向け】データ分析の先生! 文系の私に超わかりやすく統計学を教えてください!

【超入門・初心者向け】データ分析の先生! 文系の私に超わかりやすく統計学を教えてください!
出典元:『Amazon』

【超入門・初心者向け】データ分析の先生! 文系の私に超わかりやすく統計学を教えてください!は、統計学が簡単に習得できるわけがないと解説した上で、社会人としっておくべきデータとの向き合い方がまとめられているテキストです。

最終的に統計学で利用する回帰分析、重帰分析まで理解できるようになっています。文系出身の人が「もっとデータや統計について理解を深めたいという内容になっています。 

書籍名 【超入門・初心者向け】データ分析の先生! 文系の私に超わかりやすく統計学を教えてください!
著者 高橋信
出版社 かんき出版
価格 1,650円(税込)

まとめ

統計検定2級を取得できれば、大学基礎科目レベルの統計学の知識と習得度を証明できます。

データに基づいて客観的に判断し、問題を解決していく能力は仕事で必要なスキルだと国際的に認められているため、就職や転職を有利に進めていけるでしょう。

しかし、統計検定2級の合格率は34.1%と高くありません。この記事では、統計検定2級に合格するための勉強方法、おすすめ書籍をご紹介しました。

この記事を読みながら、ぜひ統計検定2級の受験勉強を始めてみてください。